エアロダイナミックス特論

エアロダイナミックス特論
Computational Fluid Dynamics(CFD)
岡永 博夫
授業要旨

エアロダイナミックス(空気力学)は流体力学の一
部として、空気の流れに関連して種々の原理的・応
用的現象に関係しており,自動車や飛行機および
風車など工学系の分野だけではなく,スポーツや生
物に関する流れまでをも網羅している.この講義で
は、エアロダイナミックスに関して5名の教員が、各
自が関係する分野において有意義かつ興味深い話
題を取り上げて、講義を行う.これによって、該当分
野における世界最先端の技術を学ぶことを目標とし
ている.授業の主なテーマとして,CFD(Computational
Fluid Dynamics)を用いた非圧縮粘性流体の流れの解
析,スポーツの空力,風車,,圧縮性流体の数値解
析などである.
授業スケジュール
金曜日5時限
 CFDを用いた空力解析の基礎と自動車などへの応用および
スポーツで用いるボールおよび高層建築物の空力特性(非圧
縮性流体)(岡永)

9月21日,9月28日,10月5日,10月12日,10月19日
 (2)風車の空気力学:発電用風車の種類・構造・性能 (円能
寺)

10月26日,11月9日,11月16日,11月30日,12月7日
 (3) 圧縮性流体の数値計算:衝撃波現象と高精度スキーム
の可能性(高倉)

12月14日,12月21日,1月11日,1月18日,1月25日


成績評価の方法
3テーマのレポートを課し,各テーマの理解度
をレポートから判断し,レポートの平均点で成
績を評価する.
現象を記述する方程式を解く
偏微分方程式(partial differential equation, P.D.E.)
の解を求める
(偏微分方程式の境界値問題)
 境界条件(boundary condition,B.C.)
 初期条件(initial condition)
エアロダイナミックスの方程式
 Navier-Stokes方程式(運動方程式)
 連続の式
 状態方程式
 エネルギー方程式
 湿度に関する方程式
 電磁気に関する方程式
 etc
数値解析を行う上で必要なこと
解析モデル(境界条件,初期条件)
連続な物理量 → 離散量で近似
連立微分方程式 → 連立代数方程式で近似
構造格子・非構造格子
数値解析を行う上で必要なこと
流れの状態
 定常・非定常
 圧縮・非圧縮
 粘性・非粘性
 乱流・層流
解くべき方程式・手法が異なる
流れの運動方程式
 対流効果
ある物理量がそのまま流れによって移動
対流項の数値解析
 解き方(解法,格子の間隔など)
よって解が振動・減衰・発散する
粘性項の数値解析
 拡散の効果
解法によって解が不安定になる
非定常計算
陽解法
 陰解法

時間前進
 オイラー法
 クランク・ニコルソン法(陰解法)
 アダムス・バッシュフォース法(陽解法)
 ルンゲ・クッタ法(陽解法)
クーラン数と拡散数の条件
空間分解能と時間分解能の関係
対流項について
 中心近似と風上近似
 高次精度の離散化
数値粘性と物理粘性
次回9月28日日5、6限 10月5日は休講
CFDの体験 12-306
 www.mech.u-tokai.ac.jp/~cfd よりmesh2.exeをダ
ウンロードしておくこと
レポート課題 提出期限10月26日
レポート課題について
 体験CFDソフトを用いて
1.格子,時間刻み幅,Re数,上流化などを変化させ
たとき流れがどう変化するか
以下の項目に沿ってまとめるとなおよい
・格子数や格子間隔によって解析結果が異なること
・計算結果がどの程度正しいのか
・計算時間(コスト)と計算精度の兼ね合い
・より精度の高い解析を行うにはどうすればよいか
・上流化の効果
2.ソフトを用いた感想
3.ボールおよび高層建築物の空力特性についての
文献調査 2009年以降に限る
A4レポート用紙 図を含めて5枚程度以上を期待
提出場所:12号館7階機械第6研究室