第5回:電流と磁場(1) ・磁石による磁場 ・電流による磁場 今日の目標 1.磁石とは何か説明できる。 2.磁気力に関するクーロンの法則を説明できる。 3.磁荷と磁場の単位を示し、磁場の定義を説明できる。 4.磁気双極子が受ける力を説明できる。 5.磁力線を説明できる。 6.電流による磁場を説明し、直線電流の周りの磁場を示せる。 7.円電流とソレノイドについて説明できる。 磁石による磁場 鉄粉が集中する場所:磁極 N S 磁極 磁極 N S N N S N S N S N S S N S 磁気双極子 磁極は単独で存在しない 磁気力に関するクーロンの法則 F:力 磁荷qm’ N r S qmqm’ r2 磁気に関するクーロンの法則 F∝ S N 磁荷(磁気量) qm 磁荷の単位 MKSA単位系 F= 1 4πμ0 磁荷(磁気量)の単位[Wb](ウエーバー) qmqm’ r2 真空の透磁率 μ0=4π×10-7[Wb2・N-1・m-2] 磁場 試験磁荷Δqmに働く力ΔF ΔF [N・Wb-1] 磁場:H= Δqm ΔF Δqm 回転する力 磁気双極子が受ける力 θ qm N l r -qm S N=2rFsinθ 磁気モーメント l Pm=qm l N= Pm ×H F=qmH 磁力線 磁場:H(r,t) H(r2,t) H(r3,t) 1つの線上では磁場は何処でも 接線を向いている H(r1,t) 磁力線は磁荷がないところで途切れない 磁力線はN極から出て、S極に入る向きである 磁力線どうしは交わらない 磁場の強さが大きいところでは磁力線の本数密度が大きい 電流による磁場 エルステッドの実験 電流 I dB dl ビオ・サバール (Biot-Savart)の法則 Idlsinθ dB∝ r2 θ r dB=k Idl×r r3 B:磁束密度 直線電流による磁場 磁束密度[Wb/m2] I B a θ dl × dθ r rdθ=dlsinθ rsinθ=a 磁場:H= I 2πd [A/m] アンペールの法則 I1 I Ii 2 ds C dl J H J:電流密度[A・m-2] 円形電流の周りの磁場 H0= I 2R 長いソレノイドコイルを流れる電流の周りの磁場 H= n I=NI DA C B D A N[回/m]:単位長さあたりの巻き数 演習 1.2つの棒磁石のN極とS極を反対側の磁極の影響がないように 1.0[cm]離してつり合せるのに100[g]の錘の重力を必要とした。 全ての磁荷の絶対値は等しいとし、磁荷を計算しなさい。 また、この棒磁石の磁極間隔が4.0[cm]ならば、25[N/Wb]の磁場 に直角に置いたときに受ける偶力を計算しなさい。 2.地上の南北に0.5[A]の電流が流れている直線状の導線を方位 磁針に1.0[cm]の距離に近づけたとき、方位磁針の向きが南北 方向に対し角θ傾いたとする。地磁気の水平方向の大きさは 24[A/m]として、tanθを求めなさい。 3.水素原子の周りに電子が直径1.0[Å]の円周上にクーロン力と つり合って円運動しているとすると、その磁気モーメントは いくらか計算しなさい。また、中心の磁場の大きさはいくらか。 今日の用語 磁極、磁気双極子、磁気量(磁荷)、磁気に関するクーロンの法則、 透磁率、磁場、双極子モーメント、磁力線、ビオ・サバールの法則、 磁束密度、アンペールの法則、ソレノイドコイル 戻り 和田義親 [email protected] 講義のページへ戻る 和田のホームへ戻る 明薬のホームへ戻る
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