大学研究室に思い違い 高いつもりで低い教養、低いつもりで高い気位 厚いつもりで薄い人情、薄いつもりで厚い面の皮 有るつもりで無い知識、無いつもりで有る先入観 多いつもりで少ない努力、少ないつもりで多い運 堅いつもりで軽い口、軽いつもりで重い腰 有るつもりで無い気力、無いつもりで有る体力 有るときに使わない予算、要るとき出ない計画 近いようで遠い学内、遠いようで近い学外 中小企業説、商店街説、表と裏の世界、たてまえと本年、誹謗中傷、 無責任の世界、言い訳の世界、虚の世界、苛めの世界 Non Frank & Non Honest 平成17年度集中講義レポート 材料工学科B4 (担当; 新原) 平成8月8日-9日(於:長崎大学総合教育研究棟2F208号 室) 問題1 脆性破壊を示すセラミック材料に関して、①高強度化の基本的な 考え方方について述べ、②高靭性化機構を分類し、③最も有効と考 える高靭化機構を1つ選び、その機構を図面化して説明してくださ い。 問題2 ナノコンポジット材料に関して以下の問いに答えてください。 1) ナノ粒子の役割は何か? 2) 多機能化が可能な理由は? 3) 分子、格子レベル複合材料の可能性は? 問題3 5-10年後の世界で不可欠な材料を予測してみてください。 新しい物質の化学 長岡技術科学大学 極限エネルギー密度工学研究センター 新原 晧一 1) 2) 3) 4) 5) 6) セラミックスの破壊と設計 21世紀材料の開発戦略 ナノコンポジット インターマテリアル、高次機能調和材料 格子、分子、ナノレベル複合材料 まとめ ・人と物 人の道、学術の道、材料の道、 ・独創、3I、戦略、戦術 ・産学連携、ベンチャー セラミックスの材料設計 セラミックスの脆さを克服する 新しい構造と機能を持つセラミックスの開発 (知識を習得し、博学になるではなく、技術科学の本質) 1. はじめに (Creation, Invention, Innovation, Intuition) 2. セラミックスの破壊の特徴 3. セラミックスの材料設計 (a) セラミックスの破壊条件 (b) 製造プロセス-微構造-性質の相関 4. セラミックスの脆性の克服 5. 高強度セラミックスの開発 6. 新しいセラミックスの開発指針 7. 将来展望 材 料 金属材料 高分子材料 セラミックス セラミックス材料 金属 - 非金属(Al2O3, ZrO2, TiC, TiN ) 半金属 ミ 非金属(Si3N4, SiC, BN ) 多種類 - 多機能 新しい第3の素材として注目 (エネルギー、地球環境、情報通信、生体) セラミックスの機能別分類 機能材料 構造材料 電気、磁気、光学、触媒 Al2O3, SiO2, Si3N4 YAG, BaTiO3, PZT等 機械的、熱的特性 ガスタービン、エンジン等 Si3N4, SiC, ZrO2等 構造材料としてのセラミックス 酸化物 Al2O3, ZrO2(TPZ), MgO 炭化物 SiC, WC, TiC, B4C) 窒化物 Si3N4,AlN,TiN) 酸窒化物 Si3N4-AlN-Al2O3 (Sialon) 複合材料 (Si3N4, SiC, Al2O3)-ZrO2 セラミックスの特徴 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 高融点 化学的安定性 (酸化/腐食/耐薬品) 高硬度 (マサツ/マモウ) 高ヤング率(変形しない) 高い圧縮強度 耐クリープ抵抗 高温高強度 セラミックスの問題点 脆い(KICが小) 傷に敏感 破壊は破局的 機械衝撃 難加工 性質/機能の変動 セラミックス(脆性材料)の破壊 瞬間的破壊 遅れ破壊(寿命) ・外応力(機械的応力) 静的 ⇨ 破壊強度 動的 ⇨ 衝撃強度 ・外応力 疲労破壊 クリープ破壊 ・熱応力 静的 ⇨ 熱衝撃破壊 動的 ・熱応力 疲労破壊 クリープ破壊 ・内部応力 ・内部応力 材料の破壊 材料に応力を加えるとまず変形し、 次にそれが一定値をこえると破壊する。 力と応力 ・力(Kg P ← →P ・応力(Kgf/㎟) σ← →σ 応力(σ)= 力/面積 = P/A 1. 延性破壊(金属) 2. 脆性破壊(セラミックス) 材料の変形と破壊 σ = E ・ε 応 力 σ 塑性変形 応 力 σ 弾性変形 0 歪(ε) E : ヤング率 弾性変形 0 歪(ε) セラミックスの強度論 理想強度 実用強度 化学結合強度 エネルギー平衡論 σ σth = (γE/a)1/2 =10000MPa(10GPa) a : 原子間距離 : Å,10-10m, 10-4μm γ: 表面エネルギー σ σc=1/Y(2Eγ/C)1/2 =100〜1000MPa C : 材料の欠陥 σc=(1/Y)(KIC/c1/2) KIC=(2Eγ)1/2 :mm, μm, サブμm (傷、き裂、クラック) 強度の線形破壊力学的アプローチ z σij={KI/(2πr)1/2}f(θ) (KI=Yσc1/2 ) (KI:応力拡大係数) σc=(1/Y)(KIC/c1/2) KIC=(2Eγ)1/2 σc=(1/Y)(KIC/c1/2) (KIC:臨界応力拡大係数, 破壊靭性) クラック先端での応力集中 応力線(クラック先端での応力の集中) 遅れ破壊 (亀裂の臨界応力以下での進展挙動) KI<KIC (σ<σc) KI<KICでも亀裂のゆっくりした成長がある !" 拡 散 律 速 き 裂 の 速 度 (v ) 反 応 律 速 K IS C K V=AKIn I K IC 亀裂成長の原因 V=AKIn ① 水の応力腐食 ② 粒界の辷り ③ 粒界でのCavity生成 ④ 原子の拡散 ②と③:粒界の低融点の不純物相が原因 :製造プロセス ②〜④:高温で生じる 亀裂の成長(寿命予測技術) ci 加重開始 c1 1 00 0h K I 1 = Y σC 1 1 / 2 < K IC c2 1 00 00 h T K I i = Y σC i 1 / 2 < K I C σ K I 2 = Y σC 2 1 / 2 = K I C 高温強度 σc=(1/Y)(KIC/c1/2) セラミックスの遅れ破壊 拡散律速 き 裂 の 速 度 (v ) 反応律速 K IS C KI K IC ci 加重 開始 c1 1 00 0h c2 1 00 00 h σ = Y σC 1/2 i K Ii K I1 = Y σC 1 K I2 = Y σC 2 < K IC 1/2 < K 1/2 = K IC IC 圧縮 引張り (a)急冷 (b)加熱 熱応力破壊現象 クラック大 クラック小 (低強度) 強 度 強 度 ΔT c ΔT c' ΔT c(ΔT c') 熱応力による破壊 熱応力による瞬間破壊 1. 熱衝撃破壊 △ T ≧△Tc, K1≧K1c (σth≧σc) a) 熱衝撃破壊抵抗(R,R') ・き裂の成長による強度減少が問題 ・き裂を成長させない R=/ σc Eα, R=σc k/Eα b) 熱衝撃損傷抵抗 ・き裂の成長による強度減少より 損傷が問題 ・き裂の成長を少なくする R'''=Eγ/σc2 σth = E・α・ΔT = σc 熱応力破壊テスト(水中急冷) クラ ック 大 クラ ック 小 (低強 度) 強 度 強 度 ΔT c ΔT c ' ΔT c (ΔT c') 熱疲労破壊(遅れ破壊) △ T < △Tc , σth < σc KI>KIC ・熱応力によるき裂のゆっくりした成長 ・寿命 V=A(K1)n セラミックスの材料設計 (1) セラミックスの破壊強度 ① 理想強度 σth=(γE/a)1/2 = 10,000 MPa ② 実用強度 σc=1/Y(2Eγ/C)1/2 KIC=(2Eγi )1/2 γi=γ+γp+γm+γp+γg+γmc+・・ ③ き裂の成長 V=dc/dt=AKIn セラミックスの熱応力破壊強度 1. Thermal Shock Fracture Resistance (熱衝撃破壊抵抗) R=σ(1-ν)k/αE 2. Thermal Shock Damege Resitance (熱損傷破壊抵抗) R'''' = Eγ/σc2 3. Thermal Fatigue Fracture (熱疲労破壊) V = AKIn 製造プロセス/微構造/性質の 相 破壊源としてのき 裂 1. 粒界 2. 気孔 3. 不純物(第2相) 4. 熱膨張の異方性 5. ヤング率の異方性 6. Cavityの生成 (粒界の辷り) 7. 塑性変形 8. 表面処理 研磨、加工、断面 衝突・・・ 製造プロセスー構造ー機能の相関 製 造 ⇄ 微細構造 ⇄ 機械的性質 原料処理 化学 塑性 強度、靭性 成 形 結晶構造 ヤング率、硬 焼 結 微 加 工 外部要因 さ 構 造 マサツ、マモ ウ 熱衝撃破壊 材料の大きさ ...... 表面の粗さ ...... 残留応力 セラミックスの微細構造 結晶粒 (大きさ、形状、分布、配向・) 粒の結合状態 粒界相 (相、量、構造) 不純物(第2相) 気 孔 (量、大きさ、分布) 微小き裂 (量、大きさ、分布) 残留応力 その他 セラミックスの材料設計 1.理想強度の高い物質 共有結合、イオン結合、金属結合 2.強度の高い材料 KIC 大、 c(破壊源)小 3.安全で信頼性の高い材料 KIC 大、 c(破壊源)小 4.高温で強度低下が少ない材料 稼働中に強度低下の少ない材料 外的影響に強い材料 寿命の長い材料 KIC 大、 dt/dc(臨界応力以下の亀裂成長)小 酸化物と非酸化物の結合力と機能 結合 様式 イオン 共 有 (強い) 熱 膨 張 物質 移動 焼 結 性 耐 熱 性 硬 度 耐 摩 耗 破壊 強度 破壊 靱性 熱衝 撃性 耐 食 性 酸化抵抗 高 高 高 低 低 低 低 低 低 低 高 低 低 低 高 高 高 高 高 高 高 低 破壊源としての亀裂 1. 固有な因子 粒界(不純物の蓄積、転位の蓄積・・) 粒径(粗大粒子、最大粒子・・) 不純物(第2相) 残留応力 熱膨張の異方性、ヤング率の異方性 2. 外的な因子 機械加工 研磨加工、切断加工(加工条件に依存) 稼働中に発生する亀裂 「環境(雰囲気、温度、応力)に強く依存」 Cavityの生成 粒界のすべり 衝撃(熱的・機械的衝撃) 塑性変形 σc=(1/Y)(KIC/c1/2) 気孔と強度及びそのバラツキ セラミックスの機械加工 Plastic Groove P Diamond Particle Plastic Zone Lateral Crack Median Crack セラミックス(脆性破壊材料)の信頼性 製造プロセス 微細組織 外的因子 熱的応力 R'=αk/Eα R''=KIC2/α2 V= AK1n 機械的性質 評価技術 測定法 寿命予測 機械的応力 α=KIC/c 1/2 (KIC=(2Eγi)1/2) V= AK1n データ処理法 統計理論(ワイブル統計) 非破壊検査 十分な初期強度(低温/高温 高靱性 統計的バラツキ 寿命予測(保証試験) 信頼性 セラミックスは何故脆いか 化学結合 金属結合 イオン結合(結合に方向性) 共有結合 (結合に方向性) 1.転位密度が小さい 2.転位易動度 3.すべり系が少ない 4.亀裂の生成・成長のエネルギー が小さい a. 小さい塑性変形で容易にクラックが発性 b. 表面損傷が起こり易い セラミックスの破壊エネルギー き裂 き裂 K g = 表面エネルギー I K I, K II, K III g i = g + gp + g c + g gb +… 表面エネルギー(g)と破壊 エネルギー(gi ) セラミックスの高靱化機構 1. 本質的な改善 - 塑性変形(高温) 2. 微構造の制御 気孔、粒径、粒界、残留応力、構造欠陥 3. 複合化による靱性の改善 1) セラミックス/金属系複合体 2) セラミックス/セラミックス複合体 a) き裂先端と第2相(不均質体)との相互作用 >crack pinning、 >crack bowing >crack deflection、>crack tip twisting b) き裂先端にプロセスゾーンの形成 >stress induced transformation (ZrO2) >microcracking >pull-out (whisker, fiber) 4. 圧縮応力の導入 セラミックスの高靱化機構 1. 本質的な改善 - 塑性変形(高温) 2. 微構造の制御 気孔、粒径、粒界、残留応力、構造欠陥 3. 複合化による靱性の改善 4. 圧縮応力の導入 >テンパー >表面及び内部の部分酸化 >固溶体形成、イオン交換 >インプランテーション >表面の機械的処理 単結晶と多結晶の靱性 亀裂先端での応力集中モデル T C C T C ap > am T Cracks ap < am Rc ≧ 8ge [( ap-am )DT] 2 [(1+nm )/2Em + (1-2np)/2Ep] -1 a. 応 力 誘 起 結 晶 変 態 (Z rO 2 ) M on o. T et. C ub ic 熱 膨 張 3-4% 体積膨張 マルテン サイト変態 温度 b . M ic rocrack ing c. Pull-out (繊維やウイスカーの引き抜き)による高靭性化 1. 長繊維化による高強度化 直径の減少・・・破壊源の減少・・・強度増大 2. 界面での摩擦抵抗 エネルギーの消費 3.クラック進展の抑制 f = 1 Y K IC c 1 /2 KIC 組 織 の 不 均 質 化 ○ 靭 性 の 増 大 V f c 組 織 の 不 均 質 化 ○ 欠 陥 の 拡 大 ○ 欠 陥 の 導 入 P r o c e s s in g に 関 係 し て い る V f V f f 靭 性 の 改 善 強 度 の 向 上
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