近現代の静岡市付近の 地震活動の推移

近現代の静岡市付近の
地震活動の推移
小山研究室
総合科学専攻 2年
3071-6011 柏木 勇登
研究目的
最近の静岡市付近で有感地震はめったにないが、近現
代の静岡市付近における地震活動の盛衰は必ずしも
明らかになっていない。
1935年・1965年の静岡地震、1944年の東南海
地震などの被害地震前後で有感地震がどう変化し
てきたのか時間推移を分析し、近現代の静岡市付
近の地震の特徴を明らかにする。
研究方法(資料)
1900年から1926年は気象要覧・静岡地方気象台に記
載されている有感地震を抜き出した。(約30回)
静岡地方気象台:県内のどこかで震度が
4以上あった地震が記載されてあり、静岡が
載っているものを抜き出した
研究方法(資料2)
1926年以降については気象庁のWebページに記載さ
れている静岡市曲金の地方気象台が観測した有感地
震を抜き出した。(約570回)
2001年3月3日19:11:39.2 35゜13.9'N 138゜23.0'E 23km M:3.8 静岡県中部 震度
分布図
2 飯田市南信濃*
No.4
長野県
1
長野高森町下市田*、阿南町東条*、下條村睦沢*、泰阜村梨久保、泰阜村役
場*
2 静岡駿河区曲金
静岡県
熱海市網代、下田市中*、伊豆の国市長岡(旧)*、沼津市戸田*、富士宮市猪之頭
1 *、富士市岩渕*、芝川町長貫*、静岡清水区千歳町、静岡清水区旭町*、静岡清
水区蒲原新田*、静岡清水区由比北田*、川根本町千頭*、浜松天竜区龍山町*
山梨県
1 身延町大磯小磯、上野原市上野原
愛知県
1 豊根村富山*、豊田市小渡町*
マグニチュードの時間推移
三陸沖
(震度3)
北海道東方沖
(震度2)
択捉島南東沖
(震度1)
9
マ
グ
ニ
チ
ュ
ー
ド
(
M
)
8
7
6
5
4
3
2
1
1912
1924
静岡市付近の被害地震
1936
1948 1960
経過時間(年)
1972
1984 1996 2008
( )内は静岡市付近の震度
・静岡市付近でM8以上の巨大地震は起きていない
・1940年以降静岡市付近の被害地震のマグニチュードの
下限が下がっている
震度の時間推移
14
12
10
1935年
静岡地震
M6.4
震8
度6
2001年
静岡市付近の地震
M5.3
4
2
0
1936
1948
1960
1972
1984
経過時間(年)
1996
1933年以前は正確なデータがない
・1940年、1996年頃から震度1・2の観測が非常に増えている
2008
観測点設置の時代変化
1933年設置
1990年代年設置
1940年、1996年頃から有感地震が増えた
↓
震度観測点が設置・増えたため
深さの時間推移
経過時間(年)
0
1912
1924 1936
1948 1960
100
200
深
300
さ
(
㎞ 400
)
500
600
700
・1948年頃以降深さの下限が下がっている。
(深い地震が少なくなっている)
1972 1984 1996
2008
年別回数
2000年
新島・神津島近海の群発地震
2001年
静岡市付近の地震
1944年
東南海
地震
30
25
1965年
静岡
地震
20
回
数 15
(
回
) 10
5
0
1900
1912
1924
1936
1948
1960
1972
1984
1996
経過時間(年)
特に静岡における有感地震の回数で1940年代、2000年代は98回、1960年代は
74回記録されている。(2000年前後約10年で集計すると127回)
被害地震の比較
位置
年
M
最大
震度
静岡の
震度
深さ
その年の有感地震
の回数(静岡)
関東大震災
1923年
7.9
6強
3
28
4回
三陸沖地震
1933年
8.1
5
3
0
2回
静岡地震
1935年
6.4
6
6
10
2回
東南海地震
1944年
7.9
6
4
40
7回(45年→24回)
静岡地震
1965年
6.1
4
4
20
5回
新島・神津島
近海の群発地震
2000年
6.5
6弱
2
16
30回
静岡市付近の
地震
2001年
5.3
5強
5強
30
15回
主要な被害地震の前後の地震活動
15
15
10
回 5
数 0
10
2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
回 5
数
0
7 8 9 101112 1 2 3 4 5
月
月
1935年7月11日静岡地震
1944年12月7日東南海地震
15
15
10
10
回 5
数
0
回 5
数
0
11 12 1 2 3 4 5 6 7 8
月
1965年4月20日静岡地震
2 3 4 5 6 7 8 9 101112
月
2000年7月1日新島・神津島近海の群発地震
震源が静岡の地震は他の被害地震と比べて前後の地震活動が少ない。
まとめ
・1900年以降静岡市付近における有感地震は約600回
ありマグニチュード7以上が32回、震度4以上が11回
あった。
・東南海地震のあった1940年代、静岡地震のあった
1960年代、新島・神津島地震・静岡地震のあった2000
年代にそれぞれ98回、74回、98回と頻発していた。(特
に新島・神津島の群発地震のあった2000年には30回
もの有感地震があった)
・約1940年以降、有感地震が増え、マグニチュード・深さ
の下限が下がっている。
・静岡の被害地震は前後の地震活動がかなり少ない