Ⅱ 事業の実施 - 独立行政法人 国立青少年教育振興機構

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Ⅱ 事業の実施
1.事業名
「地域プログラム企画セミナー
∼あなたもまちづくりプランナー∼」
2.事業の趣旨・ねらい
北陸の自然・文化を活用したまちづくりの実践を「見る・触れる・体験する」こと
を通して、地域のよさを活かせる企画力やコーディネート力を高める。
3.事業の概要
拭 期 日
平成18年10月13日昔∼10月15日隻 2泊3日
植 参加者
■種
別
学校教育指導者
社会教育指導者
そ の 他
合
計
男
性
2
6
3
11
女
性
0
0
8
8
2
6
11
19
計
■県
別
石川県
富山県
合 計
17
2
19
20代
30代
40代
50代
60代
合 計
8
2
2
5
2
19
■ 年齢別
60
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あなたもまちづくりプランナー
Ⅱ 事業の実施
殖 講 師
【事業全体】
・NPO法人エコ・コミュニケーションセンター代表
森 良
・環境教育ネットワークとやまエコひろば代表
本田 恭子
【体験プログラム担当】
《文化財を活かしたまちづくり/七尾市》
・お茶の北島屋店主、一本杉町会長
北林 昌之
《地域資源を活用したグリーン・ツーリズムの取り組み/志賀町》
・いのちの里・香能の丘志賀町とぎ実験農場 次長
坂口和喜雄
《清流と伝統を活かした村づくり/宝達志水町》
・所司原村づくり推進協議会 広報担当
出倉 一信
《UFOとブランド米化でまちづくり/羽咋市》
・羽咋市役所農林水産課1.5次産業振興室 係長
高野 誠鮮
【講 演】
・金沢大学社会貢献室客員教授 地域連携コーディネーター
蹟石川県産業創出支援機構プロジェクト推進部
川畠 平一
燭 広 報
・富山県西部、石川県内の市町広報誌に参加募集記事の掲載を依頼した。
・ホームページ(当青少年交流の家、石川県商工会連合会)に開催要項をアップした。
・エリア内の各県教育委員会、社会教育施設、石川県内のまちづくり関係の
NPO法人、当所の大学とのネットワーク会議の出席者に開催要項を送付し、
参加を呼びかけた。
・各種報道機関へ開催要項を送付し、募集広報を依頼した。新聞社とテレビ局
には再度参加者募集の記事の掲載を依頼した。
・エリア内の大学・短大に学内掲示用の開催要項を送付し、掲示を依頼した。
・昨年度の参加者と企画事業「能登を探る環境プロジェクト」参加者、登録ボラ
ンティアに開催要項を送付し、電話でも参加を呼びかけた。
・講師を通して参加募集の呼びかけを行った。
・近隣の市町教育委員会生涯学習課と商工会を訪問し、直接広報を行った。
・その他、送付していない信越、中部地区の商工会及びまちづくり関係の
NPO法人にメールで開催要項を送付した。
61
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4.プログラム
午前
午後
夜
講義
「地域体験から広がる
まちづくり」
10
月
13
日
昔
環境教育ネットワークとやまエコひろば
本田 恭子
18:30∼受 付
まちづくり実践例紹介
午前
選択現地実習
∼まちづくりを学ぶ∼
10
月
14
日
析
1
9
:00
「見る・触れる・体験する」
午後
1
9
:00
NPO法人エコ・コミュニケーションセンター
森 良
②地域資源を活用した
グリーン・ツーリズムの取り組み
(志賀町富来)
ワークショップ①
③清流と伝統を活かした村づくり
(宝達志水町所司原)
ワークショップ②
講義
「地域プログラムの創造と
コーディネート」
①文化財を活かしたまちづくり
(七尾市一本杉)
夜
あなたがつくる
まちづくりプラン
あなたがつくる
まちづくりプラン
④UFOとブランド米化でまちづくり
(羽咋市内)
午前
ワークショップ③
10
月
15
日
隻
あなたがつくる
まちづくりプラン
発表・まとめ
午後
1
5
:00
講演
「地域づくりに
キメ手はあるのか?」
金沢大学社会貢献室客員教授
地域連携コーディネーター 川畠 平一
62
15:0
0 終 了
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あなたもまちづくりプランナー
Ⅱ 事業の実施
5.事業の実際
コミュニケーションづくり
∼インタビューゲーム∼
日時:平成18年10月13日昔 19:20∼19:45
場所:国立能登青少年交流の家
はじめにお互いのことを知らない参加者の緊張をときほぐすことも含め、参加者
同士で自分の地域について、インタビューを行った。
あなたが地域で一番好きな場所は?
近くの小丸山公園…春は桜が美しく夏涼しいから
地域の問題点は?
拓けてるところと
そうでないところの
格差が大きい
地域を意識する時は?
新聞を読んでいて地域の記事を見つけた時
参加者は10分間の中で、多くの人とコミュニケーションをとり、地域を振り返り、
関心を高めた。
「地域の好きな場所」
、
「地域を意識するとき」
、
「地域の印象」
、
「地域の問題点」
、
「あなたがやりたいこと」等、6項目についてインタビューした。
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講義「地域体験から広がるまちづくり」
講師 環境教育ネットワークとやまエコひろば代表 本田 恭子
日時:平成18年10月13日昔 19:45∼20:15
場所:国立能登青少年交流の家
富山県高岡市にある200X
年まちづくりの会「千保川の
絵本づくり」の実践事例をも
とに講義を行った。
「意外と知らない自分のま
ち」であるが、小さな気づき
から、地域の宝となりうる素
材はどこにでもたくさんある
ことを学んだ。
地域での原体験があるから
こそ、目を輝かせて活動に取
意外と知らない自分のまち
り組むことができる。
実は
宝の玉手箱
そこで
市民参加
[みんなで考え、
つくり出す]
パ
ブ
リ
ッ
ク
ア
ー
ト
探
検
輝パ
くブ
まリ
ちッ
づク
くア
りー
ト
で
鋳
造
所
見
学
プ
ラ
ン
づ
く
り
紙
芝
居
づ
く
り
ま
ち
探
検
と
絵
本
づ
く
り
郊
外
み
ど
り
探
検
立
体
地
図
づ
く
り
高岡市を流れる千保川を探検し、感じたことや絵をもとに作
成した絵本
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あなたもまちづくりプランナー
Ⅱ 事業の実施
体験プログラム紹介
日時:平成18年10月13日昔 20:15∼21:00
場所:国立能登青少年交流の家
参加者が2日目の体験プログラムを選択するに当たり、4人の地域プログラム講
師から、実際に取り組んでいる事例の紹介を行った。
「文化財を活かしたまちづくり」
〈石川県七尾市〉
講師 お茶の北島屋店主 北林 昌之
一本杉通りを中心に町会、一本
杉通り振興会、青年会等が協働し
てまちづくりに取り組んでいる。
有形文化財に登録された建物も
多く、ごみゼロ宣言、公園づくり、
花嫁のれん展の開催等、まちの活
性化のために活動している。また、
団体観光の申し込みや視察も多い。
※
「地域資源を活用したグリーン・ツーリズムの取り組み」
〈石川県志賀町〉
講師 いのちの里・香能の丘志賀町とぎ実験農場次長 坂口和喜雄
と
ぎ
とぎ実験農場は、旧富来町の畑
作振興と農地の有効活用を目的に
開設した。農村総合整備事業の導
入を契機に地域づくりの拠点施設
としても位置付けた。
主な事業として、リンゴ狩り等
の収穫体験、貝細工等の手作り体
験、農園のオーナー制度等、幅広
い事業展開を行っている。
※グリーン・ツーリズム…農村・山村・漁村に滞在して、自然や文化、人々との交流を楽しむ旅のこと
65
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「清流と伝統を活かしたまちづくり」
〈石川県宝達志水町〉
講師 所司原村づくり推進協議会広報担当 出倉 一信
しょ し はら
所司原は50戸、人口150人で過疎化が進行している中山間地の集落である。
所司原の自然や社会環境は集落の活性化にとって有用な資源である。
地域振興政策のグリーン・ツー
リズム支援事業、棚田保全対策事
業や地元企業の支援を受け、事業
展開を行っている。
夏の「所司原キャンプ場」の運
営と冬の「所司原くさぎ祭」を二
大事業として村づくりに取り組ん
でいる。
「UFOとブランド米化でまちづくり」
〈石川県羽咋市〉
講師 羽咋市役所農林水産課1.5次産業振興室係長 高野 誠鮮
現在取り組んでいる神子原米のブランド化についての計画概要を中心に説明。
はくい
し
み
こ はら
羽咋市神子原は10年間に人口が
半減した過疎化の進行した地区で
ある。後継者が減り遊休農地が増
えつつある。そのことを逆手にとっ
た空き農家・農地のバンク制度や
え
ぼ
し
烏帽子親農家制度、農家所得倍増
計画、特区申請など様々な取り組
みを行っている。
66
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あなたもまちづくりプランナー
Ⅱ 事業の実施
選択実習「体験プログラム」
日時:平成18年10月14日析 9:00∼12:00
場所:七尾市、志賀町、宝達志水町、羽咋市
4グループに分かれ、各地域プログラム講師から、現地で説明を受け、
「見て・
触れて・体験して」地域プログラムを学んだ。
「文化財を活かしたまちづくり」
講師 お茶の北島屋店主 北林 昌之
昔は商店街が元気な時代で、たくさんのお客で賑わっていた。しかし大型店の進
出で郊外型の生活スタイルに伴い、活気がなくなってきた。
町会は清掃活動等の
「縁の下の力持
ち」
的存在であったが、まちづくりに
もかかわるようになった。そして
「ま
ちづくりは町づくり」
であることに気
付いた。みんなが何をすればよいか考
えるようになった。これが一本杉町の
元気の源である。
参加者一行は七尾市の一本杉通りに
能登の文化である花嫁のれんを活用し、
「花嫁のれん展」
を開
催している。
到着し、10近くの商店を巡り、一本杉
町の活性化の方法や工夫について話を
聞いた。登録有形文化財である商店も多く、古き街並みの風景から、参加者は
「懐
かしい感じがする」と話していた。一本杉町特有の文化財を十分に活かしている。
また、お茶をひいたり、生醤油を搾る等の体験を通じて、一本杉町独自の雰囲気を
肌で感じた。
登録有形文化財の
「北島屋茶店」
紅柄色の格子戸の伝統的な腕木構造で
明治37年頃に建造された。
67
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「地域資源を活用した
グリーン・ツーリズムの取り組み」
講師 いのちの里・香能の丘志賀町とぎ実験農場 坂口和喜雄
運営方針の説明
志賀町とぎ実験農場は能登
半島外浦のちょうど真ん中に
施 設 見 学
ある緑豊かな施設である。
観光を中心としたレジャー
人口は年々減少傾向にある
が、地域の豊かな自然と貴重
収 穫 体 験
な伝統文化等のすぐれた資源
を活用し、グリーン・ツーリ
ズムを行っている。
オーナーズ倶楽部
参加者は坂口講師から資料
をもとに実験農場の設立経緯
や運営について話を聞いた。
また、広大な施設を見学し、
農家レストラン
リンゴの収穫体験を行った。
農家レストランでは、田舎料
農家レストラン
の室谷さん
理体験メニューの開発に取り
組む室谷さんの地域への思い
とこだわりを傾聴し、その人
柄に触れた。
体 験 工 房
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あなたもまちづくりプランナー
Ⅱ 事業の実施
「清流と伝統を活かした村づくり」
講師 所司原村づくり推進協議会 出倉 一信
地域ぐるみで活性化事業に取り組ん
しょ し はら
でいるという所司原を訪れた参加者一
行は、公民館で多くの地域住民の出迎
えと歓迎を受けた。お互いの自己紹介
の後、出倉講師から地域の歴史・文化
や村づくりの取り組みの現況について
の説明があった。その後、キャンプ
場・棚田・歴史街道など多彩なフィー
地域素材である
「くさぎ」
と
「清流米」
ルドで地域の紹介と案内を受け、地域
住民の地元を愛する心と本気で事業に取り組む熱意を肌で感じとった。また、
「く
さぎ料理づくり」
の講習と郷土料理のもてなしを受け、住民との貴重な交流の機会
を得ることができた。
伝統文化の獅子頭
くさぎ料理に挑戦!
参加者は大満足した様子で、
「ぜひ来
年も訪れたい。ここで自然体験をして
みたい。冬の能登の生活を体験したい。
地域づくりの役に立ちたい。
」などの感
想が寄せられ、夢を膨らませていた。
か じか
ごっつぉ
河鹿蛙の里の御馳走と人とのふれあい
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「UFOとブランド米化でまちづくり」
講師 羽咋市役所農林水産課1.5次産業振興室 高野 誠鮮
はくい
し
ち
り はま
石川県羽咋市といえば、千里浜な
実
印地
域行
す
刷に
ある
た
物る
もめ
の
での
すシ
世 べス
テ
のて
をム
力
中活
かが
大
なす
。事
に否
定
もで
変は
な
わく
、
ら活
か
なす
。
い
相一
人
手の
苦
もし
み
自が
全
分員
もの
苦
いし
み
か、
一
さ人
の
れ喜
るび
が
の全
員
の
が
﹁喜
び
活と
な
かる
す社
会
﹂
ぎさドライブウェイ、五重塔を有す
る妙成寺など多くの観光資源があ
る。その中で、UFOに関する古文書
や目撃証言などから
「UFOのまち」
と
して宇宙科学博物館(コスモアイル
羽咋)の建設を中心としてまちづく
りを行った。コスモアイル羽咋を訪
れ、まちづくりの経緯や理念につい
て話を聞いた。
み
こ はら
その後、神子原地区に移動して、
神子原米のブランド化についての
え
ぼ
し
話を聞いた。烏帽子親制度や人工
衛星を使った品質管理、特製日本
酒のローマ法王への献上などの様々
なアイディアについて参加者も感心
していた。
何よりも高野講師のまちづくりに
対する揺るぎない信念が多くの人を
動かしている。
まちづくりの理念を熱く語る高野講師
多くの苦労と工夫を重ねて収集したコスモアイル羽咋の展
示物
(レプリカではなく、本物)
70
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あなたもまちづくりプランナー
Ⅱ 事業の実施
講義「地域プログラムの創造とコーディネート」
講師
NPO法人エコ・コミュニケーションセンター代表 森 良
ファシリテーター 環境教育ネットワークとやまエコひろば代表
本田 恭子
日時:平成18年10月14日析 13:15∼13:45
場所:国立能登青少年交流の家
講義の最初に本田講師をファシリテーター
に、参加者がそれぞれ選択して体験した「地
域プログラム」の感想発表を行った。また、
感じたことを付箋に書き、ホワイトボードに
貼り、体験を共有した。
所司原の清流でつくった米を片手に地域の人のも
てなしと優しさに感激したと話す参加者
【良かったこと】
・熱心に伝える人がいる
・コスト意識がある
・荒れ地を利用している
・スタッフが優しくて元気
・くらしを楽しんでいる
・ロケットが本物
(所司原)
(羽 咋)
(富 来)
(一本杉)
(一本杉)
(羽 咋)
【参考になったこと】
・山のよさをよく知っている(所司原)
・探ってみるといろいろある(所司原)
・チャンスを見逃さない
(羽 咋)
・店先のアートや道具を活用(一本杉)
【課題】
付箋を貼り得られた体験を共有
※赤
【良かったこと】
、黄
【参考になったこと】
、青
【課題】
行政
・若者が少ない
・広報
(所司原、一本杉)
(所司原)
持続可能な地域は、
「人」
、
「地
企業
域素材」、「経済」、「ライフスタ
イル」
の要素から成り立っている。
市民
地域素材には自然・社会・人が
子ども
歩く
(調べる)
大 人
あり、まず地域のことをよく理
発信する
解し、探し出す必要がある。地
域の人の顔が浮かんでくるよう
なプログラムづくりを行わなけ
本田講師の実践事例を図式化。市民・行政・企業が協働することに
よって、市町村全体のまちづくりが可能となる。
71
ればならないことを強調した。
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ワークショップⅠ「持続可能な地域へプロセスを描く」
講師
NPO法人エコ・コミュニケーションセンター代表 森 良
ファシリテーター 環境教育ネットワークとやまエコひろば代表
本田 恭子
日時:平成18年10月14日析 14:00∼17:00
場所:国立能登青少年交流の家
プロセスデザインの考え方のポイ
ントとして、
① ビジョン
② 世の中の向かっている方向
③ 人の動きの経験法則
④ 行政・企業・コミュニティ団
体等の分析がある。
その場、その人たちにふさわしい
課題を提起しなくてはならない。そ
のため、対象者の熟度を知り、難し
すぎず、やさしすぎないように考え
る必要がある。
プログラム
今
目標
プロセス
プロセスデザインのイメージ
プロセスデザインワークシート記入例
個人でプロセスデザインワークシートに記入し、地域
への想いをまとめた。
72
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あなたもまちづくりプランナー
Ⅱ 事業の実施
プログラムの主題を発表し、関連性のある参加者が集ま
るようにグループ分けを行った。
2グループに分かれ、プロセスデザインを発表し、意見交
換をした。
【出てきた意見】
・プログラムの内容がブー
ムにのっているものだと
参加しやすい。
・ボランティアを継続して
もらうためには、どんな
手立てが必要か?
・施設のニーズはあるがボ
ランティア側のニーズは
どんなものか?
・特定の対象者に限定されな
いように、地域全部巻き込
んで計画していきたい。
・今やっている自分たちの
団体の存在や活動内容を
もっと地域の人に知って
もらいたい。
参加者は、多種多様なプロ
グラムを考え、プロセスデザ
インのイメージを膨らませて
いた。意見交換を通して、目
指す目標に近づけるように練
り直しを繰り返し行うこと
意見交換によって、検討し直して作成されたプログラムデザインのイメー
ジ。休校学校を中心として、地域に様々なことを発信することが図解され
て分かりやすくなった。
73
で、整理され、より分かりや
すいものになった。
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ワークショップⅡ「地域プログラムをつくる」
講師
NPO法人エコ・コミュニケーションセンター代表 森 良
ファシリテーター 環境教育ネットワークとやまエコひろば代表
本田 恭子
日時:平成18年10月14日析 19:00∼21:00
場所:国立能登青少年交流の家
はじめに、プログラムデザインシー
トをもとにプログラム案を一人ひとり
記入した。その後にグループで意見交
換をして、再度ねらいと目標達成のた
めのプログラムの練り直しを行った。
森講師、本田講師もグループに入って助言を行った。
ニーズ
気付く
ストーリー
理解する
行動につなげる
ねらい
プログラム作成の構図。参加者のニーズをどの
ようにねらいと直結させるかがポイントである。
プログラム案記入例
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あなたもまちづくりプランナー
Ⅱ 事業の実施
ワークショップⅢ「コーディネートのプランをつくる・発表、まとめ」
講師
NPO法人エコ・コミュニケーションセンター代表 森 良
ファシリテーター 環境教育ネットワークとやまエコひろば代表
本田 恭子
日時:平成18年10月15日隻 9:00∼12:00
場所:国立能登青少年交流の家
最後に練り直したプログラム
案を分かりやすく整理し、模造
紙にまとめた。
壁に掲示して、質問や意見な
ど感じたことを付箋に記入して、
模造紙に貼り、その返答も含め
全員が発表を行った。
完成したプログラム案を模造紙にまとめる。
完成したプログラム案を模造紙にまとめる。黄色の付箋に「質問」
、赤には「提案」
、青には「コメント」を
書いてお互いの地域プログラムに貼った。
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交
流
里
づ
く
り
発表!私のまちづくりプラン
ス
ポ
ー
ツ
合
唱
ダ
ン
ス
76
イ
メ
ー
ジ
キ
ャ
ラ
ク
タ
ー
づ
く
り
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あなたもまちづくりプランナー
Ⅱ 事業の実施
プログラム作成例 ①
うまいもん作り
∼地域と共に生きる施設∼
目 標
子どもたちとお年寄りが一緒に活動することにより、地域の
交流が図れ、両者が笑顔で元気になれる。
対 象
地域の保育園・幼稚園、施設利用者(高齢者)
アクティビティの流れ
◎おやつ作り
地域の素材を使ったおやつ(おはぎ等)を高齢者施設のお年寄りに教
えてもらいながらつくる。
脆
◎試食タイム
高齢者と園児が交流を深めながら楽しく食事をする。歌を通して交
流を深める。
プログラムへの思い
昔の遊びの伝承
地域と施設が協働
お互いに求める
ばかりでなく
提供する
お年寄りが
元気になる施設
お年寄りと子どもに
優しいまちづくり
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プログラム作成例 ②
こころの里づくり
∼休校学校の再生から∼
目 標
地域からの愛情に育てられ,子どもたちを健全に成長させる。
地域素材・人材を活かしていく。
対 象
都会に住む子ども及び保護者
アクティビティの流れ
◎地域のことを考えた大人(保護者)の団体の設置
脆
◎地域の素材・人材を活かした教育プランの策定
(例:民話・昔話から学ぶ、山の下草刈り体験、山・海の自然から学ぶ等)
脆
◎協力者への呼びかけ
(地元の伝統文化、農業、漁業、林業に携わる人、地権者等)
脆
◎新・寺子屋の開設
プログラムへの思い
みんなの理解・協力
子どもは
地域みんなで
育てる
78
お金をかけない
教育施設
人材も教育内容も
すべて地元のもの
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あなたもまちづくりプランナー
Ⅱ 事業の実施
講演「地域づくりにキメ手はあるのか?」
講師 金沢大学社会貢献室客員教授 地域連携コーディネーター
蹟石川県産業創出支援機構プロジェクト推進部
川畠 平一
日時:平成18年10月15日隻 13:00∼14:30
場所:国立能登青少年交流の家
地域づくりで大切なこととして3つの要
諦がある。
1つ目は、地域資源の棚卸しを行うこと
である。
地域の足元から見直し、地域の「自然」、
「生活文化」
、
「人」
、
「歴史」
、
「産業」
、
「地勢
学」についての財産目録を作る必要がある。
2つ目は、新しい風を起こすことである。
※1
農林水産業界の米政策の大転換やバイオ
マスニッポン戦略の推進。農政改革や法規制の緩和措置による各関連業界の技術革
新や新分野進出等の変化が現れている。
3つ目は、
「持続可能性」
、
「ブランド
化」等の地域興しのキーワードを探すこ
とである。
【地域づくりに問われている今後の課題と行動】
《課題》
① まず、地域の財産目録づくりからスタート
② シーズとニーズの発掘とマッチングの推進
③ 動向予測と産学連携、民学連携の橋渡し、そして販路開拓支援
《行動》
※2
① 様々な連携体の構築・NPO、LLC等の組織化活動戦略を練れ!
② 商品開発・協働研究等の発掘と支援措置の具体化
③ 新販路開拓・資金需要等の地域的支援システムの構築
④ 地域経済・文化の活性化に取り組む技を磨け!
※1 バイオマス:生物を利用して有用物質やエネルギーを得ること。
※2 LLC:企業形態の一種。株式会社に類似するコーポレーションと、組合に類似するパートナーシップの中間的な性
質を持っている。
79
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ふりかえり
活動後にふりかえりシートを用いて、活動を通し
て感じたことをまとめた。
気づいたこと
・いろいろなところで、いろいろな人がまちづくりをやっているお陰で
“まち”
がつくられている。
・自分にもできることがたくさんある。もっと地域に出ようと思う。
・まちおこしやまちの活性化は、普段の生活をいきいきと過ごすために行っ
ている活動が大切であることを認識した。
・仲間を見つける。発想の転換が求められる。
・地域には元気な人が多い。各所を巡る観光だけでは、発見できないものが
たくさんあることに気づいた。
嬉しかったこと
・それぞれの地域を活性化したいという意気込みが強かったこと。
・今まであまりこういう活動に興味がなかったので、今は参加してみて知ら
ない世界が広がったようで嬉しい。
・地域にも探せば魅力があること。
・何人もの人が自分の考えに対する意見を言ってくれた。また、他の人の考
えを知ることができた。
・人前で発表することができた。
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あなたもまちづくりプランナー
Ⅱ 事業の実施
がっかりしたこと
・自分の思っていることをうまく言葉で表現できなかったこと。
・なかなか同じ考えをもった仲間が見つからないこと。
必要だとわかったこと
・もっと他の地域の人と交流して、知識を身につけること。
・広い視野をもつこと。行動力。
・表現力
・いろいろなプログラムを作ること。
実行しようときめたこと
・自分の施設だけではなく、まわりに住む人々の暮らしなどにも目を向ける
こと。そして、そこから施設と地域を結ぶきっかけを見つける。
・つながりを大切にし、自分の考え方に耳を傾けてくれる人を増やす。
・事業で見学・体験をして良かったことをまわりのみんなに話して実行にう
つせる努力をしていく。
・レクダンス体験コーナー
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6.成果と課題
拭 「事業のねらい」
から見た成果
この事業のねらいは、
「北陸の自然・文化を活用したまちづくりの実践を『見る・
触れる・体験する』ことを通して、地域のよさを活かせる企画力やコーディネート
力を高める」であった。
「プレゼンテーション⇒実地見学⇒実際体験⇒企画づくり」という段階を経た企
画づくりと相互学習を通して、参加者の感想からも見られるように「企画力」を高
めることができた。しかし、コーディネート力については、参加者の経験レベル
の相違から、企画づくりに時間を割いたことにより、高めることはできなかった。
植 事業全体の評価
ア 企画・運営
① 参加者の考えや意欲、能力を引き出すプログラム構成であった。その
結果として、全体的に高い満足度を得ることができた。
② 意見交換を通し、他者から多くのことを学びながら地域プログラムを
作りあげることで、参加者の企画力を高めることができた。
③ 講師7名を迎え、様々な方面から地域プログラムについて聞くことが
できた。また、2名の講師は事業全体にかかわってもらうことで、総
合的に参加者支援を行うことができた。
イ プログラム
① 実際に行われている地域プログラムの事例講義だけでなく、現地に
行って体験することによって、より身近に感じることができた。また、
プログラムづくりへの刺激となった。
② 体験プログラムを4コース設けることによって、参加者が興味ある地
域プログラムを選択することができ、取り組みへの意欲につながった。
③ それぞれの地域の特性を活かした、地域プログラムの内容や手法につ
いて学ぶことができた。
④ 段階を踏んだ流れに沿ってプログラムづくりを行ったので、スムーズ
に取り組むことができた。
⑤ グループ単位での話し合いの場面や相互評価により、お互いの意見を
率直に出し合い、より洗練されたプログラムを作ることができた。
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あなたもまちづくりプランナー
Ⅱ 事業の実施
ウ その他
① 参加者が、体験や講義、ワークショップを通じて、自分の地域の特性
や課題を理解することができた。また、地域づくりに前向きに考える
きっかけを作ることができた。
② 共通した課題をもつ参加者同士や講師とのネットワークを広げることができた。
殖 参加者の評価
この事業に対する参加者の評価は次のとおりである。
Q1
事業全体をとおして、どうでしたか。
不満 0%
やや不満
6%
やや満足
25%
満足
69%
「参加者同士でディスカッションをすることによって、他者の考えを聞くこ
とができて、とてもよい刺激になった」等の感想が得られた。
全体としての満足度は94%と非常に高い。
Q2
事業のプログラムは、どうでしたか。
不満 0%
やや不満
6%
満足
50%
やや満足
44%
「興味を惹く内容であった」という意見が多く、全体的な満足度は非常に高
かった。一部「内容が難しかった」とする感想があったので、もう少し、専門的
知識の全くない参加者でも理解しやすいプログラム内容に改善する余地がある。
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Q3
事業の運営は、どうでしたか。
不満 0%
やや不満
6%
やや満足
25%
満足
69%
ゆとりがなく慌ただしく感じていた参加者が一部いた。
初日の体験プログラム紹介で思いのほか時間がかかりすぎた点や質問の時
間があまりとれなかった点については改善しなければならないが、その他全
体的に満足度は高かった。
プログラムの内容及び運営についてはいずれも参加者から非常に高い満足度
を得ることができた。
その他、参加者からの自由意見として次のことが挙げられた。
・このような事業があったらもっと積極的に参加していきたい。
・実際に地域づくりに取り組んでいる方の話は、とても興味深かった。
・事業自体は大変良かったので、もっと多くの人に参加してもらいたい。
・大変なお世話をいただき心から感謝している。
燭 課題
ア 企画・運営
① 「体験」の要素を取り入れるため、地域の体験プログラム講師との交渉
が難航した。周辺地域のまちづくりの情報収集に努め、さらにネット
ワークを拡大していくことが課題である。
② 参加者の視野をさらに広げるため、県外でまちづくりに先進的に取り
組んでいる団体の取り組みを紹介する。その際にパネルディスカッシ
ョン形式で行う等、参加者を飽きさせない形態を工夫する必要がある。
③ 地域プログラムづくりを日常的に行っている参加者は少なく、企画力
に差があり、今後、個のレベルに応じた内容にするか、コース別に行
う等の方策を考えなければならない。
④ プログラム上、研修室での活動が多くなるので、会場を変えることや、
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あなたもまちづくりプランナー
Ⅱ 事業の実施
動きを伴う活動を取り入れる等、工夫が必要である。
イ プログラム
① 初日の体験プログラム紹介は各団体10分ずつと短かったため、時間
を大きくオーバーした。結果として講師が十分に実践内容を伝えられ
なかったので次年度はもっとゆとりある時間配分を検討していかなけ
ればならない。
② コーディネート力向上のためのプログラムを十分に持つことができな
かったので、講師との内容の確認を十分にする必要がある。
ウ その他
① 2年連続の参加者もいるので、マンネリ化しないように、プログラム
に変化をもたせる必要がある。
② 参加者確保のための広報を検討する。また、地域の行事と重なって
いたため、実施日について最も参加しやすい時期を選ぶことが重要
である。
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