日本の就職、失業問題と 雇用保険 2311207 湯澤脩平 若者の就職問題 正社員として就労しないフリーターや、働く意識の低い ニートの多くは私たちと同世代の人たちであり、身近 に存在する。その同世代の若者たちが、今後さら増加 すると、日本の将来に悪影響を及ぼすことになる。 一般労働市場での年齢別の求人求職状況で数値上 のバランスを見る限り、中高年齢者の就職はきわめて 厳しく、一方、若年者のそれは恵まれているといえる。 しかし、たとえば、新規学校卒業者は、むしろ、従前か ら労働市場で弱い立場にあるといってよいというのが 実態である。 ニートとは 「Not in Education, Employment or Training」の頭文 字をとってNEET と称し、英国で生まれた言葉である。 1999年にイギリスの政府機関・社会的排除防止局 が作成した調査報告書の中にある一文「Bridging the Gap: New Opportunities for 16-18 years olds not in education, employment or training」(日本語訳 「ギャップを埋める:教育、雇用、職業訓練に参加し ていない 16〜18歳の若者に対する新しい機会」)の 「not in education, employment or training」という部 分の頭文字を取り、「NEET」と略したものが始まりで ある。 OECD諸国の若年者人口におけるNEET割合 2011年 オランダ 4.1 デンマーク 5.7 アイスランド 5.9 スイス 6.8 スウェーデン 6.8 オーストリア 6.8 スロベニア 7.4 ルクセンブルク 7.9 フィンランド 8.6 ノルウェー 9.2 ドイツ 9.5 日本 10.1 カナダ 10.5 チェコ 11.0 エストニア 11.0 ポーランド 11.1 オーストラリア 11.4 フランス 12.0 ポルトガル 12.8 EU27ヶ国 13.2 イギリス 13.4 ハンガリー 13.8 ニュージーランド 14.4 アメリカ 14.8 スロバキア 15.6 ベルギー 16.0 OECD諸国 16.4 アイルランド 17.6 スペイン 17.6 ギリシャ 18.2 イタリア 19.5 メキシコ 22.7 トルコ 30.0 OECD諸国とは OECD(Organisation for Economic Cooperation and Development) 経済協力開発機構は、ヨーロッパ、北 米等の先進国によって、国際経済全般 について協議することを目的とした国 際機関。本部はパリに置かれ、公用語 は英語とフランス語。「先進国クラブ」と も呼ばれる。 ニートの種類 • ニートは4つのタイプに分類される。 • 反社会的で今が楽しければいいというヤン キー型。 • 社会との関係を築けず、こもってしまう引きこ もり型。 • 就職を前に考え込んでしまい、いきづまってし まう立ちすくみ型。 • いったんは就職したものの早々に辞め、自信 を喪失したつまづき型である。 ニートから抜け出すには • • • • • きっかけが必要 いろんな情報を知る 自分から自分の考え方を変える 行動を起こす 目標を立てる 就職問題の対策 • 継続雇用制度(再雇用制度)を導入 • 希望者全員(あえて選定基準を設けず)を再 雇用 • 給料は大幅にカット(年金と雇用保険を最大 活用) • 労働は、短時間勤務 または、隔日勤務 失業問題 失業が発生する原因 ・働く場所がない ・働く場所にいけない ・働く場所が潰れた ・働きたい場所がない 失業の種類 構造的失業 労働者の需要に対し、労働供給が多すぎるた めに生じる失業 摩擦的失業 企業間競争によって生じた失業者が自分と適し た職探しを行う時間が掛かるために発生する失 業。一時的な失業とされている 循環的失業 景気の変動に伴って生じる失業で、需要不足 失業とも呼ばれる 失業の種類(2) 季節的失業 季節的要因により発生する失業 潜在的失業 仕事に就きたいと思っているが適当な仕事がない という理由から、仕事を探すことをやめる失業 自発的失業 自己の意思により失業を選択している、あるいは より良い労働条件を求めて自分の意思で失業する こと 非自発的失業 現行の賃金で就職を望んでいるにもかかわらず、 自ら望まない形で失業していること 失業問題の対策 • 働く場所がない、もしくは少ないのは、単純に商 工業地区を作れば解決します。 • 働く場所が潰れたというのは、働いていた商工 業施設がなくなったか、廃墟化したかですが、こ れはなぜ廃墟化したかが問題。 • 働きたい場所がない。 住人は、単に商業地区や工業地区が近くにあれ ば、そこに働きに行くと言うような単純な考えで 仕事を選んではいません。 産業側も、近くの住人を手当たり次第に雇用す るわけではありません。 雇用保険とは 社会保険の一つ。 失業給付(基本手当)のほか 雇用安定・雇用改善・能力開発・雇用福祉を 目的として、事業主および 労働者が加入する保険。 従来の失業保険に代わって 昭和50年(1975)に発足。 沿革 • 1974年には失業者の生活の安定、および三事業(雇 用改善事業、能力開発事業、雇用福祉事業)を目的と して、「雇用保険法」が制定される。 • 1977年には「雇用保険法等の一部を改正する法律」 により、雇用改善事業に代わって雇用安定事業が規 定される。 • 1984年にはパートタイム労働者への雇用保険適用拡 大 • 1994年には、雇用継続給付の創設 • 1998年には、教育訓練給付や介護休業給付の創設 • 2007年「雇用保険法等の一部を改正する法律」により、 雇用福祉事業が廃止され、三事業は二事業となった。 一般被保険者 • 一般被保険者とは、雇用保険適用事業に雇用されて いる者 • 一般被保険者が受給権を得るためには、原則、「離職 前の2年間において、賃金支払いの対象となった日が 11日以上ある完全な月が12ヶ月以上あること」が必要 である。ただし、「倒産」、「事業主都合による解雇」、 「正当な理由のある自己都合」、「契約期間満了により 離職した者で、契約更新を希望していたにも関わらず 契約更新がされなかったことにより離職した者」は、賃 金支払いの対象となった日が11日以上ある完全な月 が12ヶ月以上ない場合であっても、離職前の1年間に おいて、賃金支払いの対象となった日が11日以上あ る完全な月が6ヶ月以上ある場合については受給資 格を得ることができる。 高年齢継続被保険者 • 高年齢継続被保険者とは、65歳未満で雇用 され、現在65歳以上になっている労働者をい う。 • 高年齢継続被保険者が受給権を得るために は、原則、「離職前の1年間において、賃金支 払いの対象となった日が11日以上ある完全 な月が6ヶ月以上あること」が必要である。な お、離職の理由は問わない。 短期雇用特例被保険者 短期雇用特例被保険者とは、季節的に雇用さ れている労働者などをいう。雇用対策としての 観点から特例として被保険者となる。 原則、「離職前の1年間において、賃金支払い の対象となった日が11日以上ある月(完全な月 でなくともよい)が6ヶ月以上あること」が必要で ある。 日雇労働被保険者 日雇労働被保険者とは、日々雇用さ れる者、または、30日以内の期間を 定めて雇用される労働者(日雇い労 働者)のうち、適用区域に居住または 雇用される労働者をいう。 失業等給付 • 雇用保険の保険給付には、求職者給付、就 職促進給付、雇用継続給付、および教育訓 練給付の4つの体系があり、歴史的に見ても この順番に創設されてきた。なお、雇用保険 法における失業とは、被保険者であった者が 離職し、労働の意思および能力有するにもか かわらず、職業に就くことができない状態で あるこという。 求職者給付 • 求職者給付は、失業した労働者が求職活動 できるように生活の安定と再就職のために技 能の習得を図ることを目的とした保険給付で ある。被保険者区分に応じてその給付形態 が異なり、一般被保険者は基本手当と技能 習得手当、寄宿手当、傷病手当を、高年齢継 続被保険者は高年齢求職者給付金を、短期 雇用特殊被保険者は特例一時金を、そして、 日雇労働被保険者は日雇労働求職者給付 金を、それぞれ受給する。 就職促進給付 • 就職促進給付は、求職者給付受給 中の失業者が早く再就職できるよう に促し、支援することを目的とした制 度である。就業促進手当、移転費、 および広域求職活動費の3種類が ある。 雇用継続給付 • 失業保険は、一般に労働者が失業状態に 陥った後に事後的に対策を講じる制度である が、雇用保険の雇用継続給付は、我が国の 労働市場が持つ固有の構造的失業の原因を 分析し、それに対して予防的に対策を立てよ うとする試みである。 • 現在、雇用継続給付には、高年齢雇用継続 給付、育児休業給付、および介護休業給付 の3つがある。 教育訓練給付 • 教育訓練給付は、労働者の主体的 な能力開発の取り組みを支援し、雇 用の安定と再就職の促進を図るた めに、労働者が自費で教育訓練を 受けた場合にその受講費用の一部 を教育訓練給付金として意休する制 度である。
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