法律適用の優先順位 •制定法優先主義とは? •特別法と一般法の関係とは? 制定法優先主義とは?(1) • 制定法=狭義の法律とは、国会で制定され文 書の形になった「法律」(民法・憲法・刑法・商法 など)のこと。 • 慣習法=事実上の慣行が長期間行われてきた ことで、関係者間では法律と同じようなルールと して認識されるに至っていると認められる慣習 のこと。あくまでも慣習であるので、文書化され ているとは限らないし、国会で制定されることも ない。 制定法優先主義とは?(2) • 慣習法が効力を認められるのは、原則として法 律の規定により慣習法に従うことが許されてい る場合(任意規定 例:民263条)か、法律が特 に規定していない場合に限られ、法律が当事 者の意思によるルールの変更を許していない 場合(強行規定 例:民90条)は、たとえ慣習 があろうとも効力を認められない(法例2条)。 • 商慣習法については、制定法である民法より先 に適用される(商1条)。これは法例2条の例外 である。 特別法と一般法の関係は?(1) 同じ(または類似の)生活関係を規制の対象とし ながら、違った内容の規定をもつ法律がある場 合、より広い範囲を対象とするものを一般法と呼 び、規制対象を特定の分野に限定するものを特 別法と呼ぶ。 特別法は、その対象とする分野に適した内容を 有するので、一般法よりも優先して(先に)適用 される。 →特別法は一般法に優先する 特別法と一般法の関係は?(2) ①お金の貸し借り 安部商店 経営者 安部一郎 一郎は叔父の太郎から自家用車の 頭金にするため退職金の一部を借り た。 安部一郎氏の叔父 坂東太郎 定年退職で無職 ②お金の貸し借り 京都産業銀行 一郎は店の営業資金のため京産 銀行から融資を受けた。 (中小企業向けの融資 をメインとする銀行) ①には民法が適用される ②には民法も商法も適用されうる 民法と商法が違ったら? 法令適用の順序 商事特別法 商法の規定を補充・変更するための法律 商 法 民法の規定を補充・変更する法律(民法 の規定のままでよいものは規定しない) 商慣習法 民 法 慣習法 本来は民法より後順位だが、特別な効力 を認められた 私法の分野の一般法
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