▼県土木部と意見交換 ▼県が当初予算案を発表 ▼国交省が技術者専任要件を緩和 (一般社団法人) 茨 建 協 ニ ュ ー ス 第 560 号 平成 28 年 3 月 15 日 設計変更審議会導入求める 茨城県土木部と意見交換会 昨年 12 月に続き、本年度 2 回目となる本会と県土木部による意見交換会が 2 月 24 日、水戸市大町の県建設業協会本部で開かれました。本会からは、正副会長・支部長・ 各委員会の委員長が、県土木部からは渡辺学部長や澤田勝総括技監をはじめ、監理課・ 検査指導課・営繕課の各課長などが参加し、一般競争入札の参加者数や設計変更審議 会の導入、4 週 8 休モデル工事など 6 項目について、活発に議論を展開しました。 岡部会長 渡辺県土木部長 入札参加者数や設計変更審議会の導入などについて意見を交わしました 冒頭、本会の岡部英男会長は「県議会開会前の 円程度で、本年度から 23 億円の増となる。この 多忙な時期に機会を設けていただきありがとう うち、ずっと減ってきた県単事業が 10 億円増と、 ございます。県執行部の皆さまにご指導いただけ ようやく少し上向きとなった」と説明。意見交換 れば」などとあいさつしました。 会については「支部ごとに議論をしていただいた 渡辺学県土木部長は、昨年の関東・東北豪雨災 害時における協力に礼を述べ「河川の激甚災害と 意見が出てくると聞いているので、有意義な場に なれば」と期待を込めました。 して認定を受け、国と県を合わせて 5 年半で 600 意見交換では、①一般競争入札の参加要件 30 億の予算で実施していくこととなりました。引き 社の緩和②総合評価落札方式開札後の評価調書 続きご協力を」とあいさつ。続けて、県の新年度 閲覧③設計変更審議会の導入検討④完成書類確 予算案について「東日本大震災の集中復興と圏央 認事項の統一化⑤ 4 週 8 休を確保する(モデル) 道の直轄事業負担金が本年度ピークであったこ 工事⑥県の各出先機関と県内各支部との災害細 とから、公共事業予算は 370 億円程度減となった」 目協定の統一化―について話し合いました。 としながらも「これらの特殊要因を除くと 650 億 −2− 茨 建 協 ニ ュ ー ス 第 560 号 平成 28 年 3 月 15 日 一般競争の原則30社緩和を 意見交換会で要望しました 事務所によって対応が異なるのが現状。スピー 一般競争入札の参加要件 30 社の緩和 ディーな対応の点で、審査会の導入は効果的 【茨建協】 な方法である。審査会の方法、どのようなも 地域性を考慮した応札可能業者数の緩和、 入札エリア、隣接地域指定など、地域に沿っ のが良いのか対応していきたい。 【茨建協】 コンサルの対応もスピーディーにお願いし た入札参加要件の緩和をお願いしたい。 たい。 【県土木部】 【県土木部】 応札可能業者数については平成 24 年 4 月か 平成 28 年度からコンサルの成績評定をきち ら全ての一般競争入札において原則 30 社以上 んと行う。評価の目が厳しくなると思われる で実施している。ただし応札可能業者数につ ので、含めて活用していく。 いては、標準ブロックにおける応札可能者が 30 社に満たない場合、地域要件が適当である 4 週 8 休を確保するモデル工事 と認める工事については、30 社未満でも入札 【茨建協】 可能となっている。 災害時も含め地元に精通し貢献している業 担い手の確保、育成と労働環境の改善を進 者が育成されるよう、只今の要望を実現する める取り組みとして、計画的に休日を取得で には、どのような入札契約システムの見直し き、働きやすい職場環境を目指すことができ が出来るのか、内部で検討を開始した。 る。一方で現場の経費が増加し、会社への負 担は増える。現場には日雇い労働者もいる。 安定的な工事量が確保できないと 4 週 8 休は 設計変更審議会の導入 むずかしいのでは。 【茨建協】 設計変更がある場合、発注者の返答が遅い 【県土木部】 と工期が延びてしまう。設計変更が早くでき 平成 27 年度からモデル工事を 4 カ所で実施 れば工事も早く進む。簡素化された設計変更 している。モデル工事の中身を分析し、精度 のシステムを構築していただきたい。 を上げたアンケート調査などを実施すること で、問題点・課題の把握に努める。全体とし 【県土木部】 て課題を把握しながら次のステップに進んで 監督員が設計変更に対応しており、監督員、 いく。来年度は数を増やす予定。 −3− 茨 建 協 ニ ュ ー ス 第 560 号 平成 28 年 3 月 15 日 防災体制強化に重点投資 県単は6%増 茨城県の28年度当初予算案 茨城県の平成 28 年度当初予算案がまとまりま 当初予算案 公共事業費 内訳表 した。特別会計などを含めた総額は 1 兆 1208 億 200 万円で、東日本大震災関連分の減少を主な要 因に前年度比 3.5% 減となりました。 前年度比 24.9% の減の 1389 億円。このうち公共 事業費は、前年度比 25.4% 減の 1094 億円となり 3.7% 増となります。 公共事業費のうち国補分は 911 億円で、関東・ 東北豪雨や東日本大震災を踏まえた防災体制の 強化事業などの所要額を計上。通学児童生徒の安 全対策必要額も確保しました。農林水産業関係で は、農業改革を推進するための、ほ場や畑地基盤 県 単 ましたが、震災関連分などの特殊要因を除くと、 国 補 投資的経費も震災関連分の減少などにより、 (単位:百万円、%) 〈一般会計〉 区 分 土 木 農 地 農 林 企 画 計 土 木 農 地 農 林 計 小 計 〈特別会計〉 下水道事業 区画整理事業 小 計 合 計 2016 年度 2015 年度 71,623 103,878 10,366 10,965 3,371 9,055 13 153 85,373 124,051 16,507 14,854 758 798 894 1,469 18,159 17,121 103,532 141,172 2,809 3,037 5,846 109,378 2,794 2,580 5,374 146,546 増減率 ▲ 31.1 ▲ 5.5 ▲ 62.8 ▲ 91.5 ▲ 31.2 11.1 ▲ 5.0 ▲ 39.1 6.1 ▲ 26.7 0.5 17.7 8.8 ▲ 25.4 整備、森林湖沼環境税による間伐などで必要額を 豪雨災害を踏まえた河川緊急減災対策や道路の 確保しています。 緊急修繕事業新設などにより、前年度比 6% の増 県単分は 182 億 6300 万円を配分。関東・東北 となりました。 28年度の主な事業 土 木 建 ◆浸水対策特別緊急事業(八間堀川や沢渡川など 築 ◆安心こども支援事業(認定こども園等の整備支援。 認定子ども園 14 施設、小規模保育施設 5 施設) の築堤、護岸整備)=10 億 5000 万円 =10 億 8000 万円 ◆治水直轄事業負担金(河川激甚災害対策特別緊 急事業等を活用した鬼怒川等の集中的な改修) ◆老人福祉施設整備事業(特別養護老人ホーム新 設 9、増築 3、増改築 1 施設)=23 億 4000 万円 =28 億 4600 万円 ◆緊急輸送対策強化事業(緊急輪送道路の整備や ◆地域密着型老人福祉施設整備推進事業(小規模 重要港湾の機能強化など)=173 億 1600 万円 特別養護老人ホーム等 25 施設、特養多床室プ ◆港湾建設事業(東京電力常陸那珂火力発電所の次 ライバシー保護改修 2 施設)=12 億 4900 万円 期灰処分場の締切護岸工など)=264 億 9700 万円 ◆警察施設再編整備事業(神栖警察署(仮称)の ◆津波対策強化事業(河川海岸 10 カ所、港湾区 建設、つくば警察署(仮称)の整備に向けた実 域 2 カ所、漁港海岸等 3 カ所)=105 億 1100 万円 施設計)=16 億 500 万円 ◆河川緊急減災対策事業(河道内に堆積した土砂 ◆県営体育施設再編整備事業(国体会場などの施 の除去や樹木の伐採など)=5 億 2300 万円 設整備)=31 億 5800 万円 −4− 茨 建 協 ニ ュ ー ス 第 560 号 平成 28 年 3 月 15 日 土地改良に26億円/地方道整備も追加 茨城県の27年度最終補正予算案 茨城県の平成 27 年度最終補正予算案が発表さ 補正予算案の公共事業費 れました。一般会計には 59 億 8900 万円、特別会 計に 101 億 1700 万円を配分した一方、企業会計 国 補 を 48 億 6000 万円減額し、当初からの総額を 1 兆 区分 6531 億 5900 万円としました。 国補公共事業費は、土木、農地を中心に国補 正関連で 92 億 6500 万円を追加しましたが、全体 では 41 億 8800 万円の減額となりました。 主な歳出を見ると、関東・東北豪雨対応とし て、鬼怒川における本復旧工事などの実施に伴う 治水直轄事業負担金に 15 億 5900 万円、道路の緊 急防災対策を行う地方道路整備事業に 15 億 3700 万円。住宅応急修理などへの支援に係る経費には 11 億 7000 万円を追加しました。 国補正関連では、TPP 対策として土地改良事 (単位:百万円) 補正 前の額 (A) 今回の 補正額 (B) 計 うち国補 (A+B) 正関連 土木 114,302 ▲ 3,203 企画 1,786 ▲ 1,109 6,420 111,099 − 677 農地 15,017 ▲ 521 2,772 14,496 農林 9,154 645 73 9,799 140,295 ▲ 4,188 9,265 136,071 計 (注)特別会計、企業会計を含む。 県 単 区分 (単位:百万円) 補正前 の額 (A) 今回の 補正額 (B) 計 うち国補 (A+B) 正関連 業に 26 億 7500 万円を予算化。生産コスト削減の 土木 17,010 ▲ 803 − 16,207 ための農地の大区画化、排水対策を推進するた 農地 798 ▲ 20 − 778 め、区画整理や暗渠排水、農業用用排水施設など 農林 1,489 ▲1 − 1,488 計 19,297 ▲ 824 − 18,473 の整備を行います。 また 20 億円で県有施設の修繕、改築などを計 (注)特別会計、企業会計を含む。 画的に実施するための基金を造成します。 国体と観光強化へ局新設 県は新年度の主な組織改正内容を発表した。 茨城県が組織改正 を強化。農林水産部販売流通課では、アグリビジ 2019 年の国体および全国障害者スポーツ大会開 ネス推進室を「6 次産業化・輸出推進室」に改組。 催に向け「国体・障害者スポーツ大会局」 (部相当) 農業政策課には TPP 対策担当技佐を設置します。 総務部地域支援局の県民センター総室は、市 を設置し、同局に総務企画課、施設調整課、競技 式典課の 3 課体制を整備。観光行政強化に向けて 町村課に再編統合した上で地域支援局を廃止し、 は、商工労働部を「商工労働観光部」に改称し、 総務部に地域支援監(次長級)を設置。出先機関 観光局を設置します。 では、古河産業技術専門学院を筑西産業技術専門 また国際観光推進室を国際観光課として体制 学院に統合します。 −5− 茨 建 協 ニ ュ ー ス 第 560 号 平成 28 年 3 月 15 日 技術者専任を 3500 万円以上に緩和 建築は 7000 万円以上 国交省が6月から 国土交通省は社会情勢の変化に伴う実態に合 額の下限も同様に引き上げます。 わせて技術者を効率よく活用するため、技術者配 物価上昇や消費税増税分を踏まえて改正する 置に関する金額要件を 6 月から引き上げます。工 金額要件の緩和は 1994 年以来となります。背景 事現場に置くべき技術者は、現状では専任が必要 には中長期的な担い手不足があり、金額要件を引 な請負金額は監理・主任技術者ともに公共性のあ き上げることで、技術者の効率的な配置を行える る施設など重要な建設工事で 2500 万円以上、建 ようにしたい考えです。専任要件も緩和されるこ 築一式工事で 5000 万円以上となりますが、6 月 とから、これまで認められていなかった 2500 万 からは 3500 万円、7000 万円へ、それぞれ金額要 円以上 3500 万円未満の土木工事などの公共工事 件を引き上げます。 でも現場を兼務できるようになるため、地方自治 また、特定建設業の許可および監理技術者の配 置が必要な下請契約の金額は現在の 3000 万円か 体の工事受注が中心の建設業者にとっては、今後 の受注機会増加が期待されます。 ら 4000 万円に、建築一式工事は現在の 4500 万円 今回の見直しに必要な建設業法施行令の一部 を 6000 万円に見直します。併せて民間工事で施 を改正する政令案は 4 月上旬にも公布し、6 月 1 工体制台帳の作成が必要な下請契約の請負代金 日から施行します。 実習後に従事希望者増加傾向 建設現場見学・実習で反省会 本会は 2 月 29 日、昨年 7 月から 11 月にかけ て実施した学生の建設現場見学会と現場実習に ついての反省検討会を、水戸市の県建設技術管 理センターで開催し、本会建設未来協議会人材・ システム委員会の委員や高校の担当教諭など合 わせて約 30 人が出席。本年度の実施状況や今後 の課題などについて話し合ったほか、近年にお ける求人の状況や資格取得に向けた取り組みな 業に対するイメージが「良くなった」「やや良く どについて、意見を交わしました。 なった」と答えた生徒が平均で 8 割以上いたこ 建設現場見学会と現場実習は、若年層の入職 促進のために県内の工業・農業高校生や専門学 とが分かりました。また各校で、現場実習後に「土 木建設業への従事希望者」が増加しました。 校生、大学生を対象に毎年実施しており、平成 これらアンケート結果が示すように、体験を通 27 年度は見学会に 400 人、実習に 145 人が参加 した建設業の魅力 PR に効果が見られていること しました。 から、本会はこの取り組みを継続するとともに、 今回の反省検討会で示された参加学生らのア ンケート結果によると、実習に参加して土木建設 本年度から開始した普通科高校生徒の実習受け 入れを、来年度は拡大したいと考えています。 −6− 茨 建 協 ニ ュ ー ス 第 560 号 平成 28 年 3 月 15 日 委員会活動報告 前払金制度など学ぶ 来年度の計画案など協議 経営企画委員会 土木委員会 土木委員会(細谷武史委員長)は 3 月 8 日に会 経営企画委員会(小林伸行委員長)は 2 月 24 議を開き、平成 27 年度の事業報告、28 年度の事 日に本部で会議を開催。平成 27 年度の事業報告 業計画案などを協議しました。来年度は建設工事 や 28 年度の事業計画案などについて議論しまし の生産システムに関する諸問題や建設技術者の た。また講師を招き、前払金制度や融資制度の概 個の資質向上、技術集団としてのボトムアップな 要などについて説明を受けました。 どに取り組む方針です。 委員会活動報告 施工マネジメント など学ぶ 現場代理人 セミナー 昨年度の事業を報告 建築委員会 本会と県土木施工管理技士会は、2 月 23 日・ 24 日の 2 日間にわたり、現場代理人スキルアッ 建築委員会(下田德行委員長)は、3 月 1 日の プセミナー「施工マネジメント研修」を県建設技 会議で、平成 27 年度の事業報告や 28 年度の事業 術研修センターで開催し、会員各社の現場代理人 計画案などを話し合いました。来年度は建築工事 30 人が参加。施工マネジメントの基本や現場に の安全施工確保に向けた取り組みなどを計画し おける事業継続計画(BCP)のまとめ方など、現 ています。 場代理人に必要なスキルを幅広く学びました。 −7− 茨 建 協 ニ ュ ー ス 第 560 号 境支部 活動報告 工事事務所と 意見を交換 平成 28 年 3 月 15 日 会員の動向 〈住所変更〉 ▽境支部 サンワ設計㈱ 〒 306-0125 古河市仁連 1921-4 → 〒 306-0233 古河市西牛谷 1099-1 TEL:0280-23-3303 境支部と県境工事事務所は 2 月 22 日に第 2 回 意見交換会を、境工事事務所会議室で開催。関東・ 東北豪雨の反省を踏まえ、応急対応にあたっての 問題点やその対策法、災害協定の有効な活用方法 3月は 「労災防止強化月間」です 建設業労働災害防止協会 などについて、活発に意見を交換しました。 マンガで安全管理学んで 東日本建設業保証 ちょっと一言 東日本建設業保証㈱は、小冊子「マンガでわか 先日、姪子のタシチニアンダンスの発表会を る若手技術者育成のための安全管理ハンドブック」 鑑賞してきました。実際に見るのは、初めてでし を発刊した。昨年の「原価管理ハンドブック」に続 たが、ハワイのフラダンスと違い迫力あるダンス く「マンガでわかるシリーズ」の第 2 弾となります。 でした。ダンサーには、小学生から 68 歳の女 今回は、災害発生時の対処方法や元請としての 役割、安全施工サイクルなど災害防止の具体的な取 り組みについて、分かりやすく解説しています。 −8− 性総勢 86 名が参加し、2 時間の公演でしたが 楽しい時間を過ごしました。また機会がありまし たら見に行きたいと思います。 (O)
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