第 55 回自動制御連合講演会 2012 年 11 月 17 日,18 日 京都大学 2H106 拮抗型腱駆動機構を有する冗長関節ロボットの非ヤコビ制御 ○加藤亮祐 井上貴浩 (岡山県大) 平井慎一 (立命館大) Non-Jacobian Control of A Redundant Articulated Robot having Antagonistic Tendon-driven Mechanism. ∗R.Kato, T.Inoue (Okayama Pref. Univ.) and S.Hirai(Ritsumeikan Univ.) Abstract– This paper proposes a control law of tip position control in the two dimensional vertical plane of a redundant articulated robot having antagonistic tendon-driven mechanism. This robot consists of six tendons, springs inserted between the tendons, motors, and three links. Proposed control law does not include any apparent compensator for the gravity, and not contain the Jacobian matrices. We conduct simulations and three experimental tests using the proposed control law. We try a swing-up motion and horizontal posture control. Finally,we establish the efficiency of this control law by the simulation and experiment. Key Words: Tendon-driven,Jacobian,Redundant Antagonistic mechanism 1 はじめに θ3 X 腱駆動機構ではアームからアクチュエータをロボッ トのベース部に移すことにより,軽量化が容易である ことや,腱の弾性によりアームに柔軟性を持たせるこ とができるため,様々な分野のロボットへの応用が期 待され研究も数多くされてきた 1)2)3) .また人間と協調 して作業を行うことができるロボットを生み出すため に,コンプライアンス性を獲得するための研究も多数 されている 4) .人間に違和感を感じさせない軌道生成 法についても研究が行われている 5) .ヒト上肢のリー チング運動の際の速度推移はベル型と呼ばれるピーク を一つもつ速度波形を示す.その速度波形を作り出す ことによりロボットの親和性を高め,ロボットに対す る違和感を無くすことができる.それらの研究で使用 されるロボットアームの制御は位置,力制御などが知 られる.特に位置制御の場合においてロボットアーム が冗長関節であれば,順運動学は求まるが,逆運動学 はマニピュレータの関節角度の解が無限に存在する不 良設定問題により一意に定まらない 6)7) .この問題を 避けるために様々な研究が行われているが,いずれも ヤコビ行列を使用するため,根本的な問題の解決とは ならない.一方,本稿で提案する制御則は冗長アーム の手先位置決め制御にもかかわらず動力学補償や線形 化補償を行っていないためヤコビ行列を必要としない. 以下本稿の流れを記述する.本稿ではヒト上肢の拮抗 筋構造を模倣した拮抗型腱駆動ロボットアームの設計 を行い,モデル化を行う 8)9) .次に,拮抗構造に適し たヤコビ行列を使用しない手先到達運動制御則を提案 し,その制御則を用いた手先到達振り上げ運動の数値 シミュレーションを行う.そして拮抗型腱駆動のロボッ トアームを製作し,提案制御則を用いて手先到達振り 上げ運動とアーム水平姿勢の制御を行なう.以下,各 章の概要について説明する. 2 章で 3 リンク拮抗型腱駆動冗長ロボットアームのモ デル化を行う.3 章では,まず,拮抗型腱駆動ロボット で手先到達運動が可能となる制御則の提案を行う.そ して手先到達運動,ここでは振り上げ運動のシミュレー ションを行い提案制御則の有効性を明らかにする.4 章 では製作した腱駆動ロボットアームを用いて振り上げ 運動の実験とアーム水平姿勢の制御を行う.5 章で結 -Y gravity θ1 θ2 (a) configuration of the arm motors nonlinear spirngs idler idler idler final link paired wires for moving final link (b) wire-driven structure Fig. 1: A three degrees-of-freedom redundant arm in the gravity. 果に対する考察を述べる. モデル化 2 2.1 ロボットアームの概要 本稿で取り扱うロボットアームの概略図は Fig. 1(a) であり,以下のような力学的・機構学的特徴を有する. • • • • 重力下での垂直 2 次元平面内運動 3 リンク冗長アーム 拮抗腱駆動機構 腱への非線形ばねの挿入 Fig. 1(a) のようにアームに沿って腱を取り付けてお り,それを DC モータで引いてアームを駆動させる.図 中では第 3 リンクの腱のみ描かれているが,実際には 第 1,2 リンクに対しても腱が取り付けてあり,それぞ れの腱を個別の DC モータで引っ張る.またすべての 腱には腱と DC モータとの間に非線形バネが挿入され ており,アームに対する衝撃を吸収する働きを果たす. 2.2 運動方程式の導出 本稿で取り扱う 3 リンク冗長アームの模式図を Fig. 2 に示す.ここで,システム全体の運動エネルギーを K , バネの伸びの弾性エネルギーを Pei (i:第 i リンクに関 与するバネ),重力によるポテンシャルエネルギーを Pg とすると 3 リンクアームモデルのラグランジアン L は Eq. (1) となる. 1402 Table 1: Mechanical parameters and others X R -Y θ1 τc Kp1 Kp2 Kp3 Kd2 Kı1 L1 pc1 pc3 θ3 R θ2 pc2 L3 R 0.2 [Nm] 1.4 1.0 3.0 1.0 0.003 y τb1 τb2 τb3 Kd1 Kd3 Kı2 τc +1.0 [Nm] τc +1.0 [Nm] τc [Nm] 1.0 2.0 0.0032 y y target=(0.6,0.0) x x x L2 Fig. 2: A model of the three-links arm L=K− 3 ∑ Pei − Pg . start=(0.0,-0.9) (1) Fig. 3: Swing-up motion i=1 また,各関節とアクチュエータ軸の粘性項を Eq. (1) に加えることで,運動方程式 Eq. (2) を得ることがで きる. d ∂L ∂L − + D q˙ = u. dt ∂ q˙ ∂ q˙ (2) ここで,q は各リンク関節とモータ回転角を含めた一 般化座標ベクトルであり,u は各アクチュエータへの 制御入力である.また,D は粘性対角行列を意味する. シミュレーション 2.2 節で求めた運動方程式を基に振り上げ運動のシ ミュレーションを行う.シミュレーションにおいては Table 1 のメカニカルパラメータを用いた.ここで,ζ は 制御則とシミュレーション 制御則 0.3 0.3 0.1 0.1 -0.1 -0.1 y[m] y[m] アームに対して拮抗的に DC モータを配置し,Fig. 2 の各関節において反時計回りに駆動するアクチュエー タトルクを根元から先端にかけて (u1 , u3 , u5 ) とし,時 計回りを同様に (u2 , u4 , u6 ) とする. 振り上げ動作を実 現するための制御則として,関節角を操作量とする PD 制御を行うため,アクチュエータの制御入力は Eq. (3) となる. u1 = −Kp1 (θ1 − θ1d ) − Kd1 θ˙1 + τb1 u = −K (θ − θd ) − K θ˙ + τ d2 2 b2 3 p2 2 2 (3) d ˙ u = −K (θ − θ ) − K θ + τ p3 3 d3 3 b3 3 5 u = u = u = τ (const.) 2 4 6 c target -0.3 -0.7 start -0.9 0 0.2 0.4 x[m] -0.9 0 0.6 これは,ステップ状の指令タスク((x, y) → (xd , y d )) における時間経過ごとの偏差の蓄積から関節角目標を 生成することを意味する.したがって,上記 PD 制御 則から分かるように,関節空間においては外形上軌道 追従制御に相当する 0.2 0.6 (b) desired xy-locus -0.1 -0.3 -0.5 -0.7 4 8 12 time[s] 16 20 -0.9 0 20 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 -10 0 4 (c) x-locus 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 -10 0 0.4 x[m] 0.1 y[m] x[m] θ2 θ3 θ1 4 8 8 12 time[s] 16 12 16 time [s] (e) angle locus d θ2 d θ3 d 4 8 12 time [s] θ1 16 (f) desired angle locus Fig. 4: Simulation results of a successful swing-up motion of the arm 1403 20 (d) y-locus d Eq. (3) において,第 i リンクの比例・微分ゲインをそ れぞれ Kpi , Kdi とし,関節角目標を θid とする.また, 制御入力に重畳するバイアストルクを τbi と定義する. また,本稿での指令タスクは関節角度制御ではなくリ ンク先端の位置決め制御であるため,上記制御則内に おける目標関節角を積分ゲイン Kii を用いて次式のよ うに与える. ∫ d (x − xd )dt, θ1 = −Ki1 ∫ (4) θ2d = Ki2 (y − y d )dt, d θ3 = const. start -0.7 (a) xy-locus 0.8 0.7 0.6 0.5 0.4 0.3 0.2 0.1 0 0 target -0.3 -0.5 -0.5 θ [deg] 3.1 3.2 θ [deg] 3 この制御則の特徴として挙げられるのが,ヤコビ行 列に起因する,ランク落ちにより制御不能となる特異 姿勢を問題としない点である.また通常は冗長アーム の場合,逆運動学が求まらない不良設定問題が発生す るが,第 3 リンクを一定角度に固定することによって, アームの冗長性を打ち消し,不良設定問題を回避する ことができる. 20 Table 2: Apparatus and others used in the experiment Microcomputer Encoder Motor MotorDriver Spring used for 1link used for 2link used for 3link LEPRACAUN(SH4-7785) (GeneralRobotix,Inc.) E6J-CWZ1C(OMRON) RE-max21(Maxon Motor) A-max19(Maxon Motor) A-max16(Maxon Motor) JW-143-2(Okatech) 21.57[N/mm] 18.63[N/mm] 9.22 [N/mm] Fig. 5: A three-linked arm in experiment. 各関節プーリの粘性係数であり,ζm は各アクチュエー タの粘性係数である. 与えるタスクはアーム垂下姿勢時の先端座標 (x, y)=(0.0[m],-0.9[m]) から (x, y)=(0.6[m],0.0[m]) に 先端を振り上げる動作である.(Fig. 3 参照).なお,第 3 リンクは 40 °を目標角度とする. Fig. 4(a) は,xy 平面上におけるアーム先端の軌跡で ある.Fig. 4(b) は,Eq. (4) においてリアルタイムで生 成される各アームの目標角度から算出した軌道を示す. Fig. 4(c),(d) は x, y それぞれのアーム先端座標の時 間軌道である.Fig. 4(a),(c) を見ると,一度 x 方向に 振れてから目標点に到達したことがわかる.Fig. 4(e), (f) は各アームの角度軌道と目標角度軌道を示す.目標 角度と実際のアームの角度は大きく違うことがわかる. しかし,目標点にアーム先端は到達したので,Eq. (4) によって生成される角度目標は仮想的なものであると いえる. 4 実験結果 4.1 振り上げ動作 Fig. 5 が製作したロボットアームである.アームの上 方に拮抗的にモータが 3 つずつ取り付けてあり,プーリ を介してアームとモータを腱で結んでいる.またアー ムの関節はベアリングが挿入されており,関節の回転 摩擦はほぼゼロに等しい.また,今回シミュレーショ ンでは非線形バネを用いたが,実験では線形バネを使 用して実験を行った. 3 章で記述した制御則で振り上げ動作の実験を行っ た (Fig. 6 参照).ロボットアームの製作に使用したア クチュエータやマイコンなどを Table 2 に示す.各リ ンク長はシミュレーションと同じで各 0.3[m] である. ま ず,xy 平 面 上 に お け る ア ー ム 先 端 の 軌 跡 を Fig. 7(a) に示す.目標付近で振動が発生しているが, 最終的には先端が目標座標に到達した.また,Fig. 7(b) は,目標軌道であるが,ほぼ追従するように先端軌道 が推移したことがわかる. 次に,x, y それぞれのアーム 先端座標の時間軌道を Fig. 7(c),(d) に示す.x 座標に 関しては,Fig. 7(a) からもわかるように一度オーバー シュートしてから約 6 秒で目標に到達した.また,y 座 標についても同様に約 6 秒で到達した.Fig. 7(e),(f) は各アームの角度軌道と目標角度軌道を示した.目標 Fig. 6: An experiment of the swing-up motion 角度と各アームの角度第 3 リンクを除いて,少ないな がらも偏差が存在することがわかる. 4.2 水平姿勢 シミュレーションでは行なっていないが,アームを水 平姿勢にする制御の実験を行った (Fig. 9 参照).タスク としてはアーム垂下姿勢時の先端座標 (x, y)=(0.0,-0.9) から (x, y)=(0.9,0.0) に先端を到達させる動作である. (Fig. 8 参照) 第 3 リンクは 0 °を目標角度とする. Fig. 10(a) はアーム先端の xy 平面上での軌跡を示す. Fig. 10(b) は,目標軌道であるが,(a) とほぼ一致するこ とがわかる.次に,x, y それぞれのアーム先端座標の時間 軌道を Fig. 10(c),(d) に示す.Fig. 10(a),Fig. 10(c), (d) から x 方向は比較的振動が少ないが,y 方向には振 動が発生したことがわかる.最後に Fig. 10(e),(f) は 各アームの角度軌道と目標角度軌道を示す. 4.3 振り上げ動作と水平姿勢 最後にアーム振り上げ動作完了後,水平姿勢にする 実験を行った.Fig. 11 は実験時の様子の連続写真で ある.タスクとしてはアーム垂下姿勢時の先端座標 (x, y)=(0.0,-0.9) から目標 1 (x, y)=(0.6,0.0) に先端を 到達させてから,目標 2 (x, y)=(0.9,0.0) に到達させる ことである.目標 1 に到達後,ユーザ側で目標 2 に切 り替える. ま ず,xy 平 面 上 に お け る ア ー ム 先 端 の 軌 跡 を Fig. 12(a) に示す.目標 1 に到達後,目標 2 に到達し たことがわかる.また,Fig. 12(b) は,目標軌道であ るが,ほぼ追従するように先端軌道が推移したことが わかる. 次に,x, y それぞれのアーム先端座標の時間 軌道を Fig. 12(c),(d) に示す.x 座標について,目標 1 に関しては約 5 秒で,目標 2 に関しては約 13 秒でそ 1404 0.1 0.1 -0.1 target -0.3 y [m] -0.5 -0.5 start -0.9 0 0.2 0.4 x [m] -0.9 0 0.6 -0.1 Fig. 9: An experiment of the horizontal posture -0.5 4 6 8 time [s] 10 12 -0.9 0 2 4 6 8 time [s] θd [deg] 50 θ3 10 θ1 2 4 6 8 time [s] -0.5 12 -0.7 10 -0.9 0 0.2 -10 0 2 4 6 8 time [s] 10 -0.9 1.0 0 0.9 0.7 -0.1 0.5 -0.3 -0.1 0 4 start=(0.0,-0.9) 16 0.8 -0.9 20 0 4 80 80 θ1 60 40 20 θ3 -20 θ2 12 time[s] 20 16 20 d θ1 20 -20 8 16 40 0 4 12 time[s] 60 0 0 8 -40 d θ2 d θ3 0 4 8 12 time[s] 16 (f) desired angle locus Fig. 10: Experimental results of a successful horizontal posture of the arm じたと考えられる.またアーム先端の振動はバネの伸 縮によって生じる.初期実験ではバネ定数が現在使用 中のバネの 10 分の 1 程度のものを用いていた.その際 の実験ではより大きな振動が発生していたが,現在使 用中のバネ定数の高いものに取り替えることで振動は 軽減された.よって,今後さらに大きなバネ定数のバ ネに取り替えることでさらに振動が軽減されるとかん がえられる.しかし,バネをより強くすることは同時 にアームの剛性を高め,アームのやわらかさを失うこ とに繋がる.そこで,非線形特性をもつバネを使用す ることでアームの柔らかさを保ちつつ,振動も軽減で きるのではと考えられる.実験において,振り上げ動 作と水平姿勢ではゲインの Kp ,Kd や Ki1 , Ki2 の値を 変更した.仮に,振り上げ動作のゲインで水平姿勢制 御を試すと,目標には到達するものの極端に長い時間 がかかってしまうか,大きな振動が発生して制御不能 1405 1.0 (d) y-locus (e) angle locus れぞれ到達したことがわかる.y 座標については目標 1 は約 6 秒,目標 2 は約 17 秒で到達したことがわかる. Fig. 12(e),(f) は各アームの角度軌道と目標角度軌道 を示す.目標角度と各アームの角度は第 3 リンクを除 いて,偏差を残しながら追従していることがわかる. 振り上げ動作のシミュレーションと実験,水平姿勢 の実験の結果から提案制御則の有効性が示されたと考 える.シミュレーションではリアルタイムに生成される 目標角度と実際のアーム角度には差があったが,実験 においては目標角度と偏差が存在するものの,追従す る形でアーム角度が推移した.これは,実験において 拮抗するモータに一定のトルクを与えた場合,駆動さ せる側のモータに過度の負担がかかると同時にモータ パワー不足により先端が目標まで到達しなかった.そ のため,実際の制御では一定トルクではなく腱が緩ま ない程度に調節したトルクを与えていた.そのため,シ ミュレーションと実験では目標角度への収束に差が生 12 time[s] 100 -40 Fig. 8: Horizontal posture 考察 8 100 x 0.6 x[m] -0.5 (c) x-locus y x 0.4 -0.7 0.1 (f) desired angle locus 0.2 (b) desired xy-locus 0.1 0.3 12 target=(0.9,0.0) 5 0.8 d θ3 d θ1 30 y x 0.6 x[m] (a) xy-locus Fig. 7: Experimental results of a successful swing-up motion of the arm y 0.4 θ 50 (e) angle locus start -0.7 d 2 10 12 target -0.3 -0.5 start 70 θ2 30 target -0.3 (d) y-locus 90 70 10 0.1 -0.1 y[m] 2 y[m] -0.7 0.1 -0.1 y[m] -0.3 90 θ[deg] 0.6 (b) desired xy-locus (c) x-locus -10 0 0.4 x [m] θ d [deg] 0 0.2 0.1 y [m] x [m] (a) xy-locus 0.7 0.6 0.5 0.4 0.3 0.2 0.1 0 start -0.7 x[m] -0.7 target -0.3 θ [deg] y [m] -0.1 20 Fig. 11: Snapshot of the combined motion of swing-up motion and horizontal posture 0.1 0.1 -0.1 target1 -0.3 y [m] y [m] -0.1 -0.5 target2 -0.7 start -0.9 0 0.2 0.4 0.6 x [m] 0.8 -0.5 -0.9 0 1 0.2 -0.5 -0.7 10 20 30 time[s] -0.9 40 0 10 20 30 40 time[s] (d) y-locus θ2 d 90 θ1 d θ2 70 θ3 θ1 50 d θ3 30 d 1 θ 10 10 -10 0 参考文献 -0.3 θ d [deg] θ [deg] 30 1 -0.1 70 50 0.8 0.1 (c) x-locus 90 0.4 0.6 x [m] (b) desired xy-locus y[m] x[m] target2 start -0.7 (a) xy-locus 1 0.9 0.8 0.7 0.6 0.5 0.4 0.3 0.2 0.1 0 0 target1 -0.3 必要がある.今後の課題として挙げられるのは,目標 点に対する最適なゲインの決定方法の確立や目標点に さらに早く到達するようにアクチュエータを変更する ことなどが考えられる.そのためには実験でも非線形 特性を持つバネを用いることや,非線形アクチュエー タを使用して実験を行うことが今後の課題として挙げ られる. 10 20 time [s] 30 (e) angle locus 40 -10 0 10 d θ2 20 time [s] d θ3 30 40 (f) desired angle locus Fig. 12: Experimental results of a successful swing-up motion and horizontal posture of the arm となる.そのため,目標点によってゲインを調節する 1406 1) Gary S.Guthart and J.Kenneth Salisbury,Jr:”Intuitive Telesurgery System”,Proceeding of the IEEE International Conference on Robotics and Automation, vol.1 pp.618–621, 2000. 2) 小澤,小林,”非線形弾性腱を持つ腱駆動ロボット機構の 定力制御”,日本ロボット学会誌,Vol.19,No. 3, pp.372– 379, 2001 3) H.Noborisaka,H.Kobayashi,”Design of a TendonDriven Articulated Finger-Hand Mechanism and Its Stiffness Adjustability,” JSME International Journal,Series C, vol.43, No.3, pp638–644 4) 岡田,”人間らしい柔らかな動きと駆動機構”,日本ロボッ ト学会誌 Vol.17,No.6, pp.782–785, 1999 5) 田中,辻,金子,”人間の上肢運動を模擬したロボットの軌 道生成法”,日本ロボット学会誌,Vol.18,No.5,pp.699– 705,2000 6) 井上,加藤,平井,”拮抗型ばね駆動モデルによる不良 設定問題の解消”,日本機械学会 ロボティクス・メカト ロニクス講演会, 2P1-F06, 2012. 7) 井上,加藤,平井,”バックドライバビリティを有する拮 抗腱駆動冗長関節ロボットの重力下での振り上げ到達運 動”,日本ロボット学会誌, Vol.31, No.1, 掲載予定, 2013 8) 井上,加藤,平井,”非線形ばね要素を含んだ拮抗筋駆 動指のモデリング”,第 12 回計測自動制御学会 SI 部門, pp2393–2396, 2011. 9) 加藤,井上,平井,”多関節冗長アームの重力下でのリー チング運動 ”,日本機械学会 ロボティクス・メカトロニ クス講演会, 2P1-G07, 2012.
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