色素増感型光二次電池の開発 太陽電池は最もクリーンなエネルギー源を利用する方法として普及してい 研究の背景と目的 昆野 昭則 るが、電気エネルギーを蓄える働きはなく「電池」としての機能を持っていな い。本プロジェクトでは、光エネルギーの変換機能とエネルギー貯蔵機能の 両方を兼ね備え、光によって充電し化学エネルギーとして蓄え、電気エネルギ ーとして取り出せる光二次電池を開発する。 グリーン科学技術研究所 教授 これまで有機薄膜を二層あるいは三層組み合わせた構造を持つデバイス ■ キーワード が、光二次電池機能を示すことを見いだしている。高い光電変換効率が報告 されている色素増感型太陽電池と組み合わせることにより、更なる効率化を ・ 色素増感太陽電池 ・ 光電変換 ・ 半導体材料 ・ 色素 目指し、光二次電池の実用化への見通しをつけることを目的として研究を行 研究の概要 ・ 光電気化学 っている。本研究により開発される光二次電池が実現すれば、新たなベンチ ャービジネスを生み出すことができると共に、環境・エネルギー問題にも貢献 できる。 ◎研究段階・・・( 着想 ・ 基礎 ・ 応用 ・ 開発 ) ・ ■ 技術相談に応じられる関連分野 特筆すべき研究ポイント: 色素増感太陽電池と二次電池を一体化させて組合わせる ・ 色素増感太陽電池 ・ 色素の評価 ・ 新規研究要素: (世界初あるいは日本初など) 固体部分としてp型半導体であるヨウ化銅を使用 セールスポイント ・ 従来技術との差別化要素・優位性: 太陽電池と二次電池を別々に用意するのに比べて軽量化が容易 光二次電池の構造と充放電反応の仕組み 放電過程 光充電過程 e- FTOガラス基板 e- 電解液 ヨウ化銅 CuI2光 白金放電極 を含むカーボン 層 CuI2CuI2CuI2CuI2- Charge 銅 II- Discharge I- I- I I- 白金ガラス 対極 TiO2薄膜+色素 イメージ図 陽極 (TiO2 電極) CuI2- →CuI+1/2I2+e陰極 (白金ガラス対極) CuI2-+e- →Cu+2I- 陽極(白金ガラス対極) Cu+2I- →CuI2-+e陰極 (白金放電極) CuI+1/2I2+e- →CuI2- 本研究の目的 問題点 ・従来の保持材料(活性炭)を用いた系では、 光電流密度が低下してしまう。 改善策 ・活性炭以外の保持材料(グラファイト、カーボンナノ チューブ(CNT))の使用を検討 ・光電流密度の向上による光二次電池の高性能化 応用、企業化 ・対象分野: 今後の展望 エネルギーデバイス ・企業化または商品化のイメージ: 携帯用太陽電池
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