こちら - 東京大学工学系研究科 精密工学専攻

東京大学工学部
精密工学科
Department of Precision Engineering, Faculty of Engineering,The University of Tokyo
第 88 回 五月祭パンフレット
東京大学工学部 精密工学科 第 88 回五月祭
Introduction
東京大学 工学部 精密工学科 学科長
東京大学大学院 工学系研究科 精密工学専攻 教授
鈴木 宏正
精密へ、ようこそ。
本日は精密工学科にお越しいただき、ありがとうございます。
今年の企画は、五月祭のおすすめ企画と学術企画に選ばれました!
これらの企画は、学部の学生が自分たちで昨年から準備を進めてきたも
のです。準備作業を通して、学生は教室では学ぶことのできない様々なこ
とを学びます。協同作業、プロジェクト管理、折衝、財務処理など。そし
て、最も重要なことは、皆様のような学外の様々な人達と広く触れ合うこ
とにあります。本日は、ご遠慮なく学生にお声がけいただき、また、企画
をお楽しみください。
五月祭では研究室の公開も行っております。こちらでは最先端の研究を
ご覧いただけますが、その研究活動の中心は、将来を担う大学院の若い学
生研究者達です。内容的には難しくなりますが、分かり易く説明すること
も研究者の大事な仕事です。どしどしと質問をお願いいたします。
五月祭を機会に精密工学について皆様にもっと良く知っていただければ
幸いです。
東京大学 工学部 精密工学科 4 年
第 88 回五月祭 出展責任者
中島 義耀
工学部の展示は、硬いと思われがちですが、精密工学科の 3,4 年生は、
観ている人が「楽しい!」
「面白い!」と思えるような展示にしようと努
めてきました。子ども達にとっては、不思議でもありアクロバティックで
もある球の動きはとても楽しいものであると思いますし、少し物理を勉強
した人にとっても、知っている物理現象や電子機器がエンターテインメン
ト性を持った様子は、とても興味深いものであるはずです!
研究室展示も含めればなかなかのコンテンツを 14 号館で楽しむことが
できると思いますので是非存分に楽しんでいってください。
あらゆる精密工学品は利用者からすればその中身はブラックボックスで
ありながら生活を見事に手助けしてくれる、さながら魔法のようなもので
す。4 年生は学祭出展に際して理解不能なメカニズムを前面に押し出すこ
とはあまりしない様にしようと心がけました。とりあえず触って動いてみ
て下さい。そこから起こる予想外の体験を楽しんでいただけたならばこれ
以上の喜びはありません。
p.2
Index
五月祭展示紹介
1. 館内案内
...p.4,5
2. 学生主催展示
...p.6,7
―精密スイッチ、4 年生展示 3. 研究室主催展示
...p.8,9
4. 精密 OpenLab
...p.10,11
5. 精密工学科研究室紹介
...p.12,13,14
6. スタッフ
...p.15
開催場所・時間
本郷キャンパス 工学部 14 号館
5/16( 土 ) 9:00 ~ 18:00
5/17( 日 ) 9:00 ~ 18:00
入場はいずれも 17:30 までとさせていただきます。
精密 OpenLab の実施時間は研究室ごとに異なります。
お問い合わせ
東京大学工学部 精密工学科 /
大学院工学系研究科 精密工学専攻 事務室
〒 113-8656 東京都文京区本郷 7-3-1 工学部 14 号館 1 階
Tel. 03-5841-6445
Fax. 03-5841-8556
Mail: [email protected]
五月祭特設イベントページもご覧ください!
https://www.facebook.com/ut.seimitsu
p.3
東京大学工学部 精密工学科 第 88 回五月祭
館内案内
各階への移動はエレベーターをご利用ください。
14 号館 1 階
精密工学科
事務室
142 講義室
㻱㼂
4 年生 研究室
㻱㼂 展示 主催展示
→ p6
→ p8
受付
3階
㻱㼂
㻱㼂
321 テンセグ
リティー教室
地下 1 階
→ p11
325
プロジェクト室
精密スイッチ
→ p6
㻱㼂
008 須賀・
日暮研究室
→ p11
6階
㻱㼂
005
高増研究室
→ p11
㻱㼂
㻱㼂
630
山本研究室
→ p11
p.4
7階
㻱㼂
㻱㼂
722
佐久間・小林
研究室
→ p11
8階
830
㻱㼂
国枝・
三村
研究室
㻱㼂
→ p10
9階
㻱㼂
㻱㼂
921
鈴木・
大竹
研究室
10 階
→ p11
1022
淺間・
山下
研究室
→ p10
1034
梅田
研究室
→ p10
11 階
㻱㼂
㻱㼂
1134
神保・
小谷
研究室
→ p10
p.5
東京大学工学部 精密工学科 第 88 回五月祭
学生主催展示紹介
学生の創る、
新しい「精密」。
東京大学工学部 精密工学科 4 年
4 年生作品展示 責任者
中島 義耀
―今回の五月祭学生展示、アピール
ポイントはどこですか?
を製作しました。映像分野▼昨年度の精密スイッチの様子
で は ゲ ー ム 機 XBOX に 付
属の Kinect というジェス
中島:もっとも大事にしていることは、“ 見て、触って、 チャー認識デバイスを用
分かって楽しい ” 展示にすることです。
工学部で取り扱う内容というものはとても難解で、ただ
いた、全身を使ったオリ
ジナルゲームを遊ぶこと
作って展示するだけではすごいで終わってしまいます。 ができます。運動分野では倉庫番と呼ばれる古典的パズ
それでは五月 “ 祭 ” には相応しくありませんからね。
ルをロボットが自動で解き、荷物を動かすロボットを直
をさらに発展させます。精密スイッチとは、NHK で人
野では Touché と呼ばれるデバイスで身近なものをマル
す。電気を使わない仕組みの面白さも残しつつ、センサー
最新技術を五感で体験することができます。
福島:僕達3年生は、昨年大盛況だった「精密スイッチ」 感的に見て楽しむことができるでしょう。そして音声分
気のピタゴラスイッチを工学部的に作るというもので
チタッチインターフェースとし、音声演出をすることで
やモーターを用いて精密に機
構を制御します。その動きに
―精密工学科ならではの見どころは?
目が釘づけになること間違い
なしです!
福島:精密工学科の研究内容やカリキュラムは他のロ
中島:4年生は、
「映像・運動・
ボット関連学科に近いですが、特徴として生体との関わ
りや光を重視しています。精密スイッチでは、人間の声
音声」の 3 分野にわたり作品
に反応するモジュールや光センサーなどを活用してお
p.6
東京大学工学部 精密工学科 3 年
精密スイッチ 責任者
福島 稜
り、これらはまさに精密工学らしいと思います。
てで制作が思うように進まず苦労しました。
いようなところにこそ広がっています。スマホのタッチ
して見る人を楽しませるか、悩みました。でもすぐに泥
中島:精密工学の世界は日常生活で意識されることのな
画面、電車の転落防止ドア、受話器の形などですね。
福島:そういえば日本の公衆電話の受話器の形を決めた
のは精密工学科の先生らしいですね。
中島:よく知っていたね!実はそうなんです。今回の展
中島:創作行為一般に言えることと思いますが、いかに
沼にはまってしまって、結局は自分が本当に面白いと思
うものしか作れないような気もしています。
福島:僕達はそもそも失敗ばかりで大量のボツが生まれ
ましたが(笑)こうしたら面白いんじゃないかと試行錯
示でも、精密工学らしい変わったものを出しているので、 誤する時間は今思えば楽しかったですね。
これはどうやって作られたのだろう?どうして動くのだ
―ご来場の皆様にメッセージを。
も少し変わって見えるようになるかもしれません。
中島:皆様、この度はご来場誠にありがとうございます。
―苦労した場所や、試行錯誤などの
開発秘話をお願いします。
室展示では、きっと友達や家族に話したくなるような工
ろう?と好奇心をもって見ていただければ、毎日の風景
精密工学科の出展は学生展示だけではありません。研究
学の最先端を教員や研究室員が丁寧に教えてくれるで
福島:僕達は工学部に進学したばかりの3年生ですから、 しょう。テンセグリティーと呼ばれる奇妙な立体をお土
ほとんどの人が本格的に電子機器を作成するのが初めて 産に作るコーナーもあります。14 号館全体を十全に使
という状態でした。まずは、先輩に秋葉原で部品を買う い、精密の学部生、院生、教授陣の総力を挙げた「精密
お店を教えてもらうところから始まり、何もかもが初め Lab」をどうぞよろしくお願いいたします!!
p.7
東京大学工学部 精密工学科 第 88 回五月祭
研究室主催展示
精密工学科の研究室が主催で展示を行います。
五月祭ならではの展示や、五月祭でなければ見られないような展示
まで、様々かつ貴重な展示が盛りだくさんです。
場所:14 号館 1 階 142 講義室
○ 原発用ロボット ( 淺間・山下研究室 )
災害対策のロボットのプロジェクトで企業と共同開発した、遠隔操作型の水
陸両用移動ロボットです。左右の変形するクローラ機構 ( キャタピラ ) を駆使
することで、平地に加えて段差や階段を移動することが出来ます。また、スラ
スタ ( スクリュー ) を 6 個搭載しており、水中を泳ぐことも可能です。
○ 放電現象を用いた精密加工(国枝研究室)
放電加工は工作物の硬さによらず複雑な形状を高精度に加工できます。その
ような加工が要求される場面として、大量生産に用いられる金型の製作があり
ます。私たちのブースでは、金型と射出成形品、ワイヤ放電加工機によって精
密に加工されたサンプルを展示しています。
○ 内視鏡手術に挑戦!(佐久間・小林研究室)
患者さんの負担の軽い新しい手術-内視鏡手術-が注目されています。本展
示では、内視鏡手術モデルを用意し皆さんに体験をしてもらいます。手術の難
易度を体感していただき、これを支援するロボット技術を紹介します。
○ 常温接合ハンモック(須賀・日暮研究室)
ハンモックチェアを常温接合の力で吊り支えます。実際に座って、常温接合
の力を体感してください!常温接合とはイオンビーム等を使って表面を活性化
し、面同士を接着、加圧することで共有結合を発生させる、革新的な接合技術
です。接着剤を必要とせず、強固な接着力を得ることが出来ます。
p.8
○ ジャイロ発電機(保坂研究室)
振動をエネルギ源とする発電機です。回転体を傾斜させると、回転数に比例
した反力が発生します。これをジャイロ効果と呼びます。高速回転により小さ
な振動から大きな力を作り出し、小さな発電機で大きな電力を得ます。物流や
携帯機器へ応用します。
○ ツルツルした表面を見てみよう!(三村研究室)
私たち三村研は原子レベルでツルツルな表面を作る研究をしています。今回
は0.1ナノメートルの違いを見分けることができる顕微干渉計という装置を
用いて身の回りの物の表面を測定するデモンストレーションを行います。携帯
の画面や、メガネなど、身近にあるツルツルした表面が精密に測定するとどの
ように見えるのか、顕微干渉計を使って観察します。
○ 超音波浮上デモ(森田研究室) 強力な超音波振動子を用いることによって、数 kg もの重い重力物を浮上さ
せることができます。超音波浮上によって摩擦力が劇的に小さくなるため、回
転体が長時間回転し続ける様子を見ることができます。また、超音波振動子の
先端は、ヌルヌルとした不思議な感覚を味わうこともできます。これは、実際
には振動子に触れてはおらず、表面の空気を触っているだけだからなのです 。
p.9
東京大学工学部 精密工学科 第 88 回五月祭
精密 OpenLab
精密工学科の研究室主催の、研究室の機材を活用した展示です!
五月祭ならではの展示や、五月祭でなければ見られないような展示
まで様々かつ貴重な展示が盛りだくさんです。
学生によるテンセグリティ教室にも是非いらしてください!
○ 淺間・山下研究室 ―ヒトを精密に知る― モーションキャプチャと呼ばれる装置を用い、ヒトの体にマーカをはりつけ
て撮影することで、ヒトの動きをリアルタイムに計測し解析する研究を行って
います。同時に、筋電計と呼ばれる装置を用いて全身の筋肉の動きを計測しま
す。高齢者と若年者の違いを調べることで加齢による変化を解析し、リハビリ
に応用することを目指しています。
場所:14 号館 10F1022 室
○ 梅田研究室
家電品の設計やリサイクルの研究をしています。アジアの国の掃除機や冷蔵
庫を展示し、日本のものとの違いを見て頂きます。また、日本の液晶テレビの
解体モデルを展示し、少しだけ分解を体験して頂きます。
場所:14 号館 10F1034 室
○ 国枝・三村研究室 ―加工の未来を拓く特殊加工 硬さによらず複雑形状を高精度に加工できる方法に放電加工や電解加工があ
ります。本研究室では、世界一微細な加工を実現したマイクロ放電加工やマイ
クロ電解加工の展示を行っています。また、電解液ジェット加工という特殊な
電解加工や透明体電極を用いて 放電加工や電解加工の現象を初めて観察した
動画などを紹介しています。場所:14 号館 8F830 室
○ 神保・小谷研究室 ―細胞を見る・測る・制御する
本研究室では、ネズミの脳から取り出した細胞や iPS 細胞を培養して、電気活
動を調べたり微細加工技術によって細胞の動きを制御したりしています。
今回は、細胞の活動や運動を撮影した動画を紹介します。
また、実際に顕微鏡をのぞいて細胞の様子を見ていただきます。
( 右図:ヒト iPS 細胞から作った神経系細胞 )
場所:14 号館 11F1134 室
p.10
○ 佐久間・小林研究室 ―最新の手術支援技術紹介
手術支援ロボット、安全性の高いメス、不整脈治療技術など、医療を支える
様々な工学技術を紹介します。
場所:14 号館 7F722 室
○ 須賀・日暮研究室
常温接合技術で実現された世界最小の MEMS 絶対圧センサーのデモを行い
ます(高さ 50 cm に相当する気圧差 6 Pa を検出できます)
。
また、常温接合実験が行われている装置とクリーンルームを実際に見学して
いただきます(入室人数は制限させていただきます)
。
場所:14 号館 B1F 008 室
○ 鈴木・大竹研究室 ―3 次元形状モデリング技術
本研究室では「3D コピー」を題材にして、複雑なかたちをコンピュータ上
で自在に扱うための技術を紹介します。3D スキャンによる形状取得と 3D プ
リンタによる造形、そしてその間をつなぐ形状モデリング技術をデモします。
場所:14 号館 9F921 室
○ 高増研究室 ―三次元座標測定機による自動測定
三次元座標測定機は、自動車産業などで広く使われている三次元的な形状や
寸法を測定するための測定機です。高増研究室では、三次元形状を高精度で測
定するための研究を行っています。高速で高精度で測定できる三次元座標測定
機の自動測定デモを行います。
場所:14 号館 B1F005 室
○ 山本研究室―インタラクティブ・メカトロニクス
静電気で動くリニアモータや、仮想物体などに触れた際の手触りをバーチャ
ルに伝える触力覚インタフェースデバイスなどの、メカトロニクス技術および
インタラクティブシステム技術に関する体験デモ展示を行います。
場所:14 号館 6F630 室
○ 学生によるテンセグリティー教室
テンセグリティーとは、糸やゴムの張力によってのみ支えられる、右の写真
のような構造体です。毎年精密工学科の授業で扱われています。
当日は、こちらのテンセグリティーを実際に作っていただけます。もちろん
出来上がったものはお土産に持ち帰ることもできます。皆様のお越しを精密工
学科の学生一同お待ちしております。
場所:14 号館3F321 室
p.11
東京大学工学部 精密工学科 第 88 回五月祭
精密工学科研究室紹介
世の「精密」の最先端を行く精密工学科。
それを代表する研究室の紹介です!
KeyWord は「知的機械」
「バイオメディカル」「生産科学」。
1 階のポスター展示もお見逃しなく!
○知的機械
淺間研究室(サービスロボティクス) 伊藤研究室(ネットワーク MEMS・大面積デバイス製造)
淺間研究室では、人が満足するサービスを
創造する方法論を明らかにし、状況に応じて
適切なサービスをオンライン・実時間で提供
できる人工物システムを構築することを目指
しています。
具体的には、福祉・介護やレスキューの場
で実用可能なシステムの開発を目指し、その
基盤として、
人の行動の計測、空間知能やサー
ビスロボット等の研究も行っています。
動物用の無線センサ
起立動作計測システム
人間共存型ロボット
太田研究室(移動ロボティクス)
エージェントの知的動作アルゴリズムの開発に
より、ロボットの技術をより身近な生活に生かす
ことを目指しています。また情報サービスの向上
に繋げる研究も行っています。
人間の行動を支援するロボットシステムの設計
論の構築を目指し、人間とロボットが共存する社
会の構築を行える研究を行っています。
田村研究室(廃止措置等基盤研究・人材育成プログラム)
ロボットをはじめとした新し
い人工物と人間との相互作用に
関する研究を行っています。
人間の認知・行動の理解およ
びモデル化に基づいた、ヒュー
マンインタフェースやロボット
の動作設計に関する研究を推進
しています。
保坂研究室(環境情報マイクロシステム学)
機械力学と情報技術を用いた
携帯情報機器を開発していま
す。具体的には、人体振動を用
いるジャイロ発電機、超低消費
電力移動体追跡端末、センサー
ネットワークを用いる生活支援
システムの研究と社会実験を進
めています。
N / M E M S ( N a no / M i c r o E le c t r o Mechanical Systems)の実装・集積化技
術をベースに、人を支援する機器、ならびに
生活環境、製造現場、社会インフラ等、あら
ゆる人をとりまく環境の時々刻々の稼働状態
を認識するセンシング技術の研究開発を行っ
ています。そして、これらのセンシング技術
の社会実装を図るため、フィールド実験を積 大面積デバイス集積化技術
極的に行っています。
佐々木研究室(環境情報マイクロシステム学)
佐々木研究室では、人体を信号の伝送路と
して利用する新たな無線通信方式である「人
体通信」や、機械振動を用いてユーザーに触
覚をフィードバックする「ハプティックデバ
イス」など、ヒューマンインターフェースに
関する研究を行っています。人体通信につい
ては、コンピュータを利用した電磁界シミュ
レーションや、写真のような試作機器の開発
も行っています。
人体通信用電極を備えた
ウェアラブルデバイスの試作機
鳥居研究室(アメニティ科学)
本研究室では、MEMS 技術やメカトロニクス
技術を基盤として、
(1)微小流体素子応用
(2)ナノバイオデバイス
(3)Lab on a chip デバイス
(4)植物環境工学
などの研究を行っています。
電子ペーパーや微小流体素子の研究、マイクロ
カプセルの作成などをテーマとしています。
森田研究室(環境情報マイクロシステム学)
○小型で大発生力を可能にするリニア
モータの研究
電磁モータに比べてシンプルな構造
を持ち、大きな発生力とすばやい動き
を可能にするリニアモータに関する研
究を行っています。次世代ロボットハ
ンド等への応用を目指します。
p.12
山下研究室(ロボット・センサ情報処理)
山本研究室(人間機械システム学)
人間の目の働きをコンピュータで
本研究室では、静電気力を活用したモータ・
タビジョン)やセンサ情報処理技術
とするメカトロニクス技術の研究を行ってい
実現する技術
(画像処理、コンピュー
ロボット技術や触力覚提示技術などをはじめ
を中心として、ロボット、マルチメ
ディア、ヒューマンインターフェー
ます。
特に近年では、これらの技術を大型テーブ
スなど基礎理論から実応用まで幅広
ルトップディスプレイと組み合わせること
く、社会に貢献できる技術開発を強
により、新しいコンピュータインタフェー
く意識して研究しています。
複数人で映像の触感を体験できる
スの実現をめざした研究開発を進めていま サーフェスハプティックシステム
す。
○バイオメディカル
小谷研究室(生体計測・生体信号処理)
本研究室ではヒトの脳・神経・血流などの
反応を観測し解析し、モデル化するという研
究を行っています。脳や神経などの働きをモ
デル化することで計測した生体信号からヒト
がどのような状態にあるのかを判断できま
す。生体反応の謎はまだ多くあるのでこれか
らも多くの新しい発見があるでしょう。最近
では脳の計測信号から利用者の意図を直接読
み解く技術 (BCI) や脳神経の働きの数理モデ
ル化などが研究されています。
佐久間研究室(医用精密工学)
低侵襲で安全な治療を実現する、精密標的
治療のための
○手術支援ロボットシステム
○病変部位可視化
○手術ナビゲーションシステムの開発
○生体応答の人工的制御による心臓不整脈治
療の研究
などを通じて、より良い生活環境・医療環境
の実現を目指します。
小林研究室(治療支援工学)
医用工学を扱う研究室です。手術後
の人々の生活の質(QOL)の向上を目指
し、低侵襲外科手術支援システムの研究
を行っています。
ロボットのようなハードウェアや画像
処理を行うソフトウェアなど、さまざま
な視点からアプローチを行っており、い
ろいろな経験を得ることができます。
医療に携わりたいという方、お待ちし
ております。
内視鏡ロボット
神保研究室 ( 神経工学 )
ネズミの脳から取り出した神経細胞をお皿の中で育
て、記憶・学習現象や生体リズム制御、神経変性疾患の
発生メカニズムを調べています。
※神経細胞とは?
脳は生物にとって、まわりの環境から情報を取り
入れ、
最適な行動を選択して実行する司令塔です。 その脳を構成する細胞が神経細胞、本体から長い
突起を伸ばした特殊な形をしています。
細田研究室(バイオミメティクス)
○生物から学ぶナノテクノロジー 生物のまだ知られていない機能を
発掘し、そのメカニズムを解明して
新しい技術開発に応用するバイオミ
メティック(生物模倣)の手法を用
いた研究を行っています。具体的に
は、ナノテクノロジーを駆使した新
しい接合技術などを開発していま
す。
昆虫の水中歩行能力の発見と
水中接着機構の開発
○生産科学
梅田研究室(サステナビリティ設計学)
工学と社会を結びつけるような、新しい設
計学のテーマを扱っています。各テーマでは
共通して「持続可能な社会の実現」を見据え
ており、それに向けたシャープな問題設定、
計算機によるその正当性のシミュレーション
を目指しています。技術だけでなく、市場の
様子、人間の意思決定プロセス、環境など、
あらゆる方面からアプローチするため、社会
的ミッションとの親和性も高い分野です。
大竹研究室(形状モデリング工学)
○ 3D スキャニングデータ処理
計算機上で 3 次元の形状モデルを
扱うためのアルゴリズムを研究して
います。精密なものづくりにおいて、
3D スキャナーを用いた実製品の解析
や検査などのための技術は広く普及
してきており、それらの技術の更な
る高度化に貢献したいと考えていま
メッシュ形状の凹凸度を 3D プリ
す。
ントするためのデータ
p.13
東京大学工学部 精密工学科 第 88 回五月祭
○生産科学
国枝研究室(特殊加工)
須賀研究室(実装工学)
国枝研究室では、放電加工や電解加工などの電気的加工法についての研究を行っていま
接着剤を使用せず、常温環境下で原子レベ
接触加工であるため加工の作用力や反力が小さいこと等です。また、大量生産に必要不可
を用いてさまざまな素子の開発や、その凝着
す。電気的加工法の利点は、材料の硬さやもろさに関係なく高精度に加工できること、非
欠な金型や、製品に高い付加価値を与えるマイクロ加工技術についても研究しています。
特に近年では、これらの技術を大型テーブルトップディ
スプレイと組み合わせることにより、新しいコンピュータ
ルの接合を実現する「常温接合」という技術
現象の解明に取り組んでいます。イオンビー
ムを当てるだけでモノ同士の表面がくっつく
インタフェースの実現をめざした研究開発を進めています
様子は一見の価値ありです。
はなくなりません。そのような基盤技術である加工技術に
展示物を出しておりますので、ぜひご覧くだ
。生産される製品が変わったとしても、加工技術の必要性
1階研究展示コーナーにおいて本研究室も
ついて我々は研究しています。
さい。
鈴木研究室(形状モデリング工学)
○現物融合技術によるものづくり
現代のものづくりは CAD などの情報処理
次世代の超精密ものづくりを実
現するための、新しい加工・計測
技術の確立を目指しています。特
に、我々生命体の根源をなす “ 光 ”
エネルギを媒体とした新しい超精
密ナノ加工・計測技術に関する研
究を推進しています。
技術の上に成り立っています。しかし、もの
を扱うためにはデジタルの世界の中だけで閉
じることができません。
X 線 CT などの 3 次元スキャニング技術を
利用して、デジタルと現物とを融合する新し
いものづくり情報化技術について研究を行っ
ています。
高増研究室(精密計測)
ナノメートルからキロメートルまで、マイ
クロマシンから人体までの幅広い対象の形状
や寸法を精密に測定、評価し、計測標準を確
立することを目指しています。
三次元座標計測における誤差評価、ナノ
メートル非球面形状測定機などの新しい測定
機の開発、ナノテクノロジーにおける標準の
確立を行っています。
右図:エバネッ
セント局在フォ
トン制御装置の
開発
左図:ナノ空間
光場解析シミュ
レーション
原研究室(サービス工学)
これからのものづくりでは、製品に
サービスを載せて提供することが求めら
れます。本研究室では、ものづくりの設
計に生かされてきた工学技術を用いて、
サービス工学の研究を行っています。製
造業製品を伴うサービスに加え、最近で
は観光産業におけるツアーサービスの企
画・開発の高度化にも取り組んでいます。
日暮研究室(光マイクロ実装)
○集積光マイクロデバイスをめざし、異種
材料を実装する 本研究室では、光素子や半導体ウェハの異
種材料接合技術など、未来の集積光マイクロ
デバイスを実現する集積技術に関する研究を
行っています。さらにこれら先端光実装技術
を駆使した超小型・薄型光マイクロセンサ(変
位センサ、回転角センサ)の創成に取り組ん
でいます。
高橋研究室(光製造科学)
~ “ 光 ” の可能性を追求する~
封止性能評価実験
三村研究室(超精密加工)
X線集光光学素子の作製を目指した研
究を行っています。これを用いたX線顕
微鏡により生体細胞のナノ分解能での観
察が可能となりますが、作製には原子レ
ベルの超精密加工が必要となります。
研究室全体が一つのチームとして、加
工から計測、さらには作製した素子の応
用まで一貫して取り組むことで、素子の
作製を目指します。
p.14
Staff
東京大学 工学部 精密工学科 五月祭メンバー
五月祭責任者:中島義耀・福島稜
学科 4 年:
山中和之・樋口寛・橘高達也・中島義耀・庭野恭彰・菅野俊介・
村松克俊・古山洸太・行澤大悟・松浦大樹・冨木勇嗣郎・山口豪太
学科 3 年:
福島稜・高橋諒・小林由弥・伊藤匠・田島雄貴・形部智歩・奥村有加里
web 係:中島義耀
パンフレット担当:田島雄貴・村松克俊
会計:菅野俊介・形部智歩
Special Thanks
東大精研会の皆様
本出展に際しまして多大なるご支援をいただきました。
ご来場の皆様
ありがとうございました!
p.15
工学部 14 号館で
展示中!
精密工学科ホームページ : http://www.pe.t.u-tokyo.ac.jp/ug/
精密五月祭特設ページ :https://www.facebook.com/ut.seimitsu/
精密工学科の展示「精密 Lab」を気に入っていただけた方は、
ぜひ正門・赤門前にて投票をお願いします!!
企画 ID:318