723 昭和59年8月20日 トキ ソ プ ラ ズ マIgM抗 ―Tp IgM酵 体 検 出 法 に 関 す る研 究 素抗 体 法 の実 用化 ― 長 崎 大 学熱 帯 医 学研 究 所 ・内科 土 Key words: 橋 受 付) (昭和59年4月10日 受 理) Toxoplasmosis, Congenital failure, Sero-diagnosis, ELISA, Specific IgM antibody 妊 婦 に お け る トキ ソ プ ラズ マ(Tp)症 は,急 こで1979年9月 テ ッ ク ス 凝 集 法(LA法)は,共 か ら1982年7月 特 異 性 が 極 め て 秀 れ て い る 酵 素 抗 体 法(ELISA法)に (Toxo ELISA に 抗 人IgMア し いTpIgMELISA法 Test Kit)を 旨 性 感 染 に よ る胎 児 へ の 障 害 で 注 目 さ れ て い る が,今 血 清 診 断 法 と し て の 間 接 赤 血 球 凝 集 法(IHA法),ラ 検 出 法 と し て,新 治 (昭和58年11月3日 要 面 で 問 題 が あ る.そ 賢 日の に感度 ・ 特異 性 の ま で に得 られ た 妊 婦 血 清3,371検 体 を 対 象 に,感 度 ・ 異IgM抗 体の の 確 立 に 努 め た.本 法 は 現 在 市 販 さ れ て い るIgGELISA製 品 抗 原 と し て 用 い,血 注 目 し,Tp急 清 検 体 はProtein 性 感 染 を 示 すTp特 A処 理 に てIgG成 分 を 除 去 し,さ ル カ リ フ ォ ス フ ァ タ ー ゼ 標 識 抗 体 を 使 用 す る簡 便 な も の で あ る.検 出 され たTpIgM抗 の 特 異 性 は,庶 糖 密 度 勾 配 遠 心 法 及 びTp虫 ら 体 体 に よ る吸 収 試 験 に よ っ て 確 認 さ れ た.本 法 は特 殊 な 技 術 も 要 せ ず 臨 床 応 用 も容 易 で 信 頼 性 も 高 い の で,今 後 急 性Tp感 染 症 の 診 断 法 と して 広 く用 い ら れ る も の と 期 待 さ れ る. 測 定 す る方 法 で あ る.し か し今 回 再 検 討 した と こ は じめ に 妊 婦 が トキ ソプ ラズ マ(Tp)原 る と,流 産,死 虫 の 感 染 を うけ 産,奇 形 児 出産 な どの 可 能 性 が あ ろ,こ れ らの方 法 は 不 十 分 で あ る こ とが 明 ら か と な った.そ こで 従 来 のIHA法 やLA法 に く らべ, る とさ れ て い る1):し か し,ま だ そ れ らの 実 態 は 充 感 度 お よ び 特 異 性 が 一 層 秀 れ て い る酵 素 抗 体 法 分 に解 明 さ れ て い る とは 言 え な い2).胎 児 へ の 影 (ELISA法)に 響 は妊 娠 初 期 に初 感 染 が み られ た 場 合 に強 い と さ 化 に 努 め て き た.す れ る が,Tp原 Tp IgGELISA製 虫感 染 の大部 分が不顕 性感 染 とし 注 目 しTp IgM ELISA法 の実 用 なわ ち現在 市 販 され てい る 品 をIgMELISA法 に転用 す る て 経 過 す るた め に,臨 床 症 状 か ら本 原 虫 の 急 性 感 こ とを試 み,信 頼性 が 高 くかつ 臨 床 応 用 が 容 易 な 染 を知 る こ とは極 め て 困 難 で あ る. 新 しい 方 法 を 確 立 す る こ とが で きた.以 下 に そ の 現 在 我 々 はTp原 的 検 査 ・TpIgM抗 虫 の 急 性 感 染 を,主 具 体 的 方 法 を 記 載 し報 告 す る. 対 象 並 び に 実験 方 法 体 の検 出 に よ っ て診 断 して お り,具 体 的 に は患 者 血 清 にProtein てIgG成 に血 清 学 A処 理 を 行 っ 分 を 除 去 し,間 接 赤 血 球 凝 集 法(IHA 法)あ るい は ラテ ツク ス凝 集 法(LA法)を 用 いて 対 象:昭 和55年1月 ま で に長 崎大学 医学部附属病 院熱研内科外 来を受診 もし く は 入 院 したTp抗 体 と,昭 和54年9月 別刷 請 求先:(〒852)長 崎 市坂 本 町12番4号 長 崎 大学 熱 帯 医 学研 究 所 内 科 土橋 か ら昭 和57年7月 体 陽 性 患 者 よ り得 た 血 清195検 か ら昭 和57年7月 までに長崎 市 医 師 会 よ り検 査 を 依 頼 され た 妊 婦 血 清3,176検 賢治 体 ・合 計3,371検 体 を対 象 に 以 下 の研 究 を 行 っ た. 724 感染症学雑誌 血 清 検 体 は ス ク リ ュ ー バ イ ヤ ル に 入 れ-20℃ に凍 実 験 方 法: A血 ProteinAは 清処 理法 5.Tp抗 市 販 さ れ て い る ア ブ ソ ー ブG(化 用 い た.S.aureus 2.0mlを30分 209株 の10%菌 間 ・3,000回 沈 渣 に,PBSに て10倍 え 良 く撹 拝 す る.さ に 希 釈 し た 血 清1mlを ら に1晩 回 転 ・30分 間 遠 心 し,沈 存IgG,IgM抗 加 振 湯 し,そ の 後3 ,000 られ た 上 清 を 再 度3,000 渣 の 混 入 を極 力 防 止 し た 清 を 検 体 と し て 用 い た.必 体 量 をLaser 要 に応 じて 残 nepherometor法 に て 測 定 しチ ェ ック した . 2.全IgG, IgM抗 Hyland社 のLaser IgM抗 nepherometor法 体 量 を 測 定 し た.血 で に10倍 3.庶 mlを び40%の た.PBSに り40%の よ り2倍 ProteisA処 と し た. model rpm,16時 間,4℃ の 全IgG,IgM抗 rotorを 体 量 はLaser nepherometor法 に よ り測 定 した . ウ ス にToxoplasma 目 に 腹 腔 よ りTp原 を 加 え 一 視 野 に 充 分 量(400× 在 す る こ と を 確 認 の 上,37℃ 4℃ で1晩 ール に検 体 ー ル 以 下 は2段 階 希 釈 操 作 を な く と も2時 間 は 室 温 に静 置 し て判 ー ル よ り40倍 か らの2 段 階 希 釈 系 列 とな る. 2)ラ テ ック ス凝 集 反 応(LA法) 坪 田 ら(1977)4)に よ って 開 発 さ れ た トキ ソテ ス り血 清 希 釈 倍 数 を抗 体 価 と して い る.そ の た め, ProteinA処 理 検 体 は以 下 の 方 法 に よ り,抗 体 価 を測 定 した.マ イ ク ロプ ロ レ ー ト第2ホ ホ ー ル に検 体25μ1を 加 え る.第2ホ 段 階 希 釈 を 行 い,そ ール 以 下 び 第2 ール 以 下 は2 の後 全 ホ ール にTp抗 原感 作 ラ テ ック ス乳 液 を25μlず つ 滴 下 し て 良 く混 和 し た 後,一 夜 静 置 し判 定 し た.第1ホ 以 下2段 階 の 希 釈 系 列 と な る. ー ル は10倍, 小 林 の変 法(1969)5)に 従 った.た だ しProteinA gondiiRH株 を接 虫 を 採 取 し た .こ て 洗 浄 と 遠 心 操 作(2.000回 繰 り返 し,得 び第2ホ 3)Dyetest 体 に よ る吸 収 試 験 原 虫 をPBSに 分 間)を3回 ,000 に て 遠 心 し分 画 し た .各 分 画 中 法,IgMELISA法 種 し4日 希 釈 液25μlを 分 注 し,第1及 の全 ホ ール に緩 衝 液25μlを 分 注 し,第1及 重 層 し, 用 い て35 体 価 はIHA法,LA法,IgGELISA ddYマ 々2.2 濃 度勾 配液 を作製 し に 希 釈 し た 血 清0 .2mlを,又 SW-50-1 ール か ら,す べ て に血 清 研 化 学 製 ・田 辺 製 薬)を 用 い た .抗 体 価32倍 以 上 を 陽 性 とす る が,本 法 はIHAと 異な 方 法 に 従 い,PBS に よ り,Tp抗 4.Tp虫 と同 一 抗 体 価 とな る よ うに 調 整 した . マ イ ク ロ プ レ ー ト第2ホ トーMT(栄 理 血 清 は そ の ま ま0.2mlを Beckman のIHA法 定 す る.最 終 的 に は 第1ホ 庶 糖 濃 度 液 を 作 り,各 用 い て10%よ 作 中 の血 清 希 釈 液 量 を 少 な く して 最 終 的 に は 従 来 和 した後,少 に 希 釈 さ れ て い る た め, Vesikari&Vaheri(1968)7)の おProteinA 処 理 検 体 はす で に10倍 に希 釈 され て い るた め,操 清 は一 般 糖 密度勾配遠 心法 に て10%及 抗 体 価160倍 以 上 を 陽 性 と し た.な に て検体 に 希 釈 す る が,Pro- 生 理 食 塩 水 に よ る 希 釈 は10倍 本 凍 結 乾 燥 研 究 社 製 ・協 和 用 いた.当 教 室 の これ 迄 の 成 績 よ り 行 う.次 に 各 ホ ー ル に感 作 血 球75μlを 加 え十 分 混 理 お よび庶糖 密 度勾 配 遠 心法 に よって 得 た 検 体 は,す トキ ソHA-KW(日 薬 品 工 業)を 25μlを 加 え,第2ホ 体量 の測定 法 に 従 い,生 理 食 塩 水 で100倍 teinA処 体価測定 法 1)間 接 赤 血 球 疑 集 反 応(IHA法)3) 浮遊液 転 の遠 心操 作 にて得 た 回 転 ・30分 間 遠 心 す る.得 中 の 全IgG, 体価測定 時 した. 1.Protein 上 で,上 た 後,吸 収 処 理 検 体 と して用 い た.抗 に は 吸収 処 理 前 検 体 とpairに て 検 索 を 行 い 比 較 結 保 存 し逐 次 研 究 に 用 い た. 血 研)を 第58巻 第8号 の 転 ・5 られ た 沈 渣 に 血 清 検 体 に て15虫 体 以 上)存 に て2時 間,さ らに 反 応 さ せ た ・3,000回 転 ・30分 間 遠 心 後, 上 清 液 を ミク ロ フ ィル タ ーを 通 して 虫 体 を 除 去 し 処 理 検 体 は操 作 の 過 程 で,す で に10倍 希 釈 され て い るた め,検 体0.1mlに 生 理 食 塩 水0 .06mlを 加 え16倍 希 釈 液 と し,そ れ か ら さ ら に4倍 希 釈 系 列 を 作 製 して 抗 体 価 を測 定 した. 4)酵 素 抗 体 法(ELISA法) (1)TpIgG TpIgGELISA値 ELISA法6) 測 定 に は トキ ソエ ラ イ ザ:テ ス ト・キ ッ ト(M.A.Bioproducts製 ・旭 メデ ィカ 昭和59年8月20日 725 Fig. 1 Distribution of Specimens in each IHA titer and Protein ル)を 使 用 し,そ の 記 載 され て い る方 法 に よ っ た. る こ とはLaser (2)TpIgMELISA法 TpIgG ELISA値 後 の検 体 中 にIgGが 測 定 用 の トキ ソエ ラ イザ ・テ ス ト ・キ ッ トをTpIgMELISA値 測 定 用 に転 用 A treated Serum 残 存 せ ずIgM成 nepherometor法 分 の みで あ に て確 認 し て あ る.し か し,さ ら に特 異 性 を 確 認 す る 目的 で,上 記12検 体 のProtein A処 理 前 の原 血 清 を庶 糖 密 した.原 理 は 操 作 の過 程 に お い て 抗 ヒ トIgGア ル 度 勾 配 法 で13分 画 に 分 け,各 分 画 中 のTp抗 カ リフ ォス フ ァ タ ー ゼ標 識 抗 体 の代 わ りに,抗 ヒ をIHA法 トIgMア ル カ リ フ ォス フ ァ タ ー ゼ 標 識 抗 体 を 用 い た もの で あ る.抗 原 側 は す で に キ ュベ ッ トと し に て,IgG,IgM量 pherometor法 でIgM分 をLaserne- に て 測 定 した と こ ろ,12検 画 中 にTp抗 て市 販 され て い るの で,検 体 お よ び抗 ヒ トIgMア (Fig.2).従 応 に よ る もの と も考 え られ た.そ って この12検 体 は,す べ て 非 特 異 的 反 こで 非 特 異 的反 下 に 示 す ご と く,予 備 実 験 に て決 定 し,さ ら に本 法 の 感 度 ・特 異 性 に関 して も詳 細 に 検 討 を 行 った.(本 法 につ い て は 改 め て成 績 の項 に 詳 細 に 成 I.IHA法 Fig. 2 titer Distribution after Sucrose of IgG, IgM volume Gradient and IHA centrifugation. (Case: S.M. polylymphadenitis) 記 載 す る.) 績 に よ るTpIgM抗 昭 和54年9月 体 の検 出 か ら昭 和57年7月 3,371検 体 に つ い て,IHA法 の 間 に得 た 血 清 に てTp抗 定 した(Fig.1).IHA法160倍 体価 を測 以 上 の 抗 体 価 を示 す 検 体 は431検 体 で,12.7%のTp抗 あ っ た.次 に 主 に高 いIHA抗 体 に つ い て,Protein IgM抗 体全 例 体 は 検 出 さ れ な か った ル カ リフォス ファターゼ標 識 抗 体 の適 正 投 与 量 を,以 体価 体 陽 性率 で 体 価 を 示 した189検 A処 理 後IHA法 に てTp 体 の存 在 を調 べ た.そ の 結 果80倍 以 上 の 抗 体 価 を示 す 検 体 は9症 例 ・12検体 で,TpIgM抗 体 の 存 在 が 強 く示 唆 され た:な おProtein A処 理 感染症学雑誌 726 応 か 否 か を 確 認 す るた め に,今 日最 も感 度 と特 異 性 が 優 れ て い る と さ れ るDyetestで,先 の Protein A処 理 した12検 体 の 中 にTpIgM抗 体が 存 在 す るか 否 か を 再 検 す る こ と と した.結 べ て が 陰 性 で あ った .こ れ は 先 のIHA法 Tp IgM抗 で は1例 もTp IgM抗 に よ るTpIgM抗 た.本 血 清 はIHA法 LA法 IgM抗 は血 清 中 の 多 量 のIgMに よ って 非 特 異 的 凝 集 反 応 を き た し,偽 陽 性 を 呈 す る た めTp IgM抗 を用 い て は な らな い と 体 の検 出 にLA法 して い る.そ 的 で,先 こで,こ れ ら の点 を 明 ら か に す る 目 に述 べ たProtein 対 象 にLA法(ト A処 理 した189検 体 を キ ソテ ス トーMT,栄 検 査 を行 った.そ 研)に て 再 の結 果10症 例16検 体 にTpIgM 抗 体 の存 在 を 示 す 成 績 が 得 られ た.な お,こ 合 もLaser nepherometor法 否 定 し て い る:先 にIHA法 に てlgGの でTpIgM抗 在 が 疑 わ れ た9症 例 ・12検 体 の 中 でLA法 でTpIgM抗 つ い て も,Dye LA法 こ で更 に で は160倍 か ら40倍 以 下 に 低 下 し, の場 体 が 存在 して い る こ とを 強 く示 す もの で あ った. 以 上 の 結 果 よ りTpIgMの 検 出 法 と し てIHA 法 よ りLA法 が 幾 分 優 れ て い る もの と言 え よ う. し か しLA法 の 場 合,多 量 のIgM9)及 びHBe抗 原10)に よ っ て 偽 陽 性 を 示 す こ と も報 告 さ れ て お り,さ らに確 実 で 感 度 の 高 い 検 査 法 の 開 発 の必 要 の血 清学的 診断法 と して 最 も優 れ て い る と さ れ るDyetestが, 残存 は Protein A処 理 検 体 中 のTpIgM抗 体 の存 して は,IHA法 におい 能 性 が 示 さ れ,そ の 原 因解 明 は今 後 の 問 題 と言 え of Tp-IgM ELISA やLA法 体 の測定 に関 よ り感 度 が 劣 って い る可 よ う. 体 の存 在 が 疑 わ れ た16検 体 に Relationship 体 で も640倍 か ら10倍 以 下 に低 下 して い た.こ れ は 吸 収 前 検 体 中 に確 か にTpIgM抗 III.ELISA法 testと 庶 糖 密 度 勾 配 遠 心 法 を 行 Fig. 3 A処 理 後 の抗 そ の 特 異 性 を 検 討 す る た め に,本 血 清 につ い て ト 性 が 痛 感 さ れ た.又 現 在Tp症 て も陽 性 を示 した も の は5症 例 ・8検 体 で あ った 。 LA法 で もProtein と陽 性 で あ り,TpIgM抗 の 存 在 を強 く示 唆 す る血 清 で あ っ た.そ 体 価 はIHA法 体 の検 出 に は が優 れ て い る と報 告 し,一 方 沼 崎 ら(1982)9) はLA法 体 の存 在 を 認 め キ ソ虫 体 に よ る吸 収 試 験 を 行 っ た.吸 収 前 後 の 抗 体 の検 出 近 年 伊 勢 ら(1981)8)はTp 画 中 にTpIgM抗 体 価 は160倍,320倍 体 を検 全例 陰性で あ った が,庶 糖 密 度 勾 配 遠 心 法 で は1症 例 ・2検 体 でIgM分 に よる 出 で きな か った との 結 論 に達 した. II.LA法 の特 異 性 を 調 べ た.Dyetestは 果はす 体 の検 出 はす べ て 非 特 異 的 な反 応 で あ り,実 際 はIHA法 い,そ 第58巻 第8号 に よ るTpIgM抗 IHA法,LA法 value between に よ ってTpIgM抗 Positive and Negative Serum. Protein A treatment Serum volume 体 の検 出 体の存在 が 727 昭 和59年8月20日 強 く示 唆 さ れ た1症 例 の2血 度 お よ び 特 異 性 がIHA・LA法 い と さ れ るIgMELISA法 を測 定 した.Fig4は 清 検 体 を 用 い て,感 明 らか にIgM分 に比 して 極 め て 高 体 に よ る 吸 収 試 験 を 行 った.す 体 お よ び 抗 ヒ トIgMア IgMELISA値 ル カ リフ ォ ス フ ァ 陽 性 コ ン ト ロ ー ル と し てIHA法 IgM抗 ト ロ ー ル と し て は,Dye ELISA とLA法 体 揚 性 で あ っ た 血 清 を 用 い,陰 testの test,IHA 収 前0:581,0.781,0.530, 性 コン test, も の が,吸 収 後 は0.025, IgG 20μl,50μlの3段 階,抗 結 果,検 希 釈 の5段 体 量 は20μl,抗 ヒ トIgMア フ ァ タ ー ゼ 標 識 抗 体 の 希 釈 は500倍 体 に 由来 す るTpIgM ELISA法 の開発 にお いて は標準 血 清検体 の設 定 が 必 要 で あ る.つ ま り実 験 条 件 の 差 に よ って 同 の 検 体 で あ って も,必 ず 毎 回ELISA値 ル カ リフ ォス 差 が 生 ず る:従 が,陰 性 と陽 性 標 準 直 線 を 求 めELISA値 抗 体 量 が 少 な く て す む こ と よ り,最 同 時 に 補 正 操 作 を 加 え る必 要 が あ る.そ も適 切 で あ る ProteinA処 法 の 特 異 性 に 関 す る検 討 本 法 に よ っ て 検 出 さ れ たTpIgM抗 性 を 調 べ る 目的 で,高 心 法 を 行 い,得 を抗体価 に換算す る と こで 本 法 の 開 発 に用 い た リ ンパ 節 炎 患 者 よ り得 た 血 清 の と 判 断 し た. 4症 例 のProtein に多少 の 一 って標 準 検 体 を設 定 し,実 験 毎 に コ ン トロー ル の 差 が 明 確 で 用 い る検 体 お よ び標 識 2.本 0.045と 3.標 準 血 清検 体 の設 定 ル カ リフ ォス 階 と し て 測 定 し た.そ 0.034, 抗 体 で あ る こ とが実 証 され た. フ ァ タ ー ゼ 標 識 抗 体 量 は100×,200×,500×, 700×,1000× 0.735と 高 値 を示 した 0.059, 画 に 分 布 す る抗 体 は,Tp虫 理 血 清 検 体 を10μl, ヒ トIgMア 示 す ご と く,吸 著 明 に低 下 して お り,本 法 に て測 定 され たIgM分 理 血 清 を 混 合 し て 用 い た.Fig. 3に 示 す よ う にProteinA処 なわ ち本 法 に て が 高 値 を示 した4症 例 のProtein を比 較 した.そ の結 果Table1に に て い ず れ で も 抗 体 陰 性 で あ っ た10症 例 のProteinA処 体 が存 A処 理 検体 に 吸収 試 験 を 行 い,前 後 のELISA値 タ ー ゼ 標 識 抗 体 の 適 正 投 与 量 の 決 定(Fig.3) Tp 画 に の み 高 いTpIgM抗 在 して い る.さ らに特 異 性 を確 認 す るた め,Tp虫 の 確 立 を 目的 に 以 下 の 検 討 を 行 っ た. 1.検 そ の1例 の 結 果 を示 した が, A処 いIgM 体 の特 異 ELISA値 ル と して は,本 検 体 をTp虫 を示 した 示 す ご と く両 検 体 をPBSに ら れ た 分 画 中 のTpIgMELSA値 Serum Toxo-IgM after ELISA Sucrose value Gradient of Protein A treated Centrifugation. (Case:M.M. IgM fraction 体 に て 吸収 操 作 を 加 え抗 体 を 完 全 に 除 去 した もの を 用 いた.Fig.5に 理 検 体 に庶 糖 密 度 勾 配 遠 Fig. 4 理 検 体 を 標 準 検 体 に 設 定 し,抗 体 価 と回 帰 直 線 を求 め る こ と と した.陰 性 コ ン トロー IgG fraction Lymphadenitis) て 各 倍 数 に 希 釈 し, 感染症学雑誌 第58巻 第8号 728 Table 1 Transition of toxo-IgM test by toxoplasma Fig. 5 Relationship control IgMELISA値 の2倍 Protein を測 定 した.陰 ELISA of Tp-IgM A treated ELISA 性 コ ン ト ロー ル値 〇.034,y=0.6210gx十 2相 性 の 回 帰 直 線 が 得 られ,そ and after absorption value between Positive and Negative Serum. 値 を 陽 性 限 界 値 とす る とEndpointは26 倍,y=0.2010gx十 value before gondii. ア ル カ リフ ォス フ ァ タ ー ゼ標 識 抗 体 の 中 に,微 量 の 抗 ヒ トIgGア 〇.270の の 相 関 係 数 は0.99 ル カ リ フ ォ ス フ ァタ ー ゼ 標 識 抗 体 が混 入 し て い るた め と考 え られ る. 以 上 の 成 績 は 本IgMELISA法 がIHA,LA法 と極 め て 良 い 相 関 を示 した.今 後 毎 回 測 定 時 に 本 に比 較 して,極 め て 特 異 的 に,し か も高 感 度 でTp 標 準 検 体 に て 回 帰 直 線 を 求 め,ELISA値 IgM抗 を抗 体 価 に換 算 す る と同 時 に=補正 操 作 を 行 う こ と と した. 4.IgMELISA法 に よ る 原 血 清 のTpIgM抗 理 血 清 が望 ま しい ことを 示 して い る. 体価 測定 5.新 Fig.6はFig.4で 体 を 検 出す る こ と,又 検 体 と して はIgGを 含 ま な いProteinA処 示 し た 同 一 症 例 のProtein し く確 立 したTpIgMELISA法 の概i要 今 回 我 々 が新 し く確 立 したTpIgMELISA法 A処 理 前 の 原 血 清 を,庶 糖 密 度 勾 配 遠 心 法 に て分 の概 要 をTable2に 画 し,各 分 画 中 のTp抗 トキ ソエ ライ ザ ・テ ス ト 。キ ッ トの キ ュ ベ ッ トを ELISA法 に て,又IgG,IgM抗 pherometor法 体 価 をLA法,IgM 体 量 をLaserne- を 用 い て 測 定 した 成 績 を 示 した も の で あ る.図 の ご と くIgMEuSA値 で 著 明 な高 値 を 示 す と共 に,IgG分 上 昇 を 示 す2峰 使 用 した.大 はIgM分 画 画 で も軽 度 の 性 が 得 られ た.こ れ は 抗 ヒ トIgM 示 した.抗 原 プ レ ー トと して 筋 は 本 キ ッ ト操 作 法 を 従 う.す な わ ち 血 清 希 釈 液250μ1をTp抗 原 と コ ン トロ ー ル 抗 原 が 交 互 に 吸 差 され て あ る ウ ェル に 分 注 し,こ れ にProteinA処 理 も し くは庶糖 密 度 勾配 遠 心 法 に て 得 た検 体20μ1ず つ を,Tp抗 原 ウ ェル と コ ソ 729 昭 和59年8月20日 Fig. 6 Distribution Sucrose Gradient of IgG, IgM volume, LA titer and Tp-IgM (Case:M.M. Table 2. Detection ELISA value after Centrifugation. of specific IgM antibody Lymphadenitis) to Toxoplasma (1) Antigen coating cuvette that prepared by M.A.BIOPRODUCTS by the method of ELISA was used. (2) 250,21 of diluted bovine serum, which was prepared by the above company, was poured into each cuvett. (3) Following (2), each sample* was poured into the above cuvetts. (4) Each cuvett was incubated for I hour at 37C, after mixing. (5) Each cuvett was washed with PBS, pH 7.4, 3 times, after rincing with PBS. (6) 250,21 of alkaline phosphate conjugated anti-human (7) Each cuvett was incubated f or 1 hour at 37C. IgM (I:500) was poured into each cuvett, after washing. (8) The same procedure as well as the above was repeated for rincing and washing. (9) 250,11 of p-nitrophenyl phosphate solution (lmg/ml of diethanolamine buffer, pH 9.8) was poured into each well. (10) Each cuvett was incubated for 45 minutes at 20C. (11) 250,u1of 1.0N NaOH was added into each well. (12) Optical dencity was determined by spectrophotometer *:Assample were patiens serum,protein A treated se・um each fractiono fsample after sucrosegradient centrifugation used. ト ロ ー ル 抗 原 ウ ェ ル と に 加 え る.又TpIgM抗 陽 性 の1×,2×,5×,10×,20× の5段 体 階希 釈 標 準 血 清 検 体 も 個 々 に ウ ェル に 添 加 し,37℃ 艀 卵 器 の 中 で1時 間 静 置 す る.つ 液(PBSTween)で トIgMア and at 405nm. の い で リン酸 緩 衝 ウ ェ ル を 洗 浄 し た の ち,抗 ヒ ル カ .リ フ ォ ス フ ァ タ ー ゼ 標 識 抗 体 (SIGMA)をPBSに て500倍 に 希 釈 し た 上,250μ1 ず つ 各 ウ ェ ル に 分 注 す る.37℃ そ の 後 再 びPBSTweenで IN.NaOH液250μ1を 間 静 置 し, 洗 浄 し,酵 素 基 質 液(P 一ニ ト ロ フ ェ ニ ル リ ン 酸)250μ1ず 分 注 す る,20℃ に1時 つ を 各 ウ ェル に に45分 間 静 置 し た の ち 各 ウ ェ ル に 加 え て 反 応 を 停 止 させ,波 長405nmに お け る 吸 光 度 を 分 光 光 度 計 で 演1定す る.被 検 検 体 のTpIgMELISA値 はTp抗 原ウェ ル と コ ン トロー ル 抗 原 ウ ェル との 吸 光 度 差 に よ り 求 め る.そ のELISA値 は 標 準 検 体 よ り得 られ た 回 帰 直 線 に よ って 抗 体 価 に 換 算 す る と同 時 に,実 験 条 件 の 差 に よ って 異 な るELISA値 の補正 操作 を 行 う. 本 法 に お け る血 清 希 釈 液,リ ン酸 緩 衝 液,酵 素 基 質 液 は,す べ て 本 製 品 に備 っ て お り,洗 浄 等 の 具 体 的 操 作 も,TpIgGELISA値 測定 時の本 キ ッ ト操 作 法 と同 一 で あ る.新 た に購 入 す る も の と し て は,抗 ヒ トIgMア ル カ リフ ォス フ ァ タ ー ゼ標 識 感染症学雑誌 第58巻 第8号 730 抗 体 の み で あ る.本 法 で 測 定 した 場 合,か 率 でTpIgM抗 な りの 体 陽 性 検 体 が 発 見 され るた め,各 我 々の 市 販 のLA法 を 用 い て 得 た 成 績 で は,10症 例 ・16検 体 にTpIgM抗 体 の存 在 を 疑 うの み で あ 施 設 で容 易 に標 準 検 体 は 入 手 す る こ とが で き る. り,更 に 庶 糖 密 度 勾 配 遠 心 法 でIgM分 標 準 検 体 の 各 希 釈 段 階 のELISA値 IgM抗 フ にFig.5に は,対 数 グ ラ 示 す ご と く2相 性 の 回 帰 直 線 を 示 し,こ れ を 用 い て 各 検 体 のEHSA値 を抗体価 に 体 を 認 め た も の は1症 例 ・2検 体 にす ぎな か った.し か も,こ の 検 体 はTp虫 験 を 経 てTp特 換 算 す る こ とが で き る.標 準 直 線 は各 実 験 ご とに 求 め るた め,こ 困 難 な もの で あ った.又,LA法 多 少 異 な るELISA値 の補 正 が な さ れ 実 験 誤 差 を 小 さ くす る こ とが 可 能 とな る. 考 察 亀 井(1978)11)は 既 にStaphylococcus Aを 用 い たTpIgM抗 Protein 体検 出法 に関 して発表 し て い る.Sta,aureus209P株,10%浮 遊 液0.5rnl の遠 心 沈 渣 に,10倍 希 釈 血 清0.2mlを 加 え30分 間 吸収 す れ ば,IgG成 分 は ほ ぼ完 全 に 除 去 さ れ る と 述 べ て い る.又,IgM抗 がTpIgM抗 体 も40%前 後 吸 収 され る 体 価 へ の影 響 は少 な い と し て い る. 我 々は こ のProteinAの 市 販製 品 で あ る ア ブ ソ ー ブG(化 血 研)を 用 い,10%菌 浮 遊 液2.Omlの 遠 心 沈 渣 に10倍 に希 釈 した 血 清1mlを るが,こ に て 残 存IgGを 症 例 ・12検 体 にTpIgM抗 に て 検 討 し,9 で は1例 体 の 存 在 を疑 った.し もTpIgM抗 は で き な か った.飯 の膜 抗 原 を用 い たLA法,細 IHA法 体 を検 出す る こ と 田 ら(1981)12)は 最 近Tp原 を 独 自に 開 発 し て い る.そ してTpIgM抗 内 成 分 に 反 応 す る た め,膜 LA法 虫 胞 質 内成 分 を 用 いた 体 は 膜 抗 原 に反 応 し,一 方TpIgG抗 で の みTpIgM抗 体 は細胞質 抗 原 と親 和 性 の あ る 体 の 検 出 は可 能 で あ った と報 告 し て い る.有 滝 ら(1981)13)は,こ を用 い たLA法 と市 販 抗 原 を 用 いたLA法 体 の検 出は極 めて の 問題 点 と して, 原 陽 性 血 清 中 のHBs 抗 原 に よ って 偽 陽 性 を 呈 す る と述 べ,さ らに 沼 崎 (1982)9)は 多 量 のIgM抗 の非特異 体 に よ るLA法 的 反 応 を 指 摘 して,本 法 の判 定 に疑 問 を投 げ か け て い る。 我 々はProteinA処 理 血 清 検 体 中 のTpIgM 抗 体 検 出 に,こ れ 迄 最 も感 度 及 び特 異 性 が 高 い と さ れ るDyetestを 用 い て み た が,TpIgM抗 体を 検 出 す る こ とは で き な か った. 以 上 の よ うに 市 販 のIHA法 testをTpIgM抗 やLA法 及 びDye 体 検 出 に用 い た場 合,感 度 及 び そ こで 我 々はELISA法 に 着 目 し,現 在 市 販 さ れ 品 をTpIgMELISA法 に 転 用 す る こ と と した.こ の 方 法 はCamargoら (1978)14)が報 告 して い るTp抗 か し,最 終 的 に は確 信 す る に は い た らず,従 来 の IHA法 伊 勢 ら(1981)10)はHBe抗 て い るTpIgGELISA製 認 め て い な い.以 上 の 操 作 に て 得 た 検 体 をIHA法 に よ るTp抗 特 異 性 が 低 く,客 観 性 に も欠 け る き らい が あ る. 加 えてい の方 法 で もLasernephelometor法,Tp IgGELISA法 体 に よ る 吸収 試 異 抗体 として の確 信 を得 た もの で,市 販 のLA法 の 操 作 に よ って 実 験 条 件 に よ っ て 画 にTp の膜抗原 の両者 素 標 識 抗 ヒ トIgM一 原 一被検血 清一酵 基 質 液 の 順 序 で 行 うサ ン ド ウ ィ ッチ 法 に 準 ず る も の で あ る.し か し サ ン ド ウ ィ ッチ 法 は 検 体 に 原 血 清 を 用 い た 場 合,偽 陰 性 ・偽 陽 性 反 応 を 呈 す る こ とが 知 られ て い る.す な わ ち 偽 陰 性 反 応 は 血 中 のTpIgM抗 体 とTp IgG抗 体 が 抗 原 と結 合 す る 時 に 競 合 し あ い,Tp IgM抗 体 が 検 出 さ れ な くな る た め に 生 じ る と さ れ る.更 にTpIgG抗 体 は感染後時 間が経過す る に つ れ て 量 を増 し,抗 原 に 対 す る親 和 性 が 高 ま る が,一 方TpIgM抗 体 の 量 は 次 第 に減 少 し親 和 性 も増 強 し な い た め,TpIgM抗 体 のTp抗 原への の 間 に は 良好 な 相 関 性 が あ る と報 告 して い る.又, 結 合 が 妨 げ られ15)16),益 々偽 陰 性 反 応 を 増 す 結 果 伊 勢 ら(1981)8)は 膜 抗 原 を 用 い たLA法 とな る.次 に 偽 陽 性 反 応 はRA因 にて妊婦 子 やIgM自 お よび 新 生 児 の 血 清13,933検 体 を 検 討 し,妊 婦 の 体 に よ っ て生 じ る と言 わ れ 王6),又Fig.6で 1.8%にTpIgM抗 れ た よ うに,抗 約56人 に1人 Tp原 体 を 検 出 し,東 京 都 の 妊 婦 は の割合で姓娠 中あ るいはその直前 に 虫 感 染 が 見 られ る と発 表 して い る.し か し ヒ トIgM血 清 がIgG分 己抗 も示 さ 画 に も弱 く反 応 す るた め,検 体 と して 原 血 清 を 用 い た 場 合 に は 多 量 のTpIgG抗 体 の存 在 す る検 体 で 偽 陽 性 731 昭 和59年8月20日 と な る可 能 性 が あ る.以 上 の 諸 因 子 に よ る 偽 陰 IHA法 性 ・偽 陽 性 反 応 を 除 く 目的 で,我 の 成 績 に 示 す ご と くTpIgM抗 か じ めProteinA処 々は 血 清 を あ ら 理 に てIgG抗 後 にIgMELISA法 体 を 除去 した 程 でTpIgM抗 は 感 度,特 異 性,客 観 性 に お い 理操作過 てIHA法,LA法 に比 して秀 れ て お り,急 性Tp 理 操 作 で検 体 量 が10倍 に増 え るた め,TpIgMELISA法 の製 品 化 へ の 一 番 の 障 害 と な っ て い るTpIgM抗 体 陽 性 の 標 準 血 清 検 体 の 不 足 が,解 消 され る とい う 長 所 もあ る.又,抗 原 等 がIgGELISA製 品 と して 市 販 され て お り,特 殊 な技 術 も要 しな い た め に, 我 々 の 方 法 は臨 床 応 用 に極 め て 適 し て い る と言 え よ う.こ の 方 法 はLA法 やIHA法 に比 して高感 症 の 診 断 に 有 用 で あ る と考 え る.現 在 我 々は 本 IgMELISA法 謝辞:稿 を終わ るにあた り,御 指導,御 校閲をいただ い いた鈴木 寛 助教授 と教室員 の皆様 に深 く感 謝いた しま す.本 研究は昭和57年度厚生省心身障害研究 ・妊婦管理研 究班国庫補助金 によって行 った. 文 献 1) 松 本 慶 蔵, 鈴木 に関 し 3) 昭 和55年 鈴木 寛, 産 婦 人 科 の 世 界, 鈴木 寛, 土 橋 賢 治, 生 児 か ら得 た106血 光 抗 体 法(IgMIFA)よ IFAに 34 (7): 26 (4): 5) 成 分 の精 製 が 困 難 で あ る とい う欠 点 が あ る.Francoら(1981)18)は,抗IgM一 血 清 一 酵 素 標 識Tp一 か もBackglandが 高 い な どの 1977. 寛, 土 橋 賢 治, 臨床検 1969. 宮 崎 昭 行, 中 島 ひ と み, 松 ト キ ソ プ ラ ズ マ 酵 素 抗 体 法(TOXO 関 す る検 討. 熱 帯 医 学, 1983. 7) Vesikali, T. & Vaheri, A.: Rubella-a method for rapid diagnosis of recent infection by demonstration of the IgM antibodies. Brit. Med. J., 1: 221-223, 1968. 8) 伊 勢 や よ い, 有 滝 千 恵 子, 嶋 田 孝 吉: 飯田 9) され て よ り,我 が 国 で は 充 分 な実 態 調 査 が な され 沼 崎 義 夫: 孝, 佐 藤 功 栄, 妊 婦 の トキ ソ プ ラ ズ マ 感 染 と 児 へ の 影 響. 寄 生 虫 誌, 30 (6): 563-570, 現 行 トキ ソ テ ス トの 問 題 点. 1981. 昭 和57年 厚 生 省 心 身 障 害 妊 婦 管 理 感 染 症 分 科 会TORCH 症 候 群 検 査 法(講 体価 測定 が 10) に関す る イク ロタイ 寄 生 虫 誌, 299-304, 鈴 木 貴 和, に よ る先 天 性 障 害 児 出産 を 指 摘 施 行 され て い る.し か し我 が 国 のTp症 (第1報)マ 13 (4): 本 慶 蔵: 改 善 を 要 す る もの と言 え よ う. ぬ ま ま,現 在 年 間70万 件 以 上 のTp抗 トキ ソ プ ラ ズ マ ラ テ ッ ク ス 査, 鈴木 松 25 (2): トキ ソ プ ラ ズ マ 症 の 臨 床 検 査. 抗 原 一 基 質 液 の 順 に反 応 を 欠 点 も あ り,抗 原 の精 製 及 び酵 素 標 識 法 に今 後 の 光: 276-285, 25 (2) : 91-97, 体 価 と明確 な 熱 帯 医 学, 小 林 昭 夫: ELISATESTKIT)に 性反 応 は見 られ な い が,IgMIFA抗 欧 米 に てTp症 小澤 被検 行 う酵 素 抗 原 法 を 発 表 した.本 法 も偽 陽 性 ・偽 陰 相 関 を 認 めず,し 6) 1982. 中 島 ひ とみ, タ ー 用 試 薬 の 調 製 条 件 と 安 定 性. 秀 れ た 方 法 で あ る と述 べ て い る.し か し本 法 は操 作 が 煩 雑 で,各 705-709, 1983. 凝 集 反 応 に 関 す る 研 究. り も高 く,し か も,IgM 見 られ る偽 陽 性,偽 陰 性 反 応 の 見 られ な い 中島 トキ ソ プ ラ ズ マ 症 の 血 清 学 的 診 断 法 及 び 4) 坪 田 宣 之, 清 検 体 を 用 い て 研 究 を行 い,反 応 の感 度 がIgM螢 山 本 真 志, 宮 崎 昭 行, 長 崎 市 に お け る 疫 学 的 検 討. らにNaotら(1981)17)は96新 度 研 究 報 告 書, 土 橋 賢 治, マ 症. 83-89, トキ 妊 婦 お よ び 新 生 児 に お け る トキ ソ プ ラ ズ 本 慶 蔵: 反 応 を 行 うダ ブル サ ン ドウ ィ ヅチ法 を 開 発 し,さ 宮 崎 昭 行: 厚 生省 心 身 障害 研 1980. 松 本 慶 蔵, ひ と み: ら に い く つ か の 報 告 が 見 う け ら れ る. 抗IgM一 被 検 血 清 体 一基質 液 の順 に 土 橋 賢 治, 究 ・妊 婦 管 理 研 究 班, 2) Naot&Remington(1980)16)は 一Tp抗 原 一 酵 素 標 識 抗Tp抗 寛, ソ プ ラ ズ マ 感 染 に 関 す る研 究. 152-154, 海 外 に お い て は近 年TpIgMELISA法 らに検 討 を す す め て た松本慶蔵教授,な らびに実験 の面で種々御援助をいただ 体 陽 性 血 法 は,現 在 か な りの 率 で 検 出 され て い る. て,さ を用 い て,さ い る. 度 か つ 特 異 的 で あ る こ とか ら,そ の後 の 検 索 に よ りTpIgM抗 体 の検 出 に関 し て は 不 備 の 点 が 多 い.今 回 我 々 が報 告 した 新 し い TpIgMELISA法 体 が 減 少 す る と い う欠 点 も 想 定 さ れ る11).し か し一 方 でProteinA処 が 検 索 法 の 主 流 を 占 め るが,我 々 のた め を 行 うこ と と した.そ 操 作 法 が や や 繁 雑 と な り,ProteinA処 やLA法 伊 勢 や よ い, 田孝 吉: 飯 田 習 用 テ キ ス ト). 4+44, 孝, 佐 藤 功 栄, 1982. 鈴 木 貴 和, 嶋 ラ テ ッ ク ス 凝 集 反 応 に よ る 抗 トキ ソ プ ラ 統 一 した 見 解 が 確 立 され て い な い た め に,臨 床 に ズ マ 抗 体 検 出 に お け る非 特 異 反 応 に 関 す る研 究. お け る混 乱 に は 甚 だ し い も の が あ る.本 邦 で は 寄 生 虫 誌, 30 (6): 579-585, 1981. 感染症学雑誌 732 11) 12) 亀 井 喜 世 子: ProteinAを 用 い ル ス検 査 を 中 心 に 一. 体 検 出 法 に つ い て. 寄 点. 生 虫 誌, 1978. 258-262, 飯田 27 (5): 孝, 田 孝 吉: 13) Staphylococcus て の トキ ソ プ ラ ズ マIgM抗 453―461, 伊 勢 や よ い, 佐 藤 功 栄, と そ の 解 析. 寄 生 虫 誌, 有 滝 千 恵 子, 伊 勢 や よ い, 鈴 木 貴 和, 鈴 木 貴 和, 嶋 トキ ソ プ ラ ズ マ 感 染 に お け る 抗 体 の 変 動 嶋 田 孝 吉: 原 成 分 に つ い て. 30 (6) : 57+578, 飯田 孝, 1981. 佐 藤 功 栄, トキ ソ プ ラ ズ マ 虫 体 膜 の 抗 寄 生 虫 誌, 30 (6): 557-562, 1981. 14) Camargo, M.E., Ferreira, A.W., Mineo, J.R., Takiguti, C.K. & Nakahara, O.S.: Immunoglobulin G and immunoglobulin M enzyme-linked immunosorbent asays and defined toxoplasmosis serological 21: 55-58, 1978. 15) 井上 patterns. Infect. Immu., 栄: 感 染 症 に お け る血 清 診 断 の評 価 一 ウ ィ (3)IgM抗 1. 第58巻 第8号 検 査 法 お よび その 問題 体 検 出 法. 臨 床 病 理, 30 (3): 1982. 16) Naot, Y. & Remington, J.S.: An enzyme-liked immunosorbent assay for detection of IgM antibodies to Toxoplasma gondii: Use for diagnosis of acute acquired toxoplasmosis. J. Inf. Dis., 142: 757-766, 1980. 17) Naot, Y., Desmonts, G. & Remington, J.S.: IgM enzyme-linked immunosorbent assay test for the diagnosis of ccongenital toxoplasma infection. J. Pediatrics, 98 (1): 32-36, 1981. 18) Franco, E.L., Walls, K.W. & Sulzer, A.J.: Reverse enzyne immunoassay for detection of specific anti-toxoplasma immunoglobulin M antibodies. J. Clin. Microbiol., 13 (5): 859-864, 1981. The Study of Detective Method for Toxoplasma IgM Antibody; The Development of IgM Enzyme-Linked Immunosorbent Assay Kenji TSUCHIHASHI Department of Internal Medicine, Institute for Tropical Medicine, Nagasaki University Toxoplasma IgM antibody (Tp-IgM) was measred using Indirect Hemagglutination test (IHA) , Latex Hemagglutination Test (LA) and Enzyme-linked Immunosorbent Assay (ELISA) for the purpose of the serological diagnosis of acute toxoplasmosis. 3371 sera obtained in Nagasaki city from September 1979 to July 1982 were examined. In IHA and LA method, the strict examination using Surcose gradient centrifugation, Dye test and Absorption test by Toxoplasma gondii revelaed that only two specimens of one patient contained Tp-IgM exactly. Therefore it seemed that IHA and LA method were not enough to detect Tp-IgM. So we developed new method, that is IgM TOXO-ELISA system , utilizing IgG TOXO ELISA Test kit (M.A. Bioproducts). Protein A treatment serum was used as a specimen and Anti human IgM Al-phos. conjugate was substituted for Anti human IgG al-phos . conjugate. This method was shown to be extremely more sensitive and specific than IHA and LA method. So it will come into wide use of future.
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