PowerPoint プレゼンテーション

東日本大震災における復興基金の役割
豊田利久
(神戸大学)
報告の概要
東日本大震災における「復興基金」に関して、
以下のことを明らかにする。
どのように設立されたか
どの主体が運営しているか
どのような役割を果たして
いるか
問題点は何か
主な復興基金
創設年
基金規模
(億円)
事業数
(2010年現在)
雲仙岳災害対策基金
1991
1090
73
奥尻町南西沖地震災害
復興基金
1994
133
73
阪神・淡路大震災復興基金
1995
9000
113
中越大震災復興基金
2005
3000
36
能登半島地震復興基金
2007
500
23
中越沖地震復興基金
2007
1200
30
2012
3661+
(内、復興特別交付
税追加分1059)
基金名
東日本大震災復興基金
(取崩し型)
出所(青田(文献1)、ほか)
「基金」の特徴
• 初の取崩し型基金
• 2011年度第2次補正の特別交付税で財源措置(12月
交付分)
• 目的:「・・・地域の実情に応じて、住民生活の安定やコミュニティ
の再生、地域経済の振興・雇用維持について、単年度予算の枠に縛
られずに弾力的かつきめ細かに対処できる資金」(総務省)
• 9県に1960億円を交付。各県は半額を各市町村に配
分。運営方式は各自治体に任せるとしたが、実際は
直営方式
3県の活用状況
復興基金の市町村活用状況
自治体へのアンケートの結果と分析
• アンケートの内容
自治体へのアンケートの結果と分析
• 3県の回答
自治体へのアンケートの結果と分析
• 市町村の回答
自治体へのアンケートの結果と分析
• 復興基金の評価(各県の市町村)
n=73
自治体へのアンケートの結果と分析
• 市町村の評価
① 事例1:
② 事例2:
自治体へのアンケート結果と分析
・復興基金の評価(各県別市町村)
n=17
n=29
宮城県
n=19
自治体へのアンケート結果と分析
• 各市町村で評価が異なる要因分析
仮説:「被害甚大であればあるほどきめ細かなソフト事業の必要性を感
じるが、他方で、自治体の規模が大きいほど基金の適用が煩
雑で難しいと感じる」
モデル:
評価ポイント= f (全壊家屋数、総人口)
(-)
質的従属変数モデルを適用
(+)
自治体へのアンケート結果と分析
• 推定結果
Dependent Variable: Y(評価ポイント)
Method: QML - Exponential Count (Quadratic hill climbing)
Sample: 62
QML (Huber/White) standard errors & covariance
Variable
C
Coefficient
Std. Error
z-Statistic
0.597
0.082
7.28
FAHOUSE
-2.34E-05
1.62E-05
-1.44
POP
9.16E-07
5.26E-07
1.74
(注) FAHOUSE = 全壊家屋数、 POP = 全人口数
復興基金の評価と問題点
• 評価される点
復興基金の評価と問題点
• 問題点
復興基金の評価と問題点
• 提言
①生活、コミュニテイ、地域の復興促進のために、
ニーズのあるところにはより柔軟な対応と上積みを
すること
②将来の復興基金の運用は必ず「財団方式」で行うこと
• 終わり(これはなしにする?)