マッサージ - WATS~WASEDA Athletic Training

マッサージ
疲労の蓄積・筋の柔軟性の低下
→パフォーマンスに影響
けがの原因
マッサージ
マッサージの目的
①疲労回復
②コンディショニング
③ウォームアップ
④パフォーマンスの向上
⑤スポーツ障害の治療・予防
マッサージの種類
Ⅰ.ウォームアップマッサージ
→ウォームアップ、コンディショニング
練習前、試合前に短時間で行う
Ⅱ.練習中、試合中のマッサージ
→スポーツ障害の治療・予防、パフォーマンスの向上
ストレッチングと併用して行う
Ⅲ.クールダウンマッサージ
→疲労回復
練習後、試合後に翌日まで疲労を残さないために行う
Ⅳ.トレーニング期マッサージ
→疲労回復、コンディショニング
刺激量がやや高め
効果
・疲労回復
・新陳代謝の促進
・鎮痛
・皮膚温の上昇
・リラックス
・パフォーマンスの向上
効果 ―疲労回復のメカニズム―
マッサージ=他動的に筋肉を動かす
↓ 刺激を受ける
血液・リンパ液の循環を促進
↓ 筋肉内の物質代謝を促進
乳酸などの吸収を高める
↓
筋肉の疲労を取り除く
競技とマッサージ
競技によって用いる筋肉も疲労度合も異なる
↓
相応しいマッサージ時間、部位、手技の選択
(競技と疲れやすい筋肉の例)
サッカー 大腿部、股関節周辺、腰背部、臀部
バスケ
腰背部、大腿部、上腕部
野球
腰背部、肩背部、上腕部
ラグビー 腰背部、頸部、肩周辺、大腿部
方法 ―7つの基本手技―
①軽擦
②揉捏
③圧迫
④叩打
⑤振せん
⑥伸展
⑦強擦
4~6回繰り返す
前後、左右にずらして進める
ゆっくり押し、ゆっくり離す
叩打と振せんは合わせて
一連の手技の最後に行う
静かに1回だけ10秒間ほど伸ばす
強く押しながら揉む
軽擦法
なでる・さする
・手掌や手首を身体に密着
・末梢から中枢へ
・マッサージの最初と最後
・皮膚の神経を刺激し血管が拡張、血流を促す
・これから刺激を与えることを筋肉に知らせる
手掌軽擦法(肩背部の広い部位、上肢、下肢)
拇指軽擦法(手部、足部)
四指軽擦法(頭部、頸部、手背部、足背部の骨間部)
二指軽擦法(手指、アキレス腱部)
指顆軽擦法(腰背部、下腿部前側、足底部)
環状軽擦法(足首、手首)
手根軽擦法(大臀部、背腰部)
揉捏法
・よく使われる
・拇指や手掌部、手根部を用いる
・体表に圧を加えながら揉む
・疲れた筋肉を揉み解す
・老廃物を押し流す
揉む
輪状揉捏法
線状揉捏法
手掌揉捏法(大腿、下腿)
手根揉捏法(腰背部、肩)
拇指揉捏法(足底部、腰背部、大腿、下腿)
四指揉捏法(前腕、上腕、下腿、頸部、肩背部)
二指揉捏法(手指、足指、アキレス腱、頸部)
把握揉捏法(上腕、前腕、下腿、大腿)
櫓とう揉捏法(腹部、腰部)
縦行揉捏法(上肢、下肢)
鋸切状揉捏法(上肢、下肢)
錐揉状揉捏法(上肢)
Shaking法(大腿部)
Rocking法(大腿部)
圧迫法
押す
・拇指や手掌部、手根部を用いる
・体表に垂直に圧を加える
・圧の加減に注意
・循環系、神経系の機能を賦活または抑制
拇指圧迫法(腰背部)
手掌圧迫法(背部)
手根圧迫法(腰背部、大腿)
四指圧迫法(腹部、下腿、肩上)
二指圧迫法(手指、足指、アキレス腱、頸部)
把握圧迫法(上腕、前腕、下腿)
叩打法
叩く
・手拳や手背、指頭などを用いる
・一定のリズムで軽く叩く
・皮下の毛細血管の拡張、収縮
・筋の収縮力を増大
手拳叩打法(肩、腕)
袋打法(腰背部)
切打法(首、肩、腰部、足部) 環状叩打法(上肢)
拍打法(背部、胸部、腹部)
指頭叩打法(頭部)
合掌打法(腰背部)
横手(肩背部、下腿部後側、アキレス腱)
振せん法
振るわす
・手掌や指端を用いる
・一連の流れの最後に使う
・細かく振り動かす
・血流、リンパ液の循環を促す
手掌振せん法(腹部)
指端振せん法(頸部、腹部)
牽引性振せん法(上肢、下肢)
伸展法
伸ばす
・上肢、下肢や背腰部などに用いる
・
他動的に伸ばす
→各手技後終了後10秒程度
自身で伸ばす
・筋肉の柔軟度を確認し慎重に行う
・
下肢後側の伸展法
下腿部後側の伸展法
大腿部内側の伸展法
大腿部より臀部の伸展法
臀部より腰部の伸展法
上肢の伸展法
上腕の伸展法
背部の伸展法
肩甲骨間部の伸展法
頸部の伸展法
強擦法
強く揉みこねる
・軽擦法と揉捏法の混合手技
・拇指の指腹や指頭を用いる
・関節部や筋腱の癒着をはがす
・しこり(硬結部)をほぐす
・代謝を促す
※刺激が強いためスポーツマッサージではあまり用いられない
うずまき状強擦法(関節裂隙、靭帯、腱、筋肉の深部)
強擦法の応用
螺旋状強擦法(関節部)
ポイント
・試合や練習後にしっかりクールダウンをする
・入浴後が効果的
(疲労回復が目的である場合、就寝前)
・回数は1日1回、全身:30-60分 局部:5-20分
・週に1~2回
時間と刺激の強さには十分な注意が必要
注意事項
・選手の訴えを十分に聞く
・マッサージを受ける同意を得る
・身体が動かないようにする
・関節部や皮下にすぐ骨のある部位は骨を避ける
・体位に配慮する
・揉み返しに注意
揉み返しとは…体の表層筋だけが刺激され、深部の凝りが解消されずかえって凝りがひどく感じる
症状は脱力感、頭痛、皮膚の腫れ熱など
マッサージの時間が長すぎる、強すぎるなどが原因
・軽装で
・軟らかすぎない所の上で
参考文献
「 基礎から学ぶ!
スポーツマッサー」
溝口秀雪 編著
泉 秀幸 共著
笹木正悟 共著