メタボリックシンドローム 生活習慣病と脳梗塞予防 湘南厚木病院・湘南あつぎクリニック 湘南あつぎクリニック院長 脳神経外科 畑下 鎮男 メタボリックシンドローム 生活習慣病と脳梗塞予防 湘南厚木病院・湘南あつぎクリニック 湘南あつぎクリニック院長 脳神経外科 畑下 鎮男 生活習慣病 生活習慣が要因となって発症したり、 進行したりする病気 食生活 酒 たばこ ストレス 誘因ー加齢 遺伝的な体質 高血圧 高脂血症 糖尿病 肥満 など 運動不足 年齢別主要疾患受療率(人口10万対) 40歳台から 高血圧 高脂血症 病 糖尿 生活習慣病と虚血性脳血管障害 血液中にコレステロール LDH、中性脂肪が増加 高脂血症 肥満 血管内皮細胞に付着 高血圧 糖尿病 喫煙、ストレスで刺激 血管内膜肥厚 プラーク プラークが大きくなり破裂 血小板が集まる 血栓形成 血管内腔の狭窄 脳梗塞 頚部内頸動脈 血管内壁 血栓 頚部内頸動脈 肥満と生活習慣病 余ったエネルギー 脂肪として体内の脂肪細胞に蓄積 一定限度を超えた状態 BMI: Body Mass Index 体重kg ÷ 身長m ÷ 身長m 普通 22 肥満1度 25−30,2度 3度 35−40,4度 生活習慣病を誘発する危険因子 30−35 40−45 肥満につながりやすい生活習慣 運動不足、過食、まとめ食い・早食い、 動物性脂質・糖分・塩分が高い食事、 アルコールの飲み過ぎ 肥満の予防と解消 こまめに歩いたり、 有酸素運動の運動習慣、 適正な量と、栄養バランスのとれた食事 生活習慣病の予防 高脂血症 血液中にコレステロール、 LDH、 中性脂肪が増加 血管内皮細胞 に付着 脳梗塞の危険因子 40歳代男性 59.6% 50歳代女性 62.5% 高脂血症の診断基準 総コレステロール >220mg/dl トリグリセライド >150mmg/dl LDLコレステロール >140mg/dl HDLコレステロール <40mg/dl (血清脂質値:空腹時) 高脂血症の原因 生活習慣 過食 動物性脂肪の取り過ぎ 運動不足 肥満 喫煙 お酒の飲み過ぎ 急増の原因 食生活の欧米化 加齢 女性閉経時期 他の病気 続発性 遺伝性 糖分取りすぎ 動物性脂肪の摂取量増加 高脂血症の予防 生活習慣の改善 高脂血症の治療 高脂血症治療の目的はコレステロールを 下げて動脈硬化を防ぐこと 食事療法 摂取エネルギーの総量を制限 脂質や糖質を取り過ぎない、 運動療法 薬物治療 糖尿病 糖の増加に対してインスリンの量が 十分でなく糖が血管内に多くなった状態 1型糖尿病:インスリンがほとんど分泌されない 2型糖尿病:インスリンが分泌されるタイミングや 分泌量、インスリンの作用が低下 日本人の糖尿病の95%以上は2型糖尿病 高血糖状態が慢性化 様々な合併症 高脂血症 高血圧を合併しやすい 血管に障害 糖尿病の慢性の血管合併症 高血糖状態 血管内壁を損傷 コレステロール付着 粥状動脈の硬化 虚血性心疾患 脳血管障害 下肢閉塞性動脈硬化症 細小血管障害(網膜症 腎症 神経障害) 糖尿病の誘発要因 生活習慣 過食 運動不足 遺伝的素因 加齢 40歳以上 10人に1人 妊娠 肥満 ストレス 糖尿病そのものの進展を抑制 合併症の発症と進展防止 糖尿病治療 危険因子の除去 過食、高脂肪・高カロリーに偏った食事、 運動不足、ストレス、喫煙、 アルコールの取り過ぎなど 食事療法 運動療法 薬物療法 経口糖尿病用薬 インスリン療法 食事療法、運動療法、経口糖尿病用薬 で効果がない人に、 インスリンを注射によって補う 高血圧 血圧 心臓からの血液の量(心拍出量)と、 血管の抵抗によって決る 高血圧 収縮期血圧140mmHg以上、あるいは 拡張期血圧90mmHg以上 サイレント・キラー(沈黙の殺人者) 高血圧は自覚症状が乏しいため放置。 慢性化することで血管を傷め、 脳卒中や心臓病などを引き起こす。 高血圧の原因 習慣因子 塩分取りすぎ 肥満 喫煙 過度の飲酒 ストレス 遺伝因子ーナトリウムが蓄積されやすい 交感神経が緊張いやすい 高血圧の大きな原因の1つは塩分の取り過ぎ ストレスと血圧上昇 過剰なストレス(特に精神的ストレス), 急激なストレス 視床下部 脳下垂体 交感神経が 過度に刺激 血圧上昇 高血圧 と血管損傷 高血圧によって血管内壁が傷つけられる 粥状動脈硬化や細動脈硬化 高血圧 動脈硬化 高血圧 悪循環が繰り返されながら悪化 生活習慣病と血管内 血栓形成 活性化血小板付着 血管内壁にコレステロール 付着 生活習慣病 高血圧 高脂血症 肥満 糖尿病 生活習慣病の食事療法 高脂血症 摂取エネルギーの総量を制限 脂質や糖質を取り過ぎない 糖尿病 適正なエネルギー量の摂取 カロリー・糖分・塩分の多い食事をやめる 高血圧 塩分制限 カロリー制限 アルコール制限 生活習慣病の運動療法 ウォーキングなどの有酸素運動 1日3km、あるいは1週間で20kmを目安に 水泳などの有酸素運動 ストレッチや筋力トレーニングなどを組み合わせ 少なくても 週3回以上 メタボリックシンドローム 動脈硬化性疾患(心筋梗塞、脳梗塞など) の複合型リスク症候群 内臓脂肪蓄積(内臓脂肪面積100cm2以上) 血清脂質異常 血圧髙値 高血糖 診断基準 2005年 4月 メタボリックシンドローム診断基準 内臓脂肪蓄積 (内臓脂肪面積100平方cm2以上に相当) ウエスト周囲径 男性 85cm以上、女性 90cm以上 以下のうち2項目以上 血清脂質異常 トリグリセリド値150mg/dL以上 HDLコレステロール値40mg/dL未満 血圧高値 最高(収縮期)血圧130mmHg以上 最低(拡張期)血圧85mmHg以上 高血糖 空腹時 血糖値110mg/dL以上 内蔵脂肪蓄積 腹部CT 皮下脂肪 実際の検査画像(正常例) 実際の検査画像 生活習慣病 メタボリック シンドローム 高血圧 血圧髙値 肥満症 内臓脂肪蓄積 高脂血症 糖尿病 血清脂質異常 脳・心血管系疾患 高血糖 メタボリックシンドロームと脳・心血管系疾患 血液中にコレステロール LDH、中性脂肪が増加 高脂血症 肥満 血管内皮細胞に付着 高血圧 糖尿病 喫煙、ストレスで刺激 血管内膜肥厚 プラーク プラークが大きくなり破裂 血小板が集まる 血栓形成 血管内腔の狭窄 脳梗塞 メタボリックシンドロームの原因 運動不足 食生活の変化 過食 遺伝因子 内臓脂肪蓄積 メタボリックシンドロームの予防・治療 標準治療原則 消費エネルギーを多くし、 摂取エネルギーを減らす 少なく食べ、身体をよく動かす 生活習慣の見直し 不規則な食生活(偏食、過食) 運動不足 睡眠不足 ストレスが続く毎日 タバコや酒の飲み過ぎ メタボリックシンドロームの予防・治療 食行動の矯正 早食い ため食い 夜食 ストレスによる異常な食行動 食事療法 適正なエネルギー摂取 肉類 脂質 糖質 塩分は控えめ 運動療法 有酸素運動 ウオーキング、ジョギング、 水泳、サイクリング 症例:54歳、男性 主訴:呂律がまわらない 現病歴:朝起床後より呂律がまわらない、 話し方がいつもとちがうため 緊急入院 既往歴:高血圧(4年前内服、自己中断) 嗜好: アルコール ビール350ml/日 タバコ 40本/日 神経学的所見:構音障害 全身所見: 身長:170cm, 体重:73kg, BMI: 25.2 血圧:230/128mmHg, 脈拍:58/分, 整 心電図: 左室肥大 血液検査:Ht: 50.9, Hgb: 17.0 FBS: 157 mg/dl, HbA1c: 5.9% T-CHO: 270mg/dl, TG: 169mg/dl 生活習慣病は 1.血圧:230/128mmHg 高血圧 2.FBS: 157 mg/dl, HbA1c: 5.9% 高血糖 3.T-CHO: 270mg/dl, TG: 169mg/dl 高脂血症 4.身長:170cm, 体重:73kg, BMI: 25.2 軽度肥満 MRI Flair DWI MRA 脳血管 頸部血管 外来通院にて慢性期治療 診断: ラクナ梗塞 脳梗塞再発予防 血小板凝集抑制剤: バッファリン81mg/日 危険因子の治療 高血圧:降圧剤 コバシル80mg/日 高脂血症、高血糖:食事療法 高ヘマトクリット:脱水予防 喫煙:禁煙 肥満(軽度):体重コントロール 脳梗塞の危険因子と再発予防 1 2 3 4 5 6 7 8 高血圧 A 糖尿病 C1 高脂血症 C1 喫煙 C1 飲酒 C1 肥満 C1 心房細動 C1 卵円孔開存 9 10 11 12 13 14 15 高ヘマトクリット血症 C1 高フィブリノーゲン血症 C1 抗リン脂質抗体症候群 C1 高ホモシステイン血症 C1 無症候性脳梗塞 C1 動脈解離 C1 先天性血栓性素因 C1 危険因子の管理と再発予防 高血圧 脳梗塞の発症の最大危険因子 脳梗塞発症 収縮期血圧180mmHg以上:発症リスク3.46倍 拡張期血圧95mmHg以上: 発症リスク3.18倍 脳梗塞再発 ACE阻害薬 収縮期血圧で9mmHg、拡張期血圧で4mmHg低下 脳卒中再発28%減少 至適降圧レベル:140-150/90mmHg 脳卒中治療ガイドライン2004 危険因子の管理と再発予防 糖尿病 脳梗塞発症リスク: 2−3倍高い 脳梗塞の再発予防:報告少ない 至適血糖値:126mg/dL未満 脳卒中治療ガイドライン2004 危険因子の管理と再発予防 高脂血症 脳梗塞発症リスク: 総コレステロール値310mg/dl以上で高い 脳卒中の発症: スタチン系薬剤で虚血心疾患のある患者で 約30%低下 脳卒中治療ガイドライン2004 高コレステロール血症患者に対する脳梗塞の初発抑制効果 総コレステロール値220mg/dl以上 5640例 日本 2002 危険因子の管理と再発予防 喫煙 脳梗塞発症リスク:2-4倍高い 若年者、喫煙多量:リスク大きい 20本/日以上の喫煙者は脳梗塞のリスクは 20本/日未満に比べて2.2倍 脳卒中治療ガイドライン2004 危険因子の管理と再発予防 飲酒 脳梗塞の発症率 少量の飲酒で脳梗塞のリスク低下 1日エタノール12g未満で0.80倍 1日エタノール12-24gで0.72倍 多量飲酒で脳梗塞のリスクがあがる 1日エタノール60g以上で1.69倍 脳卒中治療ガイドライン2004 少量の飲酒で脳梗塞のリスク低下 1日エタノール12g未満で0.80倍 1日エタノール12-24gで0.72倍 多量飲酒で脳梗塞のリスクがあがる 1日エタノール60g以上で1.69倍 Reynolds K, et al: Alcohol consumption and risk of stroke. JAMA:289,579-588, 2003 脳卒中治療ガイドライン2004 アルコール含有量 日本酒1合:約28g ビール大瓶1本(633ml): 32g 缶1本(350ml): 18g ウイスキーシングル1杯(30ml):13g 酎ハイ1杯(200ml): 13g 13%のワイン(1L): 103g 危険因子の管理と再発予防 肥満 BMI高値と関連 再発予防:肥満の治療 高ヘマトクリット血症 Ht51%以上 発生頻度:2.5倍 ヘマトクリット低下療法 脳卒中治療ガイドライン2004 生活習慣病と血管内 血栓形成 活性化血小板付着 血管内壁にコレステロール 付着 生活習慣病 高血圧 高脂血症 肥満 糖尿病 メタボリック シンドローム 血圧髙値 内臓脂肪蓄積 血清脂質異常 脳梗塞 高血糖 脳血管狭窄 脳血管閉塞 生活習慣病 高血圧 肥満症 高脂血症 糖尿病 生活習慣病の予防・治療 生活習慣の矯正 食事療法 総摂取エネルギーと 栄養素のバランスを適正化 運動療法 有酸素運動 ドック検診 基本ドック メタボリックシンドローム ドック (生活習慣病ドック) 脳ドック 認知症 アルツハイマー型痴呆 PETーCT検診(癌検診) 1.血液検査 2.画像検査 64CT、MRI、MRA PET−CT 3.その他 実際の内臓脂肪検査報告書 頸部内頸動脈狭窄 MRI 無症候性脳梗塞 FDG-PET 認知症 肺ガン END Southern Right Whales in Warrnambool’s Logan Beach
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