滝野川紅葉中学校新築構想・基本設計 - 北区役所

北区立滝野川紅葉中学校
新築基本構想・基本計画
平成 22 年3月
北区教育委員会
-1-
目
次
1.施設整備に関する状況
……………………………………………………
1
……………………………………………………
1
1-1
統合の経緯
1-2
統合2校の沿革
1-3
滝野川紅葉中学校の通学区域
1-4
生徒数の推計
1-5
計画地周辺の状況
2.計画敷地の条件
………………………………………………
………………………………
2
…………………………………………………
3
……………………………………………
……………………………………………………………
2-1
敷地の現況
2-2
敷地の法規制等の条件
2-3
現況配置図
3.施設構想
1
……………………………………………………
4
5
5
………………………………………
5
……………………………………………………
7
……………………………………………………………………
10
3-1
整備コンセプト…………………………………………………
10
3-2
整備方針のイメージ……………………………………………
10
3-3
整備方針…………………………………………………………
11
(1) 学習空間・生活空間・地域との連携を重視した学校………
11
(2) 個性を創出する学校……………………………………………
12
(3) 環境と共生する学校……………………………………………
13
4.施設計画
……………………………………………………………………
14
施設構成…………………………………………………………
14
(1) 普通教室ブロック ……………………………………………
14
(2) 特別教室ブロック ……………………………………………
15
(3) 特別支援ブロック ……………………………………………
15
(4) 体育施設ブロック ……………………………………………
16
(5) 管理諸室ブロック ……………………………………………
16
(6) 給食室ブロック ………………………………………………
16
(7) その他 …………………………………………………………
16
4-1
4-2
施設規模…………………………………………………………
-2-
17
1.施設整備に関する状況
1-1
統合の経緯
北区では、児童・生徒の良好な教育環境を確保するため、「東京都北区立学校適正規模等審
議会第二次答申」(平成14年11月)に基づき、教育環境の整備、学校の適正配置、新しい
学校づくりについて協議を行うため、平成15年度から16年度にかけて、町会・自治会関係
者、PTA関係者、学校長で構成される「北区教育環境整備協議会」を区内7ブロック8地区
で開催した。
このうち方針が確定しなかった5地区について、その後、平成17年10月、「北区学校適
正配置計画(案)」を策定し、各地区において説明会を行ったのち、学校関係者及び地域の代
表者による検討会を実施した。
その結果、第2回検討委員会(平成18年3月3日開催)において下記のとおり結論がまと
まった。
・ 滝野川西地区における中学校の数は2校とする。
・ 紅葉中と滝野川中は平成21年4月に統合し、統合新校は現在の紅葉中の位置に配置す
るとともに、飛鳥中は現在の位置に存置する。なお、紅葉中と滝野川中は各々の学区域
を変更せずに統合する。
・ 平成21年4月の統合後は現在の紅葉中の位置に新校舎を建築するまでの間、現在の滝
野川中の校舎を活用する。
その後、平成19年3月には全ての地区において結論を得て「北区学校適正配置計画」がま
とまった。
平成20年10月には、北区教育委員会で第七次(平成21年度)適正配置方針及び統合校
の校名案を「滝野川紅葉中学校」とすることを決定し、平成20年12月には北区議会にお
いて学校設置条例の一部改正が議決され、平成21年4月、統合校は「滝野川紅葉中学校」
として、旧滝野川中学校の位置に新たに設置された。
1-2
統合2校の沿革
<紅葉中学校>
昭和22年
32年
44年
平成 2年
5年
19年
開校
講堂新築
開校10周年
新校舎・体育館・プール竣工
校舎大規模改修
体育館改修完了
創立60周年
<滝野川中学校>
昭和35年
45年
58年
60年
62年
平成11年
平成12年
開校、校舎完成し移転
開校10周年
プール竣工
新体育館および特別教室竣工
校舎大規模改修工事完了
校舎耐震補強工事完了
開校40周年
-1-
1-3
滝野川紅葉中学校の通学区域
滝野川紅葉中学校の通学区域は以下の区域である。(平成21年4月1日現在)
滝野川
(図1-3)
一丁目、二丁目、三丁目、四丁目、五丁目、六丁目、七丁目
滝野川紅葉中学校通学区域図
現 滝野川紅葉中学校
(旧滝野川中学校)
滝野川紅葉中学校
建設予定地
(旧紅葉中学校)
-2-
1-4
生徒数の推計
建設する新校舎の規模、教室数等を計画するため、滝野川紅葉中学校の生徒数を推計する。
(図1-4)
平成
滝野川紅葉中学校
21年度
生徒数及び学級数推計
22年度
23年度
24年度
25年度
生徒数 学級数 生徒数 学級数 生徒数 学級数 生徒数 学級数 生徒数 学級数
中学1年
109
3
115
3
107
3
101
3
107
3
中学2年
90
3
106
3
118
3
108
3
102
3
中学3年
98
3
92
3
108
3
119
3
109
3
計
297
9
313
9
333
9
328
9
318
9
特別支
援学級
5
1
6
1
6
1
6
1
6
1
総計
302
10
319
10
339
10
334
10
324
10
※平成21年度の数値は5月1日現在の実数。
平成22年度以降は平成20年度東京都推計による。
滝野川紅葉中学校
生徒数・学級数推計
(人)
350
(通常学級分)
340
333
-3-
330
320
328
10
318
313
9
9
310
9
300
290
(学級)
11
297
9
9
9
8
-2-
280
7
270
21年度
22年度
23年度
24年度
生徒数
-3-
25年度
学級数
1-5
計画地周辺の状況
新校舎建設計画地はJR板橋駅より約0.7kmのところに位置している。滝野川西地区は、北区の南
部高台に位置し、飛鳥山公園や旧古河庭園をはじめとした歴史的・文化的資産が多く存在している。
まちづくりを進めるにあたり、これらの資源の維持・保全に努めるとともに、貴重な資源として有効
に活用することが重要である。東京外語大学跡地の活用に際しては、防災と共生のまちづくりの拠点
を目指し、
防災公園として災害時における避難場所や復旧活動の拠点としての整備が進められている。
あわせて、平成20年5月に福祉施設(特別養護老人ホーム)の開設とともに、都市再生機構による
住宅整備が進められている。
周辺には北区中央公園や十条陸上自衛隊十条駐屯地、公立学校があり、公園内には野球場、庭球場
などのスポーツ施設があり、また生涯学習施設となる中央公園文化センターや平成20年6月に開館
した中央図書館が配置されている。その他、都立王子特別支援学校・王子第二特別支援学校・北特別
支援学校、また、東京成徳大学、東京家政大学があり、中仙道に接していて都営三田線が通っている。
滝野川紅葉中学校
(建設予定地)
旧紅葉中学校
<凡例>
区役所 区民事務所
保健所
特別養護老人ホーム
高齢者在宅サービスセンター
地域振興室 ふれあい館 区
民センター
障害者福祉センター
児童遊園
公園緑地
小学校
中学校
小学校通学区域
備蓄倉庫 災害用給水所
区立保育園 児童館
学童クラブ
私立保育園 私立幼稚園
-4-
区立幼稚園
教育相談所
図書館
文化センター
地区体育館
その他の学校
都営住宅
機構・公社住宅
2.計画敷地の条件
2-1
敷地の現況
<隣地状況>
北側は道路、住宅地をはさんで、石神井川があり、東側は東京都水道局滝野川
寮と駐車場が接し、一部道路をはさんで住宅地となる。南側は道路をはさんで
滝野川第六小学校があり、西側は住宅地が接し、道路をはさんで旧都立池袋商
業高等学校跡地となる。
<接道状況>
北側は幅員約5m以上、東側は幅員約4m以上の道路である。
<土地形状>
南北に約130m、東西に約85mのほぼ整形の土地である。敷地は南より北に向
かい高低差がある。
<交通状況>
JR板橋駅より直線で約0.7kmの位置にあり、通学距離は最大約1.5 km程度
である。
2-2
敷地の法規制等の条件
(1) 敷地の状況
①
②
③
④
⑤
住居表示:東京都北区滝野川五丁目55番8号
敷地面積:11,325㎡
土地所有:北区
道路幅員:北側 5.14~5.58m、東側 6m、南側 建築基準法第42条2項道路 3.64m
都市設備:排水 公共下水道供用区域
電力 東京電力
ガス 東京ガス
(2) 用途地域・地区等
①
②
③
④
⑤
用途地域 : 第一種中高層住居専用地域
建ぺい率/容積率 : 60%/200%
防火地域 : 準防火地域
高度地区 : 第2種高度地区
日影規制 :(高さ10mを越える建築物を対象とする)
緯度経度
北緯 36° 東経 139°45′
測定面
高さ 4m
日影規制値 5mライン規制値 3時間以上、10mライン規制値 2時間以上
-5-
(3)北区の関係条例・規則・指導要綱等
東京都北区中高層建築物の建築に係る紛争の予防と調整に関する条例
東京都北区都市景観づくり条例
東京都北区文化財保護条例
東京都北区廃棄物の処理及び再利用に関する条例
東京都北区廃棄物の処理及び再利用に関する規則
集合住宅等の建設における資源保管場所の設置等に関する指導要綱
東京都北区みどりの条例
東京都北区みどりの条例施行規則
東京都北区プールに関する条例
北区居住環境整備指導要綱
東京都北区建築物の解体工事計画の事前周知に関する指導要綱
雨水流出抑制施設設置に関する指導要綱
北区の共同住宅等に関する福祉のまちづくり整備要綱・整備基準
東京都北区水道法施行細則(専用水道の布設工事の確認申請)
東京都北区食品衛生法施行細則(営業許可申請)
東京都北区健康増進法施行細則(給食開始届)
東京都北区建築基準法施行細則
(4)その他関連する条例等
消防法
バリアフリー法
東京都駐車場設置条例
東京都福祉のまちづくり条例
東京都建築物バリアフリー条例
東京都建築安全条例
東京における自然の保護と回復に関する条例
東京都文化財保護条例
-6-
2-3
現況配置図
北門
校舎
体育館
視聴覚室
グランド
東門
プール
滝野川第六小学校
旧紅葉中学校
-7-
現況配置図
-8-
-9-
3.施設構想
滝野川西地区周辺は、飛鳥山公園や旧古河庭園をはじめとした歴史的・文化的資産が多く存
在している地域である。また、起伏のある地形、石神井川と緑道など豊かな自然なども特徴で
ある。
そのため、これらの地域、敷地特性である、起伏のある地形を生かしつつ環境への配慮・調
和をはかり「地域のひかりとなる学校」を目指し、施設整備を行うものとする。
3-1 整備コンセプト
『
「ひかり」のある学校』
自然環境を生かし、明るい自然光が入り、空気が流れる学校、そして気持ちの面でも「明る
い」学校でありたいという願いから「ひかり」という言葉をキーワードに掲げた。この「ひか
り」には「生徒ひとりひとりが輝きをもつ」
、
「地域にも明るさをもたらす」
、
「卒業していく生
徒が地域のひかりとなる」といった様々な意味も込められている。
3-2 整備方針のイメージ
①個に当てられる「ひかり」を大切にする学校づくり
生徒ひとりひとりが個性をもち、それを尊重する。
それぞれが輝く存在となれるような学校にする。
人と共にいる空間、落ち着ける自分の空間など多様な場所を用意する。
②教育空間の「ひかり」を大切にする学校づくり
学校が教育の場として、生徒の心を育て生活の秩序、心の喜びを示して見せる。
広がりをもち、光が降り注ぐ明るい学校をつくる。
全体が明るさで包み込まれるような学校をつくる。
③地域の「ひかり」を大切にする学校づくり
地域の中心の施設となるような学校をつくる。
活動が地域に明るさと活気をもたらす学校をつくる。
巣立っていく生徒が地域の「ひかり」となるような学校をつくる。
- 10 -
3-3 整備方針
( 1 ) 学習空間・生活空間・地域との連携を重視した学校
□「学習空間」の充実
・
「落ち着ける自分の空間」の充実:
生徒が落ち着いて、集中して学習できる、自分の居場所だと感じられる空間とする。少人
数学習や習熟度学習に対応できるように、学年ごとに普通教室、新世代型学習空間、多目的
教室を整備する。また、仕上げ、家具、建具にできる限り木材を使用し、木のぬくもりを感
じる落ち着きのある学習空間をつくる。
・
「活発な動きのある空間」の充実:
特別教室、メディアセンター、学校図書館、体育館、武道場等は生徒の個性を伸ばし、活
動的な広場とする空間とする。図書館、パソコン室は様々な学習形態に対応した配置とする。
また、体育館、武道場、音楽室は全身を用いて学びを表現するための多様な空間として、生
徒の活動を触発する場として整備する。
特別教室にはギャラリーなどを設け、学習の成果を表現する空間とする。
□「生活空間」の充実
・
「共同の大きな部屋」の充実:
生徒と教師、地域の人が共に学び、共にふれあう共同の空間とする。学習や学校生活をとお
して、人とのふれあいを感じる場として、学校図書館、ランチルーム、昇降口、中庭を大きな
共同の部屋として整備する。新たな出会い、発見の場となる共同の空間をつくる。
・
「内部に取り込まれた外部空間」の充実:
居心地の良い、光があふれ、風の流れを感じる空間とする。安心して、安らぎを感じて学校
生活が送れるように、学校の内部に中庭などの外部空間を整備する。採光と風通しを図るため、
坪庭のような空間をイメージして、自然光が入り、風が通り抜け、自然を感じるような内部に
ありながら外部を感じられる空間をつくる。
・
「半戸外の空間」の充実:
学習空間と調和する、広がりのある空間とする。雨天時の活動の場、ふれあいの場、学校施
設の空間として有効活用し、新しいコミュニケーションの場としてテラス、柱廊(コロネ-ド:
列柱廊下)
、屋上庭園を整備する。また、緑あふれる屋上庭園は開放的な場所として、外部と
内部が自然につながるような空間とする。
柱廊(コロネード)
: 柱の列と、柱を繋ぐ水平な梁材によってつくられた廊下。
(列柱廊下)
- 11 -
□「地域との連携」の充実
・
「地域の中心空間」の充実:
学校が地域の交流の中心となる空間。地域の人々が気軽に訪れ、地域コミュニティの拠点と
なる場として、ランチルーム等を整備とする。多様に活動できるように家庭科室との連携が図
れる配置とする。学校生活の場としてだけでなく、体育館や武道場は災害時の防災の拠点とな
る機能も充実させて整備し、地域との連携を図る場とする。
・
「永く残り、人々の心を育てる空間」の充実:
環境を配慮した学校施設、学校が人々の心を育て、安心して学校生活が送れる空間とする。
次の世代へ残す学校、美しく、長持ちする建物として、維持しやすく耐久性を考慮した建物形
状とする。外壁には優れた耐久性と高い断熱・保温性のある煉瓦のような素材を検討する。
既存のイチョウ並木の植栽も活用して、四季を感じ心のゆとりを育てる空間を整備する。
( 2 ) 個性を創出する学校
・ 地域特性を活かし、街並み形成に貢献する
計画地は中山道と明治通り、JR埼京線と石神井川といった大きな都市軸に囲まれ、比較的
閑静な住宅市街地を形成している。こうした境界を踏まえ、景観や街並み形成に貢献すること
のできる施設として、周辺地域との調和を保ちつつ、落ち着きのある外観、コンパクトで機能
的な校舎づくりを目指す。
・ 地域と連携し、開かれた学校づくりを推進する
体育館、武道場等の地域開放エリアや将来地域開放が想定される特別教室ブロックは、教育
活動エリアや普通教室ブロックにおける生徒の学習と生活に支障のないよう計画するととも
に、学校や地域住民が利用しやすく、管理も容易な施設となるよう配置する。また、北側道路
と敷地の高低差が、施設計画や動線計画の制約とならないよう、その有効性を検討し、教育活
動や地域開放施設へのアクセス性、管理運営面等において利便性の高い施設づくりを行う。
・ 既存樹木を保全し、原風景を継承する
滝野川第六小学校との沿道には、緑豊かなイチョウ並木による見事な通り景観があり、また、
敷地内には、既存校門から校舎までのアプローチを彩る桜並木の風景が印象的であるなど、四
季を感じさせる緑のうるおいを保全する。あわせて、新たに滝野川もみじの風景づくりを行い、
地域の人々や卒業生の心に残っている原風景を、施設と一体的な計画で将来に継承する。
・ 安全性や防犯に配慮し、安心感のある施設計画を行う
学校や地域の特性に応じた防犯対策及び事故防止対策を検討する。学校の安全を確保するた
めのセキュリティーラインの明確化や敷地内、建物内、外部からの見通し性の確保、管理諸室
の適切な場所への配置など、安全管理に関する運営体制と一体的な取り組みを行う。校内の施
設・設備については、生徒の多様な行動に対し十分な安全性を確保し、安心感のある計画とす
る。また、敷地周囲の道路は、建設工事にあわせ、通学する生徒をはじめとする歩行者の交通
安全の視点から、歩道状公開空地を整備する。
- 12 -
・ 防災設備を充実し、災害時の防災拠点機能を強化する
敷地南西の路地状敷地を道路として整備することにより、緊急時における避難・救助・消火
活動や災害時における救援物資等の車両進入を容易にするなど、防災機能の向上を図るととも
に、災害時の雨水貯留水・プール水の利用、マンホールトイレの設置等により、避難所施設と
しての機能充実を図る。
( 3 ) 環境と共生する学校
・ 外断熱を基本とした室内の環境づくり
外壁は空気層を設けた外断熱仕上げを検討して、室内の温度が安定することで空調負荷を抑
制し、光熱費を低減する。また、窓は学校用エコガラス(複層ガラス)の使用を検討し、断
熱性を確保する計画とする。さらに体育館の外壁にも断熱性の高い仕上げを検討する。
・自然のちから、資源を活用する環境づくり
自然のちからを活用し、機械のみに頼らないシステムづくりを検討し、石神井川の風、樹木
の間を通ってきた風を利用した空気の流れを計画する。また、太陽光発電、雨水の利用を行
う。地下を活用して外気を地中に通し、温度を下げて換気に利用する。
(クールチューブの
検討)窓が拭ける、掃除がし易いなど日常の手入れが容易にできるように計画し、強い日射
しや雨風から内部空間を守り、外部と内部の緩衝帯にもなる空間として 1 階まわりにはコロ
ネード(柱廊)を計画する。
・長期修繕まで視野に入れた更新性の高い校舎づくり
将来の間仕切り変更が容易な構造とし、補修、修繕が安価で容易な建材、植栽を採用しラ
イフサイクルコストを低減する。また、基本インフラを各階共用部に集約することで、将来
の設備の追加に対応する。
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4. 施設計画
「北区立滝野川紅葉中学校新築概要」および「北区立小・中学校整備方針」を基本としなが
ら、より敷地や周辺環境の条件と調和するような建築の形状、コンパクトでありながら変化に
富む空間を創出する施設計画とする。
4-1 施設構成
(1) 普通教室ブロック
生徒の拠点である普通教室まわりの充実と多様な空間づくり
□ 生徒が一日のほとんどを過ごす場所である普通教室を居心地の良い空間として計画す
る。
多様な使い方ができる多目的教室・新世代型学習空間との組み合わせにより可能性が広が
る配置計画とする。
□ 学年ごとに新世代学習空間を配置する
普通教室と連携しながら少人数学習や習熟度別学習などきめ細かい教科指導に対応する。
□ 学年ごとに多目的教室を配置する
多様な学習活動のための部屋として活用する。また学級数が増加した場合の予備スペース
としても利用可能な計画とする。
図4—1—1 普通教室の機能と構成
※多目的教室:多様な学習活動のスペース(多様な学習、教室の予備スペース)
- 14 -
( 2 ) 特別教室ブロック
「特別」を感じさせる特別教室の計画と「共同の大きな部屋」としての空間づくり
□ 特別教室を集約配置することで分かり易い平面計画とする。
□ 専門的な分野に対する興味・関心を促す特別教室まわりの計画とする。
□ 学校内はもちろん、地域との交流の場でもあるランチルームを充実させる。
□ メディアセンター(学校図書館)を学校の「学びの核」として機能するよう計画する。
図4—1—2 特別教室の機能と構成
※ギャラリー:教科に対する興味・関心を喚起するスペース
(関連教科毎の教材等、多様な展示、掲示スペース)
( 3 ) 特別支援ブロック
学校のなかに多様な学習の場所を生み出す空間づくり
□ 特別支援学級
固定学級である知的障害学級を設置する。生徒一人ひとりの能力・個性に応じた教育、
学習活動ができる教室配置とする。
また、通常の学級との交流および共同学習を充実させると共に、このスペースを知的障
害学級の在籍生徒と通常の学級在籍生徒が互いに自然な交流をもてるような計画とする。
□ 特別支援教室
特別な教育的支援を必要とする生徒に対して、個々のニーズに応じた適切な教育を行う
ため、個別指導や少人数指導など、多様な支援を行うことができる教室を整備する。
教諭やカウンセラーとの連携が円滑に行えるように職員室、進路指導室の近くに配置する。
- 15 -
( 4 ) 体育施設ブロック
校舎と一体となった、コンパクトな空間づくり
□ 体育館
校舎と一体型の体育館を計画する。
災害時の避難所としても計画する。
□ 武道場
武道の必修化に伴い、武道場を整備する。また、小ホール的な利用、地域開放も想定し計
画する。
( 5 ) 管理諸室ブロック
学校全体を管理しやすく、生徒も安心な空間づくり
□ 管理部門
職員室関係諸室は防犯・防災上からも学校全体が見渡せる位置とし、生徒が立ち寄りやす
い空間として配置する。
□ 保健室部門
職員室に行きやすく、屋内外運動場との連携もよい位置とする。
( 6 ) 給食室ブロック
食育をすすめるため、また健全な食生活の実践ができるように安全で清潔な空間づくり
□ 給食室は、専用の出入口を設ける。
□ 給食を安全に運搬、保管するために、各室に配膳室を配置する。
( 7 ) その他
□ ランチルームは家庭科室や会議室と隣接させることで多目的に利用できる計画とする。
□ 災害時の防災拠点としての機能が十分発揮できるような設備を設置する。
□ エレベーターの設置やバリアフリー関連法令、条例の遵守およびユニバーサルデザイン
の積極的な導入により、校舎内をバリアフリー化する。
- 16 -
4-2 施設規模
統合年度の生徒数及び学級数(平成21年度・302名・9学級、特別支援学級1学級)より
施設規模を設定する。想定される施設内容及び規模は次のとおりである。
種類
教室・スペース
普通教室
普通教室
ブロック
多目的室
理科
特別教室
ブロック
音楽
美術
技術
家庭科
その他
管理諸室
ブロック
管理部門
保健室部門
特別支援ブロック
給食室ブロック
体育施設ブロック
開放諸室ブロック
併設ブロック
共用ブロック
普通教室 (3教室/学年×3学年)
多目的室
(普通教室に転用可能な仕様・各学年1室)
新世代学習空間(少人数学習室・各学年2室)
理科室(第1・第2)
準備室
音楽室、準備室
美術室、準備室
技術室(金工室・木工室)
、準備室
家庭科室(調理室・被服室)
、準備室
メディアセンター(学校図書館+パソコン室)
和室
教科ギャラリー
生徒会室
職員室
校長室
事務室
主事室
印刷室
放送室
大会議室(地域開放室を兼ねる)
職員トイレ
職員更衣室
教職員休憩室
教材室
進路指導室
教育相談室及びカウンセリング室
保健室
特別支援学級・職員室
特別支援教室
給食調理室
配膳室(各階)
ランチルーム
体育館
武道場
プール・更衣室・トイレ
地域開放室(大会議室等他の部屋と共用)
体育館開放用事務室・会議室
体育館開放用トイレ・更衣室
PTA室
校歴資料コーナー
防災備蓄室
防災資機材倉庫
昇降口
トイレ
更衣室(各学年)
エレベーター
機械室
倉庫
廊下等
9
規模
(約72㎡=1)
9
3
3
6
2
1
1
1
1
1
1
1
-
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
3
1
1
1
4
2
1
3
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
-
各階
3
1
-
-
-
3
3
0.5
2.5
2
3
3.5
4
0.6
-
0.3
2.5
0.5
0.5
0.5
0.25
0.25
1
0.5
0.5
0.25
0.9
0.3
0.5
1.3
4
1
4
0.9
3
16
4.5
11.5
-
1
1.2
0.5
0.5
0.9
0.3
-
-
1.2
-
-
-
-
部屋数
※普通教室の面積を8.5m×8.5m=約72㎡として、約72㎡=1を規模の単位とした。
※各施設規模はおおよその目安であり、未記入の箇所を含めて、設計の検討段階において最終的
に決定する。
※地域に開放する諸室は、開放諸室ブロックの他、特別教室、ランチルーム、体育館、武道場を
想定している。
- 17 -
北区立滝野川紅葉中学校新築基本構想・基本計画
平成22年3月発行
刊行物登録番号
22-1-022
発行
北区教育委員会事務局学校改築施設管理課
東京都北区王子本町1-15-22
電話 03-3908-9277
- 18 -