看護研究における 統計の活用法 Part 2 京都府立医科大学 浅野 弘明 2012年11月10日 仮説検定とは 確率で 仮説の正当性を チェックする 確率的判断 手術成功率の比較 A医師 1/2 vs B医師 1/3 同じ 50% vs 33% でも 判断は異なる → 普通は大差なしと判定 A医師 100/200 vs B医師 100/300 → A医師を選択 確率による判定 ・かなり珍しい(=確率が小さい) → 起こりえないと判断 → 仮説を否定(棄却) 例: 100枚のコイン同時に表はあり得ない 珍しいことの基準 ・珍しいことの基準を 危険率 と呼ぶ → 危険率以下のとき仮説を棄却 危険率 ・研究利用では 5% が決まり → 1% や 0.1% もあるが ・なぜ5%かを疑ってはいけない → 理由は説明できない → 歴史的に決まった数値 検定結果(有意・非有意) ・生起確率が、危険率「以下」 → 有意差あり or 統計的に有意 ・生起確率が、危険率より「大」 → 有意差なし or 非有意 有意 <-> significant 有意・非有意 ・有意(有意差あり) → エビデンスとしての保証あり ・非有意(有意差なし) → 差が無いことの保証ではない → 判断不能であるということ! 非有意例-1 差はありそうだが非有意 ・A医師 7/10 (70%) の成功率 ・B医師 3/10 (30%) の成功率 → 統計的には非有意 、だが → 同じ技量と思う人はいない 非有意例-2 差が「無い・小さい」ので非有意 ・通学時間と、寒がり/暑がり ・総室/個室と、寒がり/暑がり → 本来差(関連)の無いものは 当然、非有意となる 非有意の結果 ・「差」は、あるかもしれないし 無いかもしれない ・検証には更なるデータが必要 → 計画が不味かった 特に少数標本の 場合は 公表する価値は低い 有意差ありなら ・標本数が少なくても、 差が思った以上小さくても → 胸を張って発表して良い 科学的裏付けになる 大切なポイント 検証的研究では 有意差が出ないと 役に立たない!
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