Ｈ２７年度山口大学入学式学長祝辞岡正朗桜の花が咲き誇る春爛漫の本日、全国各地から，そして，海外から，2,021 名の学部学生、 633 名の大学院生、合わせて 2,654 名の新入生の皆さんを山口大学に迎えることになりました。山口大学を代表して心より歓迎いたします。私も山口大学の卒業生であり、先輩として心からお祝いを述べたいと思います。また、保護者の皆様、さぞかしお喜びのことと存じます。これからは手元から離れ、成長していく過程を見守り、エールを送っていただきたいと存じます。山口大学は、9 学部 9 研究科からなり、学部学生約 8,800 名、大学院生約 1,700 名、総学生数が 1 万人を超える堂々たる基幹総合大学です。山口市にある吉田キャンパスには人文、教育、経済、理学、農学、共同獣医、そして新たに加わった国際総合科学部の 7 学部があり、宇部市の常盤キャンパスには工学部、小串キャンパスには医学部があり、3 キャンパスから成り立っています。本年度より新たな学部、国際総合科学部がスタートしました。従来の学部と異なり、1 年間の海外留学と課題解決プロジェクトへの参加が特徴と言えます。国際総合科学部は本学のグローバル化のエンジンとして期待していますので、しっかり目標を持って勉学に取り組んでください。さて、皆さんは山口大学のファミリーになりました。山口大学は 1815 年、長州藩士上田鳳陽先生によって創設された私塾「山口講堂」が源流であり、2015 年、本年には創基 200 周年を迎えます。創基 200 周年の伝統と維新を成し遂げた DNA が、「誇り」と「チャレンジ精神」を呼び起こす時が来たと言えます。東京大学、東北大学に次いで 3 番目に古い国立大学です。この伝統を心にとどめ、誇りを胸に学生生活を送ってください。「山口講堂」の跡地は桜並木がきれいな「一の坂川」の入り口にあります。６月中には記念碑が設置されますので、ぜひ訪れて下さい。「創基 200 周年記念事業」として学生支援を目的とした「山口大学基金」の創設などを行うと共に、これを祝う様々なイベントを計画しています。皆さんもぜひ参加し、これからの歴史の担い手になりましょう。この地山口は、新たな世界へのチャレンジ精神に満ちた独特の風土により、明治維新の原動となった地です。この精神は、山口大学の理念「発見し・はぐくみ・かたちにする知の広場」に受け継がれ、教育・研究・社会貢献の 3 本の矢により地域の発展、日本そして世界の発展に寄与する大学として進化しています。学生・教員・職員が共に力を合わせ、共に育み合い、共に喜びを分かち合う、この共同・共育・共有の精神、"山大スピリット" により人間力とチャレンジ精神を持つ人材を育てることが山口大学の重要な使命です。大学は社会人として、人間として立派な人生を送るための素地を作る場所なのです。山大スピリットで学生自らがチャレンジし、達成感や挫折感を経験することにより、思いやりがあり、へこたれない心と果敢で柔軟な人間力をつけてください。そのために教員や職員は全力で支援いたします。学部学生の皆さんは、1 年次には全学生が吉田キャンパスで学びます。他学部の友人を作る絶好のチャンスですので、積極的に交流してください。共通教育では幅広い教養を学ぶと共に、専門に関連する不得意な分野を解消しておくことが重要です。山口大学では 1 年生全員に知財教育科目を必修とし、知的創造を重要視していることが特徴と言えます。また、山口大学には多くのサークルがあります。課外活動では大学の講義・実習で学べない経験を積むことが出来ます。特に、耐えることの重要さ、世代を超えた交流や友情の深化などが心身の成長に繋がり、社会人としての基盤を身につけることに結び付きます。世界はボーダレスになり、グローバル化の進む中、本学では既に、グローバルマインドを身につけるための留学推進プログラムを実施し、昨年度は約 300 名が留学しました。さらに、明治維新の中心的な役割を果たした「長州ファイブ」を輩出したことにならい、「山口大学基金」の創設により、人材育成支援、特に学生の就学や留学の支援および外国人留学生の支援を行うことを計画しています。大学の大切な使命の１つは研究を行うことです。大学院生の皆さんは、最先端の研究を通じて、回答のない問題に果敢に挑戦し、自らの結論を出すことで、さらに高いレベルの人間力を身につけてください。その中から、日本を代表する研究者が生まれることを期待しております。山口大学の吉田キャンパスは大変のどかで勉学には最適の地にあります。また、常盤および小串キャンパスも同様な環境です。山口大学生の特徴として、性格はとても良いのだが、とてもシャイと言われています。是非、自分の殻から飛び出してください。激動する現代、学長として、そして本学の先輩としてエールの言葉「ここで輝け！君が輝け！」を送り、学生自らの成長と活躍を心から期待し、歓迎とお祝いの挨拶といたします。平成 27 年 4 月 3 日山口大学長岡正朗