技術レポート No.T1502 2015.06.12 【技術資料】 UPLC-荷電化粒子検出器及び TOF/MS による 市販洗浄液中の界面活性剤分析 概要 荷電化粒子検出器(CAD:Charged Aerosol Detector)は、UV 不活性な非イオン性界面活性剤(PO、EO 系 共重合体など)を高感度に検出出来るため、材料中の微量定量に有効です。更に、弊社では飛行時間型質 量分析計(TOF/MS)を用いることで、界面活性剤の詳細な分子構造を解析することが可能です。 分析内容 市販のコンタクトレンズ用洗浄液に含まれる非イオン性界面活性剤を UPLC-CAD で定量し、TOF/MS で構 造解析した例をご紹介します。 <定量分析> 荷電化粒子検出器により、UV 吸収の無い非イオン性界面活性剤を高感度分析した結果、保持時間 約 4 分の位置にブロードなピークが観測され、検量線法により 300ppm と定量されました。(Fig.1) 200 3.96 150 mV 界面活性剤の定量 100 定量結果:300ppm 50 0 0 2 4 6 8 10 12 14 保持時間 分 Fig.1 市販洗浄液の UPLC-CAD クロマトグラム <構造解析> 非イオン性界面活性剤を同定するため、UPLC-TOF/MS で解析しました。その結果、末端構造の異な るポリプロピレン重合体(成分①、②)が、それぞれ幅広い分子量分布(重合度 N=4~13)を持っている ことが分かりました。(Fig.2) Intens. x104 Intens. x105 成分① HO-[C3H6O]N-H N=6 N=5 1.0 0.5 N=4 (m/z=273) 成分② CH2=CH-CH2-O- [C3H6O]N-H 1.5 1.5 + (Na 付加) N=7 N=8 N=9 N=10 N=11 N=12 (m/z=737) 0.0 (Na+付加) N=7 N=6 N=8 1.0 N=5 0.5 N=4 (m/z=313) N=9 N=10 N=11 N=12 N=13 (m/z=835) 0.0 3.0 3.5 4.0 4.5 5.0 5.5 Time [min] 3.0 3.5 4.0 4.5 5.0 5.5 Time [min] Fig.2 UPLC-TOF/MS による構造解析(抽出イオンクロマトグラム) 材料キーワード: その他有機製品、医薬品・化粧品・農薬 適用分野 有機微量分析 株式会社 東ソー分析センター 南陽事業部 営業窓口 TEL 0834-63-9819 FAX 0834-63-9940 1/1
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