2012 近代女性思想 13

2013ジェンダーと文明 13
フリーダンから
第2派フェミニズムへ
• フリーダンと女性解放運動の意義ーー名付け
ることができない問題に名付ける力を与えた
こと
• (田中和子「フェミニスト社会学のゆくえ」『フェ
ミニズム理論』所収ー「女性解放運動の最も
重要な意義は、それが女たちに「名付ける
力」を与えたところにある。)
第2派フェミニズムが
第1派フェミニズムと違う点
• 第1派ー公的領域における人間としての平等
を追求、家庭の領域にいる人間(女、子ども、
老人など)を「平等」から排除
• 第2派ー女性の「家庭役割」、性別役割分担
に対する疑い→個人的なことは政治的であ
る。(国連女子差別撤廃条約1979年)
性の問題を女の視点で語る
• ティグレース・アトキンソン「膣オーガズムの
神話」
• 性的感受性の中心はクリトリス
• →女が性的快楽を自分の手にするという宣
言、異性愛を脅かす
• →妊娠中絶の自由化
ケイト・ミレット『性の政治学』
• 1970年出版
• ウーマン・リブのバイブルとなる
• 家父長制への異議申し立て
ケイト・ミレットの言う「政治」
• 権力構造的関係、すなわち一群の人間が他
の一群の人間に支配される仕組み
• この構造を父権制(家父長制)と言う
• ラディカル・フェミニズム
• 第2波フェミニズム運動擡頭期、女性の抑圧
は他の抑圧(階級的抑圧など)には還元する
ことができない根源的なものだと主張し、その
運動の理論的支柱となったフェミニズム思
想。
My body my choice
• 画像
My Body(2)
ラディカル・フェミニズム
• キャロル・ハーニッシュ
• 「個人的なことは政治的なことである」(第二
派フェミニズムのスローガンとなる)
• 「ラディカル・フェミニズム」は,個人的だと思
われていた男女の「性」そのものが,政治的
な支配関係を含んでいると考える。このフェミ
ニズムの方法は,「個人的なことは政治的な
ことである」というスローガンからも,明らかで
ある。
• ケイト・ミレットは,『性の政治学』(1970年)
で,「家父長制」という概念を用いて,性の領
域での男性の女性支配の起源を明らかにし
た。
• 家父長制のもとでは,男女の生殖機能の自
然的な違い(女性の出産・哺育)から労働の
分業が生じ,これによって男性が社会的に利
益を得るシステムが生ずる。
– 女性の性と生殖は,強制的な異性愛に基づく「結
婚-母性」という枠組みに組み込まれ,この枠組
みが歴史的に制度化されて,男性の支配と女性
の被支配という権力構造が生み出されてくる。
• こうして,男は支配階級,女は被支配階級と
いった「性の階級差」が生じる。この「性階級」
は男女関係だけでなく,社会のあらゆる権力
関係の基盤となり,あらゆる権力心理の起源
ともなる。
• 家父長制システムのもとでは性の支配関係
があらゆる抑圧の根源(ラディカル)となると
主張するので,「ラディカル・フェミニズム」と
呼ばれる。
• 家父長制に対するこうした批判は,男性によ
る女性の身体支配(性と生殖の管理)からの
解放を求める運動である。
•
• この批判をさらに先鋭化した立場として
– 女性の性的快楽の解放,強制的異性愛に代わる
選択肢としてのレズビアンの復権,非婚や生まな
いことの自己決定など,セクシュアリティー(性活
動)とリプロダクション(再生産)をめぐる様々な主
張がそこから派生してくる。
– レイプ、ポルノグラフィー,セクシュアル・ハラスメ
ントなどの性的暴力も,こうした流れのなかで糾
弾される。
– この立場から,家父長制的・男性中心的な性別
価値評価を180度転換して,男性性ではなく,むし
ろ女性性にこそ優位があるとする女性中心主義
もあらわれてきた。