大学における留学生への英語教育の必要性の調査と考察 - 福岡国際大学

福岡国際大学紀要 No.2
0 1
7∼2
4(2
0
0
8)
大学における留学生への英語教育の必要性の調査と考察
今
田
桂
子
A Survey and a Consideration on Necessity of English Education
for International Students Studying in Japan
Keiko Imada
要
旨
大学を取り巻く様々な状況や国際化に対応して留学生の受け入れは多くの大学において実施されている。
福岡国際大学においてもアジアからの留学生受け入れを積極的に進めているが、彼らに対する英語教育につ
いては現段階においては、はっきりと規定されていないのが実情である。本研究では、大学における留学生
(英語を母国語としない留学生)への英語教育は必要であるのかを探るため、本学に在籍する中国人留学生
7
6名を対象にアンケートを実施した。調査の結果、多くの留学生が英語学習への意欲を持っているが、その
目的は「就職に有利となるため」など極めて実用的なものに集中することが明らかとなった。
Keywords : 留学生 international student,英語教育 English education
1.はじめに
2.アンケート調査実施の背景
日本の大学における留学生の受け入れは加速している
現状では福岡国際大学の大半の留学生は英語科目を履
ように見える。文部科学省のデータによれば2
0
0
6年5月
修していない。福岡国際大学コミュニケーション学部デ
現在全国に留学生は1
1万7
9
2
7人存在し、1
9
8
3年に策定さ
ジタルメディア学科に入学する学生は必修科目として英
れた「2
1世紀の留学生政策に関する提言」で謳われた1
0
語履修を義務づけられており、留学生1)も例外ではない。
万人を大きく越える状況となっている。アジア地域から
しかしコミュニケーション学部コミュニケーション学科
の留学生が多いのは全国的な流れであり、中国、韓国、
に入学する留学生の第一外国語は日本語である。人数と
台湾からの留学生が全体の8
0%を占めている。国内の少
しては後者の留学生が全留学生数の大部分を占めている
子化問題も大学等への留学生の受け入れに拍車をかけて
ことから、福岡国際大学における英語科目履修者数に留
いると見られ、2
0
0
6年の文部科学省による大学等間交流
学生が占める割合は非常に低い。この事は後者の留学生
協定締結状況調査によれば、1万を越える協定数が報告
の第一の留学目的が日本語修得であるとされていること
されている。主な締結相手国としては、首位を保ってき
から当然の事であると考えられるが、日本語と平行して
たアメリカを抜き中国が初めて1位となった。アジアか
英語も学習したいという希望を英語教員に直接訴える留
らの留学生の増加がここにも見て取れる。
学生もいる。しかしどの程度の数の留学生が英語を学習
ここでは、急増するアジアからの留学生へ大学として
したいと考えているのか、またどのような英語の授業を
どのような授業を提供することが出来るのかを考えてい
望んでいるのかを推量する事はデータが乏しく難しい。
く端緒として、まさに全国的な流れの真只中にあるとい
英語を担当する教員以外にも、留学生向けの英語授業を
える福岡国際大学における中国人留学生を対象に英語学
開講してほしいという要望を持つ教員もいる。この場合
習についての意識調査を行った。本稿では、日本語学習
の英語授業とは主に TOEFL などの資格試験対策授業を
を第一目的として来日している留学生が英語学習をどの
指すが、対象人数もはっきりせず、彼らが本当に資格対
ように考えているのかに焦点を当てる。
策授業を望んでいるのかもわからない状況では、この声
に応えることは困難である。
−1
7−
今 田 桂 子
ない
(3)
4%
3.調査の目的
このような状況を鑑み、将来留学生向け英語科目を開
設する必要があるのか、あるいはその必要はないのかを
知りたいと考えて本調査を実施した。また必要であるな
ある
ない
らば、どのようなクラスが望ましいのか。既存の日本人
学生向けの必修英語クラスで彼らの要望に応えることは
出来ないのか。留学生向けの特別クラスを考えるべきな
ある
(73)
96%
のか。留学生本人の英語に対する意識も探りたい。調査
の結果如何では、留学生に英語授業のみならず、さらに
図1
進んだ英語による他科目の授業(すでに日本人学生向け
今まで英語を勉強したことはありますか。
に開講している)にも参加する機会を広げることが出来
るかもしれない。このような目的でアンケート調査を実
施した。
60
48
50
40
4.調査方法
31
30
2
0
0
6年1
1月1
3日、担当者の協力により福岡国際大学の
43
36
20
留学生向け科目である「日本事情」のクラスにおいて質
問票による調査を実施した。質問は日本語で、無記名回
10
答とした。このアンケートへの回答により「日本事情」
0
の授業評価への影響はまったくないことも実施者より説
1
小学校 中学校
図2
明した。
5.調査対象
高校
1
1
大学 専門学校 独学 回答なし
どこで何年くらい勉強しましたか。場所(複数回答)
英語学習経験のある7
3名が学習した機関については複
2
0
0
7年1
1月1
3日に「日本事情」の講義に出席した3年
生および4年生の7
6名の中国人留学生に実施した。
数回答とした。中国の英語課程基準によれば英語学習は
一般には小学3年生より開始される。本調査でも3
1名が
小学生の時から英語学習をしているが、小学校の正規の
授業で学習をしたと思われる。7
3名全員が小学校から英
6.調査結果と分析
語学習を始めていないのは、おそらく中国国内の英語学
習の地域差によるものではないか。都市部の重点校と地
(1) 英語学習経験について
中国の高校において英語は外国語の選択必修科目のひ
とつであり、学生によっては、大学入学のために英語で
方の小学校ではカリキュラムが違うことがあるためと思
われる。
はなく、日本語、ロシア語などを学習している場合もあ
大学で学習したものが4
3名いるが、これは福岡国際大
る。日本へ留学してくる中国からの留学生は、留学以前
学で学習したのではなく、福岡国際大学と中国の大学と
の教育で日本語を第一外国語として学習しているものが
の共同育成プログラムにより、中国の大学で2年間学習
多い。そのため英語を学習したことがない、あるいは学
し、3年次から編入する学生があるためである。このた
習したことはあっても、そのレベルは日本の大学受験レ
め中国の大学在学時に英語学習をする機会があったと推
ベルとは程遠い事もある。そのため本調査では、まず留
測する。
学生たちの英語学習経験について質問した。結果を図1
に示す。
学習期間については図3に示す。
7
6名のうち9
6%にあたる7
3名は英語を学習した経験を
小学校3年から学習を始めた学生が大学2年次まで連
持っていた。全く学習した経験がないものは3名であっ
続して学習していたとすると最長1
2年間であるが、先に
た。
述べたように中国国内における地域差、または英語学習
に対する熱心さの違いにより個人差が生じ最長2
0年、最
次にどこで学習したかを図2に示す。
短で1年という違いがでたと考えられる。
−1
8−
大学における留学生への英語教育の必要性の調査と考察
12
考えられる。先に述べたようにデータがないため単純に
人数
12
比較は出来ないが、CET が大学での英語学習の修得度
11
を測るものであること、また複数の留学生からの聞き取
10
りから、CET のレベルはある程度高度なものであると
8
6
6
5
5
しかし、このことは本学留学生の英語能力を推し量る上
6
5
でひとつの参考になるのではないだろうか。
4
4
3
3
2
2
0
推測されるが、更なる調査が必要なのは言うまでもない。
7
2
1
1年 2
図3
3
4
5
(3) TOEFL および TOEIC について
1
6
7
8
9
英語能力を測る試験としてすっかり日本に定着し、社
会人のみならず多くの大学生も欧米への留学や就職へつ
10 11 13 14 20 回答
なし
ながる資格試験の一種として受験している TOEFL や
TOEIC であるが、中国からの留学生の間ではどのよう
どこで何年くらい勉強しましたか。学習期間
に受け止められているのか。彼らの TOEFL、TOEIC
に対する意識を尋ねた。
先に述べたように、3
1名が小学校での学習経験があり、
4
3名が大学での学習経験を持つ。このことは本調査に参
知っている
(65)
89%
加した留学生はある程度の英語基礎学力を有していると
判断する材料となりうると考える。
(2) 中国での英語試験受験の有無
中 国 で1
9
8
7年 よ り 実 施 さ れ て い る 大 学 英 語 考 試
回答なし
(1)
1%
(CET)と2
0
0
2年より実施されている全国公共英語等
級考試(PETS)の受験の有無を調べた。(表1参照)
CET は中国の教育部が管轄する全国統一の英語能力
試験で受験者は大学で4級あるいは6級までの英語授業
知らない
(7)
10%
図4 TOEFL や TOEIC を知っていますか。
を 修 了 し た4年 制 の 大 学 生 に 限 定 さ れ る。CET‐
4と
CET‐
6があり CET‐
6のほうが難しい。合格と不合格が
「TOEFL や TOEIC を知っていますか。
」という問い
あり、卒業の条件に課している大学もある。ただ残念な
に対する回答は図4の通りである。全体の8
9%にあたる
ことに TOEIC や TOEFL との正確な比較、スコア換算
6
5名が「知っている」と答えており、TOEFL や TOEIC
は公開されていない。PETS は受験対象者を大学生に限
の認知度は留学生の間においても高いといえる。実際に
定していないもので CET 同様に合格、不合格で判定さ
受験したことがあるかどうかを尋ねた結果を図5と図6
れる。
に示す。
表1
中国での英語試験受験の有無
ある
ない
回答
なし
大学英語考試
(CET‐4)
3
2
3
8
3
1
2
20
大学英語考試
(CET‐6)
4
4
1
28
4
0
全国公共英語
等級考試
(PETS)
1
4
2
3
0
1
0
合格
不合格
回答なし
(2)
3%
ある
(4)
5%
・「ある」 4名内訳
−1999年 598点
−2003年 640点
−2005年 420点
−2006年 598点
3
6名 が CET の 受 験 経 験 が あ る こ と が わ か っ た。
CET‐
4に合格しなければ CET‐
6は受験できな い た め
CET‐
4合格者1
2名のうちの4名が CET‐
6を受験したと
−1
9−
ない
(67)
92%
図5 TOEFL 受験経験の有無
今 田 桂 子
を第一の目的として日本へ留学しているはずの彼らが本
ある
(1)
1%
回答なし
(11)
15%
当に英語のクラスを受講したいと考えているのだろうか。
しかし予想に反して「今後、福岡国際大学で英語クラス
を受講したいですか」という問いには9
3%にあたる7
1名
・「ある」 1名
−2006年 394点
の学生が「はい」と回答した。(図8参照)
いいえ
(5)
7%
ない
(61)
84%
・「はい」のうち2名は過
去に英語学習歴のない
もの
図6 TOEIC 受験経験の有無
・「いいえ」のうち1名は
過去に英語学習歴のな
いもの
受験したことが「ある」と答えた学生には参考のため
に得点も記入してもらった。TOEFL の受験経験がある
はい
(71)
93%
のは4名だが、日本への留学を考えたときに英語圏への
留学も視野に入れていたのだとしたら受験理由は納得が
図8
いく。得点も高い。サンプルとしては数が少なすぎるが、
今後、本学で英語クラスを受講したいですか。
日本への留学生が日本語修得だけを目的に留学準備をし
「いいえ」と回答した5名に、なぜ英語学習が必要な
ているわけではないことも伺わせるデータである。
TOEIC の受験経験者は1名だけであった。TOEIC の
いと思うのかを記述式で尋ねたところ、それぞれ「大学
院受験をしないので関係がないから。
」「英語よりも日本
受験はあまり普及していないようである。
語を勉強したいから。
」「時間的な余裕がないから。
」「英
「今後 TOEFL・TOEIC を受験したいですか。
」との
語学習は負担である。
」「日本語に専念したいから。
」と
いう意見であった。この5名の学生は、アンケート実施
問いに対する回答を図7に示す。
前に予想された日本語学習を第一の目的としている留学
TOEFL
生と考えられるが、人数的には予想に反してずっと少数
TOEIC
いいえ
(18)
25%
いいえ
(18)
25%
であった。
回答なし
(5)
7%
今後英語クラスを受講したいと回答した留学生にどの
分野のクラスを受講したいか尋ねた。選択肢を設け、丸
をつけてもらう方式とし、「その他」の場合は記述式で
回答を求めた。複数回答とした。(図9参照)結果は、
会話クラスへの要望が非常に高く、次いで TOEFL、読
解、TOEIC の順であった。
はい
(55)
75%
図7
はい
(50)
68%
会話
54
読解
今後 TOEFL / TOEIC を受験したいですか。
31
文法
23
講読
受験意欲は TOEFL、TOEIC 共に高いといえる。留
学生の間に TOEFL、TOEIC という試験が日本で一種
の資格試験のように取り扱われている状況が伝わり、認
知度が高まっている様子が伺われる。
24
作文
18
TOEFL
34
TOEIC
26
回答なし
2
0
10
図9
(4) 英語クラス受講への意欲
留学生の間に TOEFL や TOEIC の認知度が高まり、
受験を考える学生もいることがわかったが、日本語学習
−2
0−
20
30
40
希望英語クラス(複数回答)
50
60
大学における留学生への英語教育の必要性の調査と考察
「その他」の項目で記述により回答した学生が5名い
(5) 卒業後の予定進路について
たが、その中には、「職場英語」(おそらくビジネス英語
将来に向けて英語学習をしたいという希望が多いこと
を指すと思われる。
)「欧米生活文化」(語学ではなく文
がわかってきたが、卒業後の進路はどのように考えてい
化的なものに焦点をあてたものか。
)「寸劇」などがあっ
るのか。予定であるの で、複 数 回 答 と し た。(図1
1参
た。既存の語学学習ではなく、より高度な内容への要望
照。
)
「日本での大学院等への進学」が、希望予定進路の第
であると考えられる。「英語での授業、特に聴解と会話
練習」と回答した学生もあり、英語を第一言語とする外
一位となった。次いで「日本での就職」であった。
国人講師による授業を求めているようである。
留学生がどのような目的を持って英語学習に取り組み
回答なし(2)
2%
たいと考えているのか尋ねた。(図1
0参照)選択肢とし
て予想される意見を挙げ、丸をつけてもらうようにした。
帰国して就職(6)
7%
その他(3)
4%
複数回答とし、「その他」と回答した場合には記述での
意見を求めた。
①
帰国して大学
院等に進学(1)
1%
日本で就職(27)
32%
25
59
②
日本で大学院
等に進学(45)
54%
30
③
32
④
29
⑤
図1
1 卒業後の予定進路(複数回答)
17
⑥
⑦
3
0
10
20
30
40
50
60
(6) 英語学習についての意見・要望
70
アンケートの最後に英語学習への意見と要望を記述式
① 英語が好きだから
② 将来役に立つと思うから
③ 大学院受験に必要だから
④ 日本での就職に有利になると思うから
⑤ 中国での就職に有利になると思うから
⑥ 英語圏の人と交流したいから
⑦ その他
で求めた。日本語の表現に多少の問題はあったが7名が
回答した。集約すると「英会話のチャンスが少ない。英
会話の授業を望む。
」「英語の授業を受けたい。
」「英語の
ネイティブ講師の授業を受けたい。
」「基礎から勉強しな
おしたい。
」といった積極的なものであった。
図10 英語学習の目的(複数回答)
最も多かったのは「将来役に立つと思うから」という
7.考
察
意見で5
9名だった。次に多かったのは、「日本での就職
本調査で中国からの留学生の多くが英語学習の経験を
に有利になるとおもうから」で、約半数の3
2名が丸をつ
持つことがわかった。中国における英語教育は小学校か
けた。福岡国際大学の編入学生の間に日本での大学院進
ら大学まで学習機会があり、その点においては日本の教
学希望者が多いことから当初多数を予想していた「大学
育事情に似ていると思われる。留学生にとっては日本へ
院受験に必要だから」という意見も3
0名がマークしたが、
の留学により英語学習の機会が中断してしまうのは残念
日本の大学院で留学生に英語を受験科目としているかど
に思われる。多くの留学生が日本への留学後も日本語学
うかは各大学院により異なるため、必ずしも留学生全員
習をしながら、英語の学習も同時に進めたいと考えるの
が大学院受験に英語を必要としているわけではないよう
は当然かもしれない。しかし彼らの英語学習の意味する
である。
ところは、日本の大学が外国語基礎科目として課してい
「その他」の記述は3名あり、「アメリカに留学した
る大学1、2年生における必修英語科目とは違うようで
い」「アメリカの大学院受験に必要だから」
「英語のドラ
ある。彼らは会話、TOEFL、TOEIC など将来の進路に
マと映画が好きだから」という意見であった。
直接メリットがあると思われるもののような実用的な英
留学生は会話を中心として、実用的な英語学習を望ん
語学習を望んでいる。基礎から学習したいと言う意見も
でおり、中国、日本での就職、将来のためという明確な
あったが少数にとどまっている。大多数の福岡国際大学
目的を持っていることがわかる。
の留学生が希望する英語学習は実社会で即戦力となる力
をつけてくれるもののようである。
−2
1−
今 田 桂 子
8.今後の課題
注
日本への留学以前に基礎的な英語学習をし、今後どの
ような英語学習をしたいかについて明確な目的意識をも
1)これ以降の本文中の「留学生」とは英語を母国語としな
い留学生を指す。
つ留学生に英語授業参加機会がないのは残念なことであ
ると考える。留学生の実力をはっきりと確認する必要は
引用・参考文献
あるが、英語クラスの提供を検討する必要があるのでは
ないだろうか。日本語学習優先という前提があり、現行
のカリキュラムに組み込むのは困難かもしれない。しか
し需要は高いのであるから、供給方法を考える必要があ
るだろう。既存の日本人向けの授業での対応も考えられ
る。基礎から学びたいと考える留学生には既存の必修ク
ラスは学習環境が整っているといえるだろう。カリキュ
ラム、授業内容、担当講師など様々な解決すべき問題が
あるが、意欲のある学習者は日本人学生にも良い刺激を
もたらすのではないだろうか。
本調査で、福岡国際大学に在籍している多くの留学生
が英語学習に意欲を持っていることが明らかとなった。
特に3年次から編入してくる留学生は中国の大学との共
同育成プログラムのもとに本学へ留学してきている。留
学前に将来を考えて学習していた英語を日本に留学した
のだからという理由で中断させてしまうのは残念なこと
である。意欲のある留学生が英語学習を続けられるよう
環境を整えていく努力が必要であると思われる。
9.おわりに
日本は量的には「留学生1
0万人受け入れ」という目標
を突破したが、質的な課題は残されている。中央教育審
議会は2
0
0
3年に「新たな留学生政策の展開について(答
申)
」を発表してこの問題への取り組みを促している。
第二段階の留学生教育として、英語と日本語によるバイ
リンガル教育型の交流プログラム(堀田 2
0
0
7)も提唱
されている。日本語能力が低い段階の留学生には英語で
授業を提供し、日本語能力が高くなるにつれて、日本語
での通常の授業へ移行して行くというものである。留学
生に英語学習の機会を与える事は、今後の大学の国際化
という面からも重要ではないだろうか。
2
0
0
8年度より福岡国際大学では、編入留学生にも英語
授業の一部履修を認めた。留学生にとって必修科目では
1.浅野慎一(2
0
0
4)
「中国人留学生・就学生の実態と受け
入れ政策の転換」
『労働法律旬報』
2.尾関直子(2
0
0
6)
「中国の英語教育から見えてくるもの」
『英語教育』大修館
3.三枝優子(2
0
0
5)
「留学生の進路決定に関する調査報告
書」
『文教大学文学部紀要』第1
9
‐
1号
4.白土聡実(2
0
0
2)
「中国の大学英語試験」 留学交流マ
ガジン 第3号
http://members2.jcom.home.ne.jp/annexisc123/No3.html
5.孫長虹(2
0
0
4)
「中国人留学生の日本観」名古屋大学言
語文化研究科『多元文化』v.
4:2
1
7
‐
2
3
0
6.武田里子(2
0
0
6)
「日本の留学生政策の歴史的推移−対
外援助から地球市民形成へ−」
『日本大学大学院総合社
会情報研究紀要』No.
7
7
7
‐
8
8
7.中央教育審議会(2
0
0
3a)
「新たな留学生政策の展開につ
いて(答申)−留学生の交流の拡大と質の向上を目指し
て−」
8.日本学生支援機構(2
0
0
6)
「留学生受入れの概況(平成
1
8年度版)
」
9.花見槙子・西谷まり(1
9
9
8)
「教育の国際化と短期留学
生受け入れプログラム」
『一橋大学留学生センター紀
要』1:1
3
1
‐
1
3
6
1
0.林美穂(2
0
0
4)
「私費外国人留学生をめぐる地域差に関
する考察−大学改革における地方私立大学の位置に着目
して−」
『教育学雑誌』第3
9号
7)
「日本の留学生政策における学生交流
1
1.堀田泰司(2
0
0
の新たな展開方策−UCTS とバイリンガル教育の活用を
求めて−」
『広島大学高等教育研究開発センター大学論
集(2
0
0
7年度版)
』第3
9集
1
2.本名信行(2
0
0
6)
「英語はアジアを結ぶ」玉川大学出版
部
1
3.文部省(1
9
8
3)
「2
1世紀の留学生政策に関する提言」
1
4.文部科学省(2
0
0
6)
「大学等間交流協定締結状況調査」
1
5.読売新聞(2
0
0
7)
「中国大学事情(7)日本留学へ 高
校生猛勉強」読売オンライン記事
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20070815us41.html
1
6.立命館大学外国語プロジェクト・編(1
9
9
6)
「国際化時
ないが、日本人学生と同様にプレイスメントテストを受
験し、レベルに合った英語授業を履修できることとした。
彼らの今後については次回報告したい。
−2
2−
代の外国語の学び方」かもがわ出版
大学における留学生への英語教育の必要性の調査と考察
Summary
Many Japanese Universities admit foreign students dealing with the globalization.
Like other
universities, Fukuoka International University has accepted foreign students mainly from Asian region.
As for the English education to them, however, we have not set up clear rules at this point.
In this
paper, we had a questionnaire to the foreign students studying at FIU whose first language is not English
to reveal their needs of English education.
Therefore we found that their purposes to study English
centered on an extremely practical side although many foreign students showed their interests in it.
付録1
アンケート用紙
留学生の英語に関する意識調査です。
今後の授業計画の参考にしますので次の設問に答えてください。
1.いままで英語を勉強したことはありますか?丸をつけてください。
ある→(2の設問に進んでください。
)
ない→(1
0の設問に進んでください。
)
2.どこで何年くらい勉強しましたか?丸をつけてください。
場所: 小学校
中学校
高校
大学
専門学校
期間:
年間
独学
その他(
)
3.中国で大学英語考試(CET‐
4/CET‐
6)や全国公共英語等級考試(PETS)を受験したことがありますか?
丸をつけてください。
大学英語考試(CET‐
4)
ある ・ ない
大学英語考試(CET‐
6)
ある ・ ない
全国公共英語等級考試(PETS) ある ・ ない (
級)
4.3の質問で「ある」と答えた人は、いつ受験しましたか。合格しましたか。
年頃
合格 ・ 不合格
5.TOEFL や TOEIC を知っていますか。丸をつけてください。
知っている ・ 知らない
6.TOEFL を受験したことがありますか。いつ? 得点は?
ある(
年頃
点)
ない
7.TOEIC を受験したことがありますか。いつ? 得点は?
ある(
年頃
点)
ない
8.今後 TOEFL を受験したいと思いますか。
はい ・ いいえ
9.今後 TOEIC を受験したいと思いますか。
はい ・ いいえ
1
0.今後、福岡国際大学で英語のクラスを受講したいとおもいますか。丸をつけてください。
はい ・ いいえ
−2
3−
今 田 桂 子
1
1.1
0で「はい」と答えた人は、どのような英語のクラスを希望しますか。当てはまるもの全てに丸をつけてください。
会話
聴解
文法
講読
作文
TOEFL
TOEIC
その他、勉強したい内容があれば書いてください。
(
)
1
2.1
0で「はい」と答えた人は、大学で英語を学習する目的は何ですか。丸をつけてください。
①英語が好きだから
②将来役に立つと思うから
③大学院受験に必要だから
④日本での就職に有利になると思うから
⑤中国での就職に有利になると思うから
⑥英語圏の人と交流したいから
⑦その他 説明してください。
(
)
1
3.1
0で「いいえ」と答えた人は、なぜ英語の学習は必要ないと思いますか。丸をつけてください。
①英語が嫌いだから
②大学院受験をしないので関係ないから
③英語よりも日本語を勉強したいから
④その他 説明してください。
(
)
1
4.日本で福岡国際大学を卒業した後の進路の予定を教えて下さい。
①帰国して就職
②帰国して大学院等に進学
③日本で就職
④日本で大学院等に進学
⑤その他 説明してください。
(
1
5.その他、英語学習について意見があれば書いてください。
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