緊張場面における“あがり”の抑制

緊張場面における“あがり”の抑制
卒業論文構想 武藤ゼミ 4回生
桂川 理恵
研究の意義

面接など、大事な場面になるとあがりやすくなる
が、あがることで言いたいことが上手く伝えられ
なかったり、パフォーマンスが低減してしまう。
→ 自分自身で“あがり”を抑制することができ
れば、大事な場面で話し方やパフォーマンスを、
本来自分が持つ力により近いレベルで発揮でき
る。

“あがり”に対する行動分析的研究がない。
“あがり”の操作的定義
あがることによって生起する症状は、一般的に
人によって違うとされているが、ここでは「あがり
度合いの高低」を一定の尺度で測るために、あ
がった状態の人全てに共通すると思われる現象
「心拍数の増加」を“あがり”の操作的定義とし、
「心拍数の増減」をあがりの指標とする。
「“あがり”」= 「平常時に対しての心拍数増加」
目的
“あがり”の対処法として効果があると思
われるリラクゼーション訓練の技法を用い
て、緊張場面での“あがり”を抑制する。

独立変数
リラクゼーション訓練の技法(漸進的筋弛
緩法・腹式呼吸法・注意集中訓練)の教示

従属変数
心拍数の増加の程度

被験者
大学生数名。(自らをあがり症、またはあがりや
すいと思っている人。緊張状態に陥りやすいか
どうかを測定できる何らかの評定尺度を用いて、
値の高い人を選定できればなお良し)
実験群と統制群に振り分ける。

実験デザイン:
プレテスト→介入→ポストテスト
群間比較法

実験場面:
実験室内

実験装置:
心拍数を測定できる血圧計
手続き

実験前
プレテストを始める前に、心拍数を測定できる
血圧計を被験者に装着させ、安静時の心拍数を
測定する。
手続き

プレテスト
被験者に、血圧計を装着した状態で、5名程度の
オーディエンスの前で事前に実験者が提示した課
題についての簡単な演説を行ってもらう。課題提
示は演説する部屋に入る直前とし、演説時間は1
分以上2分未満を目安にするよう被験者に教示し
ておく。
実験者は、演説の間被験者の心拍数を測定する。
手続き

介入
“あがり”の対処法として有効であると思われるリラクゼー
ション訓練の技法を教示し、被験者には一定期間それを実
行してもらう。
教示する対処法は、漸進的筋弛緩法・腹式呼吸法・注意
集中訓練の3つを検討中。
(被験者を、筋弛緩法群、腹式呼吸法群、注意集中訓練群、
統制群の4つの群に分け、それぞれの対処法の効果を検証
することも検討中)
手続き

ポストテスト
プレテストと同様。
ただし、演説する課題の内容はプレテストと別
のものにし、オーディエンスもプレテスト時とは全
員別の人物とする。
補足

実験後
被験者に、対処法や実験の感想などを自由記
述してもらう。
被験者を質問紙などで選定した場合、ポストテ
スト後に再度同じ質問紙を被験者に実施し、値に
変化があるかどうかを確認する。
仮想データ
1分間における心拍数
120
100
心
拍
数
(
回
)
80
60
平常時
プレテスト時
ポストテスト時
40
20
0
A
B
C
被験者
D
問題点・疑問点

対処法別に群を設定するか、介入群と統制群だけにする
か。

演説の課題内容は被験者自身に関わる内容にするべきか
否か。

実験場面は適切と言えるか。

平常時の心拍数の測定方法について。

練習効果を抑制しきれない可能性。