of 35 第 132 号(2015 年 4 月 30 日発行) - アジア経済研究所

ジェトロ北京ニューズレター
JETRO
Beijing
Newsletter
2015 年 4 月 30 日号(Vol.132)
ご挨拶
北京では 3 月末に最高気温が 20 度前後まで上昇し、春の訪れを感じさせたのも束の間、その後再び肌寒い日
が続きました。先週ぐらいから、ようやく再度暖かくなり、柳の綿や黄砂も飛んできたと思っていたところ、
最近は最高気温 30 度を超え、夏日になっています。
4/15、
中国国家統計局は1-3月の経済成長率を7.0%と発表しました。
2015年の年間目標とほぼ同じでしたが、
昨年 10-12 月の 7.3%から、更に数値が落ち込みました。4/19 には中国人民銀行が、銀行の預金準備率を 1%引
き下げる金融緩和措置を発表しました。各種の経済統計の数値が依然として力強さを欠く中、通年で 7%成長を
維持するのは簡単ではないようです。
ジェトロでは、高齢者産業における中国側パートナーを発掘するため、昨年度は「高齢者産業交流会」を 4
回開催しました。2015 年度は同交流会を 10 回程度開催する予定です。6/5 には山東省済南市にて、6/24 には
広東省広州市にて、同交流会を開催予定です。詳しくはこちらをご参照くださいますようお願いいたします。
http://www5.jetro.go.jp/newsletter/jetro_kaigoservice/2015/04200.pdf
http://www5.jetro.go.jp/newsletter/jetro_kaigoservice/2015/0420.pdf
独立行政法人 日本貿易振機構(ジェトロ)北京代表処
岡田 英治
今号の目次 CONTENT
【1】ご挨拶・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(Page1)
【2】ジェトロ北京からのお知らせ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(Page2)
<1>大連スタイル
<2>外商投資産業指導目録(2015 改正版)
」概要と特徴
<3>【中国】勃興期のリサイクル市場
<4>広東省商務庁主催・汕尾市投資環境視察ミッションのご案内
<5>KLO レポート―中国統括会社の解説
<6>デロイトレポート―企業組織再編に関わる税務政策
【3】華北経済スコープ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(Page5)
【4】華北イベント情報・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(Page10)
【5】進出企業支援情報・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(Page14)
<1>法務労務・会計税務情報
<2>知っておきたい中国語
【6】ニューズレターの登録・解除などのご案内・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(Page35)
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第 132 号(2015 年 4 月 30 日発行)
<1> 大連スタイル
大連市は日本人にとって、なじみの深い都市である。しかし、北京や上海などと比べると、現在の大連の様
子を見聞きする機会は意外と尐ないのではないだろうか。本冊子は、これから大連でビジネスを行う日本企業
向けに、大連の消費市場をとりまく最新事情を伝えるために企画した。まずは、大連の概況を交通事情、経済
動向、日本との関係などから紹介している。続いて、大連の消費市場について、消費力に関するデータのほか、
衣・食・住の特徴、休日の過ごし方、教育・介護福祉事情など、具体的なライフスタイルを通じて解説してい
る。最後に大連で活躍されている企業のインタビューを掲載し、大連でビジネスを行っていく上での留意点、
成功のポイントなどを挙げた。中国ビジネスは、進出時以上に撤退時に大変な労力がかかってしまう。これか
ら中国でビジネスチャンスを掴むためにも、事前の準備はしっかり行っておく必要がある。本冊子が尐しでも
役に立てば幸甚である。
(全 64 ページ)
詳細は、以下よりダウンロード下さい。
http://www.jetro.go.jp/world/reports/2015/07001998.html
<2> 外商投資産業指導目録(2015 改正版)
」概要と特徴
2015 年 3 月 10 日付で、外商投資産業指導目録の 6 回目の改訂版(国家発展改革委員会・商務部令第 22 号、
以下、
「2015 年版目録」という)が公布された。
今回の改訂は、2013 年 11 月に開催された中国共産党第 18 期中央委員会第 3 回全体会議の会議において採択
された「改革の全面的深化における若干の重大な問題に関する決定」の趣旨に基づいて改革を全面的に深化さ
せると同時に、更なる対外開放を積極的に推進するための重要な措置であると見なされ、サービス業や一般製
造業への外資参入規制が重点的に緩和されていることに特徴がある。
本レポートでは、2015 年版目録の特徴を以下の視点に分けて解説しながら、前回の 2011 年版目録との相違
点、2015 年版目録意見募集稿との相違点等について言及する。
(全 99 ページ)
詳細は、以下よりダウンロード下さい。
http://www.jetro.go.jp/world/reports/2015/a970a042d28061c9.html
<3>【中国】勃興期のリサイクル市場
全国人民代表大会で環境対策への本気度を示した中国では、リサイクル産業の発展は重要課題の一つだ。家
電分野はフロン回収、自動車分野は破砕処理にニーズがある。日本の先進技術やノウハウが参入の武器に。
(本
レポートは、
「ジェトロセンサー」2015 年 5 月号エリアリポートにも掲載)→「ジェトロセンサー2015 年 5 月
号」の詳細はこちら(全2ページ)
詳細は以下よりダウンロード下さい。
http://www.jetro.go.jp/world/reports/2015/01/20150007.html
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第 132 号(2015 年 4 月 30 日発行)
<4> 広東省商務庁主催・汕尾市投資環境視察ミッションのご案内
日系企業の皆様へ
広東省は均衡ある発展を目指し、珠江デルタ域外(東西北部)への外系企業の誘致を積極的に進めておりま
す。近年、広州と東西北部を結ぶ高速道路、高速鉄道の整備も急ピッチで進み、交通インフラなども大きく改
善されております。また、人件費も珠江デルタ地域と比べ3割ほど安い水準となっております。
汕尾市は面積 5,271 平方キロ、人口 340 万人で広州市から東へ 240 キロ、深セン市から 150 キロの場所に位
置しています。深セン市からは高速道路で 1 時間半、深セン〜アモイ間の高速鉄道を利用すれば 1 時間。香港・
深センの港へのアクセスも便利です。また、広州市からは高速道路で 2 時間半、2015 年末着工予定の広州〜汕
尾間の高速鉄道が開通すれば、1 時間で到着することが可能です。汕尾市には香港系を中心として、すでに外
資系企業が 300 社ほど進出しています。
2011 年に省政府に承認された、深セン・汕尾の提携による深汕特別合作区は、深セン市寄りの地域に位置し、
深セン市政府からも大量に職員を派遣するなど、重点的に発展させる予定のエリアです。
今回広東省商務庁では、日系企業向けに汕尾市投資環境ミッションを企画しました。最近、珠江デルタでは、
環境規制等の影響により工場移転を迫られる日系企業が散見される中、こうした企業が現場視察、地元の指導
者及び開発区の責任者等との関係構築を図る上で非常に良い機会と考え、ご案内する次第です。
記
1.日程:2015 年 5 月 20 日(水)
2.訪問先:広東省汕尾市
3.主催:広東省商務庁
4.協力:日本貿易振興機構・広州事務所
5.参加費:無料
※広州または深圳〜汕尾間の移動手段(貸し切りバス)
、昼食は広東省商務庁が手配。
上記以外の費用は各自負担。
6.募集数:日系企業約 20 社
7.締切り:2015 年 5 月 14 日(木)
8.申込先:メール(PCG@jetro.go.jp)
、FAX( 020-8752-0077)
担当:ジェトロ広州 河野、房(TEL:020-8752-0060)
※参加申込書:
http://www5.jetro.go.jp/newsletter/beijing/2015/20150520from.docx
9.集合場所:広州出発 広州中信広場マンション棟 1F ロビー(8:00 出発)
深圳出発 深圳羅湖シャングリラホテル 1F ロビー(9:00 出発)
10.スケジュール(案)
:
8:00 広州(中信広場)→汕尾 ※貸切バス
9:00 深セン(羅湖シャングリラホテル)→汕尾 ※貸切バス
10:40 深汕特別合作区視察
12:00 昼食会(深汕特別合作区にて)
13:30 汕尾市ハイテク産業園区視察
14:30 香港系電子製品企業視察
15:30 汕尾市商務局ビル 1F 企画展示ルーム視察
当局より投資環境説明を実施
15:50 市政府幹部との交流
16:30 汕尾→広州(中信広場)※貸切バス
汕尾→深セン(シャングリラホテル) ※貸切バス
18:00 深セン着
19:00 広州着
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第 132 号(2015 年 4 月 30 日発行)
11.注意事項:
(1)本ミッションは、広東省商務庁が主催・運営するもので、ジェトロ広州は募集
に関し協力するものです。ご参加にあたっては、万一のアクシデントに備え、各自で
海外旅行傷害保険等に加入頂くようよろしくお願いいたします。
(2)お申込みは先着順となります。可能な限り多くの企業にご参加頂くため、参加
者多数の場合は、1 社あたりの参加者数を制限させて頂く場合があります。予めご了
承願います。
(3)本ミッションへのご参加により得られた情報及び助言の正確性の確認・採否は
各参加者の責任と判断で行なって頂きます。当該情報及び助言のご利用により、万一
参加者が不利益を被る事態が生じたとしても、ジェトロは責任を負いません。
(4)復路につき、深圳へは 18:00 着、広州へは 19:00 着を予定しておりますが、
スケジュールの変更、交通事情等により遅れる場合がございますので、ご了承ください。
<5>
KLO レポート―中国統括会社の解説
近時、これまでのような日本本社から中国国内の各拠点をマネジメントするモデルではなく、中国(特に北
京、上海)で投資性会社、管理性会社等の統括会社1を設立し、当該会社に中国国内の各拠点をマネジメントさ
せるモデルを採用する日系企業又は採用を検討している日系企業が尐なくありません。
もっとも、統括会社設立の際、いずれの会社形態を選択すべきかの判断に悩む企業も多く見受けられます。
そこで、本稿では、統括会社を投資性会社と(多国籍企業の地域本部としての)管理性会社とに区分した上で、
①「統括会社の概要、比較」
、②「統括会社選択時の考慮ポイント」をご説明し、最後に、③「設立時の注意点」
について簡単に触れさせていただきたいと思います。
詳細は、以下よりダウンロード下さい。
http://www5.jetro.go.jp/newsletter/beijing/2015/KLOreport.pdf
<6> デロイトレポート―企業組織再編に関わる税務政策
中国企業所得税法により、企業再編を行う会社は資産又は持分の譲渡による損益に対して取引発生時の公正
価値に基づいて認識しなければならないとされている(一般性税務処理)。一方で、特殊税務処理を適用するこ
とで、再編時点にて課税所得または損失を認識せず、損益を繰り延べることが可能である。特殊税務処理を適
用するためには、中国国内における持分又は資産の買収(譲渡)取引において、財税[2009]59 号に定める以下の
全ての要件を満たすことが必要である。
詳細は、以下よりダウンロード下さい。
http://www5.jetro.go.jp/newsletter/beijing/2015/Deloittereport.pdf
1
統括会社の定義については、現時点までの中国の法令には明確な規定はありません。一般的には、国レベ
ル又は地方政府レベルの法規に根拠がある、投資性会社、多国籍企業の地域本部としての投資性会社及び多国
籍企業の地域本部としての管理性会社、並びに法規上の根拠はないものの実務上設立が認められているとされ
る多国籍企業の地域本部ではない管理性会社を含む概念として用いられています。
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第 132 号(2015 年 4 月 30 日発行)
華北経済スコープ
<1>
中国のマクロ経済指標
(中国)
マクロ項目
統計項目
単位
2013年
GDP
2014年
1月
2015年第1四半期
2月
3月
5.6
--22,723
10.2
1.4
1.4
2,778
2,861
10.8
-13.8
1,692
1,446
48.3
-15.0
1,086
1,415
-20.5
-12.7
606
31
1,565
49.7
86
0.9
-
1~3月
140,667
7.0
6.4
77,511
13.5
70,715
10.6
1.2
9,042
-6.3
5,139
4.7
3,902
-17.6
1,237
-
GDP総額
億元
568,845 636,463
実質GDP成長率
%
7.7
7.4
工業
工業生産増加額伸び率
%
9.7
8.3
国内投資
固定資産投資総額
億元
436,528 502,005
固定資産投資総額伸び率
%
19.6
15.7
消費
社会小売品販売総額
億元
234,380 262,394
社会小売品販売総額伸び率
%
13.1
12.0
物価
消費者物価上昇率
%
2.6
2.0
0.8
貿易
貿易総額
億ドル
41,603
43,030
3,405
貿易総額伸び率
%
7.6
3.4
-10.9
うち輸出総額
億ドル
22,100
23,427
2,003
輸出総額伸び率
%
7.9
6.1
-3.3
うち輸入総額
億ドル
19,503
19,603
1,402
輸入総額伸び率
%
7.3
0.4
-19.9
貿易収支
億ドル
2,598
3,825
600
対内直接投資 対内直接投資件数(契約ベース)
件
22,773
23,778
2,266
件数伸び率
%
-8.6
4.4
31.8
対内直接投資額(実行ベース)
億ドル
1,176
1,196
139
実行ベース金額伸び率
%
5.3
1.7
29.4
(注)伸び率は前年同期(月)比
(出所):中国国家統計局ウェブサイト、商務部ウェブサイト、中国投資指南ウェブサイト、海関統計、中国経済景気月報より作成
2012年が7.8から7.7へ(8月に下方修正)
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第 132 号(2015 年 4 月 30 日発行)
<2>
北京市のマクロ経済指標
(北京市)
マクロ項目
統計項目
単位
2013年
2014年
2015年第1四半期
1月
2月
1~2月
4.1
462
-1.5
1,601
7.8
0.4
1.7
1.0
298
220
518
-25.1
-29.0
49
43
92
-13.5
-1.2
249
177
426
-27.1
-33.0
-200
-133
-333
46
49
420.0
190.0
GRP総額
億元
19,501
21,331
実質GRP成長率
%
7.7
7.3
工業
工業生産増加額伸び率
%
8.0
6.2
固定資産投資総額
億元
6,798
6,873
国内投資
固定資産投資総額伸び率
%
8.9
1.1
社会小売品販売総額
億元
8,375
9,098
消費
社会小売品販売総額伸び率
%
8.7
8.6
物価
消費者物価上昇率
%
3.3
1.6
貿易総額
億ドル
4,291
4,157
貿易総額伸び率
%
5.1
-3.3
うち輸出総額
億ドル
632
623
貿易
輸出総額伸び率
%
6.1
-1.2
うち輸入総額
億ドル
3,659
3,533
輸入総額伸び率
%
5.0
-3.7
貿易収支
億ドル
-3,026
-2,910
対内直接投資
対内直接投資件数(契約ベース)
件
件数伸び率
%
対内直接投資額(実行ベース)
億ドル
85
90
実行ベース金額伸び率
%
6.0
6.1
注:伸び率は前年同期(月)比
(出所):北京市統計局ウェブサイト、北京市商務局ウェブサイト、海関統計、中国経済景気月報より作成
GRP
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第 132 号(2015 年 4 月 30 日発行)
<3>
天津市のマクロ経済指標
(天津市)
マクロ項目
統計項目
単位
2013年
2014年
2015年第1四半期
1月
2月
1~2月
9.7
902
13.6
815
10.8
0.7
1.3
1.0
108
86
194
-4.8
-0.4
52
40
92
15.7
25.8
56
46
102
-18.2
-16.1
-4
-6
-10
67
50
117
19.6
18.2
16
17
34
12.1
10.3
GRP総額
億元
14,370
15,722
実質GRP成長率
%
12.5
10.0
工業
工業生産増加額伸び率
%
13.0
10.1
固定資産投資総額
億元
9,103
10,490
国内投資
固定資産投資総額伸び率
%
15.0
15.2
社会小売品販売総額
億元
4,470
4,739
消費
社会小売品販売総額伸び率
%
14.0
6.0
物価
消費者物価上昇率
%
3.1
1.9
貿易総額
億ドル
1,285
1,339
貿易総額伸び率
%
11.2
4.2
うち輸出総額
億ドル
490
526
貿易
輸出総額伸び率
%
1.5
7.3
うち輸入総額
億ドル
795
813
輸入総額伸び率
%
18.1
2.3
貿易収支
億ドル
-305
-287
対内直接投資件数(契約ベース)
件
564
674
件数伸び率
%
-10.8
19.5
対内直接投資
対内直接投資額(実行ベース)
億ドル
168
189
実行ベース金額伸び率
%
12.1
12.1
注:伸び率は前年同期(月)比
(出所):天津市統計局ウェブサイト、天津市商務委員会ウェブサイト、海関統計、中国経済景気月報より作成
GRP
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第 132 号(2015 年 4 月 30 日発行)
<4>
河北省のマクロ経済指標
(河北省)
マクロ項目
統計項目
単位
2013年
GRP総額
億元
28,301
実質GRP成長率
%
8.2
工業
工業生産増加額伸び率
%
10.0
固定資産投資総額
億元
22,630
国内投資
固定資産投資総額伸び率
%
18.5
社会小売品販売総額
億元
10,401
消費
社会小売品販売総額伸び率
%
13.6
物価
消費者物価上昇率
%
3.0
貿易総額
億ドル
549
貿易総額伸び率
%
8.5
うち輸出総額
億ドル
310
貿易
輸出総額伸び率
%
4.6
うち輸入総額
億ドル
239
輸入総額伸び率
%
14.1
貿易収支
億ドル
70
対内直接投資件数(契約ベース)
件
195
件数伸び率
%
対内直接投資
対内直接投資額(実行ベース)
億ドル
64
実行ベース金額伸び率
%
11.1
注:伸び率は前年同期(月)比
(出所):河北省統計局ウェブサイト、海関統計、中国経済景気月報より作成
GRP
Page 8 of 35
2014年
29,421
6.5
5.1
26,147
15.5
11,690
12.4
1.7
599
9.1
357
15.4
242
0.9
115
198
64
-1.2
2015年第1四半期
1月
2月
1~2月
4.9
829
15.2
0.2
0.8
0.5
49
40
89
-12.7
-1.5
34
25
59
9.5
25.5
16
15
30
-39.5
-30.6
18
10
29
13
20
3
3
-
第 132 号(2015 年 4 月 30 日発行)
<5>
西安市のマクロ経済指標
(西安市)
マクロ項目
統計項目
単位
2013年
GRP総額
億元
4,884
実質GRP成長率
%
11.1
工業
工業生産増加額伸び率
%
15.4
固定資産投資総額
億元
5,055
国内投資
固定資産投資総額伸び率
%
21.3
社会小売品販売総額
億元
2,548
消費
社会小売品販売総額伸び率
%
14.0
物価
消費者物価上昇率
%
2.7
貿易総額
億ドル
180
貿易総額伸び率
%
38.2
うち輸出総額
億ドル
85
貿易
輸出総額伸び率
%
16.1
うち輸入総額
億ドル
95
輸入総額伸び率
%
66.3
貿易収支
億ドル
-10
対内直接投資件数(契約ベース)
件
152
件数伸び率
%
74.7
対内直接投資
対内直接投資額(実行ベース)
億ドル
31.3
実行ベース金額伸び率
%
26.3
(注)伸び率は前年同期(月)比
(出所):西安市統計局ウェブサイト、海関統計、中国経済景気月報より作成
GRP
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2014年
5,475
9.9
11.1
5,904
15.0
2,873
12.8
1.4
250
38.9
120
41.1
130
37.0
-11
103
-32.2
37.0
18.3
2015年第1四半期
1月
2月
1~2月
13.3
262
-7.4
-0.8
0.2
-0.3
22
20
42
-31.6
-15.5
11
10
21
25.8
30.7
11
10
21
-53.5
-37.6
0
-0
-0
-
第 132 号(2015 年 4 月 30 日発行)
華北イベント情報
華北イベント情報(2015 年 5 月)
1. 2015中国(北京)国際ハイテク技術交流商談会&第一回革新的な技術取引サービス大会
第七回中国(北京)国際光電子博覧会及び実務化交流会
期間:2015年5月5-7日
場所:国家会議センター
URL:http://www.jingqiahui.com.cn/Profiles/index.htm
2. 2015第四回中国国際高齢者産業博覧会(CISSE2015)
期間:2015年5月6-8日
場所:国家会議センター
URL:http://www.yanglaofuwu365.com/
3. 2015第六回中国(北京)国際コンピューターネットワークと情報セキュリティ展示会
期間:2015年5月7-9日
場所:国家会議センター
URL:http://www.xxaqz.com/
4. 2015中国国際新エネ自動車&電動車展示会
期間:2015年5月7-9日
場所:中国国際展覧センター(新館)
URL:http://www.9999zl.com/
5. 2015中国国際電池産業博覧会
期間:2015年5月7-9日
場所:中国国際展覧センター(新館)
URL:http://www.chinabatteryexpo.com/
6.2015中国(内蒙古)国際建築省エネ及び新規建材展示会
期間:2015年5月8-10日
場所:内蒙古国際展覧センター
URL:http://www.becexpo.com/
2015内蒙古国際給熱暖房ボイラエアコン省エネ削減展示会
URL:http://www.nmnt-expo.com/
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第 132 号(2015 年 4 月 30 日発行)
7. 2015北京国際道路輸送、都会バス車両及び部品展示会
期間:2015年5月11-13日
場所:国家会議センター
URL:http://www.bustruckexpo.com/NewCn/index.asp
8. 北京国際幼児園用品及び付属設備展示会
期間:2015年5月11-13日
場所:全国農業展覧館
URL:http://www.chinapbc.com/index.asp
9. 第六回中国(北京)国際有機食品及びエコ食品博覧会
期間:2015年5月12-14日
場所:北京国際会議センター
URL:http://www.cirice.com/
10.北京国際産業インテリジェンスと自動化展示会
期間:2015年5月13-15日
場所:北京展覧館
URL:http://www.industrial-automation-beijing.com/CN/
11.第六回中国(北京)国際科技産業博覧会
期間:2015年5月13-17日
場所:中国国際展覧センター
URL:http://www.chitec.cn/
12.2015第十六回西安国際ホテル設備用品展示会
期間:2015年5月14-16日
場所:西安曲江国際会展センター
URL:http://www.ok630.com/xian.asp
13.2015第八回世界がん大会
期間:2015年5月15-17日
場所:北京国際会議センター
URL:http://www.bitcongress.com/cancer2015/cn/default.asp
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第 132 号(2015 年 4 月 30 日発行)
14.PECC 国際貿易投資博覧会輸入製品展
期間:2015年5月15-19日
場所:天津梅江国際会展センター
URL:http://www.pecctj.com/html/goodsexpo/index.shtml
15.中国特許展示会
期間:2015年5月16-18日
場所:国家会議センター
URL:http://www.chinafranchiseexpo.com/
16.第六回中国(北京)国際警用設備及び反テロ技術設備展示会&学術セミナー
期間:2015年5月20-22日
場所:北京展覧館
URL:http://www.cipate.com.cn/
17.第26回中国国際ガラス工業技術展示会
期間:2015年5月20-23日
場所:中国国際展覧センター(新館)
URL:http://www.chinaglass-expo.com/showgsy/WebReg/default.htm
18.2015北京第十一回国際テーマパーク、児童公園及び遊楽場展示会
期間:2015年5月22-24日
場所:中国国際展覧センター
URL:http://www.emtfexpo.com/
19.ISGS-2015中国(北京)国際体育用品博覧会
期間:2015年5月22-24日
場所:中国国際展覧センター
URL:http://www.bjsportexpo.jqw.com/
2015第四回中国北京国際潜水及び島のリゾート展示会
URL:http://www.diveshow.com.cn/
2015中国(北京)第九回国際野外用品及び設備展示会
http://www.stjt.jqw.com/companyprofile.htm
20.2015第一回国際文化産業投資商談会
期間:2015年5月25-28日
場所:国家会議センター
URL:http://www.wqh.org.cn/
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第 132 号(2015 年 4 月 30 日発行)
21.2015中国(天津)国際産業用スマート及びオートメーション展示会
期間:2015年5月27-29日
場所:天津浜海国際会展センター
URL:http://www.tjaiae.com/
第十七回中国国際電線ケーブル及び線材製品展示会
URL:http://www.wirecable-expo.com/home.php
2015第六回中国(天津)国際工程機械建材機械及び工程車両展示会
URL:http://www.tjces.com/
2015中国(天津)国際石油石化及び天然ガス技術設備展示会
URL:http://www.tjsyz.com/
22.2015中阿博覧会-中国(寧夏)国際水保全展示会
期間:2015年5月28-30日
場所:寧夏銀川国際会展センター
URL:http://www.jieshuizhan.com/
23.2015内蒙古楽器展示会
期間:2015年5月30-6月1日
場所:内蒙古国際会展センター
URL:http://www.music-expo.com.cn
24.2015年内蒙古娠婦幼児児童用品展示会&児童教育展示会
期間:2015年5月30-6月1日
場所:内蒙古国際会展センター
URL:http://www.yyt-expo.com/
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第 132 号(2015 年 4 月 30 日発行)
進出企業支援情報
アドバイザーの一言アドバイス
申し訳ありませんが、今号はお休みさせていただきます。
<1>法務労務・会計税務情報
当コーナーでは、最近の中国における法務労務・会計税務の動きについて把握頂くため、
要点を絞ってご説明致します。
(1)「預金保険条例」
(存款保险条例)
2015 年 2 月 17 日公布2、2015 年 5 月 1 日施行
http://www.gov.cn/zhengce/content/2015-03/31/content_9562.htm
同条例の主な内容、今後の注意点について、KLO 投資コンサルティング(上海)有限公司に解
説頂いた。
解説
1.主な内容
目下のところ、世界では110余りの国又は地域で預金保険制度が確立されているとされていま
すが、当該制度を中国でも導入すべく、本条例が公布されました。本条例第1条において、
「預
金保険制度を確立及び規範化し、法により預金者の合法的権益を保護し、金融リスクを遅滞な
く予防及び解消し、金融の安定を維持する」と規定していることからも伺えるとおり、本条例
は、預金者の保護(上限額は元本及び利息を合わせて50万人民元とされました)を通した金融
の安定維持を目的としています。本条例の主な内容は以下のとおりです。
(1)付保機関
本条例では、預金保険3を付保しなければならない者として、中国国内に設立されている預金
2
公表は 2015 年 3 月 31 日
ここでいう「預金保険」とは、付保機関が預金保険基金管理機構に保険料を納付し、預金保
険基金を形成し、預金保険基金管理機構が本条例の規定に従って預金者に対して被保険預金を
償還し、かつ必要な措置を講じて預金及び預金保険基金の安全を維持する制度を指すとされて
います(本条例第 3 条)
。
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3
を獲得する銀行業金融機関(商業銀行、農村合作銀行、農村信用合作社等を含みます。以下併
せて「付保機関」といいます)を挙げています(本条例第2条第1項)。なお、付保機関が中国国
外に設立する支店等及び外国銀行が中国国内に設立する支店等は、付保をする必要はありませ
ん(但し、中国と他の国又は地区との間において、預金保険制度について別段の手配がある場
合は除外されます)
。
また、付保機関となるべき金融機関について、本条例の施行前より存在する場合は、預金保
険基金管理機構が規定する期限内4に、本条例施行後に開業する場合は、営業許可証の交付日か
ら6か月以内に付保手続を行う必要があります。
(2)保険料の支払い及び罰則
付保機関が支払う保険料は、付保機関の被保険預金及び預金保険基金管理機構が確定する適
用料率によって計算され(本条例第10条第1項)5、6か月毎に支払うとされています(本条例第
10条第3項)
。
また、付保機関に保険料の遅滞等の次に掲げるいずれかの状況があった場合、預金保険基金
管理機構が期限を定めて是正を命じ、期限を過ぎても是正しない、又は情状が重いときは、記
録し、かつ当該付保機関の適用料率を調整する根拠とされ、付保機関の主管者及び直接の責任
者について公示することができる。さらに付保機関に下記②に定める状況があったときは、1
日当たり保険料未納部分の0.05%の延滞金を加算して徴収することができると規定されていま
す(本条例第21条)
。
① 法律通りに付保していない場合。
② 法律通りに保険料を遅滞なく、満額で納付していない場合。
③ 規定に従って情報、資料を報告・送付していない、又は虚偽の情報、資料を報告・送付
した場合。
④ 預金保険基金管理機構が法により行う検証を拒否し、又は妨害した場合。
⑤ 預金保険基金管理機構が預金保険基金使用プランを実施するのを妨害した場合。
(3)預金者の保護
まず、被保険預金には、付保機関が獲得する人民元建て預金及び外貨建て預金が含まれます
(但し、金融機関間預金、付保機関の高級管理職のその付保機関における預金及び預金保険基
金管理機関の規定により保険の対象とならないその他の預金については除外されます)
(本条例
第4条)
。
次に、最高償還限度額は50万人民元6とされ、同一の預金者が同一の付保機関において、全額
4
本条例の公表時点では、預金保険基金管理機構に関する公表はなされておらず、当該期限の
規定も存在しません。
5 なお、具体的な方法については預金保険基金管理機構が規定するとされていますが、注 4 と
同様、本条例の公表時点では、具体的な方法についての規定は存在しません。
6 最高償還限度額については、中国人民銀行が国務院の関連部門とともに経済の発展、預金構
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の償還が保障されるのは元本と利息を合わせて750万人民元までとされました。最高償還限度額
を超える部分については、法により、付保機関の清算財産の中から償還を受けることとなりま
す(本条例第5条)
。
預金者は、次に掲げるいずれかの状況があった場合、本条例に定める限度額内において、預
金保険基金を使用して預金者の被保険預金を償還するよう預金保険基金管理機構に要求する権
利を有することとなり、預金保険基金管理機構は、それらの状況の発生した日から7業務日以内
に満額で預金を償還しなければなりません(本条例第19条)。
① 預金保険基金管理機構が付保機関の接収管理組織を担当した場合。
② 預金保険基金管理機構が取り消しの対象となった付保機関の清算を実施した場合。
③ 人民法院が付保機関の破産申し立てを受理する裁定をした場合。
④ 国務院が承認したその他の状況。
(4)預金保険基金管理機構の職責等
まず、預金保険基金管理機構の職責としては以下のものが挙げられています(本条例第7条)
。
① その職責の履行に関連する規則を制定し、かつ公布すること。
② 預金保険料率の基準を制定及び調整し、国務院の承認を得ること。
③ 各付保機関の適用料率を確定すること。
④ 保険料を取り纏めること。
⑤ 預金保険基金を管理及び運用すること。
⑥ 本条例の規定に従って早期是正措置及びリスク対応措置を講じること。
⑦ 本条例に定める限度額内で預金者の被保険預金を遅滞なく償還すること。
⑧ 国務院が承認するその他の職責。
その他、預金保険基金管理機構は、次に掲げるいずれかの状況を発見した場合の検証の実施
(本条例第13条)等を行う権限を有します。
① 付保機関のリスクの状況に変化が生じたことにより、適用料率を調整しなければならな
い可能性がある場合には、料率の計算に関わる関連状況について検証を行う。
② 付保機関の保険料納付基数に問題がある可能性がある場合には、その預金の規模、構造
及び真実性について検証を行う。
③ 付保機関から報告・送付された情報、資料の真実性について検証を行う。
2.今後の注意点
付保機関となる可能性がある金融機関においては、本条例及び今後、預金保険基金管理機構
によって規定されることが想定される本条例に関する細則に注意する必要があります。
造の変化、金融リスクの状況などの要因に基づいて調整し、国務院の承認を得たうえで公布・
執行することができるとされています。
7 日本の預金保険制度では元本 1000 万円までとその利息等が保障の対象となります。
Page 16 of 35 第 132 号(2015 年 4 月 30 日発行)
また、中国では、銀行が設定する預金金利に関する制限が段階的に撤廃され8、最後に預金金
利の上限規制のみが残されている状況であり、当該規制の撤廃は、預金保険制度の導入とセッ
トで行われるとの見方がされてきました。本条例に基づく預金保険制度の導入により、預金金
利の上限規制の撤廃に向けた地ならしが完了したといえます。
(2)「外商投資産業指導目録(2015 年改正)」(外商投资产业指导目录(2015 年修订))
2015 年 3 月 10 日公布、2015 年 4 月 10 日施行
http://www.mofcom.gov.cn/article/b/f/201503/20150300911747.shtml
同目録の主な内容、今後の注意点について、KLO 投資コンサルティング(上海)有限公司に解
説頂いた。
解説
1.主な内容
昨年11月4日公表の意見募集稿(以下「本目録意見募集稿」といいます)による意見募集を経
て、外商投資産業指導目録の6回目の改訂版である本目録が公布されました。今回の改訂は、一
昨年に開催された三中全会9で採択された「改革の全面的深化における若干の重大な問題に関す
る決定」の趣旨に基づいて改革を全面的に深化させると同時に、更なる対外開放を積極的に推
進するための重要な措置であるとされ、サービス業や一般製造業への外資参入規制が重点的に
緩和されています。
実際、本目録は、2011年版の目録10(以下「2011年版目録」といいます)と比べ、制限類が
41項目(79項目から38項目へと)減尐し、禁止類が2項目(38項目から36項目へと)減尐してい
ます。また、奨励類、制限類の中でこれまで外資出資規制として、
「合弁、合作」形態でなけれ
ばならないとされていた項目が、2011年版目録の43項目から15項目に、「中方がマジョリティ」
でなければならないとされていた項目が、44項目から35項目まで減尐しています。以下では、
特に日系企業への影響があると思われる産業分野及び項目の修正ポイントをご紹介します。
(1)製造業分野
製造業分野については、禁止類及び制限類に分類されていた複数の項目が、禁止類、制限類
から削除されました。具体的には、2011年版目録の禁止類に分類されていた①「中国の伝統的
技術である緑茶及び特種茶の加工(銘茶、黒茶等)」
、②「開放型(酸性ミスト直接排出式)鉛
8
貸付金利の上限規制、預金金利の下限規制は 2004 年に、貸付金利の下限規制は 2013 年に撤
廃されました。
9 2013 年 11 月 9 日~11 月 12 日に開催された中国共産党第 18 期中央委員会第三回全体会議を
指します。
10 国家発展改革委員会・商務部令第 12 号、2011 年 12 月 24 日公布、2012 年 1 月 30 日施行
Page 17 of 35 第 132 号(2015 年 4 月 30 日発行)
酸蓄電池、水銀を含むボタン式酸化銀電池、水銀を含むボタン式アルカリ性亜鉛マンガン電池、
ペースト式亜鉛マンガン電池、ニッカド電池の製造」、③「一閑張技法の漆器の生産」、④「ホ
ウロウ製品の生産」
、及び⑤「発がん性・催奇形性・突然変異誘発製品及び恒久的有機汚染物製
品の生産」がいずれも禁止類から削除され11、2011年版目録の制限類に分類されていた①飲料
製造業(具体的には、
「醸造酒、有名で良質な蒸留酒の生産(中国側の持分支配)
」)、②たばこ
製品業(具体的には、
「たばこの葉の除骨・乾燥加工生産」)、③石油加工、コークス製造及び核
燃料加工業の一種である「1000万トン/年以下の石油の常圧・減圧蒸留、150万トン/年以下の
接触分解、100万トン/年以下の連続触媒再生式接触改質(芳香族炭化水素の抽出を含む)、150
万トン/年以下の水素化分解による生産」12、④化学原料及び化学製品製造業(具体的には、
「ソーダ灰、カセイソーダ並びに一定規模以下の又は旧式技術の採用による硫酸、硝酸、炭酸
カリウムの生産」等)
、⑤化学繊維製造業(具体的には、「非連続式通常紡績による化学繊維紡
績糸の生産」及び「レーヨンの生産」
)
、⑥「電解アルミ、銅、鉛、亜鉛等の非鉄金属の製錬」、
⑦汎用設備製造業(具体的には「各種普通レベル(PO)ベアリング及び部品(鋼球、保持器)、
半製品の製造」等)
、⑧専用設備製造業(具体的には「一般ポリエステル長繊維、短繊維設備の
製造」等。なお、禁止類に属する「武器弾薬の製造」用の専用設備は除く)等が、制限類から削
除されました。
(2)自動車関連産業
2011年版目録の公布時、国内の自動車生産能力が過剰気味であり、中国の自動車産業の健全
な発展を確保する必要性があるという背景から、自動車完成車の製造(外資出資比率は50%以下)
が奨励類の分類から削除されました。
本目録では、既存の政策13に関するものであり、新たな規制とはいえないものの、自動車完
成車、専用自動車及びオートバイの製造に関して、以下の内容が制限類に明記されました。
「中国側の持株比率は50%を下回らず、一社の外商は、同じ種類(乗用車類、商用車類、オー
トバイ類)の完成車製品を生産する合弁企業を中国国内に二社まで(二社を含む)設立するこ
とができ、中国側合弁パートナーと共同で中国国内の他の自動車生産企業を吸収合併する場合
には、二社までの制限を受けない。
」
また、本目録意見募集稿では、奨励類における自動車電子装置の製造・研究開発領域の一部
の製品、技術項目(具体的には、①「自動車のバス型ネットワーク電子技術(合弁に限定)
」、
②「電動パワーステアリングシステム電子制御機器(合弁に限定)」、③「埋込式電子集積シス
テム(合弁、合作に限定)
」
)に対する投資に付されていた合弁、合作の制限を削除する修正が
なされていました。しかし、本目録では、③「埋込式電子集積システム」を除き、①「自動車
のバス型ネットワーク電子技術」及び②「電動パワーステアリングシステム電子制御機器」に
ついては、引き続き「合弁に限定」しています(奨励類206)
。
これは、完成車製造への制限が引き続き行われている中で、自動車関連装置の外資への開放
11
新たに禁止類に分類されたものとしては、「核燃料の生産」があります(禁止類 9)
。
但し、
「石油加工、コークス製造及び核燃料加工業」である「放射性鉱物の製錬、加工」は、
2011 年目録でも 2015 年目録でも禁止類に分類されています(禁止類 9)
。
13 「自動車産業発展政策」
(国家発展改革委員会令第 8 号、2004 年 5 月 21 日公布、同日施行)
Page 18 of 35 第 132 号(2015 年 4 月 30 日発行)
12
をも慎重に検討し、完成車製造の開放と歩調を合わせる必要があるという考えを示したことの
表れであると思われます。
(3)金融業
金融業分野においては、まず、2011年版目録では、制限類に分類されていた①「金融会社」、
②「信託会社」
、③「金融仲介会社」
、④「保険仲立会社」が2015年版目録の制限類から削除さ
れました。
また、
「証券会社」について、2011年版目録では、
「A 株引き受け、B 株及び H 株並びに政府及
び会社債券の引き受けと取引に限定。外資比率は1/3を超えない」との厳格な規制がされていた
ところ、本目録では、
「設立時は人民元建ての普通株式、外国株式及び公債、社債の引き受けと
保証推薦、外国株式の仲介、公債、社債の仲介及び自営に限定。設立から2年経過後、条件を満
たす会社は業務範囲の拡大を申請することができる。外資比率は49%を超えない」との規制に緩
められています(制限類26)
。
なお、
「銀行」については、
「単一の中国国外金融機関及びこれに支配され又は共同で支配さ
れている関連当事者が発起人又は戦略的投資家となって単一の中国資本の商業銀行に出資する
場合の出資比率は20%を超えてはならず、複数の中国国外金融機関及びこれに支配され又は共同
で支配されている関連当事者が発起人又は戦略的投資家となって出資する場合の出資比率は合
計で25%を超えてはならず14、
農村の中小金融機関に出資する中国国外の金融機関は銀行類金融
機関でなければならない」との規制が追記されています(制限類24)
。
(4)サービス業
サービス業分野においては、冒頭で述べたとおり、外資参入規制が緩和される傾向にありま
す。具体的には、2011年版目録の制限類に分類されていた①「オーディオ・ビジュアル製品(映
画を除く)の流通(合作に限定)
」
、②「鉄道貨物輸送会社」、③「出入国自動車輸送会社」
、④
「輸出入商品の検査、鑑定、認証会社」
、⑤「測量製図用航空撮影以外の撮影サービス(航空撮
影等の特殊撮影サービスを含む。合弁に限定)」、⑥「直接販売、通信販売、ネット販売」、⑦「植
物油、食用砂糖、たばこ、原油、農薬、農業用フィルム、化学肥料の卸売、小売、配送(30を
超える支店を設立し、複数のサプライヤーから仕入れた異なる種類及びブランドの商品を販売
するチェーン店は、中国側の持分支配とする)」
(但し、たばこ製品等の卸売、小売については、
禁止類に追加されました)
、⑧「娯楽施設の運営(合弁、合作に限定)」等が、本目録の制限類
から削除されました。
また、
「上演場所の運営」については、2011年版目録では中国側の持分支配が要求されていま
したが、本目録では当該要求が削除されており(奨励類348)、
「工業設計、建築設計、衣料設計
等のクリエイティブ産業」
(奨励類340)が新たに奨励類に取り入れられるなどしています。
もっとも、本目録意見募集稿では、
「映画館の建設、運営(中国側の持分支配)」、
「大型テー
マパークの建設、運営」
、
「公演仲介機構(中国側の持分支配)」を制限類から削除し、「映画興
14
当該規制については、既に「中国資本の商業銀行行政許可事項の実施弁法(2013)」
(中国銀
行業監督管理委員会令 2013 年第 1 号、2013 年 10 月 15 日公布、同日施行)第 11 条で定められ
ています。
Page 19 of 35 第 132 号(2015 年 4 月 30 日発行)
業会社」を禁止類から削除する案がありましたが、正式に公布された本目録にはこれらは反映
されていません。
(5)医療、養老産業
まず、
「医療機関」に関しては、これまでの許可類から制限類に分類され、かつ「合弁、合作」
に限定されました(制限類34)
。2011年目録の公布時、「医療機関」は制限類から許可類に移さ
れましたが、本目録によって再度制限類に分類されることとなりました。
もっとも、医療機関については外資への開放の動きもあります。具体的には、2014年6月30
日に公布された上海自由貿易区の2014年版ネガティブリスト15では、医療機関について、
「支店
の設立を認めない」こと以外に中国側の持分に関する条件等を設けることはしていないため、
同区では、外商独資病院プロジェクトの実行が可能であると考えられています。また、2014年7
月25に国家衛生・計画生育委員会と商務部により「外資系独資病院設立試行業務の実施に関す
る通知」16(以下「試行通知」といいます)が公布され、同試行通知では、北京市、天津市、
上海市、江蘇省、福建省、広東省、海南省といった試行区域において、中国国外投資者が新設
又は買収・合併の方法をもって外商独資病院を設立することを認める旨が規定されています。
このように、医療機関については、規制と開放という2つの潮流が見らますが、全国的に適用
される本目録において、制限類に分類されたことからすれば、近日中に、全国的に独資による
外商投資医療機関の設立が認められる見込みは低いと考えられます。
次に、養老産業への外資参入については、本目録は積極的な姿勢を見せており、具体的には、
本目録では「高齢者福祉施設」を新たに奨励類に取り入れています(奨励類347)17。
2.今後の注意点
冒頭でも言及しましたとおり、本目録は、更なる対外開放を積極的に推進するために公布さ
れたものです。実際、制限類、禁止類の項目数、及び「合弁、合作」、「中方がマジョリティ」
等の資本規制数も目に見えて減尐しています。
しかし、他方で、中国に進出する尐なくない日系企業に関連する自動車関連産業については、
目立った緩和の動きはなく、医療機関についても、上海自由貿易区での開放を皮切りに全国的
な開放が期待されるところではありましたが、本目録では許可類から制限類に分類されること
となりました。このため、これらの産業については、今後も中国政府の政策動向を注視する必
要があります。
また、2015年1月19日に、商務部より「外国投資法」に関する意見募集稿が公表されており、
同法では外国投資特別管理措置目録(いわゆるネガティブリスト)による外資規制を予定して
15
上海市人民政府公告 2014 年第 1 号
国衛医函[2014]244 号
17 なお、2014 年 11 月 24 日に商務部と民政部は共同で「外商投資による営利性養老機構設立の
関連事項に関する公告」
(商務部公告 2014 年第 81 号)を公布し、同公告では、外国投資者が中
国において単独又は合弁、合作の形で営利性養老機構を設立・運営することの奨励とともに、
設立条件、手順に関する手引が規定されています。
Page 20 of 35 第 132 号(2015 年 4 月 30 日発行)
16
います(同意見募集稿第6条、第23条)
。今後、外商投資産業指導目録が、ネガティブリストに
取って代わられることになるか、両者の内容と相関関係も注目に値します。
以上目録の主な内容、企業への影響について、徳勤華永会計師事務所にも解説頂いた。
解説
1、主な内容
2015年の改正により、製造業及びサービス業を中心に大幅な制限類項目の削除が行われ、外
資比率に関しても条件緩和が多くみられる。「外商投資産業指導目録」の改正は今回で6回目だ
が、過去の改正との比較においても大幅な外資規制の見直しが行われており、外資の参入を促
進したいという中国政府の意図が明確に示された。
【外商投資産業指導目録】

中国において外商投資プロジェクトは、国家発展改革委員会が定める「外商投資産業指
導目録」
(以下は「目録」
)により、奨励類、許可類、制限類、禁止類 の4種類に分類さ
れ、分類ごとに審査認可権限や享受できる優遇政策等が定められている。1995年に初め
て目録が公布されて以来、その時々の外資政策を反映する形でこれまで5度の改正が行わ
れてきた。以前は、奨励類に該当すればプロジェクトの審査認可段階で認可が得やすい、
企業所得税等に関する優遇制度を享受できる等のメリットがあった。今日においては、
審査認可権限の下部機関への委譲や届出制への移行、優遇制度の廃止が進んでおり 、奨
励類に該当することのメリットは目録の導入当初と比較すればきわめて限定的である 。
また2015年版目録の公布には、これまで区別されてきた外商投資プロジェクトに関する
管理を、内資との統一的な管理体系へと集約する意図が反映されている。
【改正のポイント】

2015年版目録の趣旨として、①外資参入規制緩和 ②外資の(特定領域への)誘導
③
政策体系の構築の3点がある。
「外資参入規制緩和」は、制限類リストの大幅な縮小、外
資比率に関する規制の見直しが具現化されている 。今回の改正により、制限類項目は79
から38へと大幅に減尐した。一般的な製造業・サービス業に関する規制の大幅な見直し
が行われた一方で、文化・教育関連業種等の規制緩和の見送りや規制強化が行われてお
り、「外資を特定の領域へ誘導」したい中国政府の思惑が反映されたものとなっている。
結果として、今回の改定により許可類プロジェクトが大幅に増加したことになるが、
「政
策体系構築」の側面においては、許可類項目について外資の出資比率に関する制限を維
持しない旨が同時に説明されており、今後、外資政策の透明性が増すものと期待される。
また、
“中国側の持分支配”要求のない奨励類及び許可類の外商投資プロジェクトには、
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その投資総額に関わらず届出制が適用されるので、制限類リストの縮小は、多くのプロ
ジェクトが認可制から届出制へ移行されることに直結する。各分類の項目数の変化は以
下となっている。

分類
2011 年版
2015 年版
減少数
奨励類
354
349
5
制限類
79
38
41
禁止類
38
36
2
奨励類
5項目の減尐にとどまり大きな変化はない。奨励類リストに新たに追加された項目としては、
養老機構があり、当該分野は今後の外資参入が期待される領域である。また、外資比率に関
する制限が緩和された項目としては、定期・不定期国際海上輸送業務があり、これまでの“中
国側の持分支配”から“合弁・合作のみ”へ改められた。

制限類
制限類の項目数は79項目から38項目へ、大幅に減尐した。製造業では、農副産物加工業の
一部、飲料製造業、石油加工業、化学原料・化学製品製造業、化学繊維製造業、通用設備・
商用設備製造業や医薬品製造業における、すべての項目が制限類リストから削除されている。
この中には、工事用重機類の各種車両の製造等も含まれている。
一方、今回新たに制限類リストに加わった項目としては、自動車完成車・業務用自動車・
オートバイの製造や医療機構等がある。前者は規制緩和が期待された項目であるが、制限類
に分類され、自動車産業政策に関する現行の規定がそのまま維持されている。医療機構は、
2011年版目録においてそれまでの制限類から許可類に変更され、外資の参入が促進されるも
のと考えられていたが、2015年版目録において再び制限類へと分類変更されているため、注
意が必要である。制限類リストの主要な改正点は以下の通り。
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2015 年版目録における業種
主要な改正点等(一部抜粋)
一、農業・林業・牧畜業・漁業
・希尐樹種原木加工(合弁、合作のみ)、綿花(種綿)加工を削
除。
・海洋マンガン塊、海砂の採掘(中国側の持分支配)等を削除。
二、採鉱業
三、製造業
・項目数を 32 項目から 8 項目に縮小。
・農副産物加工業の一部、飲料製造業、石油加工業、化学原料・
化学製造業、化学繊維製造業、通用設備・商用設備製造業や医
薬品製造業等の全部を削除。
・自動車完成車・業務用自動車及びオートバイの製造(中国側の
出資が 50%を下回らない)等を追加。
・意見聴取稿で制限類から外されていた、出版物の印刷業(中国
側の持分支配)は、制限類リストに残留。
四、電力・熱エネルギー・ガス・ ・電力網の建設、運営(中国側の持分支配)を削除。
水の生産及び供給
五、交通輸送、貯蔵及び郵政業
・鉄道貨物輸送会社、出入国自動車輸送会社を削除。
六、情報伝送、ソフトウェア及び ・付加価値電信業務に関する外資比率制限(50%を超えない)の
情報技術サービス業
対象から電子商取引を除外。
七、卸売・小売業
・直接販売・通信販売・インターネット販売、穀物・綿花等の小
売・配送、音響・映像製品(映画を除く)の流通(合作のみ)
を削除。
八、金融業
・保険ブローカー会社を削除。
(不動産業)
・土地の大規模開発(合弁、合作のみ)等 3 項目すべてを削除。
九、
リース及びビジネスサービス ・法律コンサルティングを削除。
(但し、
「中国法務コンサルティ
業
ング」として禁止類リストへ)
十、
科学研究及び技術サービス業 ・輸出入商品検査・鑑定・認証会社、撮影サービス(空中撮影等
の特殊撮影サービスを含むが、測量航空撮影を含まず、合弁に
限定)を削除。
十一、教育
・高等教育機構、就学前教育機構(共に合作のみ、中国側主導)
の 2 項目を追加。
・全ての項目において(合作のみ、中国側主導*)の条件を追加。
*“中国側主導”とは、学校長または主要な事務責任者が中国国
籍を有していることを指し、中外合作経営機構の理事会、董事会
または聯合管理委員会における中国側構成員が二分の一を下回
ってはならない。
十二、衛生、社会サービス
・医療機構(合弁、合作のみ)を追加。
十三、文化、体育と娯楽業
・娯楽場の経営(合弁、合作のみ)を削除。
・映画館の建設・経営(中国側の持分支配)、大型テーマパーク
の建設・経営等は制限類として残留。

禁止類
今回削除された項目としては、開口式(酸性霧直接排出式)鉛酸電池・水銀を含むボタン型
酸化銀電池・水銀を含むボタン型アルカリ性亜鉛マンガン電池・ペースト式亜鉛マンガン電池・
ニッケルカドミウム電池の製造、琺瑯製品の生産、中国伝統工芸の緑茶・特殊茶の加工(銘茶、
黒茶等)等があり、これらはすべて製造業の項目である。新たに追加された項目には、中国法
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務コンサルティングがある。2011 年版目録において制限類リストに法律コンサルティングとし
て記載されていたが、2015 年版目録では禁止類とされた。さらに“中国の法律環境アセスメン
トに関する情報提供”は禁止類から除外される旨の記載があるが、その定義は明確になってい
ない。また、項目の一部が追加された業種には、各種地図の作成業務、インターネット出版サ
ービス、文化財競売の競売会社・骨董店の経営等がある。音響・映像製品及び電子出版物の制
作業務(中国側の持分支配)は、2015 年版目録では禁止類リストに残る結果となった。
2、企業への影響
2015 年版目録の施行により、中国市場の更なる対外開放が期待される。今回の改正により制
限類リストから削除された業種の大部分は許可類へ変更されており、外商投資プロジェクト管
理の合理化、内・外資に対する統一的な管理体制の実現へ大きく前進するものと期待される。
今後公布されるとみられる「外国投資法」 等の動向に注意する必要はあるものの、外国投資者
にとっては大部分の業種において歓迎すべき内容であると言える。
(3)「食品リコール管理弁法」(食品召回管理办法)
2015 年 3 月 11 日公布、同年 9 月 1 日施行
http://www.sda.gov.cn/WS01/CL0053/115580.html
同弁法の主な内容、今後の注意点について、KLO 投資コンサルティング(上海)有限公司に解
説頂いた。
解説
1.主な内容
昨年 7 月、大手ファーストフード店にも加工肉を納入している工場で期限切れ肉の使用が発
覚したことは記憶に新たらしいものと思われますが、食の安全の問題は中国において後を絶ち
ません。その中で、食品製造・販売管理を強化し、安全ではない食品の危害を減尐又は回避し、
大衆の身体の健康及び生命の安全を保障することを目的に、食品安全法18及びその実施条例19
等に基づき、本弁法が制定されました(本弁法第 1 条)。本弁法は、安全ではない食品のリコ
ール方法等の詳細を規定するものであり、その主な内容は以下のとおりです。
(1)本弁法の対象物
本弁法は、安全ではない食品の製造・販売の停止、リコール及び処理並びにその監督管理に
適用される旨を規定した上で、「安全ではない食品」について、以下のとおり定義しています
(本弁法第 2 条)。
18
19
主席令第 9 号、2009 年 2 月 28 日公布、同年 6 月 1 日施行
国務院令第 557 号、2009 年 7 月 20 日公布、同日施行
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「食品安全法律法規が製造・販売の禁止を規定する食品20及びその他の人体の健康に危害を
与える可能性があることを証明する証拠がある食品」
(2)製造・販売の停止
食品の製造・販売者は、その製造・販売する食品が安全ではない食品に該当することを発見
した場合、即時に製造・販売を停止し、通知又は公告の方法で、関連する食品の製造・販売者
に対して製造・販売の停止を、消費者に対して食用の停止を告知しなければならず、かつ食品
安全リスクを防止、コントロールするのに必要な措置を取らなければなりません(本弁法第 8
条第 1 項)。
また、本弁法の特徴は、食品の製造・販売者のみならず、食品の集中取引市場の開設者、食
品の販売売り場の賃貸人、食品展示即売会の主催者やインターネット上の食品取引第三者プラ
ットフォーム提供者についても、食品の販売者が販売する食品が安全ではない食品に該当する
ことを発見した場合には、有効な措置を取り、安全ではない食品の販売停止を確保しなければ
ならないことにあるといえます(本弁法第 9 条、第 10 条)。
(3)リコール
食品製造者は、自主検査、消費者からのクレーム、通報、販売者又は管理監督部門からの告
知等の方法により、その製造・販売する食品が安全ではない食品に該当することを知った場合
には、自主的にリコールしなければなりません(本弁法第 12 条)。リコールはリコール計画に
従って行う必要があります(本弁法第 14 条)。
また、リコールは、食品安全リスクの深刻度及び緊急度に基づき、以下の三級に分けられ、
それぞれに従った対応を行う必要があります(本弁法第 13 条、第 18 条)21。
・ 一級リコール:食用後、深刻な健康被害、ひいては死亡をすでにもたらしている又はも
たらす可能性がある場合、食品製造者は食品安全リスクを知ってから 24 時間以内にリコ
ールに着手し、かつ県クラス以上の地方の食品薬品監督管理部門にリコール計画を報告
しなければならない。また、その実施は、公告を発布した日から 10 営業日以内に完了し
なければならない。
・ 二級リコール:食用後、通常の健康被害をすでにもたらしている又はもたらす可能性が
ある場合、食品製造者は食品安全リスクを知ってから 48 時間以内にリコールに着手し、
かつ県クラス以上の地方の食品薬品監督管理部門にリコール計画を報告しなければなら
20
食品安全法が製造及び販売を禁止する食品としては、①食品原料でないものを用いて製造し
た食品、食品添加物以外の化学物質及びその他人体の健康に危害を及ぼすおそれのある物質を
添加した食品、又は回収した食品を原材料に用いて製造した食品、②腐敗・変質し、油脂が酸
化し、カビ・虫が発生し、不潔・不衛生な、異物が混入し、偽物・不純物が混入し、又は感覚
的性状が異常な食品、③病死し、毒死し、又は死因不明の鳥、家畜、獣、水産動物の肉類及び
その製品、④品質保持期限を超えた食品等の 11 の食品が列挙されています(同法第 28 条)。
21 なお、リコールの完了期限については、状況が複雑である場合には、県級以上の地方食品薬
品監督管理部門の同意を得ることで、適当な期間延長することが可能です(本弁法第 18 条第 4
項)
。
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ない。また、その実施は、公告を発布した日から 20 営業日以内に完了しなければならな
い。
・ 三級リコール:ラベル、表示に虚偽の内容が存在する食品について、食品製造者は食品
安全リスクを知ってから 72 時間以内にリコールに着手し、かつ県クラス以上の地方の食
品薬品監督管理部門にリコール計画を報告しなければならない。ラベル、表示に瑕疵が
存在するが、食用後に健康被害をもたらさない食品については、食品製造者はこれを是
正しなければならず、自由意志でリコールを行うことができる。また、その実施は、公
告を発布した日から 30 営業日以内に完了しなければならない。
なお、食品販売者は、食品製造者が安全ではない食品をリコールしたことを知った後、即時
に安全ではない食品の購入、販売を停止し、封印する措置を採り、経営場所の目に付く位置に
製造者が発布したリコール公告等の措置を貼るとともに、食品製造者が行うリコール作業に協
力しなければなりません(本弁法第 19 条)。
さらには、自らの原因で安全ではない食品が発生した場合又は生産者が確定できない、若し
くは破産した等の原因でリコールが行えない場合には、その販売の範囲において、自主的に安
全ではない食品のリコールを行わなければなりません(本弁法第 20 条、第 21 条)。
(4)リコール後食品の処理等
食品製造・販売者は、市場から回収した安全ではない食品、人体の健康又は生命の安全に重
大な危害をもたらす安全ではない食品について、救済措置、無害化処理、廃棄等のそれぞれに
対して定められた措置を講じなければなりません(本弁法第 23 条、第 24 条)。
また、食品製造・販売者は、事実に基づき製造・販売の停止、リコール又は処置を行った安
全ではない食品の名称、商標、規格、製造日時、ロット、数量等の内容を記録し、最低 2 年以
上保存しなければなりません(本弁法第 28 条)。
(5)法的責任
本弁法の各規定に違反した場合の罰則については、以下のとおり規定されています。
① 食品製造・販売者が安全ではない食品の製造・販売を直ちに停止せず、自発的にリコー
ルせず、規定の期限どおりにリコールに着手せず、安全ではない食品をリコール計画ど
おりにリコールしない場合、又は安全ではない食品を規定どおりに処分していない場合:
食品薬品監督管理部門より警告が与えられるとともに、1 万元以上 3 万元以下の過料(本
弁法第 38 条)
② 食品販売者が、食品製造者による、安全ではない食品のリコールに協力しない場合:
食品薬品監督管理部門より警告が与えられるとともに、5000 元以上 3 万元以下の過料(本
弁法第 39 条)
③ 食品製造・販売者が、規定通りに関連報告義務を履行しなかった場合:
食品薬品監督管理部門が是正するよう命じ、警告を与え、是正を拒むときは、2000 元以
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上 2 万元以下の過料(本弁法第 40 条)
④ 食品製造・販売者が、食品薬品監督管理部門が食品製造・販売者に安全ではない食品を
法に基づき処分するよう命じたが、食品製造・販売者が履行を拒み又は履行を遅延した
場合:
食品薬品監督管理部門より警告が与えられるとともに、2 万元以上 3 万元以下の過料(本
弁法第 41 条)
⑤ 食品製造・販売者が、安全ではない食品の製造・販売停止、リコール及び処分の状況を
規定どおりに記録・保管していない場合:
食品薬品監督管理部門が是正するよう命じ、警告を与え、是正を拒むときは、2000 元以
上 2 万元以下の過料(本弁法第 42 条)
なお、本弁法では、処罰の軽減又は免除についても規定しており、具体的には、食品製造・
販売者が安全ではない食品について製造・販売停止、リコール及び処分の措置を自発的に行い、
被害の影響が除去又は軽減された場合には、法に基づく範囲内のより軽い処罰を適用し又は処
罰を軽減するとされ、また、違法の情状が軽微であり、かつ速やかに是正し、被害の影響が生
じなかった場合には、行政処罰を与えないとされています(本弁法第 43 条)。
2.今後の注意点
本年 3 月 5 日の第 12 期全国人民代表大会第 3 回会議上で李克強総理より行われた政府活動報
告において、「食品の安全」は、医療、養老、住宅、交通、教育、収入の分配、社会治安とと
もに、国民が不満を抱いているものの 1 つに挙げられています。このことからすれば、中国政
府は、今後、食品の安全に対する対策、管理を強化するものと考えられ、本弁法も厳格に適用
されるものと推測されます。このため、食品製造・販売を営む日系企業においては、本弁法施
行前に、本弁法に基づくリコール等が可能な体制を構築しておくことが望まれます。もっとも、
食品の流通過程においては、取次販売商から卸売り販売商や小売商まで、いずれの者が介入す
るかで販売ルートがさまざまであり、実際にリコールする場合の実行性や、期限中に完成でき
るかなどについて不明な点も尐なくないため、施行後の実務運用に注意する必要があります。
(4)「立法法(2015 年改正)
」(立法法(2015 年修改))
2015 年 3 月 15 日公布、同日施行
http://www.npc.gov.cn/npc/dbdhhy/12_3/2015-03/18/content_1930713.htm
同法の主な内容、今後の注意点について、KLO 投資コンサルティング(上海)有限公司に解説
頂いた。
解説
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第 132 号(2015 年 4 月 30 日発行)
1.主な内容
中国政府は、現在、2014 年の四中全会22のテーマになった「法に基づく治国」
(中文では「依
法治国」
)に注力しています。このような新たな情勢は、立法作業に対しても、これまでより高
い要求を求めることになり、
「立法の法」ともいわれる本法について、2000 年に施行されて以
来初めてとなる改正がなされました。
今回の改正は 46 項目に亘る比較的大規模なものとなっているため、全国人民代表大会(以下
「全人大」といいます)常務委員会法制作業委員会の担当者が記者に対する回答で挙げた 7 つ
の注目点に関連する主な内容をご紹介します。
(1)立法権付与の規範化
本法第 9 条では、全人大及びその常務委員会は、法律制定事項について法律が制定されてい
ない場合、国務院に対して先に行政法規を制定することを授権する決定権限を有するとされて
います。
当該授権の際、従前より規定されている授権に関する①目的、②範囲に加え、③事項、④期
間及び⑤被授権機関が授権決定を実施する際に遵守すべき原則等を明確にしなければならない
旨が規定されました(本法第 10 条第 1 項)。
また、授権の期間については、授権決定に別途の定めがない限り、5 年を超えてはならない
こと、被授権機関は、授権期間が満了する 6 か月前までに、授権機関に対して授権決定の実施
状況を報告し、かつ関連する法律を制定する必要があるか否かにつき意見を提出しなければな
らず、引き続き授権を必要とする場合には関連する意見を提出することができ、全人大会及び
その常務委員会がその決定を行うことが新たに規定されました(本法第 10 条第 2 項、第 3 項)。
(2)市への地方立法権付与の規範化
これまで地方性法規の制定が認められる地方行政機関としては、省、自治区、直轄市及び比
較的大きな市の人民代表大会及びその常務委員会が挙げられていました。
このうち、市について、
「比較的大きな市」から「区設置市」に改正されるとともに、その制
定領域が、
「都市・農村の建設と管理、環境保護、歴史文化保護等の分野」に制限されることが
明記されました(本法第 72 条第 2 項)
。
(3)租税法定原則の強調・詳細化
これまで、租税については、
「基本経済制度並びに財政、租税、税関、金融及び対外貿易の基
本制度」のように、その他の項目と並列して、法律制定事項である旨が規定されていました。
本法では、租税について、他の項目とは独立した号において、また「税目の設定、税率の確
定及び租税徴収管理等の租税の基本制度」として更に詳細な内容で、法律制定事項である旨を
規定しています(本法第 8 条第 6 号)
。
22
2014 年 10 月 20 日~23 日に開催された中国共産党第 18 期中央委員会第四回全体会議を指し
ます。
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(4)部門規則及び地方政府規則の境界の確定
部門規則で定めることが可能な事項に関して、従前と同様、
「法律又は国務院の行政法規、決
定、命令の執行事項に該当するものでなければならない」ことに加えて、
「法律又は国務院の行
政法規、決定、命令の根拠なしに、部門規則には国民、法人及びその他の組織の権利を弱め、
又はそれらの義務を増やす規範を設定してはならず、当部門の権限を増やし又は当部門の法定
の職責を減尐させてはならない」旨が規定されました(本法第 80 条第 2 項)。
また、地方政府規則についても、
「法律、行政法規及び当省、自治区、直轄市の地方性法規に
基づき、規則を制定することができる」ことに加えて、
「法律、行政法規、地方性法規の根拠な
しに、地方政府規則は国民、法人及びその他の組織の権利を弱め、又はそれらの義務を増やす
規範を設定してはならない」旨が規定されました(本法第 82 条第 6 項)
。
(5)表決システムの健全化と立法効率の向上
常務委員会会議に上程された法律案は、原則として常務委員会会議において審議を 3 回経た
後で表決に付されますが、例外として、2 回の審議23又は 1 回の審議で表決に付される場合が
あります。
このうち、1 回の審議で表決に付される場合について、従前は「一部修正の法律案について
各界の意見が比較的一致している場合」が挙げられていたところ、
「調整事項が比較的単純であ
り、又は一部修正の法律案について各界の意見が比較的一致している場合」として、調整事項
が比較的単純である場合が追記され(本法第 30 条)
、立法効率の向上が図られています。
また、表決時に関しても、意見の不一致が比較的大きい個別の重要な条項については、常務
委員会会議に上程して単独で表決を仰ぐことの決定ができる旨(本法第 41 条第 2 項)、多くの
法律の中の同種の事項に関する個別条項の修正について、まとめて法律案が提出された場合、
一括して表決することも、別々に表決することも可能である旨(本法第 43 条)が新たに規定さ
れています。
(6)違憲・違法審査制度の改善
従前より、行政法規、地方性法規、自治条例及び単行条例が憲法又は法律に抵触すると認め
られる場合、全人大常務委員会がその審査を行うこととされています。
もっとも、従前は、当該審査は、国務院、中央軍事委員会等の国家機関による書面での請求
又は請求が可能な国家機関以外の国家機関、社会団体、企業組織・政府系公益組織又は国民に
よる書面での建議があって初めて審査が行われることとされていましたが、今回新たに関連の
専門委員会及び常務委員会の作業機関において、届出がなされた規範性文書に対して自発的に
審査を行うことができる旨が規定されました(本法第 99 条)。
23
2 回の審議で表決に付されるのは、上程された法律案について、各界の意見が比較的一致し
ている場合です。
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また、関連の専門委員会及び常務委員会の作業機関は規定の求めに従い、審査建議を提出し
た国家機関、社会団体、企業組織・政府系公益組織及び国民に審査・検討の状況をフィードバ
ックしなければならず、かつ社会に公開することができる旨が規定されました(本法第 101 条)
。
(7)司法解釈に対する更なる規範化
最高人民法院、最高人民検察院が行う審判、検察業務における法律の具体的な応用に該当す
る解釈(以下「司法解釈」といいます)に関して、①主として具体的な法律の条文に対応し、
かつ立法の目的、原則及び本来の意図に合致していなければならないこと、②本法第 45 条第 2
項に定める状況24に遭遇した場合、全人大常務委員会に対し法律解釈を要求し、又は関連法律
の制定、修正の議案を提出しなければならないこと、③公布の日から 30 日以内に全人大常務委
員会に届け出なければならないこと、④最高人民法院、最高人民検察院以外の審判機関及び検
察機関は、法律の適用に関する具体的な解釈を行ってはならないことが新たに規定されていま
す(本法第 104 条)
。
2.今後の注意点
今回の改正は、
「法に基づく治国」の推進を背景に行われ、実際にその改正内容においても、
これを確保、徹底するためのものと思われる内容が含まれています(上記の中では、租税法定
原則の強調・詳細化(上記 1(3)
)
、部門規則及び地方政府規則の境界の確定(上記 1(4))
、司
法解釈に対する更なる規範化(上記 1(7))等)
。これまで、ビジネスの現場において、法的根
拠がない各部門又は各地方政府が制定した規則等に従うことを余儀なくされている旨を聞き及
ぶことがありましたが、本法施行後は、このような状況は生じ難くなるものと思われ、その意
味で、今回の改正は日系企業にとって歓迎すべきものであると考えられます。
(5)
「海外関連者への支払費用に関する企業所得税問題の公告」
(国税総局公告 2015 年第
16 号)(关于企业向境外关联方支付费用有关企业所得税问题的公告)
http://www.chinatax.gov.cn/n810341/n810755/c1519231/content.html
2015 年 3 月 18 日発布
2015 年 3 月 18 日より施行
同公告の主な内容、企業への影響について、徳勤華永会計師事務所に解説頂いた。
解説
1. 主な内容
本公告は、海外関連者への支払費用に関連する損金算入について新たに公布したものである。
海外関連者への支払費用の移転価格管理を規範化・管理することが目的とされており、昨年公
布された 146 号通達の後続通達と位置づけられる(146 号は、国家税務総局が多額のサービス
24
具体的には以下の状況です。
① 法律の規定について具体的意味を更に明確にする必要があるとき
② 法律制定後に新たな状況が生じ、法律の適用根拠を明確にする必要があるとき
Page 30 of 35 第 132 号(2015 年 4 月 30 日発行)
費とロイヤルティを海外関連者に支払う企業への状況調査をするよう各地の税務局に指示した
ものである)
。当該措置は、サービス費及びロイヤルティの支払を通して中国から利益移転がな
されているとの国家税務局の懸念を示したのもであり、2014 年後半からこうした支払に関連す
る調査が増えている。この度公布された 16 号は、海外関連者に支払うサービス費とロイヤルテ
ィについて、以下の通り規定している。
【サービス費】

企業が海外関連者から役務提供を受けて支払う費用について、当該役務は企業に直接的
又は間接的に経済利益をもたさなくてはならない。企業が下記の役務を受けて海外関連
者に支払う費用については、企業所得税の計算上、損金算入してはならない。

企業が負う機能及びリスク、又は経営とは無関係の役務活動。

関連者が企業の直接または間接の投資者の投資利益を保証するために行う、企業に対す
る統制、管理、監督等の役務活動。

関連者が行うもので、企業が既に第三者から購入した、または自ら実施した役務活動。

企業はグループに属することで収益を得たが、グループ内で関連者から当該企業のため
に具体的に受けていない役務活動。

その他の関連者間取引の中で補償を受けている役務活動。

その他、企業に直接的又は間接的に経済的利益をもたらさない役務活動。
【ロイヤルティ】

国外関連者が提供した無形資産を企業が使用して支払う特許使用料について、関連者各
自の当該無形資産の価値創造への貢献度を考慮の上、各自が得るべき経済利益を確定し
なければならない。企業が単に無形資産の法的所有権を持っているが価値創造の貢献度
のない関連者へ支払う特許使用料は、独立企業原則に則っておらず、企業所得税の計算
上、損金算入してはならない。

企業が融資や上場を主要目的として、海外にホールディングカンパニーや融資会社を設
立し、その融資活動により付随利益が生み出されたことで海外関連者へ支払う特許使用
料は、企業所得税の計算上、損金算入してはならない。
【その他】

企業が海外関連者に支払う費用は、独立原則に基づかなければならず、独立企業原則に
基づかない海外関連者への支払費用は税務局が調整を加えることができ、税務局は当該
業務が発生した納税年度から起算して 10 年間にわたって特別納税調整を行うことがで
きる。

企業が海外関連者に支払う費用について、所轄税務局は届出のために、企業が関連者と
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締結した契約書や協議書、取引の真実性や独立企業原則に則ったものかを証明する関連
資料の提出を要求することができる。
2、企業への影響
企業が支払うサービス費やロイヤルティについて税務局から損金否認するよう指導を受けた
り、移転価格調査に発展したりするケースが 2014 年後半から中国各地で発生している。税務局
からの調査が入った場合、提供を受けたサービス又は無形資産の真実性、対価設定の合理性を
説明して抗弁することが重要になる。こうしたサービス費やロイヤルティは、中国子会社自ら
が設定した価格ポリシーというよりは、グループ全体でのポリシーに基づき実施されているこ
とが多いかと思う。そのため、日本の親会社も関与した上で、現在のサービス取引及び無形資
産取引における移転価格ポリシーを評価の上、税務局に疑念を持たれるリスクがないかを確認
することを検討すると良い。
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<2>知っておきたい中国語<第八十七回> ~株式市場編~
皆さん、こんにちは。最近、中国の株式市場である上海総合指数(上证指数)は一時 2008
年 3 月以来となる 4,000 を突破し、
「掃除のおばさんや退職したおじさんも株を買う」ぐらい、
株式市場の参入が話題になりました。では今回は最近よく耳にする株式市場(股市)に関する
中国語を紹介します。

股票
株券のこと。
「只」という量詞で数えます。
「股市」は株式市場、
「股民」は個人投資家を指し
ます。

牛市
bull market、 相場上昇傾向にある市場を指し、
「熊市」は bear market、相場下降傾向にあ
る市場を指します。
いずれも英語からの訳文ですが、実は中国語でも「牛」はすごい、強気、
「熊」は意気地のな
いという意味があるため、漢字としても同じ意味を持つ表現になりました。例えば、「真牛!」
といえば、相手がとてもすごいとほめています。一方、
「熊样儿」といいますと、あまり元気で
はない、意気地のない様子を指し、マイナスの意味があります。

炒股
株をやる。
「炒」は炒めるという意味が一般的ですが、ここに売買をして利ざやを稼ぐという
意味を指します。

券商
「证券公司」のこと、ネットのニュースや新聞などでは「券商」といいます。

上海证券交易所
上海証券取引所のこと、A 株は人民元建て、B 株は米ドル建てで取引されています。

深圳证券交易所
シンセン証券取引所のこと、A 株は人民元建て、B 株は香港ドル建てで取引されています。

沪深股市
上海シンセン両市場を指します。
「沪」は上海の意味で、例えば「京沪高铁」とは「北京―上
海高速鉄道」のことです。

央行
中央銀行の略称でサイトや新聞では中国人民銀行を指します。
「日央行」といったら日本銀行
を指します。

行情
市況、相場の動き・状況を意味します。

开盘价
始値のこと、
「盘」は「相場」の意味で、直訳すると「相場を開く価格」です。これに対し、
「收盘价」は終値の意味です。
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成交量
出来高。
「成交」だけだと「取引成立、約定」の意味になります。
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
涨跌幅
上下幅。「涨」が「価格の上昇」
、
「跌」が「価格の低下」で、高値と安値の幅を表します。
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涨停
ストップ高。
「停」は文字通り「止まる」の意味です。これに対し、「跌停」は下がって止ま
るところということでストップ安の意味です。

暴涨
暴騰。急に水かさが増やすように値上がります。
「暴跌」は暴落で大きく値下がることを指し
ます。

大盘
株価の総合的な動き、指数そのものを指す場合もありますが、一般的には株式市場全体を指
します。

反弹
下降傾向にあった株価が一時的に上昇すること。
「回跌」は上昇傾向にあった株価が値下がり
することを指します。

挂牌
直訳すると看板を引っ掛けるという意味ですが、株式公開の意味です。

套
現在の株価が購入価格を下回った状態のことです。完全に株価回復の見込みがない状態を「套
死」といい、逆に株価が回復して購入価格を再度上回ることを「解套」といいます。
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