鳥取大学 研究シーズ -医療・健康- テーマ 革新的がん治療薬の開発:がんを標的破壊するウイルス 研究者 中村貴史(大学院医学系研究科 機能再生医科学専攻 准教授) キーワード 概 がん、ウイルス療法、ワクシニアウイルス、バイオテクノロジー、臨床応用 要 がんウイルス療法は、感染した細胞・組織内で増殖伝播しながらそれらを死滅させるというウイルス本来の性質をがん 治療に利用する方法であり、現在世界中で様々なウイルスを用いて臨床試験が行われている。我々が注目しているワク シニアウイルスのワクチン株は、かつて日本国内で樹立され痘瘡ワクチンとしてヒトに使われ、高い安全性が証明されて いるが、依然正常組織における弱い増殖性を維持している。より安全ながんウイルス療法として確立するため、遺伝子組 換え技術により改良を加え、がんにおけるMAPK/ERK経路、又はマイクロRNAの異常を指標にして、がん細胞特異的に増 殖し破壊する2種類のワクシニアウイルスの開発に成功し、その実用化を目指している。 概要図 優位性(従来・競合技術との比較) ・従来の化学療法や放射線療法と比較し、多様な機序で抗がん作用を発揮する ・MAPK/ERK経路の活性化異常がある広範ながんに適応 ・マイクロRNAの発現低下がある特定のがんに適応 ・複数の治療遺伝子を発現する次世代シーズを容易に構築するシステムがある 応用分野 ・難治性悪性腫瘍に対する抗がん剤 ・ワクチン開発のための新規プラットフォーム 関連 特 許・論文 ・PCT/JP2014/081484、特許5652830号 ・Hikichi M, Minoru Kidokoro M, Haraguchi T, Iba H, Shida H, Tahara H and Nakamura T. MicroRNA regulation of glycoprotein B5R in oncolytic vaccinia virus reduces viral pathogenicity without impairing its antitumor efficacy. Molecular Therapy 19: 1107-1115, 2011 担当CD 産学・地域連携推進機構 准教授 長島正明 連絡先 E-MAIL:[email protected] 電話:0857-31-6716
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