近代女性思想 12 ベティ・フリーダン ケイト・ミレット そしてウーマンリブ ベティ・フリーダン 新しい女性の創造 • 『女らしさの神話』(邦訳、新しい女性の創造) 1963(原題 The Feminine Mystique) • リベラル・フェミニズム • ラディカル・フェミニズム • 第二次大戦後のアメリカ • 女は家に帰れ • 中流階級の女性→家庭の母への崇拝 » 戦時には生産、軍隊で使われる » 妻。母。消費者(女性の模範像)(4人の子ども、郊外のき れいな家に住む) » 保育所・託児所・食堂が消える » 漠然とした不安(満ち足りない、生きている気がしない) 『女らしさの神話』(邦訳、新しい女性の創造)19 63 1966全米女性機構創立 女も人間だ • 1960「女も人間だ!」『グッド・ハウスキーピ ング』9月号 • 女性たちの悩みーー貧乏、病気、飢餓といっ た物質的なものではなく、セックスの問題でも なく、妻・母・主婦として「外からの圧力で」立 ち働き、15分以上一つのことをすることがな い集中力に欠けた生活から来る疲労、倦怠 感、空虚さに苛まれていること 全米女性機構(NOW)1966 • 「女性が男性と全く平等の権利と責任を持ち、男性と協力し て、アメリカ社会の主流に加わるために、実際に行動を開始 するのは今(Now)だ。」 • National Organization for Women(NOW) • 「女性は何よりもまず人間であり、社会に生きる他の人々と 同じように自己の人間的な可能性を徹底的に発展させる機 会を持たねばならない」 • 家庭の母親が職業教育を受ける機会と雇用される権利、再 就職 • 男女の賃金の平等 • 家庭内での男女の権利の平等 • 性差別主義的な広告の禁止 1967女性解放運動(WLM) • Women’s liberation mouvement • 「団結は力である。抑圧されたものは団結す ることによってしか自分たちの抑圧について 自覚し、それを乗り越えることはできない。」 • 目標 • 性差別主義的な女性像を変える • 雇用と賃金面での女性差別廃止 • 妊娠中絶の権利(性と生殖を分離、女の 快楽の権利) フリーダンによる女性解放 • 女性が人間として本来備えている成長志向を 疎外しない • 一個人となる勇気を持ち、将来計画を立て、 それへの努力をすること • そのためには女性の自己成長、自己確立を 促す教育を受けること • またそれが可能になるように国家的規模で女 性の教育援助計画を立てること リベラル・フェミニズムに対する批判 • リサ・タトルによる批判 • 1 根本的に改良主義 • 2 家父長制に根ざした本質と、階級抑圧や 人種抑圧の現実を無視(白人の中産階級女 性のお遊び) • 3 男性の価値観に挑戦せず、むしろそれを 受け入れている ケイト・ミレット 性の政治学 • 1970 • ラディカル・フェミニズムの古典 • 政治ーー一群の人間の他の人間への支配の 仕組み、権力構造 • 性の領域に男性による女性支配システムとし ての「家父長制」が貫通していること • キャロル・ハニッシュ『二年目の報告』のマニフェスト • Hanisch, Carol. The Personal is Political, Notes from the Second Year. 1970. • 「ある集団が他の集団を支配するとき、この両者の 関係は政治的である。このような状態が長期にわ たって続くとき、それはイデオロギー(封建主義、人 種差別など)を発展させる。あらゆる歴史上の文明 は家父長的である。ーそれらのイデオロギーは男性 優位である。被抑圧集団は、教育、経済的自立、実 権ある公職、代表権、尊厳と自尊の自覚、地位の平 等、 • さらには一個の人間として認められること、を 拒否される。全歴史を通じて、女はつねにこ れらすべてを拒否されてきたし、これは現在 でも(中略)まだ続いているのだ。」 個人的なことは政治的なことである キャロル・ハニッシュ • 最も個人的なことと見なされている男女の性 的な場にこそ、歴史的・構造的な男女の権力 関係という政治的なものが貫通している、と いうラディカルな認識(大越愛子『フェミニズム 入門』ちくま新書、48ページ) • 近代二元論に対する根本的な挑戦(同上、47 ページ)→意識変革の実践(意識覚醒運動)
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