LD(学習障害)・ADHD(注意欠陥多動障害)の理解と指

けやき2001年度総会
日本における
LD教育の最近の動向
東京学芸大学
上野一彦
障害とは
理解と支援を必要とする
個性である
特別支援対象児の推移
(1980~2000)
%
1.4
1.2
1
合計
特殊学級
盲・聾・養護学校
通級による指導
0.8
0.6
0.4
0.2
00
20
98
19
96
19
93
19
90
19
85
19
19
80
0
21世紀の特殊教育の在り方に関する
調査研究協力者会議
わが国の特殊教育の今後の基本的な方向
就学指導のあり方の改善
これからの特別支援教育の在り方
特殊教育の改善・充実のための条件整備
特別支援教育(文部省)
特別支援教育
特殊教育
小・中・高等学校
通級学級
LD・ADHD等
特殊学級
盲・聾・養護学校
特殊教育
特別な
specific special education
特別 支援 教育
special support education
平成12年度 文部省LD関連事業
LDの判断・実態把握体制に関するモデル事業
都道府県(政令市)教育委員会に専門チームを設置
(15→ 平成13年度 47)
各都道府県内の小・中学校の数校を研究指定校
として指定
LDの判断・実態把握の基準の有効性、手続きなど
について検討
平成13年度
特別支援教育の在り方
に関する調査研究
ADHD児、高機能自閉症児などへの
特別な支援教育の在り方
 特殊学級、通級、通常学級における
支援の在り方
 盲・ろう・養護学校と小・中学校の連携

LDへの気づきと対応過程
Ⅰ 校内委員会 (気づきの委員会)
申し出:保護者・担任から
対 象:配慮指導ニーズをもつすべての子
目 的:校内での理解と対応
Ⅱ 専門委員会による判断(教育委員会)
申し出:保護者の同意によって、学校から
対 象:専門的指導ニーズをもつ
LDの疑いのある子
目 的:専門的診断と基
本的指導方略の提示
LD児指導における支援の場と形態
「通常の学級」における指導
担任による配慮指導
ティームティーチングによる指導
「通常の学級」への支援指導
「通常の学級」における時間外の個別指導
(オープン教室など)
専門家による「通常の学級」への巡回指導
「特別な場」での指導
「通級による指導に類似した指導」の場の設置
(LDに特化した指導の場)
既存の「通級による指導」の場の利用
(言語障害・情緒障害など)
その他の特殊教育の場における教育力の利用
LD・ADHDへのアプローチ
学力指導
コミュニケーション指導
薬物療法
行動修正
ソーシャルスキルトレーニング
感覚統合療法
LD
ADHD
ADHD児が見せる教室での行動












席にじっと座っていない
口をはさむ
教室での課題が終了しない
教科でケアレスミスをしたり,作業が雑
校則を守れない
宿題を忘れたり,やり終えない
口頭での指示に従えない
気が散りやすく,フラストレーションを感じやすい
状況に過度の反応する
ルーチンの行動パターンが確立しにくい
教室内のルーチンの変化に適応できない
ソーシャルスキルが弱い
中枢刺激剤の投薬
リタリン(メチルフェニデート)
 デキセドリン(d-アンフェタミン)
 アデロール(d-,l-アンフェタミン)
 サイラート(ペモリン)
 コンサータ

何が期待できるか
過活動の改善
 集中力・取り組む努力の増大
 自制力の向上(衝動性の減少)
 態度の改善(従順,努力の持続)
 攻撃性の減少(身体・言葉)
 否定的行動の減少(社会的関わりの増大)
 作業量と正確さの増大

何を期待すべきでないか
永続的な行動の改善
 副作用はない

摂食,睡眠,チック
認知や機能に関する心理的影響

学習能力の飛躍的改善
学業,運動,ソーシャルスキルなど
症状の一時的(約3時間)緩和であって
その時間内に何を身につけさせるかが
課題となる
行動修正の基本手法
 目標行動の設定
 スモールステップ化
 強化子の選択
 即時フィードバック
適切な行動に対する強化
不適切な行動に対するタイムアウト
 般化
ソーシャル・スキル・カリキュラム
 挑発に乗らない
 主張する
 受容する
 よいスポーツマンシップ
(ルールを守るなど)
 共同作業への参加
 問題解決
ADHDの予後
症状の改善・消失
ADHD
症状持続
症状悪化
内在化
不安障害
回避性人格障害
外
在化
行為障害
反社会性人格障害
指導の原則
数は少なく
 何をするのかをはっきり伝える
 やったことの結果をはっきりさせる
 やらなかった場合の結果をはっきりさせる
 子どもと一緒に十分に検討する

子どもの思い
何をがんばれ
ばいいの?
がんばれば出来る
それはいつ
なの?
いつかできるようになる
精一杯がん
ばっているのに
…
みんなはちゃんとできるよ
僕だってできる
ようになりたい
勉強よりも大事なことがある
自分で道を拓いていくために




選択する力を育てる
一緒に手だてを考える
チャレンジ精神をもつ
失敗を次のバネにする
新しいタイプの高校の種類
課
程
全日制
定時制
通信制
種
類
総合学科高校
単位制高校
科学技術高校
中等教育高校
体育・福祉高校 第二国際高校
総合芸術高校
その他
チャレンジスクール
単位制高校(昼間定時制)
通信制課程
進路決定におけるキーポイント
自信と自尊心を大切に育てる
 自分の能力や長所を正確に知る
 苦手なことを克服する経験をする
 選択の豊富な経験が自己決定を助ける
 できるだけ豊富な情報収集をする
 聞くより読むより自分で体験する
