プレス・リリース 平成28年8月3日 公益社団法人日本船舶海洋工学会 経済産業省資源エネルギー庁(国土交通省海事局連携)の平成28年度「輸 送機器の実使用時燃費改善事業費補助金」に係る補助事業者として選定 されました 公益社団法人日本船舶海洋工学会(会長原壽 研究代表者)は、共同申請者である株式会社 三浦造船所(大分県佐伯市)、興亜産業株式会社(香川県丸亀市)及び本瓦造船株式会社(広 島県福山市)の3社とともに、経済産業省 資源エネルギー庁(国土交通省海事局連携)が公募 した平成28年度「輸送機器の実使用時燃費改善事業費補助金(海上輸送機器の実使用時燃費改 善事業(標準的省エネルギー船舶開発調査))」に対して、内航船舶の大幅な省エネを実現す ることを目的とした「内航海運のための省エネルギー船型群の研究開発」をもって応募してい たところ、平成28年7月28日付で当該事業の実施事業者として選定された旨、同庁より通知を受 けました。 http://www.enecho.meti.go.jp/appli/public_offer_result/1607/160728b/ 本補助事業においては、内航船の2大船型かつ老齢船が多い499トン型と749トン型に着目し、 各々の多数を占める船種として499トン型ではケミカル船を、また、749トン型では一般貨物船 を対象に、1990年代の比較対象船から16%以上の省エネ効果を有する船型群をCFDによる船型最 適化手法などを駆使して開発・提供するとともに、建造造船所において船主等のニーズを踏ま えて船型のカスタマイズを可能とする「省エネ船型群」を研究開発するもので、事業期間は平 成29年3月31日まで、予算額は約1.5億円です。 本補助事業の成果(省エネ船型群)は広く関係業界に公開されることとなっており、内航海 運が掲げる2030年までに2013年比157万トンのCO2削減目標の達成に向け、その一助となること が期待されます。 連絡先 公益社団法人日本船舶海洋工学会 東京都港区芝大門 2-12-9 浜松町矢崎ホワイトビル 3 階 03-3438-2014(代表) 担当 谷澤、山尾 080-3601-9121 080-3601-9115 船型設計のための流体シミ ュ レ ショ ン 技術 Com p u tation al Flu id D yn am ics tech n ology for sh ip h u ll form d esign 海上技術安全研究所 CFD 研究開発セン タ ー 日野 孝則 VLCC 内航海運のための省エネ船型群の開発 Abstract 2.CFDによる省エネ船型群の探索 3.船型検討 CFD( Computational Fluid Dynamics 計算流体力学) は、 流体方程式の数値解法であり 、 流 1.調査 体現象を シ ミ ュ レ ーショ ン する こ と によ っ て 種々の解析を 行う 技術で ある 。 CFD は汎用技術で あり 、 その適用範囲は幅広いが、 船型設計においては、 流体力学的性能の推定に用いら れている 。 最適船型群 船型設計における 性能推定にはこ れまで水槽試験が用いら れてき たが、 縮小模型を 使う こ と に 伴う 尺度影響や、 多大なコ スト と 労力、 また、 結果を 得る までの時間の長さ など の問題がある 。 船 補完し て効率的な船型設計を 実現する ための解析ツ ールと し て期待さ れてい CFD は、水槽試験を 型 バ リ こ こ で は、 船型設計のための流れのシ ミ ュ レ ーシ ョ ン 技術の現状を 概観する と と も に、 CAD エ る。 船 種 ・499GT タンカー ・749GT 一般貨物船 調査項目 ・使用実態 ・近年の船型・船 の傾向 設定 ・L,B,d,Cb等のバリエーション ・設計船 CFDによる 船型最適化 と CFD を 統合する 船型設計システ ムのコ ン セプ ト について述べる 。 4.水槽試験による性能確認 シ 1 はじ めに ョ ン CFD ( Computational Fluid Dynamics 計 算流体力学) は、 流体方程式の数値解法であ り 、 流体現象を シミ ュ レ ーショ ン する こ と に よ っ て 種々の解析を 行う 技術で ある 。 CFD 設計図書一式 は汎用技術であり 、 その適用範囲は非常に幅 ・国内 船所への線図の無償供与 ・派生船型の開発許諾 ・バリエーション範囲の性能保証 図1 水槽試験によ る 流体性能計測 広いが、 船型設計においては、 流体力学的性 社会還元 内航船の省エネ化促進 能の推定に用いら れている 。 ら に、 操縦性能や波浪中での性能の検討によ 航空機や自動車などと 同様に、 船舶の設計 っ て総合的な性能を 評価し て最終的な船型が 5.基本設計 においても 流体力学的性能が極めて重要であ 決定さ れる 。 る 。 でき る 限り 少ない馬力で仕様で定めら れ 従来、 船型設計における 性能推定には水槽 たペイ ロ ード を 所定のスピ ード で運ぶこ と が 試験が用いら れてき た。 図1 に示すよ う に、 的である 。 こ のためには設計さ れた船型の抵 水槽で性能計測を 行う 。 し かし 、 尺度影響が 抗性能や推進性能を 評価する 必要がある 。 さ 不可避である こ と 、 また、 多大なコ スト や労 成 果 長さ 6 ~10m 程度の縮小模型を 用いて、 試験 でき る 船型を 見出すこ と が船型設計の第一目 -3-
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