Virtual Reality and its Application

空間情報処理特論
~第三回~
空間情報のヒューマンインタフェース②
ディスプレイシステム(人の感覚と視覚)
ディスプレイシステムの役割
「人間の
に,現実世界
が与えるのと同様な
を
与えること」
人間の
が対象とな
る
人間の感覚
 特殊感覚
 体性感覚

皮膚感覚


深部感覚(固有受容感覚,自己受容感覚)

 内臓感覚

脳の役割
 大脳皮質

 脳幹

視床(大脳への入力ゲート)
 外側膝状体:
 内側膝状体:
 視床下部:
 小脳

脳の役割
Brodmannの脳地図(1909)
 前頭葉


第4野(
領野)
手,足,顔などの細かで巧みな運動
第8野(
中枢)
両側眼球の随意的共同運動
 頭頂葉

第1,2,3野(
領野)
体性知覚,内臓知覚
 側頭葉


第41野(
領野)
聴覚中枢,音の鑑別,認識
第22野(Wernick領)
言語理解
 後頭葉


第17野(
領野)
色,形,動き,明るさ
第18野(
領野:後頭葉注視
中枢)
対象を注視,追跡する眼球運動中枢
脳の役割
Penfieldの図(1950)
中心溝から
前頭葉側
中心溝から
頭頂葉側
視覚ディスプレイ
 目的

ユーザに
を与えること
 視覚的臨場感の3要素



 視覚領野の発見
 三原色説
年
年
眼の構造
 角膜,水晶体
に像を結像する

 錐体細胞
に反応
に集中,高分解能


 杆体細胞


にのみ反応
錐体細胞周囲で高密度
奥行感を得る仕組み
 人はどのようにして奥行きを知覚するか?

2m以内


20m以内


100m以内


200m以内

輻輳の仕組み
 輻輳



映像中の一点を見るとき,
両眼が
に
動く
近くを見る場合,視線が
にな
るように動く
で物体をとら
える方向に動く
 輻輳角

の交差する角
 輻輳角と眼間距離から対象
物体との距離を測っている
両眼視差の原理





のために
透視変換に違いが生じる
左右網膜に違った像が結
像する
視覚野において比較,奥行
き感が生成される
主に物体の
を知る仕組みとして機能し
ている
距離1mにおいて数mm程
度の高精度で
検知可能
水晶体調節と視角
視角
物体
水晶体
網膜像
 水晶体調節
眼球
網膜像の
調節
 毛様体筋の力と水晶体の弾性→
の厚さ調節
 筋の緊張から距離を推察
 精度が悪く,対象物が約2m以内の場合のみ有効
 視角
 物体までの
と物体の
に関連する角度
 網膜上の像の大きさと関係する
 輻輳,視差と同様視角の重要な要素の一つ

Head Mounted Display (HMD)
 頭の向いている前方の映像しか見ていない
→ 常に

“ダモクレスの剣”
の映像を供給
+
VPL社 Eyephone
HMDの特徴
 長所



 欠点




HMDによる立体視
による距離情報と
による距離情
報の矛盾
→ ミニチュア模型,実際の光景と感じない
 凸レンズによる画面提示距離の変換


約2m,

は変えない
,
,
が規定される
「バーチャルプレーン」


距離
でモノの
と
 バーチャルプレーンへの左右両眼用の透視変換
CGを作成,それぞれのディスプレイに提示
HMDの現状と将来
 現状



冬の時代
没入型が主流
必要な技術


 将来

Mixed Realityの分野での巻き返し?
1面型大画面ディスプレイ
 オムニマックス・スクリーン


,
スクリーンで観客を取り
囲み,大映像を投影
利点
に映像提供できる


欠点


(リアルタイムインタラクションが困難)
その他の1面型大画面ディスプレイ
 アーチ型スクリーン
•複数人同時使用可能
•立体視可能
•広い場所が必要
 傾斜型スクリーン
•手軽で比較的高い臨場感
•広い場所を必要としない
•アプリケーション開発が容易
スクリーンが1面の場合の立体視
 アナグリフ




左右両眼の映像を青
と赤の2色で描画
左眼:青のフィルタ
→赤の映像のみ供給
右眼:赤のフィルタ
→青の映像のみ供給
色の情報が欠落
スクリーンが1面の場合の立体視
スクリーンが1面の場合の立体視
 偏光方式の問題点
 スクリーンは,
を変化させないモノでなけ
ればならない
鏡面反射=シルバースクリーンなど

が必要となる
 直線偏光と円偏光
 直線偏光の方が正しい画像を生成できる
 直線偏光は
が変化する
と偏光関係が崩れる
 いったん円偏光に変換,眼のところで再度直線
偏光に戻す
スクリーンが1面の場合の立体視
 時分割方式




人間の目の錯覚を利用
インターレスのフィールド周波数 60Hz
→連続映像と認識(TVの原理)
のプロジェクタより,右眼用,左眼用の
映像を
に表示する
同期してシャッターが開閉する液晶シャッター
眼鏡を通して見る
スクリーンが1面の場合の立体視
 時分割方式の問題点


ビデオ信号をそのまま用いた場合,左右両眼
の
が30Hzとなり,ちらつ
きが発生する
ビデオ信号の
を
120Hzに変換する
→ 解像度は
になってしまう
多面型大画面ディスプレイ
 CAVE (CAVE Automatic Virtual Environment)

SIGGRAPH’92でイリノイ大学が発表
に10フィート

四方のスクリーンを配置


にステレオ映像投影
スクリーンごとに1台のコンピュータを配置,制御用
にもう1台コンピュータを利用
CAVE
 同時に数人が入場可
 1ユーザ(ドライバ)に
位置センサ装着
の
両眼視差映像が投影
される
 スクリーンとユーザの
距離が大きいため,ド
ライバ以外のユーザ
(パッセンジャ)の違
和感は

CAVEにおける立体視
 各スクリーンに背面投影された映像を液晶シャッ
ター眼鏡で見る
 HMDとの違い





HMDでは,バーチャルプレーンが実際の表示面と
場所につくられる
CAVEでは,バーチャルプレーンと実プレーンの場所
が
首を動かすことなく広い視野を提供できる
高精細プロジェクタの利用により解像度を上げられる
(2500×2000/台)
常に
が見えている(HMDの場合,見え
ているのはバーチャルな自分)
CAVEにおける立体視
右眼
プロジェクタ
左眼
物体
 多数の面への提示像から一つの
三次元物体が構成される
 部屋の隅の違和感はほとんど無い
プロジェクタ
 CAVEの大きさが2m立方から3m立方なの
はなぜか?
その他の多面型大画面ディスプレイ
 HOLOSTAGE
 SXGA(1280X1024)が5面
 高輝度(6000ANSIルーメン)
 多人数で見る事が可能
 日本初導入は東海大学
裸眼3D液晶ディスプレイ
SHARPの3D液晶ディプレイ原理
 スイッチ液晶によって,「視差
バリア」を設ける。
 視差バリアは,光の進行方向
を制御し,左右の目に異なる光
が届くように分離する事が出来
る。
 TFT液晶には,左眼用画像,
右眼用画像から構成された特
殊な画像を表示し,それぞれ
の目に対応する画像を届ける。
 通常の2D画像の時にはスイッ
チ液晶を透過にする事により
通常のディスプレイとして利用
可能