うつ病を「死に至る病」にしないため、 患者さんを十分に

精神科医としての人生を深掘り!
過去・現在・未来
ら。
「来てくれた人をできるだけ診る」
診できない患者さんが増えてしまうか
はずで、予約制の精神科ばかりでは受
という患者さんのほうが治療が必要な
ぜなら「予約を取ることすらできない」
当院では新患も含めて予約制にせず
に来院した順番に診察しています。な
と治ることもあるので、私はそれを励
す。しかし、治療を続けるうちにパッ
なかにはなかなか治りにくい人もいま
病の症状は人によって違いますから、
し、治療しなければ治りません。うつ
でしょうか。きちんと治療すれば治る
肺炎」というほうが正しいのではない
と死に至ることもありますから、
「心の
なんて言葉もあるけれど、放っておく
人くらいの患者さんを一人で診てい
医療法人清陵会 第一心療クリニック 門田一法 院長
という方針で診療しているため、1日
を占めています。神経症や認知症の患
る統合失調症の患者さんが全体の3割
当クリニックは南ヶ丘病院のサテラ
イトなので本院を退院して通院してい
応しているんです。
症まで、さまざまな人の心の悩みに対
春期から老年期まで、また軽症から重
ます。来る者拒まずという姿勢で、思
るように、私はいつも笑顔で診療する
るだけ楽観的な気持ちを持ってもらえ
組む「同志」である患者さんにもでき
いことが大切です。ともに治療に取り
ことはたくさんあるけれど、いつかな
的に考えないことがポイント。困った
もよくおっしゃっていましたが、悲観
みに診療しています。恩師の牛島先生
クリニックへ到着。9:00 からの
診療開始に備えて準備をする。
12:30
午前中の診療を終え、取り寄せ弁
当の昼食を食べ、
しばし休息。
14:00
午後の診療開始。17:30 の診療終
了後、19:00 頃まで書類作成。
19:30
自宅へ戻り、ゆったりと夕食を味
わう。ひとときのくつろぎタイム。
24:00
食後に野球中継やバラエティ番組
などのテレビ鑑賞を楽しみ、就寝。
んとかなると信じて治療をあきらめな
者さんも診ていますが、やはり今、一
ようにしているんですよ。
8:30
り、医師になることを勧められて医学
(笑)
。父が放射線技師だったこともあ
部に進学しました。精神科を選んだの
は、長崎大学病院精神科の医局長だっ
た先輩から誘われたから。
「きみは人間
が好きだろう? ちゃんと人間を診ら
れるのは精神科ぞ」と言われ、たしか
にその通りだと思ったのです。医局で
は精神分析に興味を持ち、研究グルー
プに属していました。
1981年からは福岡大学病院精神
科で精神分析の研さんに励みました。
スーパーバイザーは牛島定信先生と西
園昌久先生で、訓練分析家は前田重治
先生。おかげで、患者さんの自由な連
想を妨げずに話を聞く精神分析的精
神療法の姿勢を身につけることができ
ました。やがて国際精神分析協会の準
会員の資格を取得。SST(生活技能
経験し、薬物療法から精神科デイケア、
老年精神医学まで幅広く学びました。
福岡大学病院で 年間勤めた後、地元・
先生の過去を、
ちょっとのぞき見!
思い出写真館
1
2
子どもの頃は設計士になりたかった
のですが、高所恐怖症だったため断念
大好きな「人間」を診られる
精神科こそ自分の進む道
過去
未来
⒈ 長女の寿美子さん、長男の善法さんと 1985 年に撮影。3 年後の
1988 年には次男・知法さんも誕生。 ⒉ 福岡大学病院の病棟医長だっ
た頃、海外の高名な精神分析専門医を招いて。 ⒊ 精神科の野球チー
ムでも活躍。ポジションはセカンドだった。
すから、両方をうまく採り入れること
物だけでは治らない患者さんもいま
治療することができます。ただし、薬
うけれど、薬物療法では確実に手早く
だと患者数も対象者も限られてしま
法を併用していますが。精神療法だけ
ん、実際の治療では精神療法と薬物療
の 考 え 方 を 活 用 し て い ま す。 も ち ろ
サポートとして精神分析的精神療法
行っていません。しかし、患者理解の
かいないこのクリニックでも、現在は
難しいことでしょう。医師が私一人し
ならないため、取り組むのはなかなか
4〜5回、 分の時間を使わなければ
の目標です。とはいえ、精神分析は週
をもっと広めていくことが今後の私
まっていません。精神分析的精神療法
世紀初頭に始まった精神分析
は、残念ながら日本ではまだあまり広
いができればいいなと思っています。
患者さんと社会を結びつけるお手伝
由から。今、
クリニックの院長として、
医学会を立ち上げたのもそうした理
福岡大学病院の頃、日本総合病院精神
と人とのつながりを重視しています。
です。もともと私は人間が好きで、人
サポートしていきたいと考えたから
うまく結べない方たちをできる限り
把握する必要があり、社会との接点を
するということは、その社会的背景も
採用するつもりです。患者さんを理解
そうした治療方針は開院当時から
変わっていませんが、今後はPSWを
と思っています。
状に合わせて治療することが重要だ
患者さんを十分に理解して、個性や症
しても薬物療法にしても、それぞれの
が大切なのです。そして、精神療法に
患者さん理解の手助けになる
精神分析的精神療法の普及を
のです。
ンし、私が院長を務めることになった
トとして第一心療クリニックがオープ
院の副院長として勤務。そのサテライ
小倉に戻り、医療法人清陵会南ヶ丘病
13
3
訓練)も学びましたし、WHOのプロ
ジェクトに参加して国際疾病分類第
10
版(
- )の主要研究者リストに
載ったことも。最先端の精神科臨床も
10
50
うつ病を「死に至る病」にしないため、
患者さんを十分に理解したいのです
番多いのはうつ病。
「うつは心の風邪」
起床。入浴と朝食を済ませ、自家
用車でクリニッ
クに出勤。
3
4
6:00
I
C
D
フロイト談「人生にお
いて大切なこと」を、
心に留めて診療して
います。
80
ある日の
20
門田一法 院長からの
長崎大学医学部卒業後、同大学病院を経
て福岡大学病院で講師、病棟医長、医局
長に就任。医療法人清陵会南ヶ丘病院副
院長を経て 1998 年より現職。医学博士。
日本精神神経学会認定専門医・指導医。
いつでも、誰でも受け入れ、
あきらめずに治療を続けたい
現在