抗 生 物 質 の 代 謝 に つ い て の 研 究 肝 障害 時 に お け るCephalothin 小 第1篇 (CET )の 代 謝 松 喬 北 海 道 大 学 医 学 部 第 一 生 化学 教 室 (昭和52年1月17日 は じ め 肝 機 能 障 害 の あ る 患 者 が,随 に,抗 に 受 付) 第1篇 肝 障 害 時 に お け るCephalothin ) 生 物 質 の 投 与 を 必 要 とす る 場 合 に 遭 遇 す る こ と は,臨 床 上 しば し ば み うけ られ る こ と で あ る 。 合,肝 こ の 場 臓 は 生 体 に お け る 最 も 主 要 な 代 謝 器 官 で あ り,肝 機 能 障 害 が あ る と,あ る 種 の 抗 生 物 質 で は,正 常 とは 異 1. 緒 る と,生 thin(DA-CET)に (Fig.1)。 を 及 ぼ す 可 能 性 を 考 慮 す る 必 要 が あ る 。 こ の 立 場 か ら, 生 体 内 代 謝 の 知 ら れ て い るCephalothin mpicin (RFP 第1篇 )に (CET 肝 障 害 時 に お け るCephalothin I. 緒 ), Rifa- つ い て検 討 を 行 な っ た。 (CET )の 代 謝 言 代謝 わ れ わ れ は,病 的 状 態,こ 抗 生 物 質 の 代 謝 を 追 求 し て き た が1∼3),本 物(ラ ッ ト)に vivoお よ びin ま た,臨 B. 実 験 成 績 III. 肝 疾 患 患 者(臨 与 し,同 床 例)に お け るCETの とに 肝 機 能 障 害 時 に お け る 代謝 vitroに お い て,Cephalothin らDA-CETへ A. 実 験 方 法 1. 肝 障 害 モ デ ル ラ ッ トの 作 成 語 第2篇 CET投 1. 緒 (RFP )の 言 A. 実 験 方 法 Fig. B. 実 験 成 績 III. 肝 疾 患 患 者(臨 け るRFPの A. 対 代謝 象 B. 実 験 方 法 C. 実 験 成 績 IV. 考 察 V. 結 語 性 あ る い は 慢 性 肝 障 害(肝 総括 な らびに考 按 代謝 床 例)に お ラ ッ ト(静 1•@ Biotransformation Cephalothin 硬 変)の モ デ ル ラ ッ トを 作 成 し た 。 使 用 し た ラ ッ トは,体 II. 肝 障 害 モ デ ル モ ル モ ッ トに お け るRFPの 言 代謝 代謝 与 時 の正 常 あ る い は 肝 障 害 ラ ッ トに お け る 代 謝 を み る た め に,急 肝 障 害 時 に お け るRifampicin 投 の代謝を調べ検討 II. 肝 障 害 モ デ ル ラ ッ トに お け るCETの C. 実 験 成 績 V. 結 らDA-CET 床 的 に 肝 機 能 障 害 の あ る ヒ トに,CETを 時 にCETか B. 実 験 方 法 察 desacety- よ るCETか を 加 え た。 象 IV. 考 研 究 で は,動 お い て 肝 障 害 モ デ ル 動 物 を 作 成 し,伽 へ の代 謝 を 検 討 し た。 A. 実 験 方 法 A. 対 一 部 変 化 す る こ とが 知 ら れ て い る lase (CET-acetylesterase)に II. 肝 障 害 モ デ ル ラ ッ トに お け るCETの 投与 す 体 内 で そ の 代 謝 物 で あ るDesacetyl-Cephalo- 生 物 質 の 治 療 効 果 お よ び,そ の副 作 用 に も何 らか の 影 響 言 ヒ トあ る い は ラ ッ トにCephalothin(CET)を な っ た 代 謝 を 受 け る こ とが 予 想 さ れ る 。 し た が っ て,抗 結 (CET の代 謝 伴 感 染症 の 治 療 の た め of (DA-CET) 重 約300g前 岡 実 験 動 物)で,急 Cephalothin by 後 のWistar系 性 肝 障 害 は,四 (CET) Cephalothin-desacetylase to desacetyl- 雄 塩 化炭素 556 CHEMOTHERAPY (CCl4)を 4日 体 重 あ た り1ml/kg,3日 APR. Table 間 連 日筋 注 投 与 し, 1•@ Assay method of CET and 1977 DA-CET 目に 実 験 に 供 した ◎ 慢 性肝 障 害 と して の肝 硬 変 モ デ ル ラ ヅ トは,同 系 の 約300g前 後 の ラ ヅ トにCCl4と リ ー ブ 油 の 等 量 混 液 を,1ml/kg体 重,週2回5カ わ た っ て 皮 下 注 射 を 行 な い,肝 硬 変 を 作 成 し た。 急 性 あ る い は 慢 性 肝 障 害 ラ ッ5の オ 月に 肝 臓 は,10%ホ ル マ リ ン に て 固 定 後,Hematoxylin-Eosin(H.E.)染 MASSON GOLDNER染 色 お よ びVAN 色, GIESON染 色を行 な い 組 織 学 的 に 検 討 し た。 代 謝 の 実 験 と平 行 清 のGlutamic し て,こ oxaloacetic Glutamic pyruvic phosphatase ),お リ ー ブ 油,5カ ( PAE 照(正 障 害 群 お よ び,肝 transaminase 硬 変 作 成 後3カ ), 性肝 あ る。A1-P 村 ら の 方 法4),PAEは 障 害 ラ ッ ト(急 し4匹 に,CET 与・ 時 の 胆 汁, 性,慢 100mg/kg体 性)各 CETお 物 質(CET)と 群 そ れ ぞ れ3な 測 定:胆 ラ フ ィ ー(TLC)お 酸 エ チ ル:酢 定 菌 と し て.Bacillu CETの 開 酸:水=8:1:1の subtilis PCI 溶 液 219を subtilis検 用 い る 平 板 カ ッ プ 法 で 濃 度 を 測 定Q標 4. ラ ッ ト肝,腎 用 いた。 定菌 を 準 線 は,1/15M vitroで ホ モ ジ ネ ー トに ホ モ ジ ネ ー トを 作 成 し,そ 酸 緩 衝 液pH7.0)0.2mlを37℃ 酸緩衝 加 え,37℃,10分 成 す るDA-CETを 位 蛋 白 量(1 間in- 測 定 。 単 位 時 間(1 mg)あ た りのDA-CETの 率 か ら,CET-desacetylaseの 生成 比 活 性 を 求 め た 。 蛋 白質 の 定 量 は,FOLIN-LeWRY法7)に よ っ た。 Paranitrophenyl acetate Aspirin (AE rase CET Esterase (PAE )の ), Esterase Phenyl (PNPAE acetate ), Este- 分布 desacetylaseと 同 様 に し て,正 常 あ る いは肝 障 害 ラ ッ トの肝 細 胞 分 画 に お け る これ らの酵 素 活 性 を調 べ た。 PNPAEの 測 定 法 は,HUGGINSら 定 法 は,奥 法5)に 村 ら の 方 法4),PAEの の 方 法8),AEの 測 測 定 法 は,山 村 らの方 性 に 及 ぼ すpH,温 度 の影 従 った 。 Cytosol分 画 粗 酵 素 溶 液 を 用 い,CET-desacetylase 希 釈 し 液 でincubate 度 の影 響 お よび 酵 素 の 耐 熱 性 を検 討 した 。 pH れ ぞ れ た ホ モ ジ ネ ー ト 液0.2mlと,400μg/mlのCET溶 (1/15M燐 の 代 謝 を み る た め,Porter 7.0)で50倍(w/v)に 性 の 測 定:Table て 適 当 に 希 釈 し た も の0.2m1にCET 活 性 に 及 ぼ すpH,温 酸 緩 衝 液(pH に お い て調 整 した。 7. CET-desacetylase活 代謝 型homogenizerで & の4 響 ホ モ ジ ネ ー ト に よ るin のCETの cytosol 記 の 各 細 胞 分 画 溶 液 を1/15M燐 7.0)に 用 い た。 正 常 お よ び 急 性 肝 障 害 ラ ッ トの 肝,腎 vitroで 群 お の お の3匹 2. lysosome fr. 4 6. 正 常 お よ び 肝 障 害 ラ ッ トの 肝 細 胞 分 画 に お け る よ り求 め 用 い,展 し て,Bacillus 燐 酸 緩 衝 液(pH7.0)を 1/15M燐 い 層 ク ロ マ トグ 60 F254(Merck)を equivalentと お け るin 液(pH 汁 お よび 尿 中 の原 よ び,Bioautographyに 溶 媒 と し て,酢 1,核,fr. fr. 3 microsome, と お り,上 間 まで の胆 汁 代 謝 物(DA-CET)は,薄 た。TLCはKieselgel CET 1の た 一 定 時 間 後 に膀 胱 尿 を 採 取 した 。 よ びDA-CETの を,検 常 お よ び 重 を 静 注 に て 投 与 し,総 胆 管 カ ニ ュ レ ー シ ョ ン に よ り経 時 的 に4時 を 採 取。ま の 方 法6)に 準 じて,fraction 分 間),単 の 採 取:正 常 あ る い は 肝 障 害(急 ッ ト の 肝 ホ モ ジ ネ ー トをSCHNAITMAN等 cubateし,生 排泄 投 与 法 お よ び 胆 汁,尿 CC14肝 性)ラ 溶 液(400μg/ml)0.2mlを 尿 へ のCET,DA-CETの て (CET-acety- 肝 細 胞 分 画 のCET-desacetylase活 山村 ら ー ト電 気 泳 動 法 に よ っ た 。 CETの ラ ッ ト肝 細 胞 分 画 の 調 整 法:正 性,慢 分 画 を,各 ル ローズアセテ 3. 正 常 お よ び 肝 障 害 ラ ッ トにCET投 存率お 測定 mitochondria, 月 無 処 置 群(CCl4+オ よ っ た 。 血 清 蛋 白 分 画 は,セ 各 分 画 に お け るCET-desacetylase (A. E ), 測 定 は,REITMAN- FRANKEL法,AEは,奥 清 のCET残 生 成 率 を,TLC・Bioautographyに lesterase)の 清蛋白分画 を 測 定 月 投 与 休 止)で 間 煮 沸 し酵 素 反 応 を 止 間 遠 心 後,上 5. 正 常 お よ び 肝 障 害 ラ ッ トの 肝 細 胞 分 画 の 調 整 と, Alkaline 性 肝 障 害 群,慢 は,KIND-KnNG法,GOT・GPTの の 方 法5)に ), Esterase ),血 常)群,急 月 投 与 後3カ (GOT (GPT よ びAspirin Esterase し た 。 対 象 は,対 10分 求 め た(Table1)。 れ ら の ラ ッ トの 血 transaminase (A1-P Phenylacetate 定 時 間 後 混 合 溶 液 を2分 よ びDA-CETの 2. 正 常 お よ び 肝 障 害 ラ ッ トの 肝 機 能 検 査 CETの し,一 め,3,000rpm 4∼9の1/15M燐 と 粗 酵 素 溶 液(蛋 1の 酸 緩 衝 液 に て,CET 白 量1.4mg/m1)を CET と お り生 成 す るDA-CETを desacetylaseの す る た め,同 (400μ9/ml ) 反 応 さ せ,Table 測 定 し た。 活 性 に 及 ぼ す 温 度 の 影 響 を検 討 様 に 粗 酵 素 溶 液0.2mlとCET(400μg/ VOL. Fig. 25 2•@ A NO. CHEMOTHERAPY Microscopic one time 1.0 ml/kg 40 •~ 4 findings wtih the of rat's liver carbon intramuscular treated injection tetrahydrochloride 557 Fig. of (II. E. 2•@ B for were Microscopic findings injection three of (H. 1. 0 ml/kg E 40 •~ of days rat's liver with 3•@ B nodular cirrhosis treated of chloride consecutive ride Coarse Rats injection ) Fig. Fig. 3•@ A the with mixture 1. 0 ml/kg Microscopic of for in the rat's liver subcutaneous carbon tetrahydro- 5 months. findings of rat's liver cirrhosis treated carbon intramuscular tetrahydrochlo- ) CCl43日 間 連 続 注 射 に よ る急 性 肝 障 害 ラ ッ ト の 肝 臓 で は,繊 細 な線 維 で 囲 まれ るPseudolobulusの 形 成が 極 く軽 度 な が ら起 こ りは じめ て い る(Fig.2B)。 肝 臓の 外 観 は,脂 肪 変 性 に よる黄 色 調 の 斑 点 が 認 め られ る が, まだ 結 節 は で ぎ て い な い。 CCI4オ ml)0.2m1を, 4℃, 25℃, 37℃, 分 間 反 応 さ せ,DA-CETの 同 様 にCET 素 溶 液 を 予 め,37℃, に て10 30', 60', 54℃, 10分 15', 30', 60'加 (400μg/ml) 間incubateし,残 よ び 生 成 さ れ るDA-CETを リー ブ油 混 液 を5ヵ 月 間 注 射 す る と,ほ ぼ全 例 の ラ ヅ トに 肝 硬 変 が で ぎる。 肝 臓 の 外 観 は,表 面 に大 小 多 数 の 結 節 形 成 が認 め られ る(Fig.3A)。 耐 熱 性 を み る た め,粗 そ れ ぞ れCET 加 え た 後,37℃, 54℃ 生成 をみた。 desacetylaseの た も の0.2mlに 45℃, 酵 温 し 0.2mlを 存CETお 測 定 した 。 は,線 維 で 囲 まれ たPseudolobulusの 組織学的に 形 成 が 著 明で, 肝 細 胞 に脂 肪 滴 浸 潤 が 認 め られ る(Fig.3B)。 2. 正 常 お よび 肝 障 害 ラ ッ トの肝 機 能 検 査(Fig.4) GOT, GPT, A1-Pは,対 照(正 常)群 肝 障 害 群 で は 上 昇 し,慢 性 肝 障 害(肝 に 比 較 し,急 性 硬 変)群 で は さ ら B. 実 験 成 績 に上 昇 して い る 。CCI4を5カ 1. 急 性 お よ び 慢 性 肝 障 害 ラ ッ ト の 病 理 学 的 所 見 カ月 間 中止 して い た 群 で は,改 善 の傾 向が 認 め ら れ た。 CCl4に よる 急 性 肝 障 害 Fig.2Aに 示 す 。CCl41回 ラ ッ ト肝 の 組 織 学 的 変 化 を の 注 射 で は,中 心 静 脈 の拡 張 とそ の 周 囲 の 肝 細 胞 変 性 腫 大,泡 沫 細 胞 化,脂 肪 滴 浸 潤 が 認 め ら れ,強 拡 大 で も脂 肪 変 性 が び 慢 性 に 起 っ て い る 。 Aspirin Esterase (AE )は,急 し,慢 性 肝 障 害群 で は,そ が,肝 硬 変 作 成 後3カ た。 月 間 投 与 して,そ の 後3 性肝障害群 で は 著 減 れ よ りい くぶ ん増 加 は す る 月 間 無 処 置 群 で は 再 び 低 下 して い CHEMOTHERAPY 558 Fig. 4•@ Liver treated function studies 3 days, in 5 months, rats. and (control, APR. 2時 間(0.6μg/ml)ま CC14- 3 months で はCETは 1977 検 出 され る が,そ れ 以 後 は 検 出 され な い 。DA-CETの after) 度 も,1時 間(1342.5μg/ml),2時 ml),3時 濃 間(72.0μg/ 間(5.4μg/ml),4時 間(7.1μg/ml) と正 常 に 比 し低 値 を 示 し,や は り経 時的 に 減 少 の傾 向を 示 した 。 慢 性 障 害(肝 硬 変)群 で は, CET濃 度 は1時 間(57.0μg/ml),2時 μg/ml)ま るが,よ 間(4.6 で は 急 性 肝 障 害 群 と 同 様 に 検 出 され り高 濃 度 に な っ て い る。DA-CETの 排 泄 は,正 常,急 性 肝 障 害 群 と比べ,1時 (400μg/ml)だ 胆 汁 中 のCET/DA-CETの す る と,2時 間値 け低 値 で あ る。 比 を3群 で 比較 間 まで の 値 は 正 常 群 が 最 も低 く, 次 い で 急 性 肝 障 害 群,肝 硬 変 群 の 順 で あ り,肝 障 害 の程 度 が進 む に つれ て,胆 汁 中 のDA-CET の排 泄 が減 少 し,相 対 的 にCETの 排 泄 が増 加 す る。 これ ら3群 の4時 間 尿 に お け るCET,DAPhenyl acetate Esterase (PAE )は,対 る と,急 性肝 障 害 群 で は2/3程 照 群 に 比較 す 度 に減 少 し,慢 性 肝 障 害 群 で は さ らに著 減 した 。 肝 硬 変 作 成 後3カ 月間無処置群 血 清 蛋 白 の 蛋 白 分 画 は,ア ル ブ ミ ンは急 性 障 害 群 で 著 減 し,肝 硬 変群 で もや や 低 下 す るが,他 の群 で は差 が 認 め られ な い。 γ-グロブ リ ンは,正 常群 が19.2%で のに 対 して,急 性 障 害 群23.7%,慢 ある 性 障 害 群24.5%で あ り,肝 硬 変 作 成 後3カ 月 間 無 処 置 群 は21.1%と いく ぶ ん低 下 して い た(Table2)。 3. 正 常 お よび 肝 障 害 ラ ヅ トにCET投 常)は,胆 CETの 重,静 注 し た 時 の胆 排 泄 を み る と,対 汁 中 にCETは 照 群(正 全 く検 出 され ず,す べ てDA- 形 で排 泄 さ れ て お り,そ の排 泄 は1時 間1,610 μg/ml,2時 間346.7μg/ml,3時 12.5μg/mlと 間56.0μg/ml,4時 2•@ Cellulose intact, 間 経 時 的 に 減 少 した 。 これ に対 し,急 性 肝 障 害 群 で は,1時 Table 与時の胆汁 ・ 排 泄(Table3) ラ ッ トにCETを100mg/kg体 汁 中へ のCET,DA℃ETの acetate CC14-treated 3•@ Biliary and urinary DA-CET after i. v. kg に て も著 減 した ま まで あ る。 尿 へ のCET,DA-CETの Table 間(53.4μg/ml), electrophoresis rats' serum of days CET and in rats 5 months). levels injection (control, of CET of CC14-treated 100 and pg./ 3 VOL. CETの 25 NO. 559 CHEMOTHERAPY 4 排 泄 は,CET濃 もそ れ ぞ れ25,000μg/ml,19,500μg/ml,10,300μg/ 度 は 正 常 群(3,800μg/ml),急 性 肝 障 害 群(3,300μg/ml),肝 mlと 硬 変 群(2,223.3μg/ml) と 肝 障 害 が 進 行 す る に つ れ て 低 下 し,DA-CETの 同様 に低 下 す る。 しか しCET/DA-CETの 対 照群(0.152),急 濃 度 (0.216)と,肝 Fig. 5•@ Biliary CET in months) and urinary control excretion and CC14-treated of CET, (3 DA- days, 比 は, 性 肝 障 害 群(0.169),肝 硬 変 群 障 害 が 進 行 す る に つ れ て 高 くな る。 これ を 図 に示 した のがFig.5で あ る。 5 以 上 の こ とか ら,肝 障 害 が進 展 す る に 従 って 胆 汁 お よ rats び 尿 中 へ のCETの 排 泄 の 相 対 的 増 加,DA-CETの 少 が 認 め られ,肝 障 害 に よ りCETよ 減 りDA-CETへ の 代 謝 が 低 下 して い る こ とが考 え られ る。 4. ラ ッ ト肝 ・腎 ホ モ ジ ネ ー トに よ るin CETの vitroで の 代謝 In vivoの 実 験 で 考 え られ た 肝 障 害 に よ るCETの 謝 の低 下 を,in 代 vitroに お い て 確 認 す るた め,正 常 あ る い は 急 性 肝 障 害 ラ ッ トの肝 ・腎 ホ モ ジ ネ ー トのCET desacetylase活 性 を 検 討 した 。Fig.6に 示 す とお り,正 常 お よび急 性 肝 障 害 ラ ッ ト肝 ホ モ ジ ネ ー トとCETと incubateし,経 時的 にCETの を 残 存 率 を み る と,急 性 肝 障 害 の ほ うが 正 常 に 比 して 高 く,肝 に お け る 代謝 の 低 下 が 認 め られ た 。 しか し 同様 に して行 な った 腎 に お け る Fig. 6•@ Transformation homogenates of of cephalothin by liver 成 績(Fig.7)で rats は,正 常 お よ び急 性 肝 障 害 ラ ッ トの間 に は 差 が 認 め られ な か った 。 した が って,invゴvoに い て 認 め られ た 胆 汁 ・尿 へ のDA-CETの は,肝 に お け るCET もの で,腎 5.正 desacetylase活 性 の低 下 に よ る のそ れ に よ る もの で は な い と考 え られ る。 常 お よび 肝 障 害 ラ ッ トの肝 細 胞 分 画 に お け る CET-desacetylase活 性 の成 績 肝 障 害 時 に お け る肝CET-desacetylaseの Fig. 8•@ Relative fractions Fig. 7•@ Transformation kidney homogenates of of cephalothin rats by お 排 泄 の 低下 esterase activities in the 活 性 の低 下 rat liver 560 CHEMOTHERAPY を さ ら に 検 討 す る た め,正 常 お よ び 肝 障 害 ラ ッ トの 肝 細 胞 分 画 に お け るCET-desacetylaseの がFig.8で 活性 を み た成績 正 常 ラ ッ トの 肝CET-desacetylaseの お け るCET-desacetylase活 性 は,急 画 に 性 肝 障 害 で は2/3 硬 変 で は さ らに 低 下 す る こ とが 明 らか に な った 。 のEsterase活 (PNPAE 他 に,Paranitrophenylacetate ), Esterase Aspirin (PAE お よ び 肝 硬 変 の3群 )に Esterase つ い て,正 (AE ), mitochondria分 画に最 画,AE,PAEはmicrosome分 も 比 活 性 が 高 い 。Cytosol分 性 が,肝 で67.5%と で は98.7%で あ 余 ま り変 わ 低 下 し,54℃15分 で失活 III. 肝 疾 患 患者(臨 床 例)に お け るCETの 代謝 象 象 と した 。 疾 患 は,肝 硬 変6名,慢 1名,閉 投与 した者を対 性 肝炎5名,脂 肪肝 塞 性 黄 疸1名 お よ び対 照(肝 機 能 正 常)例4名 で あ る。 これ ら の肝 疾 患 は,肝 生 検 に よ り組 織 学 的 に診 断 され た も ので あ る。 B. 実 験 方 法 画に最 CET 1g静 注 後,2時 CET,DA-CET濃 画 に お け るCET-desacety- 障 害 に よ り低 下 し た の と 同 様,PNPAE し,CET/DA-CETを は 肝 障 害 が進 展 す る に従 って 低 下 す る は,CET 間 まで の 尿 を 採 取 し,尿 中 の 度 を ラ ッ トの尿 と同 様 の方 法 で 測 定 equivalentと 求 め た 。4時 間 まで の尿 中 回 収 率 し て,B. subtilis検 定 菌 を 用 い は む し ろ上 昇 した 。 AEの 活 性 は,急 性肝障害群 では全分画 で 著 明 に 低 硬 変 群 で はfr.3の 低 下 が 著 明 で あ っ た が,急 性 肝 障 害 群 に比 ぺ 全 分 画 で や や 上 昇 した 。 PAEは,急 し,肝 らな い が,60分 の 計17名 あ る。 正 常 群 で は,CET-desacetylaseがcytosol分 下,肝 で は30分94.9%と 査 施 行 者 中,感 染 予 防 の た め にCETを 常 ・急 性 肝 障 害 も 比 活 性 が 高 い の に 対 し て,PNPAEはlysosome& が,fr.4で 低 下 し,45℃ った。耐 熱 性 は,37℃ で 肝 疾 患 で 東 大 医 科 研 に入 院 した 患 者 の 中 で,腹 腔 鏡 検 Phenyl の 肝 細 胞 分 画 の分 布 な ら び に肝 障 害 に よ る 変 動 を 調 ぺ た 成 績 がFig.8で はfr.1,2,3で 付 近 に あ り,活 性 は25℃ 62.5%,4℃56.9%と A. 対 性 の 分布 お よび そ の 変 動 CET-desacetylaseの lase活 後 に あ り,ア ル カ した。 6. 正 常 お よ び 肝 障 害 ラ ヅ トの 肝 細 胞 分 画 に お け る 他 acetate 画 の 粗 酵 素 を 用 い たCET- 至 適pHは,pH6前 ま た至 適 温 度 は,37℃ 活 性 は,cytosol 分 画 が 他 の 分 画 に 比 べ 最 も 高 い 。 こ のcytosol分 Esterase 正 常 ラ ッ トcytosol分 desacetylaseの 1977 リ側 に て や や 低 下 す る(Fig.9)。 あ る。 程 度 に 低 下 し,肝 APR. Table 4 Ratio of cephalothin to desacetyl cephalothin (CET/DA-CET) in urine collected for 2 hours after i. v. injection of 1 g CET to patients with liver impairment 性 肝 障 害群 は 正 常 群 に 比 べ 全 分 画 で 低 下 硬 変 群 で は低 下 が さ らに 著 明 で あ った 。 7. CETdesacetylaseの 至 適pH,温 度 お よび 耐 熱 性につい て Fig. 9 Production fraction of DA-CET from CET by rat liver 4 and pH Table 5 Urinary recovery of cephalothin for 4 hours after i. v. injection of 1 g cephalothin to patients with liver impairment VOL. 25 Fig. NO. 10•@ The liver 561 CHEMOTHERAPY 4 ratio of CET/DA-CET in the urine Phalothin and function (CET )の 正 常 お よ び 肝 障 害 時 に お け る 代謝 ・動 態 に つ い て,実 験 動 物 な ら び に 臨 床 例 に つ い て 比 較 検 討 した 。 CETの 抗 菌 スペ ク トル は,グ ラ ム 陰 陽 両 菌 に わ た り,と くにPenicillinase産 生 ブ ドウ球 菌 に は きわ め て 有 効 で あ り,グ ラ ム陰 性 桿 菌 で は 抗 菌 力 は 極 めて 強 力 とは い え な い が,E.coli, Hemophilus influenzaeな どに 優 れ た 抗 菌 力 が あ り9,10),また そ の腎 毒 性 が 低 い こ とか ら11,12), 臨 床 上 広 く利 用 され て い る 。 CETは,消 化 管 か ら の吸 収 は 悪 く10),臨 床 上 利 用 され る場 合 は,筋 注 あ る い は 静 注 に よ る。CETを は30分 筋 注 した 場 合,血 中CETレ ベル 前 後 で ピ ー クに 達 し,以 後 急 速 に低 下 し,投 与 後4∼6時 間 で 血 中に は ほ とん ど検 出 され な い程 に な る10,13)。 そ の半 減 期 も,他 の セ フ ァ ロス ポ リン系 抗 生 剤 と比 較 し て 短 か く, 0.47時 間 で あ る14)。尿 中 へ の排 泄 は,腎 機能 が正 常 の 場 合,投 与 量 の大 部 分 が6時 間 以 内 に 排 泄 され,そ の 回 収 率 は60∼80%と い わ れ る10,13)。 CETの 排 泄 は主 に 腎 で な さ れ,胆 汁 へ の 排 泄 はRifamycin系, る平 板 カ ッ プ 法 で 測 定 し た 。 ま た,患 系,Nalidixic 者 の 肝 機 能 検 査(GPT, 白,ZTT)を A1-P, I. I,血 測 定 し,CET/DA-CETの 清総蛋 比 との相 関 を C. 実 験 成 績 1gを の 値 は,肝 2.22 静 注 し た 患 者 の2時 (1.76∼ 肪 肝1.76,閉 2.72)で,相 性肝炎 Cephaloridineに 互 間 に著 差 を 認 め な か 4時 間 尿 に お け るCETの equivalentと 47.0%,閉 し て,肝 性 肝 炎43.3% は,す べ て の グ ラ ム陽 性 菌 に 対 す る 最 小 発 育 阻 止 濃 度(MIC)は, 以 上 の も の が 多 い こ と か ら,CETの 56.3%),脂 0.01∼ 6.3μg/ml た 多 く の グ ラ ム 陰 性 菌 のMICは25μg/ml 胆 汁 濃 度 は25μg/ 肪 肝 ml以 照 例 回 投 与 で は こ の 濃 度 以 上 に 達 す る 例 は 少 な く,グ こ れ も相 互 間 に 大 差 を 認 め な 上 に な る こ と が 望 ま し い が,CETの1∼29の1 性 桿 菌 の 胆 道 感 染 症 にCETを ラ ム陰 使 用 す る のは 不 適 当 で あ ろ うと述 べ て い る。 か っ た(Table5)。 またCET/DA-CETの 蛋 白,ZTTと 値 と,GPT, の 間 に は,と A1-P, I.I,血 清 くに 相 関 関 係 は 認 め られ な か った(Fig.10)。 IV. つ い て,2,3の 同 様 の胆 汁 内濃 度 の報 告 を して い る。 しか で あ り,ま 塞 性 黄 疸44.8%(35.0∼71.1%),対 病 的 状 態,こ 与 時 の 胆 汁 濃 度 は,1 硬 変46.8%(範 囲 は34.9 機 あ る と の 報 告 を し,MANDE- 投 与 量 に 対 す る 回 収 率 は, (31.1∼ 49.4%(35.0∼71.1%)で で の 排 泄 能 で あ り,腎 汁 へ の 排 泄 は 増 加 す る17,18)。 1g投 し,MANDELSONら CETの Ce- 比 べ て 低 い16)。 胆 汁 へ の 排 の 因 子 は,腎 間 で15.5μg/mlで LSONら19)も 塞 性 黄 疸3.76,対 った(Table4)。 ∼65.3%),慢 ∼3時 Macrolide ど と 比 べ て 悪 く15), 抗 生 物 質 の 中 で もCephalexin, BROGARDら18)は,CET 間 尿 のCET/DA-CET 囲 は1.71∼2.71),慢 (1.60∼ 3.29),脂 れ は,セ phazolin, Penicillin系, Lincomycinな 能 不 全 が あ る 場 合 に は,胆 硬 変2.18(範 照 例2.13 CET Cephalosporin系 泄 を 左 右 す る1つ 求めた。 CET Acid, 考 で 濃 縮 さ れ,血 清 レ ベ ル の22倍 μg/ml以 に は200∼600μg/ml以 上,時 胆 嚢 あ る い は総 胆 管 も 高 濃 度 に な り,100 上 に 達す る と の報 告 もあ る。 察 とに 肝 障 害 時 に お け る抗 生 物 質 の代 謝 に 検 討 が な さ れ て い る が1∼3),今 フ ァ ロ ス ポ リ ン 系 抗 生 物 質 の1つ た ほ う,RAMら20)の,CETは 回われわ で あ るCe- CETは,細 菌 の も つCephalosporinaseに を 別 とす れ ば,生 り,脱 よ る 分解 体 内 の 組 織 のCET-desacetylaseに ア セ チ ル 化 を うけ,Desacetyl Cephalothin ょ ( DA 562 CHEMOTHERAPY -CET )に は,自 な る こ と が わ か っ て い る13,21) 乳 類 の 組 織 に も あ り, 肝 ・腎 に 活 性 が 高 い と い う23∼25)。DA-CETの は,菌 nitrophenyl 。 こ のEsterase 然 界 に 広 く存 在 す る が,哺 抗 菌 力 種 ・菌 株 に よ り一 定 で は な い が,お の1/2∼1/16で お む ねCET 動 物 実 験 に お け る 肝 障 害 モ デ ル と し て は,四 よ る 急 性 ・慢 性 肝 障 害(肝 塩化炭素 硬 変)を 害 肝 と,臨 作成 し 実 床におけ るウ を 主 体 と し た 肝 細 胞 障 害 型 で あ る が,最 注 し た 際 の4時 も一 般 的 な実 験 が,急 常 ラ ッ トで は,胆 べ てDA-CETの さ れ,DA-CETの 少 の 度 合 はCET/DA-CETの 比 か ら急 性 障 害 群 よ り肝 硬 変 群 の ほ う が 大 き か っ た 。 同 様 に4時 で のCET/DA-CETの 比 を み て も,正 性 障 害 群(0.169),肝 あ り,胆 排 泄 か ら み る と,肝 らDA-CETへ 間尿 常 群(0.152),急 硬 変 群(0.216)で 尿 へ のCET・DA・CETの りCETか 障害 に よ の代 謝 能 が 低 下 して い る成 績 vivoの desacetylase活 性 の 低 下 をin vitroで 確 認 す る た め, 肝 ・腎 ホ モ ジ ネ ー トのCET-desacetylase活 性 を 正 常 お よ び 急 性 肝 障 害 ラ ッ トで 比 較 す る と 腎 のCET-desa- I.I, T. P., ZTT)の 間 に 障 害 モ デ ル ラ ッ トに お い て 認 め ら れ た 肝 CET-desacetylaseの 活 性 の 低 下 が,臨 れ な か っ た 点 に つ い て は,ラ CCI4肝 床例では認めら ッ ト と ヒ トで は,CETの る い は肝 障 害 モ デ ル と して 作 成 障 害 と ヒ トに お け る 肝 障 害(た 肝 障 害 の 違 い,他 した とえ ば ウイ ル ス 臓 器 のEsteraseに よ 疾 患 の 種 類 ・病 期 に よ る 代 謝 酵 素 活 性 の 変 動 推 移 な ど が 考 え ら れ る が,詳 細 は不 明で あ る。 た だ ヒ ト と ラ ッ トに お い て,CET投 へ のCET・DA-CETの は2.13で 与 時 の 胆 汁 ・尿 排 泄 の 比 率 を み る と,肝 常 の も の で は,ヒ トの2時 機能正 間 尿 のCET/DA-CETの あ る の に 対 し,ラ ッ トは0.152と 比 逆 に な って 障 害 時 で も 同 様 で あ る 。LEEら イ ヌ の 尿 中 排 泄 はDA-CETの の 報 告13)で ほ うがCETよ も, り も 多 く, こ の量 的 な違 い は 種 属 差 に よ る もの か も しれ な い 。 同様 の こ と は,後 述 す るRifampicinに おいて も認 め られ desacetylaseは 障 害 ラ ッ トのCETの 低 下 は,肝CET-desacetylaseの の 報 告13)の 中 で,正 は,DA-CETがCETよ 代謝 の 活 性 低 下 に よ る も ので あ る。 常 人 にCETを 投与 与 で は6例 の す べ て が,CETの ほ 体 に お け るCET 活 性 に は あ る 限 度 のCapacityが Capacityを 与時 り多 い も の が5例 が あ る 。 こ れ は,生 急 性 肝 障 害 群 で 活 性 の 低 下 が 認 め ら れ, お け るCCI4肝 ま たLEEら し た 際 の 尿 の 比 率 を み る と,CET250∼500mg投 1g投 性 は 両 者 で 差 異 が 認 め ら れ ず,肝CET- vivoに A1-P, 比 と, た。 実 験 に よ り示 唆 さ れ た 肝 障 害 時 のCET- cetylase活 間尿 関 は 認 め られ な か った 。 お り,肝 汁 ・ が え られ た。 In は,相 間 まで 検 出 濃 度 もそ れ ぞれ 正 常 に 比 べ て減 少 し 静注し 常 あ るい は 肝 疾 患 の種 類 の間 で 有 意 な差 他 の 肝 機 能 検 査(GPT, る 代 償,肝 形にな っていた 1gを 比 お よ び,4時 は 認 め ら れ な か っ た 。 ま た 尿CET/DA-CETの 性 肝 炎 な ど)の 汁 中 にCETは 性 ・慢 性 肝 障 害 群 で は,CETが2時 て お り,減 静 間 ま で の 胆 汁 ・尿 へ のCET,DA-CET 全 く検 出 さ れ ず,す 中4例 うが 多 い成 績 desacetylaseの あ り,CETが 越 え て 大 量 に 投 与 さ れ た 場 合,代 な い 未 変 化 のCETが あ り, こ の 謝を受け 体 外 に 排 泄 され る可 能 性 を 示 唆 し て い る。 ラ ッ ト肝 細 胞 分 画 に よ るCET-desacetylaseの を み る と,cytosol分 some 機 能 異 常 の あ る 患 者 にCET 代 謝 の 種 属 差,あ 障 害 モ デ ル ラ ッ トにCETを の 排 泄 を 調 べ る と,正 同様 に 肝 障 害に 間 尿 のCET/DA-CETの 以 上,肝 肪 沈着 的 肝 障 害 作 成 法 と し て 広 く 利 用 さ れ て い る26,27)。 in た 際 の2時 織 学 的 に も相 違 点 が あ り,CCI4 障 害 で は 細 胞 浸 潤 な ど の 炎 症 性 変 化 は 乏 し く,脂 正 常 あ る い はCCI4肝 mito- 障 害 の程 度 が 進 展 す るに 従 って 低 下 の の 回 収 率 は,正 イ ル ス 肝 炎 な ど で は,組 & 性 は,CET-desacetylaseと 臨 床 上,肝 代 謝 の変 化 を 中 心 に 検 討 を 加 え 験 に 供 し た 。 ラ ッ トのCCI4障 Esteraseはlysosme 度 合 が 大 で あ る傾 向 を 示 した 。 た。 (CCI4)に 1977 画 に 最 も 比 活 性 が 高 か った 。 こ れ ら の Esterase活 障 害 時 に お け るCET-desacetylase の 変 動 に よ るCETの acetate chondria分 お い て 低 下 し,肝 あ る と い わ れ る22)。 本 研 究 で は,肝 APR. & 分 布 画 で 最 も 比 活 性 が 高 く,核 mitochondriaお い 。 こ の 分 画 の 活 性 は,肝 よ びmicrosome分 障 害 で 低 下 し,肝 す る に 従 っ て 低 下 す る こ と か ら,in vivoの ・lyso画 で は低 障害が進展 成績 を裏付 esterase活 性 は,CET-desacetylase と 肝 細 胞 分 画 に お け る 局 在 が 異 な り,Aspirin Phenylacetate Esteraseはmicrosome分 Esterase, 画 に,Para- う 報 告13) 実 験 条 件 下 で は 認 め られ な か った。 肝Cytosol分 cetylaseの のCET-desace- 性 が わ ず か な が ら も認 め られ る と い も あ る が,本 ABRAHAM け て い る。 他 のDesacetyl ラ ッ トあ る い は ヒ トの 血 清 に も,こ tylase活 画 の 粗 酵 素 溶 液 を 用 い て のCET-desa至 適pHは6前 24)はpH 後 に あ る と の 成 績 を 得 た が, 6.0∼ 6.5, の 報 告 を し て い る 。 し か しCETは ABBOTT 7.0 水 溶 液 に お い て非 酵 素 性 の 水 解 が あ り,pH7.0でCETは と い わ れ る こ と か ら,本 25)は,pH 研 究 はpH7.0の 最 も安 定 で あ る25) 緩 衝 液 中で 行 VOL. 25 NO. な った 。 この酵 素 の 至適 温 度 は,37℃ 1) 正 常 な ら び に 肝 障 害 ラ ッ トに,CETを 付 近 に あ り,耐 熱 性 に つ い て も他 の報 告 と似 た成 績 で あ っ た。 肝 障 害 ラ ヅ トに お け るin desacetylaseの て もRFP 際 の 胆 汁 ・尿 へ のCET・DA-CETの ッ トで はDA-CETの vivo, in vitroで のCET- 低 下 と同 様 に,肝 障害 モ ル モ ッ トに お い Esteraseの 低 下 が 認 め ら れ る。 ヅ ト)に お い て,肝 障 害 が な い場 合 に は,胆 汁 中 に は す べ てDA-CETの 代 謝 物 の形 で 排 泄 され る が,こ のDA- を伴 わ な い胆 道 感 染 症 の 治療 に は 不 利 な 点 もあ る とい え るか も しれ な い。 い っ ぼ う,肝 障 害 の あ る場 合 に は,肝 変 化 のCETが のcytosol分 る 直 接 的 な肝 毒 性 に つ い て の報 告 は な い よ り,急 性 あ る い は 慢 性 肝 障 害 作 成 した ラ ッ トな ら び に,肝 いて,CET-desacetylaseに よるCETの Esteraseは,lysosome 画 に,Aspirin Phenyl mitochon- acetate 画 に 最 も 活 性 が 高 く,肝 5) 以 上 の 動 物 実 験 に 対 し て,臨 投 与 し た 際 の2時 Este障害時 間 尿 の 回 収 率 は,肝 床 上肝 疾 患 患 者 に 間 尿 のCET/DA-CETの 比, 機 能 正 常 人 と肝 疾 患 患 者 で は 有 意 な 差 は 認 め ら れ な か っ た 。 ま た 尿CET/DA-CETの 疾患 患 者 に つ 比 と,他 代謝 を,肝 機 め られ な か った 。 ON METABOLISM & Esterase, の 肝 機 能 検 査 成 績 と の 間 に も,と くに 相 関 は 認 (引 用 文 献 は 第2篇 能 正常 の場 合 と比 較 検 討 し,以 下 の成 績 を え た 。 STUDIES 性 の う ち,Paranitro- に は これ らの 活 性 低 下 が 認 め られ た。 4時 語 acetate 障 害 の程 度 が 強 く 性 低 下 が 認 め られ た 。 raseはmicrosome分 CETを え られ る。 よ りも肝 の ッ ト肝 細 胞 分 画 4) ラ ヅ ト肝 の 他 のEsterase活 dria分 四塩 化 炭 素(CCI4)に 性 は,腎 画 に 最 も 活 性 が 高 く,肝 な る に 従 っ て,活 phenyl が,間 接 的 な 代謝 負荷 とい う面 で の 影響 が あ る こ と も考 (肝硬変)を 性障害 よ 肝 障 害 時 に お け る 活 性 低 下 が 認 め られ た。 活 性 が 低 下 し,代 謝 を 受 け な い 未 V. 結 排 泄 が 減 少 し て お り,急 ー トに よ るCET-desacetylase活 胆汁 で 排 泄 され,抗 菌 力 の点 で は 有 利 に な るか も しれ な い が,し か し,現 在 の と ころCETあ いはDA-CETの 障害 ラ り も 肝 硬 変 の ほ う が こ の 減 少 は 著 し か っ た。 3) こ のCET-desacetylaseは,ラ 比 べ て抗 菌 力 が 弱 い こ とか ら,肝 障 害 CET-desacetylaseの 静注 した 排 泄 は,肝 2) 正 常 あ る い は 急 性 肝 障 害 ラ ッ トの 肝 ・腎 ホ モ ジ ネ ヒ トに お い て は確 認 さ れ な か った が,動 物 実 験(ラ CETはCETに 563 CHEMOTHERAPY 4 OF ANTIBIOTICS. 末 参 照) I Biotransformation of Cephalothin (CET) in the Patients and Animals with the Liver Impairment TAKASHIKOMATSU The Department of Biochemistry, Hokkaido University School of Medicine, Sapporo, Japan Even in the patients with various liver diseases, the antibiotics chemotherapy is often required for the coexisting infections. From the viewpoint of the safety and effectiveness of antibiotics, it is very important to study the pharmacokinetics and metabolism of antibiotics in those patients with liver impairment. In this study, it was attempted to study the metabolism of CET in the patients and animals with and without liver impairment. It is known that CET is transformed to desacetyl-Cephalothin (DACET) by CET-desacetylase when administered to rat or human, and that DA-CET is the main bioactive metabolite. To study the biotransformation of CET to DA-CET, thin layer chromatography (TLC) and bioautography were used. In the experimental studies in animals, liver injuries were made in rats by carbon tetrahydrochloride (CCl4) in acute and chronic (liver cirrhosis) forms. In the clinical studies, liver diseases are liver cirrhosis, chronic hepatitis, fatty liver, obstructive jaundice, etc. The results obtained are as follows : 1) In the experimental studies in rats, the biliary and urinary excretions of DA-CET decrease in rats with liver impairment by CCl4 more than in normal when administered CET intravenously. Among the rats with the liver injuries, its excretion decreases in chronic much more than that in acute injury groups. 564 CHEMOTHERAPY APR. 1977 2) In rats with liver injuries by CCl4, serum GOT, GPT, Al-P and r-globulin increase, and Aspirin esterase (AE) and Phenylacetate esterase (PAE) decrease. 3) When treated with CC14in rats, the activities of CET-desacetylase in liver homogenates more decrease than that in kidney. 4) Separation of subcellular particles in rats' liver cells with and without liver impairment by CCI4 were prepared in four components (nucleus, lysosome & mitochondria, microsome and cytosol) by SCHNAITMAN'smethod, and not only the activities of CET-desacetylase but also other esterases such as Paranitrophenylacetate esterase (PNPAE), Aspirin esterase (AE) and Phenylacetate esterase (PAE) were studied in each of components. The activity of CET-desacetylase is highest in cytosol fraction in normal rats, but its activity decreases when liver injury occurs by CCl4, especially in liver cirrhosis. On the other hand, PNPAE activity is highest in lysosomal & mitochondrial fraction, and both AE and PAE activities are highest in microsomal fraction in normal rats. All of their activities also decrease in liver injury same as CET-desacetylase. 5) In the clinical studies. the ratio of CET/DA-CET in the urine collected for 2 hours and urinary recoveries of CET in the urine collected for 4 hours after intravenous injection of 1 g CET are almost in no differences between the man with and without liver impairment. Moreover, no positive correlations could be found between the ratio of CET/DA-CET and any other parameters of liver functions.
© Copyright 2025 ExpyDoc