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企業の理論
部分均衡の費用関数の基礎、一般化
複数の財の生産、複数の投入
完全競争下で、利潤最大化する生産企業
一般競争市場均衡モデルのパート
投入産出関係を与件とする・・・これが如何に構
成されるかは、経営学や企業の経済学
生産可能集合と生産関数
一つの企業を取る
n
財の数
y   y1, y2 ,..., yn 
yi  xi  0
yi   xi  0
純産出ベクトル
第i財をxi産出
第i財をxi投入
生産可能集合
Yf 生産可能集合・・この企業が生産可能な純産出
y Yf  yは生産可能
財が二つで、
第一財が投入、
第二財が産出
の例
自由処分
(free disposal)
産出の供給関数と投入の需要関数
 p1, p2 ,..., pn  競争価格ベクトル(与件)
で
y   y1, y2 ,..., yn  Yf
利潤
p1 y1  p2 y2  ...  pn yn
を最大化
正の項の和が売上
負の項の和が費用
産出の供給関数と投入の需要関数
(続き)
解が、産出の供給関数と投入の需要関数
Si  p1, p2 ,..., pn 
といった形で、すべての価格の関数
Si  p1, p2 ,..., pn   Si  p1, p2 ,..., pn 
0次同次性
 p1 y1   p2 y2  ...   pn yn
   p1 y1  p2 y2  ...  pn yn 
生産関数
単一の財を生産(結合生産がない)
x1 ,..., xm 投入量のベクトル
y  F  x1,..., xn 
生産関数・・その投入で生産できる財の量
中間生産物 ・・生産された投入
生産要素 ・・本源的な投入
生産関数のグラフ
投入が一つのみ(例えば、労働)
y  F  x
y
産出(量)
x
投入(量)
F  x
x
収穫逓減
投入を2倍にしても、
産出は、 2倍にならない
F  2 x   2F  x 
2F  x 
F  2x 
F  x
x
2x
収穫逓減の理由
変化させることができない投入が存在
限界費用逓増 と同じ
文脈により、土地、経営者能力
規模に関して収穫が一定
F  x1,..., xn    F  x1,..., xn 
生産関数が1次同次
すべての投入が変化できる理想的な世界
貿易理論などに出てくる
規模についての収穫逓増
F  x1,..., xn    F  x1,..., xn 
比例的以上に産出できる。
例
大規模生産のほうが有利な設備が存在する。
限界生産物(marginal product)
投入を一単位増加させたときの生産物の増加
F ' x
生産関数の接線の傾き
F  x
x
平均生産物
平均費用ほど使わない
F  x
F ' x
F  x
x
x
2x
固定設備と収穫逓増
固定的な投入が必要
なとき、小さい生産物
で平均生産物は、逓
増する
x
2x
複数投入のときの限界生産物
他の投入を一定にして、ひとつの投入を増加せ
たときの産出の増加
F  x1 ,..., xn 
xi
第i番目の投入の限界生
産物
資本と労働の限界生産物
F  K , L
K
L
F  K , L 
K
F  K , L 
L
産出
資本の投入
労働の投入
資本の限界生産物(限界
生産力)
労働の限界生産物(限界
生産力)
コッブ・ ダクラス生産関数
 1
F  K , L  K L ,0    1
F  2K , 2L    2K   2L 

 1
2 2
K
 1
L
1
  2F  K , L 
一次同次 (収穫一定 )
コッブ・ ダクラス生産関数
 1
F  K , L  K L ,0    1
F  K , L 
1
 1 1
K L 
1
K
K
 
L
F  K , L 
K
 
 1    K L  1     
L
L

資本と労働の限界生産物が資本労働比率のみで
決まる
競争企業の行動
(生産関数による分析)
部分均衡では、費用関数で分析
1投入、1産出、収穫逓減を仮定
L
F  L
w
p
労働の投入
生産関数
賃金率(投入価格)
産出価格
  L  pF  L  wL
利潤
利潤最大化
  L  pF  L  wL
利潤
例によって微分して0とおく
 '  L   pF '  L   w  0
pF '  L   w
価値限界生産物=要素価格
傾きが同
じとき
費用
wL
pF  L
売上
利潤
  L  pF  L  wL
利潤関数
利潤が最大になる
w
pF '  L   w  F '  L  
p
F  L    F '  x dx
L
産出
(産出物で計った売上)
w
p
産出物で計った費用
0
産出物で計った利潤
wL
p
F '  L
L
O
利潤を最大にする投入
要素価格が下がるか、生産物価格が上がるとき
w

p
w
p
w'
p'
F '  L
L
投入の増加 O
等量曲線と拡張経路
費用関数の構成
単一財の生産(結合生産ではない)
生産関数
F x ,..., x

1
n

x1 ,..., xn
q1 ,..., qn
投入ベクトル
投入価格ベクトル
費用関数の構成(続き)
費用
q1 x1  ...  qn xn
を
y  F  x1,..., xn 
パラメータ
投入
y, q1 ,..., qn
x1 ,..., xn
最小値が費用関数
q1 ,..., qn
の制約で
を与件として
について最小化する
C  y, q1,..., qn 
を一定として、略すと C
 y
・・・・部分均衡の費用関数
• 費用をもっと小さくできれば、利潤がより大き
くなる
• 利潤を最大化する企業は、費用を最小化す
る
• (市場経済で無駄が生じない一つの理由)
費用最小化問題の図示
2要素(投入)、1産出物
2要素は、資本 K と労働 L とする。
要素価格は、資本賃料 r と賃金率 w とする。
費用最小化問題の図示(その2)
等量曲線(isoquant)
L
それぞれの生産量yごとに
y=F(K ,L) となる (K ,L)を
プロットする
yL  yM  yH
yH  F 
yM  F 
yL  F 
等量曲線について
家計の無差別曲線と似ている
傾きは、「資本の労働ではかった、限界代替率」
L
資本を一単位減らして、
産出を一定にするには、
労働がどれだけ必要
資本の労働で測った
希少性
yH  F  K , L
yM  F  K , L
yL  F  K , L
限界代替率と限界生産物
「資本の労働ではかった、限界代替率」
=労働の限界生産力÷資本の限界生産力
直感的には、 F  K , L  から
F  K , L 
K
F  K , L 

L
を消す
ちゃんとした議論は、陰関数定理を使う
限界代替率と限界生産物(つづき)
少しちゃんとした話
資本を1単位へらす
F  K , L 
生産が減る

K
F  K , L 
労働を
K
F  K , L 
L
増やす
生産を一定にするのに
必要な労働の増加
F  K , L 
F  K , L  F  K , L 
K


F  K , L 
L
K
生産が増える
L
等量曲線の凸性
L
資本が少ない
資本を減らしたとき
の生産の減少を労
働の増加でカバー
するのが難しい
資本が多い
資本を減らしたとき
の生産の減少を労
働の増加でカバー
するのが容易
yH  F  K , L 
yM  F  K , L
yL  F  K , L 
K
等量曲線の凸性
生産できる
二点の真ん
中の点も生
産できる
L
 K ', L '
 K  1  K ', K ' 1  L '
等量曲線の上が凸集合
 K , L
生産可能性集合が凸集合であ
ることを反映
K
費用最小化問題の図示(その3)
rK  wL を
yM  F  K , L の制約で
yM , r, w
パラメータ
費用
L
ここが費用最小
ここよりは、費用が
下げられる
を与件として
投入
K, L
について最小化する
C wL
rK  wL  C  K  
r
r
r

w
この費用は、達成できない
yM  F 
K
費用最小化問題の図示(その3)
例によって、
限界代替率=価格比
例によって、競
争価格が相対
的な希少性を
規定
L
ここが費用最小
r

w
yM  F 
K
拡張経路
投入価格比を
一定にして、異
なる生産につい
て費用最小点
(接点)を結んだ
もの
L
B
D
A

C
r
w
E
家計のエンゲル曲線とほぼ同じ
yH  F  K , L 
yM  F  K , L
yL  F  K , L 
K
ホモセティックな場合
拡張経路が原
点を通る直線
一次同次生産関数
F  aK , aL  aF  K , L
なら、ホモセティック
直感的には、世界
が複製できるので、
どんな世界かは、
比だけによる
投入価格の費用最小問題への影響
価格が高くなった要素需要は、
減る
例えば、rがあがるとKが減る
二要素だけのときは、もう一つの要素需要は、
増える(代替的)
そうでないと生産が減る
三つ以上のときは、補完的な要素がありえる
例・・・ボトルとナット
利潤最大化のときは、生産水準も変わるので複雑
一般的な利潤最大化問題
n 財の数
y   y1, y2 ,..., yn  純産出ベクトル
yi  xi  0 第i財をx 産出
yi   xi  0 第i財をx 投入
Yf 生産可能集合・・この企業が生産可能な純産出
i
i
y Yf  yは生産可能
一般的な利潤最大化問題 (続き)
y   y1, y2 ,..., yn  Yf
で、競争価格
 p1, p2 ,..., pn 
利潤
を与件として
p1 y1  p2 y2  ...  pn yn
を最大化
陰関数による表示
y   y1, y2 ,..., yn  Yf
行儀のいいとき
F  y1, y2 ,..., yn   0
と書ける。
ラグランジュ乗数法による利潤最大化
p1 y1  p2 y2  ...  pn yn
を
F  y1, y2 ,..., yn   0
の条件で、
 y1, y2 ,..., yn 
について、最大化
max p1 y1  p2 y2  ...  pn yn
s.t. F  y1 , y2 ,..., yn   0
例によって、ラグランジュアンを作る
L  max p1 y1  p2 y2  ...  pn yn
 F  y1 , y2 ,..., yn 
L  max p1 y1  p2 y2  ...  pn yn
 F  y1 , y2 ,..., yn 
例によって、
y1 , y2 ,..., yn
について、(偏)微分して0とおく
F  y1 , y2 ,..., yn 
F  y1 , y2 ,..., yn 
p1  
, p2  
y1
y2
F  y1 , y2 ,..., yn 
...,, pn  
yn
p1  
F  y1 , y2 ,..., yn 
y1
, p2  
F  y1 , y2 ,..., yn 
F  y1 , y2 ,..., yn 
...,, pn  
yn
辺同士を割る、
F  y1 , y2 ,..., yn 
pi
yi

p j F  y1 , y2 ,..., yn 
y j
価格比と限界代替率が均等化する、
y2
p1
財供給・要素需要関数
F  y1 , y2 ,..., yn 
F  y1 , y2 ,..., yn 

,p 
y1
2
F  y1 , y2 ,..., yn 
...,, pn  
yn
F  y1, y2 ,..., yn   0
 y1, y2 ,..., yn ,  
y2
n+1本の式
n+1個の変数が決まる
S1  p1,..., pn  , S2  p1,..., pn  ,..., Sn  p1,..., pn 
相対価格だけで、決まるので、0次同次
価格の変化の効果
価格の上がった産出の供給は、増える
または、
価格の上がった投入の需要は、減る
Si  p1 ,..., pn 
0
pi
顕示選好で出る・・・元気のある人は、トライ
価格の変化の効果
それ以外は、どんな場合もある。、
ある産出の価格が上がる
その産出に特化して、別の産出を減らす
後者に使う投入は、減るかもしれない
多くの投入は増える
設備を拡大すると別の産出も増える
価格の変化の効果
それ以外は、どんな場合もある。、
ある投入の価格が上がる
別の投入は、代替して増える
ボルトとナットのようなときは、両方とも減る
多くの産出は、減る
代替的に増える投入を使う産出は、増える
かもしれない