世界のサッカークラブの経営 肥野高久 松山勇人 ギイ 全体の目次 1中国サッカークラブの経営 2日本のサッカークラブの経営 3ヨーロッパのサッカークラブの経営 2 日本のサッカークラブの経営 1. J1 J1における営業収入 J1における営業費用 2. J2 J2における営業収入 J2における営業費用 3.まとめ Jリーグは、現在1部2部制を導入してい ます。それによって利益なども大きく違っ ていることから、1部と2部を分けて解説 したいと思います。 1. J1 J1における営業収入 営業収入 9000 8000 7000 6000 5000 4000 3000 2000 1000 0 単位:百万円 営業収入は、一部のチームが飛びぬけていますが、 多くのクラブチームは大きくは違わず、あまり差がな い状態です。ただし、J1に定着しているチーム以外は やや低い傾向にあります。 グラフで、浦和の収入がずば抜けているのは、 ・クラブの成績が良いので広告が多く集まる。 ・スタジアムの収容人数が多く、人気が高いので必然 的に入場料収入が多くなる。 ・ファンクラブの加入者数が多いのでそれに伴いグッ ズの売り上げが上がる。 などが考えられます。 これが営業収入の内訳です。多くのチーム が収入の約半分を広告料でまかなっていま す。また、その他にはファンクラブや、グッズ の収入などが含まれているようです。 J1における営業費用 営業費用 9000 8000 7000 6000 5000 4000 3000 2000 1000 0 単位:百万円 このグラフがJ1においての営業費用です。当然、営 業収入と大きく差のあるチームはなく、収入とのつり あいはとれています。 また、事業費内人件費割合のJ1平均が57%であ るのに対して、グラフ内のクラブでは甲府67%、G大 阪73%と人件費の割合が高くなっています。 これは、甲府は昨年度にJ1に昇格したこと、G大 阪はAFCに出場が決定したこと等、今年度に好成 績を収めるために外国人など新戦力を補強したこと などが理由としてあげられます。 2.J2 ・J2における営業収入 単位:百万円 J2営業成績 3000 2500 2000 1500 1000 500 0 京都、東京V、C大阪など元J1のチームは同リーグの中で も群を抜いて高く、水戸、草津など新しくJ2に参入した チームはとても低いです。ただ、東京Vにおいては、広告 料、入場料ともにJ2平均より若干低いが、「その他」の項目 において20億3千万という事で、このような成績になって います。 営業費用内訳 33% 38% (広告料収入) (入場料収入) (Jリーグ配分金) (その他) 11% 18% 広告料収入は元J1のクラブのおかげでこのよ うな数字になっていますが、水戸の広告料収 入は平均の13%とかなり低くなっています。 入場料は、札幌、仙台など成績上位のチー ム、地域密着型で数年やってきたチームは比 較的高収入になっています。 J2営業費用 3000 2500 2000 1500 1000 500 0 札幌 仙台 水戸 草津 東京V 京都 C大阪 鳥栖 J2平均 単位:百万円 営業費用をみると、J1と違い、元J1を除く多 くのクラブが収入を上回る費用になっていま す。赤字になっているクラブでは、東京Vは人 件費が多い、札幌はメインにしていたスポン サーの撤退で収益が減ったと考えられます。 また、南は九州、北は北海道まである遠征 費が負担になっています。 さらに、J2のほぼすべてのクラブで言える事 ですが、使用しているスタジアムがクラブの持 ち物でないために使用量が発生し、収入を圧 迫しているといえます。 まとめ1 J1では、収入は平均に近いクラブが多かった が、J2は、大小の差が激しく、J1の平均ほどある クラブからその10分の1程しかないクラブまで 様々だった。これは、Jリーグに加盟したのが早 く、歴史のあるチームは地域に定着しており、地 元企業などが大口のスポンサーになっているの に対し、歴史の浅いクラブは個人出資で経営し ているなど経営母体に差があることが大きいと おもわれる。 営業収入平均は、1999年から順調に伸び続け ている。これは、日本にもプロのサッカーリーグ ができて、国民の関心を得たからと推測される。 まとめ2 Jリーグの創設の時の目標は、代表を強くする こと、各都道府県に1つ以上クラブがあること、 地域スポーツの発展の3つだった。 • 代表はワールドカップに何度も出場するレベ ルにはなったが、クラブはJ1、J2合わせても40 に満たない。しかし、下部組織であるJFL(アマ チュア)に所属でJリーグの入会希望は多くあ る。3つ目の目標である地域への貢献も果たさ れつつある。 なので、クラブ経営の健全化、安定化が次な る目標になる。そのためには、マネジメントので きる人材が必要になる。
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