Document

地方公共財とクラブ財
ティブーの足による投票
• ただ乗り問題⇒公共財について、分権的なメ
カニズムにより、効率的な資源配分を達成す
ることは、困難
• 地方公共財 の場合は、「足による投票」
(voting with feet)により、効率的な資源配分
が達成できる 可能性
• Tiebout " A Pure Theory of Local
Expenditures"
地方公共財
• 多くの公共サービスは、便益が特定の地方に
しか及ばない
• 街灯、警察、消防
足による投票が効率的な資源配分を
もたらす条件
• 住民の移動は自由であり、移動コストはかか
らない。
• 住民の所得は、地方の選択と独立である。
• 最適な地方の規模(人口)が存在
• 各タイプの住民は、最適規模の地方規模と比
べ、多く存在する。
• 便益の他の地方政府へのスピル・オーバー
は存在しない。
(1)住民の移動は自由であり、移動コ
ストはかからない。
• 移動コストが高いと足による投票は、てきな
い
• 大都市の周辺のベッド・タウンで、住宅の賃
貸や中古の市場 が整っているとある程度成
立
(2)住民の所得は、地方の選択と独
立である。
• そうでないと、地方公共財の選択より、所得を
得るところに住む。
• 大都市周辺のベッド・タウンについては、ある
程度成立する
(3)最適な地方の規模 の存在
• そうでないと、大規模のほうが、有利・・・国家
公共財
• 規模の経済と混雑などのバランス
(4)各タイプの住民は、最適規模の地
方規模と比べ、多く存在する。
• そうでないと、各政府が最適規模の人口を集
められない
スピル・オーバーは存在しない
•
•
•
•
便益が他の地方政府に及ぶこと
隣の町の消防車が来てくれる
隣の町に、いい総合病院がある
特定の地方政府の供給する地方公共財を見
て、移動するという動機がくずれる
簡単な地方政府モデル
c  y, n 
n
c  y, n
地方公共財の供給コスト
c  y, n
0
n
c  y, n
n
の最低点が最小効率規模
最小効率規
模
n * y 
人口
住民の効用
h vy  x
h:住民のタイプ
x:私的財の消費
c  y, n
h v  y  w 
の最大化、つまり
n
c  y, n *  y 
の最大化
h v  y  w 
n * y 
行儀がいいとhが大きいほど最適なyが大
きい⇒自分のhに対応する地方に住む
クラブ財
• 共同消費
• 混雑
• 同じような選好を持った人が集まるとき、クラ
ブは分離的
• 参入が自由なら、長期的に限界費用=平均費
用となり、最適が達成
ヘンリー・ジョージ定理
• 最適な人口規模では、地代と公共財の費用
が等しくなる
集計モデルによる導出
Fn 都市の生産関数
F '  n   0 F " n   0
Fn
完全競争なので、
賃金=労働の限界生産物
F '  n  w
wn  nF '  n
賃金総額
残りが地代
R  F  n  nF '  n
n
F  n  nx  y
私的財か地方公共財のどちらかに使われる
U  x, y   U  x, F  n  nx 
を最大化
xで微分
nで微分
U1  nU2  0
サミュエルソン条件
U2   F ' x   0
これからヘンリージョージ定理が
出る
U2   F ' x   0  F '  x
F  n  nx  y に代入すると
F  n  nF '  n  y
 y  F  n   nF '  n 
R  F  n  wn
 F  n   nF '  n   F  n   nx  y
公共財の費用=地代
ヘンリージョージ定理の意味
• 最適な状態で地代と地方公共財の費用が等
しくなる
• 地代に100%課税すれば自動的に最適な地
方公共財の供給が可能なことは意味しない
• (土地を有効に利用するインセンティブがなく
なる。)
• 地下鉄や道路の費用は、開発利益を還元し
て、調達すべきであるという議論につながる