プロジェクトマネジメント

プロジェクトマネジメント
曹徳弼
自己紹介
 曹徳弼 略歴
 24-618B
 内線:42657,045-566-1818
 Email:[email protected]
 研究分野:生産管理,SCM,PMなど
講義スケジュール
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1週 10月2日 インストラクション・PMの歴史
2週 10月9日 PMBOK
3週 10月16日 PERT
4週 10月23日 EVMS
5週 10月30日 PMの実務と問題点(日揮佐藤)
6週 11月6日 時間管理術(ラーメンの製造)(日揮佐藤)
7週 11月13日 e工程マネージャー(日揮佐藤)
11月20日 三田際準備
8週 11月27日 プロジェクトの進捗管理演習
9週 12月4日 報告書作成
10週 12月11日 積算
11週 12月18日 FPI
12月25日 冬休み開始
12週
1月8日 新製品開発競争
13週
1月15日 クリティカルチェーン,レポート課題
14週
1月22日 補講日
15週
1月29日 レポート締め切り
参考文献
 テキスト
– 時間管理術,日本経済新聞社,佐藤知一,2006
– プロジェクトマネジメント,能澤徹,日科技連,2003
 参考書
– プロジェクトマネジメント,中島秀隆,日本能率協会マ
ネジメントセンター,1999
– 製品開発論,圓川隆夫,安達俊行,日科技連,1997
プロジェクトマネジメント概論
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PMの例
歴史
標準化の動き
プロジェクトマネジメントのフェーズ
各フェーズにおける手法
PMP資格
PMの例
 大型プロジェクト
– 例:ダム、高速道路、工場建設、新製品開発、
ロケット、発電所建設、など
 大型プロジェクトの特徴
– 複数の仕事が同時進行する
– 仕事間には順序関係がある
– 仕事は一回限り
PMの歴史
 ピラミット,万里の長城
 マンハッタン計画
 ポラリス開発
– 1958年、米海軍省武器部の特別企画室でポラリス
(ミサイル)の開発計画と管理方式作成(ポラリスの緊
急性)
– 3段階開発:(1)管理システムの設計およびその実行
可能性についての検討 (2)予備的な試験 (3)全面
的な採用
– 成果:
• 1959年、2000以上の作業の計画と管理実現
開発過程における問題意識
– ガントチャートの応用と問題点
• プロジェクトの各作業が独立進行、タイムロス、ボト
ルネック、効率悪さ
– マスタースケジュール作成、例外管理、電算
化検討
• マスタープランは作れるか?
• 条件の変化に応じて、最も経済的な方法でスケ
ジュールを変更するできるか?
• 管理層と現場にプロジェクトの進行と変化を知らせ
ていくことができるか?
PERTの発展と普及
 アメリカ空軍のPEP(Program Evaluation Procedure)開発
 アメリカ陸軍のZPA(Zeus Program Analysis)
 GEが車開発にPERTを応用
 日本では土木・建築工事の日程管理で最初に応用
 PERTは比較的工事期間が長いプロジェクトに有効
 劇場、病院、化学工場など日常のスケジュールの管理に
も応用できる
 MILーP23189A(国防省と航空宇宙局の協定による軍
の企画)制定。見積もり、契約、承認など諸業務に義務つ
け(1962)
PMの内容
 コンセプト企画とプロジェクト選別
 プロジェクト計画作成 ← PERT
 プロジェクト実施
 終結処理・運用
 コンセプト企画・プロジェクト選別
– 契約手法が大きな問題
– コスト償還型が主流
• 不確実性高いため
• 品質保証のため
 クリントン政権の財政赤字対策とNPR
– National Performance Review(1992)
• 国防予算18%
• NASA1%:134億ドルの76%→コスト償還型
– MIL-Specの見直しと民生企画の採用
– 調達規則5000.1,5000.2の改定(1967→1996)
• フェーズレビューの簡素化,効率化
• 進捗管理におけるEVMS導入
 予算
– DoD 18%
– NASA 1%
 NPR勧告
– DoD標準
• MIL
• 5000
– NASA
• 契約タイプ
– DoD 16%
– NASA 0.8%
– DoD標準
• ISO,ANSI
• EVMS
– NASA
• パフォーマン
ス型
 アメリカDoD 5000.2-Rの目次
– 第1部 調達マネジメント・プロセス
– 第2部 プログラム定義
– 第3部 プログラム構造
– 第4部 プログラムデザイン
– 第5部 プログラム査定と決定審査
– 第6部 定期的報告
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付則1
付則2
付則3
付則4
付則5
付則6
連結調達報告システム
オペレーションナル要求文書
テストおよび評価マスタープラン
実弾テストと評価
主要自動情報システム4半期報告
EVMS クライテリア
 日本
– 1999年4月17日朝日新聞朝刊
• 「宇宙開発事業団,47億円返還請求,開発費水増
しで」
– 1989年から水増し請求の報道
• 1998年,「防衛装備品問題,新たに2社の過大請
求判明」
– アメリカの対日本の評価
• 1999年1月25日のForbs誌,「日本のセメント靴」→
公共事業の効率の悪さ
標準化
 プロジェクトマネジメント全般
– PMBOK
PMI 米国
– ISO10006
ISO
– BS6079 英国
– AMP BOK APM 英国
 プロジェクトパフォーマンス測定とPMコア
– ANSI/EIA#748 EVMS
米国
 その他
– ISO9000シリーズ
– リスク:AS/NLS4360,Q0001(自然災害)
– ソフトウエア開発:SEI/CMM,PSP,PRINCE2
 個人資格
– ABET,PE,PMP
PMBOK
 アメリカPMIが発行するPMの知識体系
– PM:Project Management
• http://www.pmi.org/info/default.asp
– PMI:Project Management Institute
– PMBOK:The guide to the Project Management
Body Of Knowledge
PMIのPMBOK目次
 プロジェクトマネジメントフレームワーク
– イントロダクション
– プロジェクトマネジメントの文脈
– プロジェクトマネジメント・プロセス
 プロジェクトマネジメント知識エリア
– プロジェクト統合マネジメント
– プロジェクト・スコープ・マネジメント
– プロジェクト・タイム・マネジメント
– プロジェクト・コスト・マネジメント
– プロジェクト・品質・マネジメント
– プロジェクト・ヒューマンリソース・マネジメント
– プロジェクト・コミュニケーション・マネジメント
– プロジェクト・リスク・マネジメント
– プロジェクト・プロキュアメント・マネジメント
 付属(A-G)
 用語集と索引 (全176ページ)
ANSI/EIA#748-98EVMS目次
 Introduction
 EVMS guide line
– Organization
– Planning, scheduling and budget
– Accountability consideration
– Analysis and management report
– Revising and data maintenance
– General term
 EVMS process
– Statement of works
– Work break down structure
– Program organization
(1)Control account,(2)Control account manager,(3)Outsourcing
contract management,(4)Work reassignment
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Program schedule
Budget assignment and resource planning
Accountability consideration
Earned value method
Performance evaluation
Complete time estimation
Revising and data maintenance
 System documents
 System evaluation
20pages
ISO標準
 ISO9000シリーズ
 QS9000:ISO9000に自動車業界の品質要求を埋
め込んだもの(GM,フォード,クライスラー,1994
年,1995年改定,1998年改定バージョン3)
ISO9000の現在産業別版とする動きがある
 ISO10006品質マネジメント
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1997年発行,標準ではなくガイドラインである
PMBOKと非常に似ている
プロジェクトの品質を企画化するのは非常に困難
廃止の可能性がある
ABET,FE,PEとの関係
ABET:Accreditation Board of
Engineering and Technology
ABET認定工学カリキュラム卒業
FE(fundamental engineering)試験合格
FE合格後最低4年間の実務経験
EIT(engineers in training), Intern Engineer
Engineer Intern など
PE(professional engineer)認定試験
PE登録
PMのフェーズ
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量産品
1.
2.
コンセプト
プランニング
1.
2.
3.
実施
1.
2.
4.
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フィージビリティ
見積もり
開発
製造
使用
特注品(内製)
特注品(外注)
フェーズの例
 DoD5000.2-Rの場合
– フェーズ0:コンセプト調査
– フェーズ1:定義とリスク低減(デモンストレー
ショ
ン,プロトタイプ)
– フェーズ2:開発と製造準備
– フェーズ3:量産と配備
 NASAの場合
– フェーズ1:計画(Formulation)
– フェーズ2:実行(Implementation)
フェーズ
コンセプト
意思決定
計画
マイルストーン
実施
終結
運用
意思決定
 経営・投資レビューチーム
– 構成メンバー:GM,経営戦略担当,財務担当,
プロジェクトマネージャなど
– 責任
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•
フェーズレビュー
CCB(変更管理サポート)
プロジェクトチャーター(プロジェクト憲章)
EVMS分析
成果物評価と受け入れ
コンセプトフェーズ
 プロジェクトの提案書・企画書
 プロジェクトの選別
 見積もり手法
 WBS
 プロジェクトの提案書・企画書
– 分析
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Product objectives
Marketing factor
Product factor
Financial factor
Price
– 見積もり
• Summary, WBS
• Schedule
• Cost
– プロジェクト記述書
– リスク
プロジェクトの選別の手法
 戦略的手法:
– core competence
– business strategy
 分析的手法:
– Portfolio
– Scoring(AHP,MMA)
– Risk analysis
 財務的手法
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NPV
ARR
IRR
ROI
見積もり手法
 類推見積もり法
 パラメトリック見積り法
 ボトムアップ見積り法
 類推見積もり法(Analogous estimate)
– 過去の類似プロジェクトから見積もる方法
 パラメトリック見積り法(parametric
modeling,係数見積り)
– 量×単価
• Halstead法(ステップ数/1日標準ステップ)×日数
• Function point法(画面×単価)
 ボトムアップ見積り法(bottom-up estimate)
– WBSのワークパッケージをベースに見積もる
プランニング・フェーズ
 ビジネス・サマリー・シート
– プロジェクトの目標
• 出荷時期,売り上げ,利益率,製品ライフ
– ターゲット・マーケット
• 業種:販売地域:需要見積り:目標シェア
– プロジェクト・スケジュール
• 計画完了,開発完了,製造開始,発売
– ファイナンシャル・サマリー
• ビジネスチャンス,売り上げ予測,開発コスト,製
造コスト,利益,利益率
実施フェーズ(ブラックホール)
 審査
– 設計と審査(design review)
– 製造審査(manufacturing review)
– 製造管理(manufacturing control)
 進捗管理・報告(communication)
– スケジュール,コスト,アカウント,累積チャー
ト,EVMS,リスク,品質,調達など
 変更管理
– 進捗状況を見て,必要なアクションを取る
終結・運用フェーズ
 成果物受け入れ
 文書管理
 総括と反省(lesson’s learned)
 運用開始
各フェーズにおける手法
 コンセプト
– ポートフォリオ分析
– 需要予測
– 利益/投資率
– 技術的可能性
 計画
– PERT/CPM
– 見積もり
 実施 (ブラックホール)
– EVMS
EVMS
(earned value management system)
 なぜEVMSか?
– PERTは役に立たない
– ブラックホール
 不確実性と進捗管理に重要性
– 進捗管理に日程だけでは不十分
• QCDの管理が必要:品質,量,コスト,日程
– EVMSはコストと日程を統合管理するもの
 例題
– 家の床にタイルを張りたい.
• 部屋数:4,時間給料:1000円,部屋1,2は16時間
必要,部屋3,4は8時間,予算48000円→1人6日
• ベースライン
32000
16000
部屋1
部屋2
部屋3 部屋4
 時給800円のAさんを雇った結果,2日で部屋1を
50%仕上げたとする.
– 従来の報告
• 部屋1を半分完了
• 実経費12800円
• 完了見込み
– 日程:なんとか頑張ります(計画6日)
– コスト:何とかやってみます(計画:48000円)
– EVMSの報告
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ベースライン(BCWS):16000円
アーンドバリュー(BSWP):8000円
実経費(ACWP):12000円
作業効率(SPI):0.5
完了見込み
– 日程:現状では10日必要
– コスト:64000円必要
FPI
 NASAの契約手法転換
– 報奨付コスト償還契約
• 1994年の78.4%→1998年の55.2%
– FPI+CPIF
• 1994年の2.3%→1998年の21.8%
 契約タイプのリスク
発注リスク
大
受注リスク
大
固定価格型
コスト償還型
FPI
利得
GPA
GPA
FFP
FFPリスク
FPI
FPIリスク
FPIリスク
Cpなし
Tc
Tp
Cc
Cp
価格・コスト
資格
 アメリカ
– PMI:www.pmi.org
 EU
– IPMA:www.ipma.ch
 英国
– APM:www.apm.or.uk
 日本
– JPMF:www.enaa.or.jp/JPMF/
– PMI東京支部:www.actec.or.jp/pageholder/pmi/tokyo/
PMIの資格
 PMP:project management professional
– 受験資格
• 学士:受験前の3年以上,6年以内にPMBOKの5プロセス分
野で4500時間以上の実戦経験
• 以外:受験前の5年以上8年以内にPMBOK5プロセス分野で
7500時間以上の実戦経験
– 試験問題
• 4択式200問を4時間30分で回答
• 合格ラインは140点70%
• 1問あたり1分20秒
– 勉強
• 米国出版のPMBOK Q&A,試験問題集など
• アメリカでも一通り勉強し,半年前に100時間,直前に100時
間の勉強は必要
– 申し込み:PMI東京支部仲介
資料
 http://www.ae.keio.ac.jp/lab/ie/sou/caodb/in
dex.html