不動産証券化 - Jonathan Lewis` website — Jonathan

不動産証券化とまちづくり
中前太佑
不動産証券化とは??
典型的なスキームの概念図
売却
SPC(特定目的会社)
オリジネーター
(不動産所有者)
実物不動産
信託受益権
負債
金融機関
出資
投資家
売買
倒産隔離
投資証券
配当
投資家
不動産証券化のメリット
1、資金調達
2、投資の小口化(かつては莫大な資金が必要)
3、ミドルリスク・ミドルリターンの投資
(ハイリスク・ハイリターン商品とローリスク・ローリターン商品を
組み合わせて販売)
4、不動産に係るリスクの移転
5、オフバランス化による財務体質の改善
補足
減損会計の導入
「減損会計」・・・資産の収益性の低下により、投
資額の回収が見込めなくなった場合、回収可
能性を反映するように帳簿価格を減額する会
計処理方法
→「持たざる経営」へ
オフバランス
=バランスシート(貸借対照表)から外す
伸びる不動産証券化
地価の推移と不動産証券化
~バブル期
地価上昇
地価上昇
土地神話
「地価は上昇を続ける」
不動産を所有することが
信用を得る
不動産市場に
資金流入
金融機関は
不動産を担保として
資金を貸し付ける
間接金融
中心
地価の推移と不動産証券化
バブル崩壊
地価下落
地価が下落
バブル崩壊に伴う
不動産の担保価値が減少
(不良債権化)
不動産市場への資金流入がストップ
金融機関からの貸付が
受けられなくなる
信用の低下
地価の推移と不動産証券化
不動産証券化手法の導入
地価持ち直し
反映
直接金融
中心
個々の物件の
キャッシュフローに基づく
投資
特定目的会社による
不動産市場への投資
地価の上昇
不動産市場活性化
倒産隔離
ビルトインスタビライザー機能
そもそも配当利回りは不動産価格を基に算定
不動産価格上昇→利回り低下→資金流入低下
不動産価格下落→利回り上昇→資金流入上昇
自動的に地価が安定!
ここまでのまとめ
不動産証券導入
リスク分散
投資の小口化
倒産隔離
投資家に対する
情報公開
利回りと地価の間で
市場原理が働く
活発な不動産投資
まちづくりに貢献
地価の安定
まちづくりと不動産証券化
京町家の保存に不動産証券化を導入。
京町家の現状
・減少する京町家
5992軒(京都市中京区・下京区)H15年
→ H8年に比べて13%減少
・様々なリスク
地震
火災
防犯
生活上のリスク(バリアフリー・PP分離)
日本の町の景観で美しいと思うのは
どこですか?
京町家保存の潜在的需要
多くの資金が必要
不動産証券化の導入
京町家の不動産証券化
・一口10万円、配当上限3%(3000円)で募集
⇒他の不動産REITに比べて低い水準
・209名の出資者を獲得
出資者の特徴
京町家の再生や保存に役立ちたかった
⇒74%
京都をよくするために役立ちたかった
⇒43%
資金運用として
⇒23%
以上から、篤志的な出資者が多いことがわかる。
日本の都市の景観を欧州の都市と比較して
どう思いますか ?社団法人中部開発センター2005年
日本の都市の景観をあなたの国の都市と
比較してどう思いますか (外国人)?
社団法人中部開発センター2005年
日本の町の景観で美しいと思うのは
どこですか(日本人)?
日本の町の景観で美しいと思うのは
どこですか(外国人)?
まとめ
伝統的な街並みを保全するという潜在的な問
題意識は住民にある。
不動産証券化を通じて、篤志的な出資をつの
ることで、伝統的な街並みの保存がすすむ。
行政は住民に不動産証券化を定着せるべく
いっそうの啓発が必要である。