プロジェクトマネジメント - 総務省

プロジェクトマネジメント
自治体
CIO養成
CIO育成
講座
研修
1
4-1 プロジェクトマネジメント
自治体CIO育成研修
本日の講義の内容
1.プロジェクトとは何か
2.プロジェクトマネジメントとは
(参考)PMP資格(米国PMI認定)の取得
4-1 プロジェクトマネジメント
2
自治体CIO育成研修
1.プロジェクトとは何か
4-1 プロジェクトマネジメント
3
自治体CIO育成研修
プロジェクトとは?
† プロジェクトの定義
„ 有期性
„ 限られた資源
„ 独自のアウトプット
¾ 有期性
プロジェクトには「開始」と「終了」がある
¾ 限られた資源
人的資源、物的資源、コスト等の制約がある
¾ 独自のアウトプット
独自のサービスやプロダクツ(成果物)を生み出す
4-1 プロジェクトマネジメント
4
自治体CIO育成研修
プロジェクトとルーティンワーク
† 目的、期間、資源という切り口でとらえれば、反復活
動でない特定目的の仕事は全てプロジェクトといえる。
¾ たとえば、ある企業で新製品を1年以内開発し、全国
の販売店で販売する。
開発活動
販売活動
1年以内
限られた資源
新製品
ルーティンワーク
プロジェクト
4-1 プロジェクトマネジメント
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自治体CIO育成研修
プロジェクトにはフェーズがある
† プロジェクトには構想・立案・企画といった入り口にあ
たる「立上げ」フェーズに始まる。
† 「計画」、「遂行」、「コントロール」フェーズにより具体
的に実行される。
† 計画されたアウトプットを生み出し「終結」フェーズに
いたる。
4-1 プロジェクトマネジメント
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自治体CIO育成研修
プロジェクトマネジメント
† プロジェクトマネジメント
„ プロジェクトマネジメントはプロジェクトの制約条件である、コスト、
資源、時間のバランスを常に考慮してプロジェクトを遂行し、期待
したアウトプットを得ること。
„ プロジェクトマネジメントのためには各種のツールや技法を適用
する。
† プロジェクトマネージャ
„ プロジェクトマネージャは各フェーズ、各プロセス、各アクティビ
ティをマネジメントする。
„ プロジェクトマネージャに求められるスキル
†
†
†
†
†
†
†
†
コミュニケーションスキル
組織化スキル
予算化スキル
問題解決
交渉力と影響力
リーダーシップ
チームの育成と人材
広く浅く
4-1 プロジェクトマネジメント
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自治体CIO育成研修
プロジェクトマネジメントを意識する
† わが国における各種プロジェクトを振り返ると、特に
大規模なシステム構築プロジェクトにおいて悲惨な結
果に終わってしまうケースは後をたたない。
† プロジェクトマネジメント能力は一朝一夕で身につく訳
でないが、常に意識し、業務への適用を心掛けること
で、確実にスキルは向上する。
† プロジェクトのメンバーがこれらを意識するだけで、そ
のプロジェクトの成功の確率は確実に向上する。
4-1 プロジェクトマネジメント
8
自治体CIO育成研修
2.プロジェクトマネジメントとは?
4-1 プロジェクトマネジメント
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自治体CIO育成研修
プロジェクトマネジメント
† プロジェクトマネジメントとは
† PMBOK
„ 5つのプロセス
„ 9つの知識レベル
„ 各種ツールと技法
† EVMS
† 契約形態
4-1 プロジェクトマネジメント
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自治体CIO育成研修
プロジェクトマネジメントとは
† プロジェクトの事業主体や関係者の当該プロジェク
トに対する要求事項や期待を充足する、または、そ
れ以上の成果をあげるために、最適な知識、技術、
ツールそして技法を適用すること。(PMBOKより)
プロジェクト
マネジメント
スケジュール
(タイム)
コスト
トレードオフ
関係者
発注者
受注者
ユーザ
スポンサー
外注業者
パフォーマンス
(クオリティ)
4-1 プロジェクトマネジメント
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自治体CIO育成研修
PMBOKとは
PM分野におけるグローバルスタンダード
† PMIによるプロジェクトマネジメントの基礎プロセスを明
確にして、プロジェクト遂行管理を成功に導くためのプ
ロジェクトマネジメントの知識を体系化したもの
† PMBOK:Project Management Body of
Knowledge
† PMI:Project Management Institute
„ 米国ペンシルベニアに本部を置く協会
„ 全世界で約4万人にPMP資格を認定
4-1 プロジェクトマネジメント
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自治体CIO育成研修
PMBOKによるプロジェクトマネジメント
† プロジェクトマネジメントのプロセスを5つのプロセスグ
ループ(群)に分解
立上げ
計画
遂行
コントロール
4-1 プロジェクトマネジメント
終結
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自治体CIO育成研修
† 5つのプロセスグループの関連
立ち上げ
計
画
コントロール
遂
終
4-1 プロジェクトマネジメント
行
結
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自治体CIO育成研修
立ち上げ
† プロジェクトを開始する必要性の明確化
† 組織としてプロジェクトに着手することの宣言
計
画
† 要求を満足するための、実行可能な作業の仕組みを確立
† 仕組みの維持
4-1 プロジェクトマネジメント
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自治体CIO育成研修
遂
行
† 人及びその他資源を活用し、計画を実行
コントロール
† 進ちょくの監視・測定
† 予定-実績の相違の検出
† 是正措置の実行
4-1 プロジェクトマネジメント
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自治体CIO育成研修
終 結
† プロジェクトの結果の文書化
† 顧客による検収の確認
† プロジェクトの完了手続き
4-1 プロジェクトマネジメント
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自治体CIO育成研修
PMBOKが定義する9つの知識エリア
† 9つの知識エリアを定義
スコープ・マネジメント
タイム・
コスト・
品質
人的資源
リスク・
調達
マネジメント マネジメント マネジメント マネジメント マネジメント マネジメント
コミュニケーション・マネジメント
統合マネジメント
4-1 プロジェクトマネジメント
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自治体CIO育成研修
(例) 2.スコープマネジメント
† 定義
† プロジェクトを成功裡に完成するため、必要な作業を過不足なく実行で
きるようにするためのプロセス
プロジェクトの立ち上げ
スコープ計画
スコープの定義
スコープの検証
スコープの変更管理
4-1 プロジェクトマネジメント
立上プロセスのコア
・プロジェクト憲章 ・マネージャーの任命
計画プロセスのコア
・スコープ記述書 ・スコープマネージメント計画
計画プロセスのコア
・WBS
コントロールプロセスのサブ
・正式な受け入れ
コントロールプロセスのサブ
・スコープの変更
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自治体CIO育成研修
9つの知識エリアとプロセス群
プロセスグループ
計画
遂行
コント
ロール
★
★
★
★
★
★
品質マネジメント
●
●
人的資源マネジメント
●
●
コミュニケーションマネジメント
●
●
リスクマネジメント
★
調達マネジメント
●
知識エリア
立上
統合マネジメント
スコープマネジメント
タイムマネジメント
コストマネジメント
★
終結
●
●
●
●
★
★
●
●
★
★:コア(Core)、●:サブ (Facilitating)
4-1 プロジェクトマネジメント
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自治体CIO育成研修
各種ツールと技法
† WBS(Work Breakdown Structure)
【スコープ、タイム、コスト】
† スケジューリィング技法 【タイム】
„ PDM(Precedence Diagramming Method)
„ PERT/CPM
† EVMS(Earned Value Management Systems)
【タイム、コスト、コミュニケーション、リスク】
† 見積り手法 【コスト】
„ 類推見積り、パラメトリック見積り、ボトムアップ見積り
† PMS(Project Management System)
【タイム、コスト、コミュニケーション、リスク】
„ Microsoft Project 2002,
„ PM Repository
4-1 プロジェクトマネジメント
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自治体CIO育成研修
WBS
† すべての作業の洗い出し(ワークパッケージ)
† 適切な作業の単位に分解、階層化
† コスト、スケジュール、パフォーマンス測定の要件
100 開発基本計画の作成
110 基本方針の設定
111 目標
112 前提条件
・
・
・
120 機能要件の定義
・
・
・
200 新システムの開発
300 新システム移行作業
・
・
・
4-1 プロジェクトマネジメント
可能な限り作業を細分化する。細分化作業
(ワークパッケージ)をまとめコストコント
ロールを行う。(EVMS)
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自治体CIO育成研修
スケジューリング技法
† PDM法(Active-on-Node)
„ アクティビティの依存関係を明示
„ クリティカルパス発見が容易
† PERT法/CPM法(Active-on-Arrow)
„ 1957∼1958年頃米国海軍で使用された
„ プロジェクトがある期間内で終了する確率を求めた
† ガントチャート(バーチャート)
† マイルストン・チャート
現在はスケジューリング支援のPMソフトウェアが各種存在する。
4-1 プロジェクトマネジメント
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自治体CIO育成研修
見積り手法
† 類推見積り法
„ 過去の経験から類似のも
のから見積もる
† パラメトリック見積り法
„ 過去のデータとパラメータ
を用いた統計的見積り
† ボトムアップ見積り
„ WBSなどの個別の作業
の積み上げにより全予算
を見積もる
予算の見積り過程と精度
過 程
概算
Order of Management
予算
Budget
最終案
Definitive
4-1 プロジェクトマネジメント
精 度
−25∼+75%
−10∼+25%
−5∼+10%
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自治体CIO育成研修
PMS
† Microsoft Project 2002
„ WBS設定
„ 依存関係を表現したスケジュール作成
„ クリティカルパスの算定
„ リソース割当
„ EVMSによる進ちょく管理
など
4-1 プロジェクトマネジメント
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自治体CIO育成研修
EVMS(Earned Value Management System)
† クリントンアドミニストレーション(1992年就任)
„ DoD予算 18%⇒16%に削減
†調達マネジメントプロセスの見直し民間規格採用、調達規
則改訂
„ NASA予算 1%⇒0.8%に削減
†コスト償還型契約からパフォーマンス型へ
† DoD5000.2-R 付則Ⅵ「C/SCSC」が1997年に「EVMS」と
して採用された。
(c/scsc:Cost Schedule Control System Criteria)
4-1 プロジェクトマネジメント
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自治体CIO育成研修
EVMSの定義
† アーンド・バリュー分析は、進捗測定の最も典型的な手法とし
て、様々な形式で利用される。
† この分析によってプロジェクト・チームは、スコープ、コスト、ス
ケジュールの進捗を同一の測定基準で、 総合的に把握しな
がら、プロジェクトの進捗や効率を評価できる。
PMBOK®
4-1 プロジェクトマネジメント
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自治体CIO育成研修
EVMSの概要
† プロジェクトの進捗を監視する方法。完了した作業を出来高
(アーンド・バリュー)であらわす
† アーンド・バリューは タイム(スケジュール) および コスト の
双方を計る
† 大規模・複雑なプロジェクトに有効。もちろん中小規模のプロ
ジェクトにも有効
† これまでのプロジェクトの受注者側は 「おおむね順調に進ん
でいます。」、「心配いりません。」、「少し頑張れば取り戻せま
す。」などの定性的な状況報告をすることが殆どであった。
4-1 プロジェクトマネジメント
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自治体CIO育成研修
EVMSの各指標
EAC(Estimate at Completion)
VAC
Contract Budget Base
Variance at
Completion
AC
PV
CV
Cost Variance
BAC
SV Schedule Variance
Budget
at Completion
EV
Time
4-1 プロジェクトマネジメント
Now
Overrun
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自治体CIO育成研修
EVMSの実際
† STEP1(前提)
„ プロジェクトの計画段階で全てのタスクを金銭価値に変
換する。(コストベースライン)
† STEP2(データ収集)
„ 進ちょく測定時における「終了を予定していた作業量」を
金銭価値に変換する。・・・PV(Planed Value)
„ 「その時点までに費やした作業量」を金銭価値に変換す
る。・・・AC(Actual Cost)
„ 「その時点までに実際に終了した作業量」を金銭価値に
変換する。・・・EV(Earned Value)
4-1 プロジェクトマネジメント
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自治体CIO育成研修
† STEP3(進ちょく把握)
„ スケジュール差異 SV(Schedule Variance)
† SV=EV-PV
„ コスト差異 CV(Cost Variance)
† CV=EV-AC
„ スケジュール効率指標 SPI(Schedule Performance Index)
† SPI=EV÷PV SPIが1以下の場合は遅れ
„ コスト効率指標 CPI(Cost Performance Index)
† CPI=EV÷AC CPIが1以下の場合はコスト超過
† STEP4(予測)
„ 完了予測予算 EAC(Estimated at Completion)
† EAC=AC+(BAC-EV)÷CPI
4-1 プロジェクトマネジメント
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自治体CIO育成研修
EVMSの適用例
計画
4本のプログラムの作成
1日7時間で10人が10日かけて完了できるとした。
(プログラマー時間単価:8000円)
データ収集
進捗把握
5日経過時点で2本のプログラムは完了しているはずが、各人毎日1時間の残業にも
かかわらず、1.8本しか完了していない。
BAC(想定全作業量)=10人×7時間×8000円×10日=5,600,000円
PV(本来完了しておくべき作業高)=2,800,000円
EV(作業高)=2,520,000円(プログラム1.8本分)
AC(実コスト)=10日×8時間×5日×8000円=3,200,000円
SV(スケジュール差異)=EV-PV= -280,000円
CV(コスト差異)=EV-AC= -680,000円
予算を1,570,000円超過
完了日は1.1日遅れ
SPI(スケジュール効率指標)=EV÷PV=0.9
CPI(コスト効率指標)=EV÷AC=0.78
予測
完了時総予算=7,170,000円
残作業所要日数=6.1日
4-1 プロジェクトマネジメント
さらに時間外勤務、増員、作業見直し等が必要
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自治体CIO育成研修
契約形態
†
†
†
†
†
†
定額価格 (Firm Fixed Price)
インセンティブ付固定価格 (Fixed Price Incentive)
インセンティブ付コスト償還 (Cost Plus Incentive Fee)
報償付コスト償還 (Cost Plus Award Fee)
固定利益付コスト償還 (Cost Plus Fixed Fee)
単価契約
仕様確定型
FPI
CPIF
CPAF
CPFF
4-1 プロジェクトマネジメント
受注者リスク
発注者リスク
FFP
仕様不確定型
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自治体CIO育成研修
(参考)PMP資格(米国PMI認定)の取得
4-1 プロジェクトマネジメント
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自治体CIO育成研修
PMP®試験概要
PMP®とは
・PMP®は、PMI(Project Management Institute)が実施・認定している国際資格である。
・PMBOK®(Project Management Body Of Knowledge)に基づいた問題がテストされる。
・主要なインプット、ツールと技法、アウトプット、キーワードを暗記する。
PMI®について
・PMI®(Project Management Institute)は、1969年に創立され、1984年にPMP資格の
認定を開始した。
・PMI®は、世界125ヶ国、114,465名の会員を擁している(2003年8月現在)。
・PMI東京支部は、定期的な会合を持ち、PMの技法やツールの研究をしている。
「PMP ® 」は、米国およびその他の国で登録されている資格についてのマークです。
「PMBOK ® 」は、米国およびその他の国で登録されている商標です。
「 PMI ® 」は、米国およびその他の国で登録されているサービスと商標です。
4-1 プロジェクトマネジメント
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自治体CIO育成研修
WBSの作成と活用について
4-1 プロジェクトマネジメント
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自治体CIO育成研修
WBSとは
† WBSとはプロジェクトの要素成果物の構成要素とア
クティビティを使ってプロジェクトの要素成果物をツ
リー構造で表現したもの。
† WBSの最下位層をワークパッケージという。
† WBSに含まれない作業はプロジェクトのスコープ外と
なる。
† コスト見積り、スケジュール管理、資源割当、品質管
理が容易になる。
4-1 プロジェクトマネジメント
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自治体CIO育成研修
† IT開発プロジェクトのWBS(例)
○○○システム
1.
1.1要件定義
1.2外部設計
1.2.1S/W設計
1.3内部設計
1.2.2H/W設計
1.2.1.1
1.2.1.2
1.2.1.3
S/W構造とコン
ポーネント設計
コンポネーント
間I/F設計
D/B最上位レベ
ル設計
ワークパッケージという
4-1 プロジェクトマネジメント
1.0 WEB設計
1.1 WEB設計ツールの検討
1.1.1 WEB設計ツールの評価
1.1.2 WEB設計ツールの選定
1.2 WEB設計者
1.2.1 WEB設計者の雇用
1.2.2 WEB設計者の教育
1.3 WEBサイトの設計
1.3.1 WEB設計エキスパートへの相談
1.3.2 WEB設計の決定
1.4 関連プログラム間の設計
1.4.1 内部業務プロセスとの整合確認
1.4.2 外部連接システムとの整合確認
1.4.3 解決策の決定
2.0 ハードウェア
2.1 ハードウェアサイジング
2.2 ハードウェアアーキテクチャの決定
2.3 ハードウェア購入
2.4 ハードウエアの設置
2.5 ハードウェアのテスト
3.0 ソフトウェア
3.1 プログラマーの雇用
3.2 プログラマーの教育
3.3 プログラムウォークスルーの実施
3.4 プロトタイピング
3.5 注文エントリー
3.5.1 コード化
3.5.2 テスト
3.6 注文の受付完了処理
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自治体CIO育成研修
調達者としてのWBS作成
† 「EVM活用型プロジェクト・マネジメント導入ガイドライ
ン」(総務省H14)においてプロジェクトマネジメントの
ためのEVMの適用が記述されている。
† 調達者はWBSの妥当性を評価する方法として、受注
者に対してWBSの提出を求める一方で、調達者側で
も想定するWBSを作成しておき、両者の案を付き合
わせて、妥当性を判断する。
4-1 プロジェクトマネジメント
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自治体CIO育成研修
他のBS(Breakdown Structure)
† OBS(Organization Breakdown Structure)
プロジェクトに従事する組織を階層化したもの。WBSとのマトリックスにより責
任の所在を明確にするために用いる。
† RBS(Risk Breakdown Structure)
リスクを識別する際に階層的に表現するために用いる。
† RBS(Resource Breakdown Structure)
プロジェクトで使用する資源を種類別に階層的に整理し表現するために用いる。
4-1 プロジェクトマネジメント
40
自治体CIO育成研修