Linac

Linac
夏井拓也
進行波型Linac
K
electron
gun
klystron
dummy
load
P
beam
accelerating tube
P
eaccelerating tube
進行波管基本パラメータ
加速管を通過する電磁波のエネルギー(伝
送電力)P(z)は,電磁場のエネルギーW,群
速度vgを用いて以下のように表される.
軸上のz方向電場強度Ez(z)は,
z
E z ( z )  E z (0) e 
P( z)  W ( z)  vg
2
また,Q値の定義は,
電磁場のエネルギー 単位長さ
Q 
エネルギー損失 単位長さ
であるので,
Q
W

となる.
加速管の性能を現す重要なパラメータに
シャントインピーダンスがあるが,これは
以下のように表される.
2
Ez 0
Zs 
 dP dz
 dP dz
となる.このように加速管の中の損失を考
えると,P(z)は以下のようになる.
P ( z )  P0 e
Q vg

z
Q vg
P0 : z=0におけるエネルギー束(投入電力)
filling timeは電磁波が加速管全体(長さ
l ) を満たすのに要する時間であり,
l
tf 
vg
とあらわされる.
定在波型Linac
K
electron
gun
klystron
P
beam
accelerating tube
P
eaccelerating tube
定在波管基本パラメータ
加速管に投入される電力Pにより,加速管
の中には,Wだけエネルギーが蓄えられ
る(stored energy).このWは加速管の中
の電磁場より,
W 
V
0
2
H 
2
0
2
2
E dv
となる.また,これらの値よりQ値は,
Q
W
と表される.
加速管特性の指標としてはZsよりもZsT2
のほうがよく用いられる.ここで,Tは
transit time factorと呼ばれ,
L/2
L / 2
また,定在波管の場合のシャントイン
ピーダンスは,
2
となる.
1 L/2
E0   E z ( z )dz
L L / 2

T
P
と表される.
Zs 
ここでE0は軸上電場の平均で,
E0
PL
E z ( z ) cos(z / v)dz

L/2
L / 2
E z ( z )dz
と表される.
ZsT2は有効シャントインピーダンスと呼ば
れる.
分散曲線
vp=/bg

vg=dw/dbg
p/2 2p/3
基本波のみを考えたときの分散曲線
p
f  bgd
定在波p/2モードの空間高調波
基本波

後退波
定在波p/2モードの軸上電場強度は,
基本波 sin(pz/2d) のほかに,高調波
成分 sin((2pn±p)z/2d) も持っている.
空間高調波
進行波
f
-4p
2p
2p
4p
p/2
2pp/2
p/22p
定在波p/2モードの空間高調波
E [MV/m]
空洞の中の電場分布
z [cm]
軸上電場のグラフ
空間高調波
分散曲線と空間高調波

後退波
進行波
-4p
2p
進行波と後退波が重なり
合い,定在波を作ってい
る.
p/2
2p
f
4p
進行波2p/3モードの空間高調波
進行波2p/3モードの軸上電場強度は,
基本波 sin(2pz/3d) のほかに,高調波
成分 sin((2pn+2p)z/3d) も持っている.
基本波

後退波
空間高調波
進行波
f
-4p
2p
2p/3
2p/32p
2p
4p
2p/32p
進行波2p/3モードの空間高調波
E [MV/m]
空洞の中の電場分布
z [cm]
軸上電場のグラフ
空間高調波
分散曲線と空間高調波
移送速度 vp<0

後退波
進行波
群速度が正の空間高調
波を持っている.
ただし,移送速度は負の
成分もある.
-4p
2p
2p
f
4p
E [MV/m]
進行波管中の軸上電場の時間変化
z [cm]
軸上電場と高調波成分.赤が軸上電場.また,加速管の形状を重ね合わせている.
こうするとアイリスのでは高い電場が立ってはいないことがよく分かる.