図書館システムと日本語との 格闘の歴史(過去、現在、未来) -CALISを中心にして国際基督教大学図書館 黒澤公人 目次 1.ICU図書館の機械化の歴史(概略) 2.日本の図書館の機械化の歴史 3.CALISの日本語環境 付録1.日本人の日本語環境 付録2.コンピュータの日本語環境 1.国際基督教大学図書館 コンピュータ化 30年の軌跡(概略) 1972年 1974年 1975年 1980年 1982年 1983年 図書館職員のプログラミング勉強会開始 (IBM360) 雑誌リスト作成(Tosbac40) 発注管理システムスタート (IBM370-115) 発注管理システムオンライン処理スタート (IBM4331) UTLAS利用開始 貸出システムスタート(IBM4341) 9:00-16:00 までオンライン それ以外の時間をパソコンでカバー 1991年 CALIS スタート(VAX3900) OPAC開始 1994年 Internet によるOPACの外部提供開始 (Telnet版) 1995年 CALISシステム更新 (DEC2100) 1998年 Z39.50による目録作業開始 2000年 自動化書庫との連動 新Web-OPACの提供開始 2001年 電子ジャーナルのWEB-OPACへの組み込み 2003年 多言語対応化へ 2.日本の図書館システムの機 械化の歴史 ローマ字(アルファベットだけの)システム アルファベット、カタカナだけのシステム JIS第1水準の時代(タブレット入力) JIS第2水準の時代(カナ漢字変換の登場) 少ない漢字で、できるだけカバーする 旧漢字は新漢字に置き換える(NDL) できるだけ書いてあるように入力する。 (NACSIS) すべて書いてあるようにする。(Unicode) それでも、文字は足りない。(これからどうする) 2.DSM-CALISの日本語環境 JIS第2水準 EUC VT端末 かな漢字変換 日本語 分かち処理 自動カナふりシステム JAPAN/MARC,TRC LC MARCの取り込み LC 国際文字の入力 表示(ライン毎のモード変 換)(web OPACではできず。) コーヒーブレイク 自己紹介 CALISの魅力は、なんでも、できるというこ とだった。器用で、華奢で、スマートな美人 だった。大型コンピュータ以上の性能を出 し、OPAC等の提供を可能にした。 つづき しかし、若い年下のGUI美人の登場と、 NACSISという不連続フォーマット(和洋共 通フォーマット)の登場によって、伝統的な 食事(和食と洋食別々な作り方)しか作って こなかったCALISは、突如新しいもメ ニューに加えることになり、データの共存と 混乱に見舞われた。 CALISシステムの歩んだ道 丸善が商品管理システムを開発 そのノウハウを、図書館システム応用 小型ながら大型コンピューターに匹敵する 性能をもち、カストマイズにも柔軟に対応 初期システムは JP/LCフォーマット Nacsis,Web,Internetに翻弄され 今日至る(Unicode化) VMSはオンラインシステム DECマシンは、VMSとVT端末で、オンライ ンシステムを登場させた。 MUMPS それは、BASICのようなイン タープリター言語 DECあらゆる規模のマシンに対応していた。 現在、Cache’言語に移行中。 VT端末 CALISで日本語を扱う パソコンの世界ではフロントプロセッサとい う概念が登場したが、VMSとVT端末の世 界では、サーバー機が漢字変換機能を 担っていた。 各プログラム言語が日本語ルーチンを呼 び出す。 図書館システムでも日本語入力ルーチン を呼び出す %ZZIN Zは、日本語等の拡張ルーチン名 %ZZ2IN 変換モード先指定 %ZZ3IN 後決め変換、パソコンFP入力可 Cache’ 日本語変換機能は、パソコンに依 存。VT端末からの漢字変換は不可能に なった。 CALIS EUCコード時代 内部コード EUC エミュレーター EUC WebーOPAC EUC CALIS Unicode時代 CALIS内部 Unicode Web-OPAC Unicode VTエミュレーター プリンター問題 付録1.日本人の日本語環境 日本人だって日本語は難しい 当用漢字は、漢字消滅のステップ 音で文章をつくる時代に ベストセラー作家 京極夏彦の 読めないタイトル集 • • • • • 絡新婦の理 大極宮 姑獲鳥の夏 鉄鼠の檻 魍魎の匣 日本語の読みをどのように考えるのか 付録2.コンピュータの日本語環境 日本語ワープロを海外の会社に依存していいの だろ?うか ローマ字表は誰が決めるのか。 日本語文法は誰が決めるのか。 日本語辞書は誰が決めるのか。 文字入力方法は誰が決めるのか。 文字コードは誰が決めるのか。
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