プログラム演習 ‐行動モデル夏の学校2007‐ 2007/09/20 愛媛大学大学院M1 牛尾龍太郎 1 説明の流れ Ⅰ.演習データ1(買い物施設選択)の説明 Ⅱ.離散選択分析のプロセス Ⅲ.サンプルプログラムの説明 Ⅲ‐1 Rによる買い物地選択のMNL Ⅲ‐2 GAUSSによる買い物地選択のMNL 付録.サンプルプログラムの説明 付録-1 演習データ2(経路選択)の説明 付録-2 Rによる経路選択のMNL 付録-3 GAUSSによる経路選択のMNL 2 Ⅰ.演習データ1の説明 -買い物施設選択- 3 Ⅰ.買い物地選択データセットについて 松山街中PP調査のデータを使用 サンプル数は287トリップ 買い物目的地は8施設 買い物目的地までの距離は道を考えず,単純な 直線距離 買い物目的選択トリップデータを,プログラム用 に加工したものがkaimono.csvとなっています 4 Ⅱ.離散選択分析のプロセス 5 Ⅱ.離散選択分析のプロセス 1. 2. 3. 4. 5. 分析対象を決める (モデル分析の方針を決める) 調査の実施 調査データの集計(と作成) モデルの推定 5-1 モデルの選定 5-2 モデルの特定化 5-3 モデルの推定 6. 推定結果の解釈 6 1.分析対象を決める 1)外的条件の変化 例えば,郊外にショッピングモールの建設が予 定されている.これができたとき,人の買い物行 動はどう変わるのか? 2)分析範囲の決定 想定される行動変化 買い物場所の変化 買い物頻度の変化 買い物場所への利用交通手段の変化 など 7 Ⅱ.離散選択分析のプロセス 1. 2. 3. 4. 5. 分析対象を決める (モデル分析の方針を決める) 調査の実施 調査データの集計(と作成) モデルの推定 5-1 モデルの選定 5-2 モデルの特定化 5-3 モデルの推定 6. 推定結果の解釈 8 2.(モデル分析の方針を決める) どのようなモデルを用いて分析するかを検討 集計モデルvs非集計モデル 効用関数の誤差構造は? 異質性(嗜好,選択肢集合など)は? 新規郊外店舗の建設(政策変数)をモデルでどのよう に表すか? 9 Ⅱ.離散選択分析のプロセス 1. 2. 3. 4. 5. 分析対象を決める (モデル分析の方針を決める) 調査の実施 調査データの集計(と作成) モデルの推定 5-1 モデルの選定 5-2 モデルの特定化 5-3 モデルの推定 6. 推定結果の解釈 10 3.調査の実施 1.および2.を踏まえて調査設計 対象母集団の決定 サンプルの抽出方法の決定(ランダムor層別) サンプル数の決定 調査手法の決定 紙面,PP,インタビュー調査 配布・回収方法 謝礼 など 質問項目の決定 11 Ⅱ.離散選択分析のプロセス 1. 2. 3. 4. 5. 分析対象を決める (モデル分析の方針を決める) 調査の実施 調査データの集計(と作成) モデルの推定 5-1 モデルの選定 5-2 モデルの特定化 5-3 モデルの推定 6. 推定結果の解釈 12 4.データの集計(と作成) 1)基礎集計 単純集計,クロス集計を行うことによりデータの 特徴を読みとる 2)選択肢集合の決定 買い物場所選択実績やデータ量を見て選択肢集 合を決定する 3)データの作成 不足しているLOSデータ等の作成 13 Ⅱ.離散選択分析のプロセス 1. 2. 3. 4. 5. 分析対象を決める (モデル分析の方針を決める) 調査の実施 調査データの集計(と作成) モデルの推定 5-1 モデルの選定 5-2 モデルの特定化 5-3 モデルの推定 6. 推定結果の解釈 14 5-1.モデルの推定-モデルの選定 モデルの選定 2.の方針および4.の集計結果を踏まえてモデ ルを選定(例:多項ロジットモデル) 15 5-2.モデルの推定-モデルの特定化① ここでは簡単のため高島屋(高島),三越,ジョープラザ (ジョ)の3つの買い物地選択について考える (後に紹介するサンプルプログラムは5施設について) 各選択肢の効用関数の特定化 U (高島) V高島 ε高島 :確定項 U (三越) V三越 ε三越 U (ジョ ) Vジョ εジョ :確率項 16 5-2.モデルの推定-モデルの特定化② 確定項の特定化 買い物地選択を決める主な要因として,距離( d ),女性 ダミー( f ),年齢ダミー(60歳以上)(a )を考える V高島 _ n β1 β3d高島 _ n V三越 _ n β2 β3d三越 _ n β5 an Vジョ _ n β3dジョ _ n β6 f n :定数項 :サービスレベル変数(LOS変数) :社会経済変数(SE変数) 定数項は最大で(選択数-1) 17 5-2.モデルの推定-モデルの特定化③ 共通係数(generic coefficients)と選択肢固有係数(intrinsic coefficients) V高島 _ n β1 β3d高島 _ n V三越 _ n β2 β3d三越 _ n β5 an Vジョ _ n β3dジョ _ n β6 f n V高島 _ n β1 β3d高島 _ n V三越 _ n β2 β4 d三越 _ n β6 an Vジョ _ n β5 dジョ _ n β7 f n 距離に対する重み(パ ラメータ)は各選択肢で 同じ 各施設までの1kmの移動に伴う不効用は 全て等しい 距離に対する重み(パ ラメータ)は各選択肢で 異なる 1kmの移動に伴う不効用は目的施設にご とに異なる 18 5-2.モデルの推定-モデルの特定化④ 多重共線性(multicollinearity) 仮に三越に無職ダミー( t )を入れてみる V高島 _ n β1 β3d高島 _ n V三越 _ n β2 β3d三越 _ n β5 an β7 t n Vジョ _ n β3dジョ _ n β6 f n でも,60歳以上と無職って相関がかなり高そうだ 説明変数間に高い相関がある状態をいう。この場合、パラ メータの分散が大きくなり、その信頼性が小さくなる 19 5-3.モデルの推定-モデルの推定 モデルの推定 省略 以降,モデルの選定,モデルの特定化,モデルの推 定の作業を繰り返す 例えば,当初はネスティッドロジットモデルを採用しモ デル推定を行なった結果,多項ロジットモデルと有意 な差がないと判断されれば,多項ロジットモデルに変 更してモデル推定を行なう 20 Ⅱ.離散選択分析のプロセス 1. 2. 3. 4. 5. 分析対象を決める (モデル分析の方針を決める) 調査の実施 調査データの集計(と作成) モデルの推定 5-1 モデルの選定 5-2 モデルの特定化 5-3 モデルの推定 6. 推定結果の解釈 21 6.推定結果の解釈① t検定 検定値は,パラメータ推定値をその推定値をその推定値の標 準偏差の推定値で除した値. この値が絶対値で1.96以上であれば十分(有意水準5%) 初期尤度 最終尤度 モデルの適合度 決定係数 ln L(β*)-ln L(0) ln L(0) ln L(β*) ρ ln 1 ln L(0) ln L(0) 2 自由度決定済み決定係数 ln L(0) (ln L(β*) K ) ρ ln L(0) 2 モデルに含まれる未知パラメータ数 22 6.推定結果の解釈② 分析・政策 新しい郊外ショッピングモールはどのような人(年齢別,性 別,職業)が利用するのだろうか? 買い物目的地へ向かう移動手段はどう変わったのか? 施設による違い(駐車場の有無,敷地面積,中心市街地 か郊外にあるか)は影響を与えているか? 23 Ⅲ‐1.サンプルプログラムの説明 -Rによる買い物地選択のMNL- 24 Ⅲ-1.Rの初期場面 文字化けしているならメニューバーの編集から GUIプリファレンスを選びFontをFixedSysに変更 25 Ⅲ-1.モデルの作成① ① ② ③ ④ 26 Ⅲ-1.モデルの作成② ⑤ ⑥ ⑦ ⑧ ⑨ 27 Ⅲ-1.モデルの作成③ ⑩ ⑪ ⑫ ⑬ 28 Ⅲ-1.結果の出力 ⑭ ⑮ ⑯ ⑰ ⑱ ⑲ 29 Ⅲ‐2.サンプルプログラムの説明 -GAUSSによる買い物地選択のMNL- 30 Ⅲ‐2. GAUSSの初期場面 FontからSelectに行き,フォント名をSystemから FixedSysに変更 File→Editから書き込み用のファイルを指定 31 Ⅲ‐2.モデルの作成① ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ 32 Ⅲ‐2.モデルの作成② ⑧ ⑨ ⑩ ⑪ ⑫ 33 Ⅲ‐2.モデルの推定結果 ⑬ ⑭ ⑮ ⑯ ⑰ ⑱ ⑲ 34 35 付録.サンプルプログラム -経路選択- 36 付録1.経路選択データセットについて 松山PP調査(03年~05年)のデータ 各年のトリップ数は03年419,04年5110,05年 3124となる 経路選択の選択肢数は,トリップによって違う 実際の経路選択はalt1 経路選択サンプルプログラム用に加工したデータ がPathSet2.csv となっています(GAUSSサンプル データ→sample→route→PathSet2.csv) 37 付録2.サンプルプログラムの説明 -Rによる経路選択のMNL- 38 付録2.モデルの作成① ①・apply(Path,1,sum)はPathの行に関して 関数sumを適用.2なら列 ・Path[,1]/utでPathデータの1行目(実際 の選択結果)を抜き出す ・定数項が定義できないのも特徴 ① 39 付録2.モデルの作成② ② ②経路のトリップ毎に選択肢数が違うので, 買い物選択のときみたいな書き方ではダメ 推定結果は省略 40 付録3.サンプルプログラムの説明 -GAUSSによる経路選択のMNL- 41 付録3.モデルの作成① ①sumc(path’)でpathデータを転置し,転置し たデータを足し合わせる ① 42 付録3.モデルの作成② 買い物選択と同じである 推定結果は省略 43
© Copyright 2024 ExpyDoc