田舎」のスクリプト分析

「田舎」のスクリプト分析
総合政策学部2年 小島 純
総合政策学部2年 森田麻友美
プレゼンテーションの流れ:
1:データの説明
・データソース
・採取手順
・加工手順
2:助詞(で・に・を・から・へ・の )別
スクリプト集合の分析とその特徴
-「都会」との比較-
3:考察
4:結論
1.データの説明
ーデータソースと加工・採取の手
順ー
◇データソース
朝日新聞の投書欄「声」
「田舎」:574件・「都会」:492件
◇採取手順
ターゲット語・件数・検索年を指定し、専用プログラムを
用い、下記のデータについて整理する。
・投書情報(氏名、年齢、性別、職業、投書年月、etc)
・投書全体
・ターゲット語を含むセンテンス
◇データの加工手順
・「田舎~」、「都会~」をカット
・2回以上使われている動詞のみ採用
※一部の動詞については、1回でも採用している
※「の」は名詞分析なのでこの操作は行っていない
加工後のデータ数
田舎が299件、都会が165件
2.助詞(で・に・を・から・へ・の )別
スクリプト集合の分析とその特徴
-「都会」との比較-
「で」のスクリプト
田舎
暮らす
育つ
過ごす
生活する
ある
やる
作る
食べる
10
4
3
3
2
2
2
2
都会
暮らす
生きる
生活する
育つ
なる
味わう
・人の生活の営みを表すものが多い。
→ 生活空間としての「田舎」「都会」
7
3
2
2
2
2
「に」のスクリプト
田舎
住む
帰る
行く
いる
ある
くる
なる
移り住む
移住する
生まれる
転居する
帰省する
21
20
6
5
3
2
2
2
2
2
2
1
都会
住む
出る
いる
ある
下ろす
なる
戻る
・生活空間としての「田舎」「都会」
・移動の対照性 → 「田舎に帰る」「都会に出る」
21
7
5
5
2
2
2
「を」のスクリプト
田舎
持つ
出る
離れる
2
2
2
都会
脱出する
離れる
・共に「出る」系の動詞が多い。
→ 若干「田舎」の方が「出る」系が多い。
⇔ 「田舎」の方が「出る」パワーが強い?
・ 「田舎を持つ」 ○
「都会を持つ」 ×
1
1
「から」のスクリプト
田舎
出る
4
都会
来る
移り住む
移る
離れる
抜け出す
・移動の対照性
出る
都会
来る・移る 他
田舎
3
2
1
1
1
「へ」のスクリプト
田舎
行く
疎開する
2
2
都会
・全て「移動」に関する動詞
・田舎→都会へ出る→田舎へ行く
出る
流れる
流出する
4
1
1
「田舎の」のスクリプト(名詞)
生家1
我が家2
商家1
家5
農家2
一軒家2
実家3
小中一貫校1
学校7
高校2
中学校3
小学校2
中学1
公立小学校1
香り2
味2
川3
段々畑1
風景2
景色2
自然2
田んぼ道1
森1
山1
野道1
におい1
空気1
日だまり1
町4
村4
生活5
暮らし5
駅3
寺1
蔵1
小規模局1
寺院1
自販機1
幹線道路1
道路1
路線バス1
個人商店1
バス1
特徴:
・親族関係の名詞が多い
・出身を表す名詞が多い
ex. 小学校、生家
中学生1
元中学陸上部員1
住人2
人2
母6
ジジババ1
ばばさん1
義母1
伯母1
おばあちゃんたち1
祖母1
父母1
父1
理解者1
生婦1
人たち1
両親ら1
両親3
両親たち1
親1
嫁1
祖父1
兄姉1
子供1
子供たち3
女性1
男性1
友1
友達1
他
おせち1
煮物1
付き合い1
場合1
概念1
特権1
こと3
コンニャク
栽培農家1
古本屋1
現実1
幼児音感講座1
考え1
優しさ1
人情味1
習慣1
生活習慣1
非常食1
代名詞1
十八日間1
遠い2
生活環境の違い1
お盆1
もの1
ぜいたく1
冬1
良さ1
休日1
言葉1
豆腐屋1
風物詩2
「都会の」のスクリプト(名詞)
一家1
狭い家1
建物1
ビジネスホテル1
映画館1
ビル2
一等地1
マンション2
街路2
街1
空気1
利便性1
感覚2
精神1
生活5
生活費2
生活の場1
明かり1
雑踏1
雑踏の中1
喧騒1
騒がしさ1
つらさ1
汚れ1
渦巻き1
エゴ1
闇1
夜1
特徴:
・負のイメージを持つ名詞
・手を加えて作り出した名詞
が多い
子供4
子供たち5
人19
人々5
方2
方々1
方たち1
主人1
母1
お母さん達1
息子1
知人1
息子や知人1
大人1
親子連れ1
私1
紳士ども1
人間関係1
一人暮らし1
住人2
住民1
学校2
高校生2
論理4
出来事1
ネオンの光
1
香り1
中5
反乱1
組み合わせ
1
都合1
墨1
ゴミ問題1
生まれ1
緑1
仕業1
風景1
東京1
野良猫1
税金1
3.考察
ー田舎と都会の意味図式ー
3-1.移動の対照性
・田舎から(都会へ)出る
→ 都会から(田舎へ)帰る
・「都会に出て 田舎に帰る」という図式
= 江戸時代からの行動様式
②出る 他
都会
③帰る 他
① 田舎
3-2.母と田舎
「田舎の母」
「母=田舎」というメタファ
都会
吸収作用
出る・出す
帰る
「田舎の母」
→胎内回帰願望
3-3.生産と消費
田舎=生産
都会=消費
二つの根拠
J=ボードヤール『消費社会の神話と創造』
自然と人間との関わり合い
伝統的な農業社会と現代
都会人の認識: 生産<消費
4.結論
ー人々にとっての田舎とはー
田舎とは「素」である
田舎とは「素(す)」である
田舎→
人が手を加えたものよりも、
自然で、汚れもなければ飾り気もない
素朴な状態のイメージ。
田舎とは「素(もと)」である
田舎→
全て人の原点、
つまり「素(もと)」 のイメージ
ex. 母、学校、親族
以上