治療抵抗性高血圧も腎臓内科へご紹介ください 日増しに春らしさが感じられるようになって参りました。 前回に引き続き、当院の腎臓内科のスタッフが登場します。 腎臓疾患がメインの当科ですが、難治性の高血圧に対しても ノウハウを持っておりますので、是非ご紹介下さい。 石巻赤十字病院 腎臓内科の松田謙です。 腎臓内科として、石巻地区の更なる医療の質の向上のため、 気持ちを引き締め日々診療にあたっております。 さて、CKDの進展に関して重要な因子である高血圧症です が、疫学的には我が国の約3人に1人が高血圧症とされ、 2010年の高血圧有病者数は約4300万人(男性2300万人、 女性2000万人)と推定されております。そのうち降圧薬を服 用中の割合は、60歳代男女で50%以上、70歳代男女 60%以上で、このうち降圧目標である140/90mmHg未満に 達成している割合は、男性では約30%、女性では40%にと どまっているのが現状です。 内科部長代理 長澤 将(たすく) (平成15年東北大卒) ・医学博士 ・総合内科専門医・指導医 ・腎臓専門医 ・透析専門医 ・プライマリケア連合会 認定医・指導医 原発性アルドステロン症(PA) 治療抵抗性高血圧 全人口 高血圧 目標達成 通常の治療で、目標血圧の達成が難しい治療抵抗性高血圧 患者の中には、特定の原因による二次性高血圧が潜んでいる 確率が高いとされています。二次性高血圧は原因を明らかにし 治療を行うことで効果的に血圧を降下させることができるため、 通常の高血圧診療のなかにおいて二次性高血圧を疑い、適切 な診断に至ることが重要となります。降圧剤を3剤以上用いても 目標血圧の達成が難しい治療抵抗性高血圧についても、是非 当科へご紹介下さい。 腎臓内科 松田 謙 (平成17年東北大卒) ・医学博士 ・内科認定医 ・プライマリケア連合会 認定医 さらに二次性高血圧のうち、副腎腺種からアルドステロンが過剰に分泌されることで腎臓 でのナトリウム・水の再吸収、カリウム排泄が促進され高血圧、低カリウム血症が引き起こさ れる原発性アルドステロン症( Primary Aldosteronism:PA)は、高血圧患者の5~ 10%を 占めるという報告もあります。 PAに関して、東北大学病院 腎・高血圧・内分泌科は世界レベルの診療を行っており、診 断・治療をリードしています。当院の腎臓内科も同施設とは密接な協力体制にあり、PAの早 期発見を行うことで円滑な治療の橋渡しができればと考えております。 2015年3月 Vol.06
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