スライド 1

日記・web日記研究
環境情報学部4年 清水江理夫
総合政策学部1年 鈴木清高
当初の研究予定では
・ 「日記」のイメージ分析…(1)
・ 紙に残す「日記」と、web上にアップロードされ
る「web日記」→「ブログ」の比較…(2)
・ 「日記」における文体的な傾向を探る…(3)
以上3分野について調査を行う予定であった。
しかし…
(2)については、
・ 言葉自体が新しいため、「ブログ」という言葉を
含んだテクストデータ自体が少なすぎる
・ 「ブログ」を「web上の日記的な文章という概
念を代表的に現している言葉」として扱ってよ
いかという問題に直面
←性質的に「web日記」と「ブログ」は区別さ
れなければならない
(3)については、
・ 「日記」に関してはそもそもデータソースそのものを入
手できない(入手できるべくもない!)
・ 「ブログ」に関しては、それについて述べているデータ
ソースの存在自体が希少であり、分析手法に関して
も疑問が残る
以上より(2)、(3)については中止(頓挫)し、
(1)に限定して研究を行った。
辞書で「日記」を引いてみると…
・ 毎日のできごとや感想などの記録。ダイアリー。日誌。
(旺文社 国語辞典 第八版)
・(1)日々の出来事や感想などを一日ごとに日付を添えて、当
日またはそれに近い時点で記した記録。古くは「御堂関白
記」「玉葉」「明月記」などが著名だが、職掌上交替で書き
継がれた「御湯殿上日記」などもある。日誌。にき。
・(2)「日記帳」の略。
(goo辞書 http://dictionary.goo.ne.jp/ での検索結果)
辞書で「web日記」を引いてみると…
・ そもそも、「web上の日記」という概念を表現
する手段として独自に確立された言葉自体が
存在しない
・ 前述のgoo辞書での検索結果:
「web日記」で検索→検索結果0件
「ブログ」で検索→新語辞書に記述アリ
・ よって、ここでは「ブログ」を「日記」との比較対
照先の概念として考えることとする
辞書で「ブログ」を引いてみると…
〔ウェブ(web)とログ(log)との造語ウェブログ
(weblog)の略〕
ニュースや事件,趣味などに関し日記形式で自分の
意見を書き込むインターネットのサイトやホーム-ペー
ジ。開設者が個人の意見を表明していくことを基本と
している点が掲示板と,閲覧利用者が自由に意見を
書き込める点がこれまでのホーム-ページと異なり,
個人ジャーナリズムとしても注目されている。作成や
管理が非常に簡単に行えるソフトが公開され,1999
年頃からアメリカで広まった。
(goo辞書内:三省堂提供「デイリー新語辞典」の結果)
辞書による意味として
「日記」:
日々の出来事や感想等を記したもの
「ブログ」:
日記形式をとりつつ、特定のニュースや趣味に
関して個人の意見を表明したもの
→「見られる」という視点での記述がない
単語「日記」の分析
データソース:四大紙投書欄より計544件
(朝日新聞・毎日新聞・読売新聞・産経新聞)
採取手段:専用プログラム(WebGet)を利用
(全期間を対象、件数制限なし)
「日記」にかかる用言(477件中)
書く
つける
いる
ある
読む
なる
見る
記す
始める
付ける
102
67
13
11
10
10
9
8
7
7
思う
いう
てする
出る
読み返す
よる
ない
つづる
続ける
思う
6
6
6
5
5
4
4
4
4
4
できる
贈る
欠かす
向かう
教える
使う
連載する
調べる
たする
並ぶ
3
3
3
3
3
3
3
3
3
3
用言から分かること
記述することに関する語:305件以上
書く(102)、つける(67)、記す(8)、始める(7)、
付ける(7)、つづる(4)、続ける(4)、欠かす(3)、
連載する(3)
読むことに関する語:27件以上
読む(10)、見る(9)、読み返す(5)、調べる(3)
「を」のスクリプト(135件中)
書く
53
読み返す
2
つける
41
開く
2
見る
8
提出する
1
付ける
5
保管する
1
始める
5
めくる
1
読む
4
…
1
「に」のスクリプト(61件中)
書く
16
記録する
2
記す
5
向かう
2
つづる
3
張る
2
つける
2
よる
2
記入する
2
…
1
助詞別スクリプト集合より
・ 「を」の場合、記述することに関する表現が大
多数を占める一方、読み返すことに関する表
現も少ないながら存在
・ 「に」の場合、(助詞の機能的に)読み返すこと
に関する表現はほぼ皆無である
・ それ以外の助詞に関しては総合での件数が
40件に満たない(「は」37件、「が」14件)
以上の結果より
・ 「日記」とは書くものである
・ (文学日記は別としても)一般的な意味での他
人の日記を読むということは考えにくいという
ことを考えると、自分の日記を再び読むという
ことはたまに意識される程度とみてよい
→特に斬新・意外な結果は得られず