無機材料化学特論I 2013.9.25 理想気体 A が nA モル、理想気体 B が nB モルある。それぞれの化学ポテンシャ ルはmA、mB であるとし、以下の設問に答えなさい。 問1 理想気体 A と理想気体 B がそれぞれ温度 T、圧力 p で独立に容器に入 れられているとする。この独 立に容器に入れられた二つの理 想気体を一 つの系と見なした時の全ギブスエネルギーを Gi として求めなさい。 問2 理想気体 A と理想気体 B を混合し、温度 T、圧力 p で容器に入れた。 この系の全ギブスエネルギーを Gf として求めなさい。なお、このときの 理想気体 A と理想気体 B のそれぞれの分圧を pA、pB(p=pA+pB)とする。 問3 理想気体 A と理想気体 B を混合したとき、この系は全ての混合比で自 発的に混合する事を説明しなさい。 問4 理想気体 A と理想気体 B を等温、等圧下で混合した際の混合エントロ ピー(DmixS)と混合エンタルピー(DmixH)を示し、混合の原動力が何に起因 しているかを述べなさい。 理想気体 A が nA モル、理想気体 B が nB モルある。それぞれの化学ポテンシ ャルはμA、μB であるとし、以下の設問に答えなさい。 問 1 理想気体 A と理想気体 B がそれぞれ温度 T、圧力 p で独立に容器に入れ られているとする。この独 立に容器に入れられた二つの理 想気体を一つの系と 見なした時の全ギブスエネルギーを Gi として求めなさい。 答え Gi= n mA+nBmB=nA(mAº+RTlnp)+nB(mBº+RTlnp) A 問 2 次に理想気体 A と理想気体 B を混合し、温度 T、圧力 p で容器に入れた。 この系の全ギブスエネルギーを Gf として求めなさい。なお、このときの理想気 体 A と理想気体 B のそれぞれの分圧を pA、pB(p=pA+pB)とする。 答え Gf= n mA+nBmB=nA(mAº+RTlnpA)+nB(mBº+RTlnpB) A 問 3 理想気体 A と理想気体 B を混合したとき、この系は全ての混合比で自発 的に混合する事を説明しなさい。 答え DG=nARTln(pA/p)+nBRT(pB/p) となり、 nA と nB をモル分率を用いて nxA と nxB として、 圧力を pA/p=xA、 pB/p=xB として表記し直すと DG=nARTln(pA/p)+nBRT(pB/p)=nRT(xAlnxA+xBlnxB) となり、モル分率は1を超える事はないので、DG は常に負となり、自発的に混 合する。 固体状 態 結晶性固体の構造は基本格子の3次元的繰り返しとして記述される。 全ての結晶学的サイトが正しい化学種によってしめられている → 理想固体 現実では理想モデルからのずれ 空孔(vacancy) 、格子間(interstitial)原子の存在 例 Ti Oはある範囲では NaCl型で存在。実際の組成比では 1.54>Ti/O>0.80と言 う組成範囲で存在できる。このような相は不定比(non-stoichiometric)と呼ばれる。 不定比組成と固溶 体の比較 組成の変化する結晶相:ギブスのエネルギーと組成図 固溶 体は侵入型、置換型問わず一方の成分と同じ結晶構造を持っているが、化 合物は構成元素とは無関係な別の構造を持つ。 固溶体と不定比化合物の共通点 → ある組成範囲にわたり同じ結晶構造を保つ。 → 組成の変化する結晶相 5 0 G A は純粋な物質 A の温度 T 全圧 10 P aにおける基準状態の標準ギブスエネ ルギー。 G 0B も同様。 基準状態は気体、液体、固体のいずれでも良い。 混合も反応もしない X A モルの純物質 A と X B モルの純物質 B を考える。
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