権力の多層構造 中国=中央集権国家?? 地方統治の方法 ① 封建制ー儒家の理想形態 皇位継承争いがしばしば起こる ② 群県制ー中央集権体制の典型 統治費用がかかる ③ 藩鎮・土司などー大幅な地方自治を承認 求心力の低下ー独立・反乱を招きやすい 唐/宋変革 三国・晋・南北朝・隋 ーー豪族・門閥貴族が政権を左右し、中央集権 国家とは言い難い。 唐 ー安史の乱以降、門閥貴族と新興知識人官僚 とが対立。--貴族の没落 五代十国 帝制中国最後の大分裂期 宋代ー中央集権の完成 権力の担い手:貴族→士大夫(読書人) 藩鎮跋扈、武断政治の反省 →文治主義の徹底、地方権力の剥奪 科挙による官吏登用制度 →家産官僚制の完成 科挙制:中央集権国家の枢要 予備試験 県試 ↓ 府試 ↓ 院試 生員 郷 会 殿 試 試 試 挙人 権力の多層構造 外廷(官僚)ーー内廷(宦官)/(外戚) 官僚ーー胥吏 官僚ーー基層自治組織 官僚ーー郷紳 国家/国法ーー宗族/宗法 行政区画(明代の例) 省 省(布政使司) 府 州 県 府 州 県 府 州 県 県 里/甲(基層単位) 府 村の把握 租税徴収 里甲制 治安維持 教民 里老人 1里 甲1 里長戸 里長 1 甲主戸 甲主 2 ↓ 3 ↓ 4 ↓ 5 ↓ 6 ↓ 7 ↓ 8 ↓ 9 ↓ 10 ↑↑ 甲2 → 甲主 ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↑↑ 甲3 → 甲主 ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↑↑ 甲4 → 甲主 ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↑↑ 甲5 → 甲主 ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↑↑ 甲6 → 甲主 ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↑↑ 甲7 → 甲主 ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↑↑ 甲8 → 甲主 ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↑↑ 甲9 → 甲主 ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↑↑ 甲10 ←← 甲主 ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↑↑ 明太祖の地方統治理念 農村社会に儒教の儒教を投影 「里老人」ー里内の人品高潔な人物を任 じて里内の教化、調停に従事させる 民事案件は里老人が裁き、民が直接訴 訟を起こさないようにさせる →行政負担の軽減 郷紳 地方における実質の支配層 (地方官=任期が終われば移動) 地方の経済的支配者・世論の形成者 官僚予備軍/退職・休職官僚 「生員」ー終身身分:免税特権など保持 「挙人」ー任官有資格者 →蓄財の機会の増大 宗族 父系の同姓一族≠親族 近世(宋代)以降ー基層社会のセーフティー ネットとしての役割が強化される。 *ex族田:貧窮者の救済や優秀な子弟への奨 学金などに充てられる。 同族の結束 ex共通の宗廟での祭祀・族譜の作成 宗族(2) 近世以降ー財産を守るために不可欠の社会集 団となる→特に科挙合格者の輩出は繁栄の必 要条件 自警組織としての一面ーー「械闘」 強力な「族」が弱小の「族」を村から追放したり 使役することもある。 族長は世襲ではなく一族の「選挙」 宗族の問題は宗族内で解決が原則 「国家」の存亡よりも自らの生存に直結ー行動を規定 参考文献 『明清交替と江南社会』 岸本美緒 東大出版会 1999 『伝統中国の地域像』 山本英史 慶應出版会 2000 『明清時代史の基本問題』森正夫他 汲古書院 1997 『和田博徳教授古稀記念 明清時代の法と社会』 明清時代の法と社会 編集委員会 汲古書院1993 『アジアから考える』[4]「社会と国家」 溝口雄三他 東大出版会 1994 『中国の宗族と社会』M・フリードマン(田中克己他訳) 弘文堂 1987 [中文]『明清民間社会的秩序』王日根 岳麓書社 2003
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