Synagis RSウイルス感染による重篤な下気道疾患の発症抑制に RSウイルス (Respiratory Syncytial Virus) は、乳幼児に肺炎や細気管支炎等を引き起こす主要な原因ウイルスです。 重症の RSウイルス感染は、特に早産児、気管支肺異形成症 (BPD) 等の慢性呼吸器疾患を有する乳児でみられ、また 先天性心疾患 (CHD) を有する乳幼児においても重症化し、 これらの乳幼児におけるRSウイルス感染はしばしば致死的な 経過をたどります。しかし、RSウイルス感染症に対する一般的な治療法としては、酸素テントへの収容、人工換気施行、 薬物療法では気管支拡張剤の投与等の対症療法が主流で、明確な治療法は未だ確立されていないのが現状です。 シナジスは、RSウイルスに対して特異的に結合するヒト化モノクローナル抗体で、1998年に米国で発売されて以来、 欧米の主要国を含む70ヵ国以上で使用されています。本邦においては、2002年1月に早産児およびBPD児を適応として 承認を取得し、2005年10月にCHD児に対する適応が追加承認されました。また、米国においてパリビズマブの製造方法 の改良が行われ、注射液製剤が発売されました。本邦においても、シナジス筋注液50mgおよび100mgとして、2012年 8月に承認され、同年12月に薬価収載されました。 さらに、免疫不全を伴う児やダウン症候群の児においてもRSウイルス感染が重症化することが指摘され、2013年8月、 免疫不全を伴う児および、ダウン症候群の児に対しても適応が追加されました。 シナジスの効能・効果 下記の新生児、乳児および幼児における RS ウイルス (Respiratory Syncytial Virus)感染による重篤な下気道疾患の発症抑制 RSウイルス感染流行初期において > 在胎期間 28 週以下の早産で、12ヵ月齢以下の新生児および乳児 29 週∼ 35 週の早産で、6ヵ月齢以下の新生児および乳児 > 過去 6ヵ月以内に気管支肺異形成症 (BPD) の治療を受けた 24ヵ月齢以下の新生児、乳児および幼児 > 24ヵ月齢以下の血行動態に異常のある先天性心疾患 (CHD) の新生児、乳児および幼児 > 24ヵ月齢以下の免疫不全を伴う新生児、乳児および幼児 > 24ヵ月齢以下のダウン症候群の新生児、乳児および幼児 > 在胎期間 <効能・効果に関連する使用上の注意> 本剤の投与に際しては、学会等から提唱されているガイドライン等を参考とし、個々の症例ごとに本剤の適用を考慮すること。 早産児 在胎期間 RSウイルス流行開始時 2 8 週以下 1 2ヵ月齢以下 29∼35週 6ヵ月齢以下 RSウイルス流行開始時 気管支肺異形成症 (BPD) を有する児 2 4ヵ月齢 以 下 、過 去 6ヵ月以 内 に 治 療 を 受 け た 児 * *:酸素補給、利尿薬、コルチコステロイド、気管支拡張薬投与等 ☞ ☞ 2 先天性心疾患 (CHD) を有する児 2 4ヵ月齢以下、血 行 動 態 の 異 常を有 する 免疫不全を伴う児 2 4ヵ月齢以下 ダウン症候群を有する児 2 4ヵ月齢以下 本邦におけるRSウイルスの流行期 RSウイルスは、秋から春にかけて流行 RSウイルスは毎年、秋から春にかけて流行を繰り返します。 。 獲得免疫が不完全なために再感染が高率にみられ1)、乳幼児では毎年RSウイルス感染に罹患する症例もみられます 2) RSウイルス陽性率・陽性症例数の年間変動(2002年9月∼2006年8月;RSウイルス感染症疫学研究会の調査より) (%) 60.0 1,200 被検者総数 陽性症例数 検出率 1,000 50.0 40.0 600 30.0 400 20.0 200 10.0 0 9月 12月 2002年 3月 6月 9月 12月 3月 6月 9月 12月 2004年 2003年 3月 6月 9月 12月 2005年 3月 6月 8月 陽性率 陽性症例数 800 0.0 2006年 >調査対象:入院・外来を問わずRSウイルス感染が疑われた乳幼児、原則3歳未満児、18,896例。 >調査施設:札幌医科大学小児科学講座、なかた小児科(わたや小児科) 、ひらおか公園小児科(北海道地区) 、国立病院機構 仙台医療センター、公立相馬総合病院(東北地区) 、新潟大学 (中部地区)、 川崎市立川崎病院、 表参道クリニック、 目黒クリ 大学院医歯学総合研究科国際感染医学講座公衆衛生分野、 医療法人社団 佐野医院、 よいこの小児科さとう 、 愛知県厚生農業協同組合連合会 昭和病院、 藤田保健衛生大学小児科、たなかこどもクリ ニック、 横浜労災病院、 群馬県立小児医療センター、 永寿総合病院(関東地区) 、川崎医科大学 小児科、倉敷リハ ニック (東海地区) 、大阪府立公衆衛生研究所、医療法人 宏和会 ばば小児科、うえむら小児科内科クリニック、こばやし小児科(近畿地区) 、国立病院機構香川小児病院、すずえクリニック (四国地区) 、福岡 ビリテーション病院、さとう記念病院、笠岡第一病院附属診療所、水島中央病院、倉敷中央病院(中国地区) 、沖縄県立北部病院、那覇市立病院(沖縄地区) 市立こども病院、広瀬小児科(九州地区) RSウイルス感染症疫学研究会 感染症発生動向調査によるRSウイルスの流行(全国 ; 2009年6月∼2014年5月) (件数) 5,500 2009年6月∼2010年5月 2010年6月∼2011年5月 2011年6月∼2012年5月 2012年6月∼2013年5月 2013年6月∼2014年5月 5,000 4,500 4,000 3,500 3,000 2,500 2,000 1,500 1,000 500 0 23 6月 26 29 7月 32 8月 35 38 9月 41 44 10月 47 11月 50 12月 53 3 1月 6 2月 9 12 3月 15 4月 18 21(週) 5月 国立感染症研究所 感染症予防センター 感染症発生動向調査 週報・月報速報データより作成 3 RSウイルス感染症 乳児の呼吸器感染症の主要な原因ウイルス RSウイルス (Respiratory Syncytial Virus:RSV) は、乳幼児 (特に2歳以下の乳幼児) の肺炎や細気管支炎等の下気道感染症を 。 引き起こす主要な原因ウイルスです。一般に1歳までに50%以上の乳児が感染し、2歳までにほぼ100%の乳幼児が感染します1, 3) 国内で実施された調査では、急性細気管支炎による入院患児 (3歳未満) のうち、RSウイルスに起因するものが76.5%と報告され 。また、欧米では小児期における呼吸器感染症のうち、細気管支炎の50∼90%、小児肺炎の40%がRSウイルスに起因 ています 4) 。 するとの報告もあります 5) 感染性の喘鳴を呈する小児から分離される主な病原体について年齢ごとの相対的な頻度をみると、RSウイルスの検出は0∼2歳 。 で非常に多いことが報告されています 6) また、本邦の感染症発生動向調査における年齢群別割合は、0 歳児約40%、1歳児約 30%、2歳児10 ∼15%程度であり、1歳 。 以下で全報告例の約70%、3歳以下で全報告数の90%以上を占めています 7) 感染性の喘鳴を呈する小児から分離される主な病原体の年齢ごとの頻度 0 ∼2歳 3∼5歳 6∼9歳 10 ∼15 歳 ++++ +++ ++ ++ ヒトメタニューモウイルス ++ +++ ++ ++ アデノウイルス ++ ++ + + パラインフルエンザウイルス ++ ++ ++ ++ ライノウイルス + +∼++ ++∼+++ ++∼+++ マイコプラズマ + ++ +++ ++++ RS ウイルス 小児呼吸器感染症診療ガイドライン 2011, 日本小児呼吸器疾患学会・日本小児感染症学会 , p27, 2011. RSウイルス感染症の年別・年齢群別割合(2004年∼2013年 36週) (%) 100 80 1.6 6.2 1.2 0.1 5.9 0.5 0.1 6.1 0.4 6.1 0.2 5.0 4.7 5.7 5.7 6.2 6.1 9.8 11.6 12.5 13.0 13.8 0.2 0.2 6.3 6.7 0.2 5.5 0.1 4.9 7.0 7.9 6.6 6.6 13.9 14.1 14.5 16.0 0.2 4.3 5.3 12.7 20歳以上 15∼19歳 4∼14歳 3歳 2歳 25.8 60 40 23.5 1歳 28.3 22.0 29.9 22.5 30.1 22.4 31.7 22.7 33.0 20.7 32.8 33.9 33.5 0∼5ヵ月 32.8 22.4 19.8 23.0 6∼11ヵ月 24.4 20 28.3 0 2004年 25.1 2005年 22.6 21.8 20.4 18.2 16.6 18.5 17.3 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 19.7 2013年 (∼第36週) 国立感染症研究所 感染症情報センター (http://www.nih.go.jp/niid/ja) より 4 RSウイルス感染・重症化のリスク因子 一般に重症のRSウイルス感染は、特に早産児、気管支肺異形成症 (BPD) 等の慢性呼吸器疾患 (CLD) を有する乳幼児にみられ、 RSウイルス感染で入院する25∼30%は早産児であること3, 8)、BPDを有しRSウイルス感染した乳幼児の60%は下気道疾患で (CHD) を有する乳幼児においても重症化し、これらの乳幼児に 入院すること等が報告されています 9)。このほか、先天性心疾患 おけるRSウイルス感染はしばしば致死的な経過をたどることから10, 11)、軽視できない問題です。 また、比較的、在胎期間の長い33∼35週の早産児において、正期産児と比較してRSウイルス感染症が重症化しやすいことが示さ 。 れています 12) RSウイルス感染による入院数(米国;生後1年間,1,000人あたり) 140 感染による入院数︵ R S V 人あたり︶ 1,000 120 0∼6ヵ月齢 CHD:先天性心疾患 6∼12ヵ月齢 12∼24ヵ月齢 100 80 60 40 20 0 低リスク児 CHD児 28週以下の 早産児 29∼32週の 早産児 33∼35週の 早産児 その他*1 *1:その他には、喘息、呼吸器疾患による入院歴、嚢胞性線維症、悪性腫瘍、HIV感染、免疫不全、ステロイド薬の長期経口投与、慢性腎疾患、糖尿病、他の呼吸器疾患等が含まれる 1989年7月1日∼1993年6月30日に米国テネシー州のMedicaidに登録された3歳未満の乳幼児についてレトロスペクティブに調査 Boyce T.G., et al : J. Pediatr., 137 : 865-870, 2000. RS ウイルス感染入院例における在胎期間別の比較 32 週以下 (n=28) 33 ∼ 35 週 (n=31) 37 週以上(正期産児) (n=215) P 値 *2 挿管率(%) 21.4 38.7 12.1 0.002 ICU 入室率(%) 39.3 48.4 27.9 0.101 ICU 入室期間(日間) 5.8 7.7 3.8 0.021 入院期間(日間) 6.8 8.4 4.1 < 0.0001 *2:χ2 検定 1995 年 4 月∼1996 年 9月に、RS ウイルスによる細気管支炎又は肺炎により入院した 1 歳未満の乳児 (304 例) を対象に、医療資源の使用状況とRSウイ ルス感染症の転帰に対し、在胎期間が独立したリスク因子として影響を及ぼしているかについて、医療記録を基にレトロスペクティブな解析を行った。 Horn S.D., et al : J. Pediatr., 143 : S133-S141, 2003. 5 シナジスの特徴 1 ハイリスク患児におけるRSウイルス感染による重篤な下気道疾患の発症抑制のため、本邦で 初めて承認された遺伝子組換えヒト化モノクローナル抗体です。 <8ページ参照> 2 RSウイルスが宿主細胞に感染する際に重要な役割を果たすFたん白質に特異的に結合し、 in vitro 。 高い親和性を示します ( ) 3 RSウイルスのサブタイプA、Bの両種に対して中和活性を示し、ウイルスの複製および増殖を抑制 4 5 します (ラット)。 RSウイルスの流行期を通して月1回、筋肉内に投与します。 <21ページ参照> 早産児、BPD児およびCHD児におけるRSウイルス感染による入院を有意に低下させること が認められています。 [早産児、BPD児:海外第Ⅲ相臨床試験 (IMpact-study:凍結乾燥注射製剤) におけるプラセボ群との比較] <8ページ参照> [CHD児:海外第Ⅲ相臨床試験 (Palivizumab Cardiac-study:凍結乾燥注射製剤) におけるプラセボ群との比較] <12ページ参照> 6 > 早産又は気管支肺異形成症(BPD)の新生児、乳児および幼児 海外の第Ⅱ相および第Ⅲ相臨床試験(総症例数1,222例:凍結乾燥注射製剤)では、主な副作用 として注射部位反応(2.8%)、発熱(2.7%)、神経過敏(2.2%)等が認められました。 > 先天性心疾患(CHD) を有する新生児、乳児および幼児 海外の第Ⅲ相臨床試験(総症例数639例:凍結乾燥注射製剤)では、主な副作用として注射部位 反応(2.7%)、発熱(1.7%)、発疹(0.9%)等が認められました。また、国内における第Ⅲ相臨床 試験 (安全性評価対象71例:凍結乾燥注射製剤)では、主な副作用として注射部位反応(紅斑) (8.5%)、咳(5.6%)、発疹(5.6%)、鼻漏(4.2%)、嘔吐(2.8%)、発熱(2.8%)等が認められています。 > 免疫不全又はダウン症候群を有する新生児、乳児および幼児 国内における第Ⅲ相臨床試験 (総症例数28例:凍結乾燥注射製剤)では、主な副作用として鼻咽 頭炎(7.1%)等が認められています。 > 再審査終了時(凍結乾燥注射製剤) 早産児および気管支肺異形成症児に対する使用成績調査(440例:凍結乾燥注射製剤)および 先天性心疾患児に対する特定使用成績調査(130例:凍結乾燥注射製剤)における総症例570例 中19例(3.3%)に副作用が認められ、主な副作用として気管支炎(1.4%)、上気道の炎症(1.2%) 等が認められました。 重大な副作用として、ショック、アナフィラキシー(頻度不明)があらわれることがあります。 <裏表紙のDrug Information参照> 「効能・効果」 「用法・用量」 「効能・効果に関連する使用上の注意」 「用法・用量に関連する使用上の注意」 「禁忌を含む使用上の注意」等は 裏表紙のDrug Informationをご参照下さい。 6 シナジスの作用機序 シナジスは、RSウイルスのFたん白質上の抗原部位 A領域に対する特異的ヒト化モノクローナル抗体です。 シナジスは、RSウイルスが宿主細胞に接着・侵入する際に重要な役割を果たすFたん白質に結合して、ウイルスの感染性を中和 し、ウイルスの複製および増殖を抑制します。 RSウイルスとシナジスとの結合 シナジス サブタイプA RSウイルスには2つのサブタイプ (Aおよび B) があり、いずれも表面糖たん白質としてF サブタイプB たん白質とGたん白質を有します。Fたん白 Fたん白質 質の抗原性はサブタイプ間での変異が小さ いのに対し、Gたん白質の抗原性はサブタ イプ間で大きく異なります。シナジスは、RS Gたん白質 ウイルスのFたん白質の抗原部位 A領域に 特異的に結合することにより、サブタイプA、 Bの両種に対し中和活性を示します。 RSウイルスの宿主細胞への感染とシナジスの作用 S シナジス 2 宿主細胞への 侵入 1 受容体との接着 宿主細胞 カプシドの剥脱 3 転写 3 複製 RSウイルスの増殖過程では、まずウイルスが Gたん白 mRNA 合成 1 、 質を介して細胞膜上の未同定レセプターに接着し (●) ウイルス被膜がFたん白質を介して宿主細胞の細胞膜 4 翻訳 ゲノム 新生(継嗣) ウイルス タンパク 5 ヌクレオカプシドの複製 2 、 に融合し、侵入した後 (●) ヌクレオカプシドが細胞内に 3 4 。 放出され、 複製が開始されます (●−●) このとき、RSウイルスと宿主細胞との融合の第1ステップ は、RSウイルスのFたん白質の構造変化が起こること によって始まります。シナジスは、Fたん白質の抗原部 位 A領域に結合することによって、その構造変化を阻害 します。これにより、RSウイルスの宿主細胞との融合お 出芽 S 、ウイルスの複製およ よび細胞内侵入が阻害され (←●) 分泌・遊離 び増殖が抑制されます。 7 「禁忌を含む使用上の注意」等は、 裏表紙のDrug Informationをご参照下さい。 早産児およびBPD児における臨床成績 ̶プラセボとの無作為化比較 *本剤は承認の際、海外データと国内データをあわせて審査・評価されました。 シナジスは早産児および BPD 児の RSウイルス感染による RSウイルス感染による入院例数は、プラセボ群 53/500 例 (10.6%) 、シナジス群 48/1,002 例(4.8%) で、両群間に有意差が認め られ (P<0.001) 、 これはプラセボ群の入院率を100とするとシナジス群は45.2にあたりました。 RSウイルス感染による入院率 (%) 15 (P<0.001*) 10 入院率 10.6 5 4.8 0 プラセボ群 (n=500) シナジス群 (n=1,002) *:Fisher直接確率計算法 >対 象 ・早産児 (在胎期間35週以下、6ヵ月齢以下) ・気管支肺異形成症 (BPD) を有する新生児、乳児および幼児 (24ヵ月齢以下、過去6ヵ月以内に呼吸管理※を受けた児) ※:酸素補給、ステロイド、利尿薬、気管支拡張薬投与等 >実施期間 1996∼1997年のRSウイルス流行期間中 >評価項目 ・主 要 評 価 項 目:RSウイルス感染による入院率 ・副次的評価項目:RSウイルス感染による総入院日数、酸素吸入増量日数、中等度以上の下気道感染による総入院日数、 ICU入室率、安全性等 >登録施設および例数 米国、英国、カナダの計139施設、計1,502例 (シナジス群:1,002例、プラセボ群:500例) 8 13) 試験【IMpact-study (凍結乾燥注射製剤) :海外データ】 入院率を減少させました。 気管支肺異形成症 (BPD) の有無、登録時体重、在胎期間について層別解析したところ、いずれの層においてもシナジス群はRS ウイルス感染による入院率をプラセボ群に対し有意に減少させました。 RSウイルス感染による入院率(層別解析)14) (%) 15 プラセボ群 (P=0.038*) 12.8 入院率 10 (P=0.014*) (P=0.001*) 10.7 10.5 (P<0.001*) 7.9 シナジス群 (P=0.026*) (P<0.001*) 11.0 9.8 8.1 5 5.8 5.2 4.5 2.0 1.8 0 BPD 罹患児 早産児 (BPDなし) 登録時体重 >5kg 登録時体重 ≦5kg 在胎期間 <32 週 在胎期間 32∼35 週 *:Fisher直接確率計算法 >投与方法 シナジス15mg/kg (凍結乾燥注射製剤) 又はプラセボ (賦形剤のみを含有) を 30日毎に反復筋肉内投与した。 投与回数は最大5回とした。 観察期間 150日 シナジス (15mg/kg) 30日 30日 30日 30日 30日 又はプラセボ 筋肉内投与 9 早産児およびBPD児における臨床成績 ̶プラセボとの無作為化比較 シナジス群において入院期間の短縮、酸素吸入量 の減少、ICU入室率の減少が認められました。 RSウイルス感染による総入院日数、酸素吸入増量日数、中等度以上の下気道感染(LRI*1 スコア≧3) による総入院日数、ICU 入室率の各副次的評価項目は、シナジス群で有意に減少しました。 RSウイルス感染による総入院日数(100例あたり) 0 20 プラセボ群 40 80(日) 60 62.6日 (n=500) P<0.001*2 シナジス群 36.4日 (n=1,002) 酸素吸入増量日数(100例あたり) 0 20 プラセボ群 40 80(日) 60 50.6日 (n=500) P<0.001*2 シナジス群 30.3日 (n=1,002) 中等度以上の下気道感染(LRI*1スコア≧3)による総入院日数(100例あたり) 0 20 プラセボ群 40 80(日) 60 47.4日 (n=500) P<0.001*2 シナジス群 29.6日 (n=1,002) ICU入室率 0 プラセボ群 (n=500) シナジス群 (n=1,002) 10(%) 5 3.0%(15/500例) P=0.026*3 1.3% (13/1,002例) *1:Lower Respiratory Infection *2:Wilcoxon順位和検定 *3:Fisher直接確率計算法 10 13) 試験【IMpact-study (凍結乾燥注射製剤) :海外データ】 薬剤との因果関係が否定できないと判定された 有害事象の発現率は、シナジス群 10.9%、 プラセボ群 10.0%でした。 海外第Ⅲ相臨床試験 (IMpact-study:凍結乾燥注射製剤)における有害事象は、プラセボ群で 482/500 例 (96.4%)に 2,737 件、シナジス群で961/1,002例 (95.9%) に5,413件発現しました。なお、有害事象のために投与が中止された例は プラセボ群で1例、シナジス群で5例でした。また、死亡例はプラセボ群で5例、シナジス群で4例みられましたが、シナ ジス群での4例においては、薬剤との因果関係はないと判断されました。 薬剤との因果関係が否定できないと判定された有害事象は、プラセボ群で50/500例 (10.0%)に81件、シナジス群で 109/1,002例 (10.9%) に159件報告されました。 薬剤との因果関係が否定できないと判定された有害事象(海外第Ⅲ相臨床試験:凍結乾燥注射製剤) シナジス群 症 例 数 有害事象発現例数(%) 1,002 109(10.9%) 有害事象発現件数 159 一般的全身障害 54 (5.4%) 発熱 ウイルス感染 注射部位反応 疼痛 蒼白 突然死 28 2 25 2 (2.8%) (0.2%) (2.5%) (0.2%) 心血管系 1 (0.1%) 不整脈 血管拡張 1 (0.1%) 消化器系 20 (2.0%) 下痢 哺乳障害 肝機能検査値異常 嘔吐 10 1 11 3 精神神経系 26 (2.6%) 不眠 神経過敏 傾眠 25 (2.5%) 1 (0.1%) 呼吸器系 13 (1.3%) 呼吸困難 細気管支炎 咳 鼻炎 上気道感染 喘鳴 1 3 3 5 2 (1.0%) (0.1%) (1.1%) (0.3%) (0.1%) (0.3%) (0.3%) (0.5%) (0.2%) 皮膚・皮膚付属器系 12 (1.2%) 真菌性皮膚炎 湿疹 発疹 1 (0.1%) 1 (0.1%) 10 (1.0%) 感覚器系 1 (0.1%) 中耳炎 1 (0.1%) 参考文献【海外第Ⅲ相臨床試験】 13)The IMpact-RSV Study Group : Pediatrics, 102 : 531-537, 1998. (社内集計) 11 CHD児における臨床成績 ̶プラセボとの無作為化比較試験【Palivizumab シナジスは CHD 児の RSウイルス感染による入院率を減少 RSウイルス感染による入院例数は、プラセボ群 63/648例 (9.7%) 、シナジス群 34/639 例(5.3%) で、両群間に有意差が認められ (P=0.003) 、これはプラセボ群の入院率を100とするとシナジス群は55にあたりました。 RSウイルス感染による入院率 (%) 15 (P=0.003*) 10 入院率 9.7 5 5.3 0 プラセボ群 (n=648) シナジス群 (n=639) *:Fisher直接確率計算法 >対 象 24ヵ月齢以下の明らかに血行動態の悪化している先天性心疾患 (CHD) を有する新生児、乳児および幼児。根治術未実施。 >実施期間 1998∼2002年の4シーズンのRSウイルス流行期間中 >評価項目 ・主 要 評 価 項 目:RSウイルス感染による入院率 ・副次的評価項目:RSウイルス感染による総入院日数、酸素吸入増量日数、ICU入室率、ICU入室総日数、人工換気施行率、 人工換気施行総日数、安全性等 >登録施設および例数 米国、英国、カナダなどの計76施設、計1,287例 ・シナジス群:639例 (チアノーゼ群:339例、非チアノーゼ群:300例) ・プラセボ群:648例 (チアノーゼ群:343例、非チアノーゼ群:305例) 12 15) Cardiac-study (凍結乾燥注射製剤) :海外データ】 させました。 チアノーゼ群と非チアノーゼ群で層別解析したところ、R Sウイルス感染による入院率は、チアノーゼ群ではプラセボ群 7.9%、 シナジス群 5.6%で、非チアノーゼ群ではプラセボ群11.8%、シナジス群 5.0%でした。 RSウイルス感染による入院率(層別解析) (%) 15 チアノーゼ群 非チアノーゼ群 11.8 入院率 10 7.9 5 0 5.6 プラセボ群 (n=343) 5.0 シナジス群 プラセボ群 (n=339) (n=305) シナジス群 (n=300) >投与方法 シナジス15mg/kg (凍結乾燥注射製剤) 又はプラセボ (賦形剤のみを含有) を 30日毎に反復筋肉内投与した。 投与回数は最大 5回とした。 観察期間 150日 シナジス (15mg/kg) 30日 30日 30日 30日 30日 又はプラセボ 筋肉内投与 13 CHD児における臨床成績 ̶プラセボとの無作為化比較試験【Palivizumab シナジス群において入院期間の短縮、酸素吸入量 の減少が認められました。 RSウイルス感染による総入院日数、酸素吸入増量日数は、シナジス群で有意に減少しました。また、ICU入室率およびICU入室 総日数は、有意ではないがシナジス群で改善する傾向が認められました。 RSウイルス感染による総入院日数(100例あたり) プラセボ群 129.0日 (n=648) シナジス群 P=0.003*1 57.4日 (n=639) 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 150(日) 140 酸素吸入増量日数(100例あたり) プラセボ群 101.5日 (n=648) シナジス群 P=0.014*1 27.9日 (n=639) 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 150(日) 140 ICU入室率 プラセボ群 3.7%(24/648) (n=648) シナジス群 P=0.094*2 2.0%(13/639) (n=639) 0 1 2 3 4 5 6 7 8 10 (%) 9 ICU入室総日数(100例あたり) プラセボ群 71.2日 (n=648) シナジス群 P=0.080*1 15.9日 (n=639) 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 150(日) 140 人工換気施行率 プラセボ群 2.2%(14/648) (n=648) シナジス群 P=0.282*2 1.3%(8/639) (n=639) 0 1 2 3 4 5 6 7 8 10 (%) 9 人工換気施行総日数(100例あたり) プラセボ群 54.7日 (n=648) シナジス群 (n=639) P=0.224*1 6.5日 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150(日) *1:Wilcoxon順位和検定 *2:Fisher直接確率計算法 14 15) Cardiac-study (凍結乾燥注射製剤) :海外データ】 薬剤との因果関係が否定できないと判定された 有害事象の発現率は、 シナジス群 7.2%、 プラセボ群 6.9%でした。 海外第Ⅲ相臨床試験 (Palivizumab Cardiac-study:凍結乾燥注射製剤) における有害事象は、プラセボ群で 625/648例 (96.5%) に4,518件、シナジス群で 611/639 例 (95.6%) に4,169 件発現しました。薬剤との因果関係が否定できないと判定された有害事象 は、プラセボ群で45/648例 (6.9%) 、シナジス群で46/639 例 (7.2%) でした。 重篤な有害事象は、プラセボ群で409/648例 (63.1%) 、シナジス群で 354/639 例 (55.4%) でした。なお、薬剤との因果関係が否定 できないと判定された重篤な有害事象はプラセボ群で 3例、シナジス群で 0 例でした。また、有害事象のために投与が中止された 例は両群ともにみられず、死亡例は、プラセボ群で 27例、シナジス群で 21例みられましたが、薬剤との因果関係はないと判断さ れました。 薬剤との因果関係が否定できないと判定された有害事象(海外第Ⅲ相臨床試験:凍結乾燥注射製剤) シナジス群 症 例 数 有害事象発現例数(%) 639 46(7.2%) 有害事象発現件数 64 一般的全身障害 無力症 発熱 注射部位反応 心血管系 チアノーゼ 出血 消化器系 便通異常 便秘 下痢 胃腸炎 嘔吐 血液/リンパ系 貧血 神経系 多動 神経過敏 傾眠 呼吸器系 低酸素血症 咽頭炎 鼻炎 RSウイルス感染 上気道感染 皮膚・皮膚付属器系 湿疹 発疹 26(4.1%) 1(0.2%) 11(1.7%) 17(2.7%) 1(0.2%) 1(0.2%) 6(0.9%) 1(0.2%) 3(0.5%) 1(0.2%) 1(0.2%) 8(1.3%) 1(0.2%) 5(0.8%) 2(0.3%) 4(0.6%) 2(0.3%) 2(0.3%) 7(1.1%) 1(0.2%) 6(0.9%) (社内集計) 15 CHD児における臨床成績(多施設非盲検国内第Ⅲ相臨床試験:凍結 RSウイルス感染による入院は 67例中 3 例に認められました。 本邦で実施された先天性心疾患 (CHD) 児に対する臨床試験は、多施設非盲検試験により実施されました。 有効性評価対象 67例のうち、RSウイルス感染による入院は 3 例 (4.5%) に認められ、また、1例 (1.5%) が人工呼吸器による 治療を受けました。 CHD児におけるRSウイルス感染による入院率および人工呼吸器使用率 シナジス群 RSウイルス感染による入院率 4.5%(3/67例) 人工呼吸器使用率 1.5%(1/67例) >対 象 24ヵ月齢以下の明らかに血行動態に異常のある先天性心疾患 (CHD) を有する新生児、乳児および幼児。 CHDの手術未実施、もしくは根治手術終了後も心肺機能の異常や残存欠損を認める患児。 >投与方法・実施期間 シナジス15mg/kg (凍結乾燥注射製剤) をRSウイルス流行期間中 (2003年10月∼2004年3月) 、30日毎に4∼5回 反復筋肉内投与した。 観察期間 150日 シナジス (15mg/kg) 30日 30日 30日 30日 30日 又はプラセボ 筋肉内投与 >評価項目 ・主要評価項目:安全性 ・副次的評価項目:有効性 >例 数 71例 (安全性評価対象:71例、有効性評価対象:67例) 参考:CHD児における国内と海外の有効性比較 24ヵ月齢以下の先天性心疾患(CHD) を有する新生児、乳児および幼児を対象とした国内と海外での試験成績 (凍結乾燥注射 製剤) を比較したところ、シナジス群のRSウイルス感染による入院率およびRSウイルス感染時の人工呼吸器使用率は類似してお り、日本人におけるCHD児に対するシナジスの投与は、有効であると判断されました。なお、患児背景については国内と海外に若 干差はみられるものの、安全性および有効性の評価に影響を及ぼすものではないと判断されました。 CHD児におけるRSウイルス感染による入院率および人工呼吸器使用率 国内第Ⅲ相臨床試験 (凍結乾燥注射製剤) シナジス群 16 海外第Ⅲ臨床試験15) (凍結乾燥注射製剤) シナジス群 プラセボ群 RSウイルス感染による入院率 4.5%(3/67例) 5.3%(34/639例) 9.7%(63/648例) 人工呼吸器使用率 1.5%(1/67例) 1.3%(8/639例) 2.2%(14/648例) 乾燥注射製剤) シナジスとの因果関係が否定できないと判定された 有害事象は、13 例に 38 件報告されました。 国内第Ⅲ相臨床試験 (凍結乾燥注射製剤) における有害事象は、71例中65例に403件報告されました。 薬剤との因果関係が否定できないと判定された有害事象は、13例に38件みられ、このうち重篤な有害事象は2例に3件 (胃腸 炎1例に2件、嘔吐1例に1件) でした。 死亡例は2例、死亡につながるおそれのある有害事象は1例に1件発現しましたが、いずれもシナジスとの因果関係はないと判断 されました。 薬剤との因果関係が否定できないと判定された有害事象(国内第Ⅲ相臨床試験:凍結乾燥注射製剤) シナジス群 症 例 数 有 害 事 象 発 現 例 数 有 害 事 象 発 現 件 数 71 13 38 心臓障害 1(1.4%) 心不全 1(1.4%) 眼障害 1(1.4%) 眼脂 1(1.4%) 胃腸障害 2(2.8%) 下痢 嘔吐 1(1.4%) 2(2.8%) 全身障害および投与局所様態 5(7.0%) 注射部位反応(紅斑) 末梢性浮腫 発熱 6(8.5%) 1(1.4%) 2(2.8%) 感染症および寄生虫症 3(4.2%) 気管支炎 胃腸炎 咽頭炎 2(2.8%) 2(2.8%) 2(2.8%) 臨床検査 1(1.4%) C-反応性蛋白増加 1(1.4%) 呼吸器、胸郭および縦隔障害 3(4.2%) 咳嗽 鼻閉 鼻漏 湿性咳嗽 上気道の炎症 4(5.6%) 1(1.4%) 3(4.2%) 1(1.4%) 1(1.4%) 皮膚および皮下組織障害 4(5.6%) 紅斑 発疹 そう痒症 蕁麻疹 1(1.4%) 4(5.6%) 1(1.4%) 1(1.4%) (社内集計) 17 心肺バイパス施行後の血清中パリビズマブ濃度 15) 心肺バイパス施行後は、血清中パリビズマブ濃度が 低下するため、術後は速やかにシナジスの投与を 行うことが望ましいとされています。 シナジス (凍結乾燥注射製剤)投与期間中に心肺バイパスを伴う開心術を行った139例の手術前および手術後の平均血清中パリビ ズマブ濃度は、それぞれ98.0±52μg/mL、41.4±33μg/mL (平均値±S.D.) で、58%低下 (P=0.0001) することが示されました。 そのため、術後は速やかにシナジスの投与を行うことが望ましいとされています。 心肺バイパス施行前後の血清中パリビズマブ濃度(凍結乾燥注射製剤)15) (μg/mL) 150 平均値±S.D. 140 P=0.0001 130 58%低下 120 血清中パリビズマブ濃度 110 100 98.0±52μg/mL 90 80 70 60 50 41.4±33μg/mL 40 30 20 有効血清中濃度* 30μg/mL 10 0 手術前 (n=139) 手術後 (n=139) *ラット感染モデルにより、パリビズマブの有効血清中濃度は約30μg/mLとされている16) 先天性心疾患児におけるパリビズマブの使用に関するガイドライン > 体外循環による手術を行った場合の投与 体外循環による手術を行った場合、血清中パリビズマブ濃度が有意に低下することが報告され ている。手術後も RS ウイルス感染予防が必要な乳幼児に対しては、術後の状態が安定した時点 で直ちにパリビズマブの投与を考慮すべきである。 ガイドライン作成検討委員会. 日本小児科学会雑誌.108 (12) : 1548-1551, 2004. [用法・用量に関連する使用上の注意] より抜粋 心肺バイパス施行により本剤の血中濃度が低下するので、心肺バイパス施行後は前回投与から1ヵ月を経過していなく ても速やかに本剤の投与を行うことが望ましい。以後、その投与を基点とし、通常どおりの間隔で投与すること。 18 免疫不全を伴う又はダウン症候群の児における臨床成績 血清中濃度 (免疫不全を伴う又はダウン症候群の児、CHD児、早産児又は BPD児の比較) 国内における免疫不全を伴う新生児、乳児および幼児(24ヵ月齢以下)又はダウン症候群の新生児、乳児および幼児(24ヵ 月齢以下) を対象にした第Ⅲ相臨床試験(月1 回、15mg/kg 筋肉内 4 ないし 7 回反復投与、凍結乾燥注射製剤) では、初回 および 4 回目投与後 30日目の平均血清中パリビズマブ濃度(血清トラフ濃度) は、それぞれ 59.0 ± 12.9μg/mL、91.8 ± 40.6μg/mL (平均値± S.D.) でした。また、これらの結果は、国内と海外における先天性心疾患 (CHD) 児および、早産児又 は気管支肺異形成症(BPD) 児の平均血清中パリビズマブ濃度と類似していました。なお、免疫不全の状態ごとに層別化した 平均血清中パリビズマブ濃度(血清トラフ濃度) に大きな差は認められませんでした。 また、本試験の中で、RSウイルス感染による入院は認められませんでした。 参考: シナジス (凍結乾燥注射製剤) 15mg /kg 反復筋肉内投与時(30日毎) の血清トラフ濃度 免疫不全を伴う又はダウン症候群の児、CHD 児、早産児又は BPD 児における比較 初回投与後 30 日目 2 回目投与後 30 日目 4 回目投与後 30 日目 国内臨床試験 (症例数) 血清トラフ濃度[平均値± S.D.] 免疫不全又はダウン症候群の児 早産児又は BPD 児 CHD 児 57.2 ± 11.7μg/mL 50.5 ± 17.5μg /mL 59.0 ± 12.9μg/mL (n=28) 海外臨床試験 NA (n=31) 49.2 ± 22.7μg/mL (n=456) (n=39) 76.8 ± 17.6μg/mL 国内臨床試験 ̶ ̶ 91.8 ± 40.6μg/mL 90.2 ± 23.7μg/mL (n=26) (n=67) 海外臨床試験 国内臨床試験 (n=67) 55.5 ± 19.5μg/mL (n=31) 69.4 ± 25.8μg/mL (n=37) 海外臨床試験 NA 90.8 ± 35.4μg/mL (n=559) ̶ ̶ NA:該当なし、̶:各適応症における日本人および欧米人の比較データなし シナジス (凍結乾燥注射製剤) 15mg/kg 反復筋肉内投与時(30日毎) の血清トラフ濃度 複合免疫不全症、抗体産生不全症、その他の免疫不全症 ダウン症候群 臓器移植後 骨髄移植後 免疫抑制性化学療法施行中 高用量の副腎皮質ステロイド施行中(0.5 mg/kg/ 隔日以上) 免疫抑制療法施行中 (症例数) 血清トラフ濃度[平均値± S.D.] 初回投与後 30 日目 回目投与後 4 30 日目 82.4 ± 38.2μg/mL 53.6 ± 16.8μg/mL (n=4) (n=4) 77.5 ± 34.3μg/mL 69.3± 9.70μg/mL (n=4) (n=5) 64.9 ± 30.2μg/mL 48.0 ± 6.82μg/mL (n=7) (n=8) 117 ± 46.2μg/mL 58.7 ± 17.4μg/mL (n=4) (n=4) 61.6 ± 7.95μg/mL (n=5) 107 ± 36.8μg/mL (n=5) 62.0 ± 8.03μg/mL (n=6) 51.2 ± 9.85μg/mL (n=11) 122 ± 28.2μg/mL (n=5) 73.7 ± 30.2μg/mL (n=10) 重複例あり 安全性 投与例 28 例のうち、27 例 (96.4%) に有害事象が認められ、治験薬との因果関係「多分関連なし」以上の副作用は 7 例で、主な副作用として鼻咽頭炎 7.1% (2/28 例) が報告されました。本試験を通して、死亡、死亡に至った有害 事象、および治験薬との因果関係「多分関連あり」以上の副作用の発現は認められませんでした。 19 シナジス筋注液の投与法 1 投与液量: 体重から投与液量を算出します。 下記換算式により投与液量を算出します。 1 回投与液量(mL)=体重(kg)× 15mg/kg ÷ 100mg/mL 【投与量換算表】 1回投与液量(mL) 体重 (kg) 合計 2.0 0.30 0.30 2.5 0.38 0.38 3.0 0.45 3.5 0.53 0.53 4.0 0.60 0.60 4.5 0.68 0.68 5.0 0.75 0.75 5.5 0.83 0.83 6.0 0.90 0.90 6.5 0.98 0.98 7.0 1.05 1.00 + 0.05 7.5 1.13 1.00 + 0.13 8.0 1.20 1.00 + 0.20 8.5 1.28 1.00 + 0.28 9.0 1.35 1.00 + 0.35 シナジス筋注液 100mg シナジス筋注液 50mg 0.45 9.5 1.43 1.00 + 0.43 10.0 1.50 1.00 + 0.50 10.5 1.58 1.00 + 0.58 11.0 1.65 1.00 + 0.65 11.5 1.73 1.00 + 0.73 12.0 1.80 1.00 + 0.80 12.5 1.88 1.00 + 0.88 13.0 1.95 1.00 + 0.95 13.5 2.03 1.00 + 1.00 + 0.03 14.0 2.10 1.00 + 1.00 + 0.10 14.5 2.18 1.00 + 1.00 + 0.18 15.0 2.25 1.00 + 1.00 + 0.25 [適用上の注意]より抜粋 ● 本剤は保存剤を含有していないため、バイアルからの採取後は速やかに投与すること。 ● バイアルからの採取は1 回のみとし、残液は廃棄すること。バイアルに注射針を再度刺通しないこと。 20 2 投与部位:筋肉内、好ましくは大腿前外側部に注射します。 【投与部位】 ※注射量が1mLを超える場合は分割して投与して下さい。 [投与時の注意点] 新生児、乳児および幼児への投与であることから、特に組織、神経に対する影 響には十分注意しながら慎重に投与して下さい。 > 筋肉内投与のみとし、静脈内投与は避けて下さい。 > 他の薬剤との混合注射は避けて下さい。 > 筋肉内、好ましくは大腿前外側部に注射します。臀筋への投与は坐骨神経 を損傷する危険性があるため、避けて下さい。 > 神経走行部位を避けるよう注意して注射して下さい。 > 同一部位への反復注射は行わないで下さい。 大腿前外側部 > 注射針を刺入したとき、激痛を訴えたり、血液の逆流をみた場合は、直ち に針を抜き、部位をかえて注射して下さい。 筋拘縮症と疑われる場合には、可能な限り小児整形外科の医師に 診断を仰ぐようにして下さい。 3 投与計画:RSウイルス流行期を通して月1回の投与を継続します。 R S ウイル ス流行期 シナジス 15mg/kg 筋肉内投与 1ヵ月 1ヵ月 RSウイルス流行期を通じて 投与を繰り返す [用法・用量に関連する使用上の注意] より抜粋 > 本剤投与中に患者がRSウイルスに感染した場合においても、再感染による重篤な下気道疾患の発症を抑制するためにRSウイ ルスの流行期間中は継続投与することが推奨される。 > 心肺バイパス施行により本剤の血中濃度が低下するので、心肺バイパス施行後は前回投与から1ヵ月を経過していなくても速や かに本剤の投与を行うことが望ましい。以後、その投与を基点とし、通常どおりの間隔で投与すること。 21 用法・用量 パリビズマブ (遺伝子組換え) として体重1kgあたり15mgをRSウイルス流行期を通して月1回筋肉内に投与する。 なお、注射量が1mLを超える場合には分割して投与する。 〈用法・用量に関連する使用上の注意〉 (1) 本剤の投与液量は以下による。 1回投与液量(mL)= 体重(kg)× 15mg/kg ÷ 100mg/mL (2)本剤投与中に患者がRS ウイルスに感染した場合においても、再感染による重篤な下気道疾患の発症 を抑制するために RS ウイルスの流行期間中は本剤を継続投与することが推奨される。 (3)心肺バイパス施行により本剤の血中濃度が低下するので、心肺バイパス施行後は前回投与から1ヵ月 を経過していなくても速やかに本剤の投与を行うことが望ましい。以後、その投与を基点とし、通常 どおりの間隔で投与すること。 取扱い上の注意 規制区分:生物由来製品、処方せん医薬品 注意−医師等の処方せんにより使用すること 貯 法:凍結を避け2∼8℃で保存 使用期限:製造後3年(最終使用年月をラベル、外箱に表示) 包装 22 シナジス筋注用の使用成績調査・特定使用成績調査 シナジス筋注用 50mg、100mgは、平成 22 年1月に再審査期間を終了し、平成 23 年12月に再審査結果を公表しました。 <早産児および気管支肺異形成症(BPD) 児を対象とした使用成績調査:凍結乾燥注射製剤> >調査期間:平成 14 年 8 月∼ 平成17年10月 (投与後 6 年間、年 1 回の追跡調査) 安全性評価対象症例 440 例において、副作用発現率は、1.82%(8/440 例) でした。 また、追跡調査が可能な患者を対象に、6 年間、年 1 回の追跡調査を実施し、下記事項について調査を実施しました。 ● 喘息様症状(喘鳴を含む)又は喘息の有無 追跡調査で収集された副作用は、 「喘息」21例 26 件、 「気管支炎」1 例 1 件でした。 これらの因果関係はすべて「不明」であり、本剤との関連性が明確な症例の集積はありませんでした。 ● 筋拘縮症 調査終了時(2010 年 6 月)において筋拘縮症の発現例は認められませんでした。 また、調査以外の自発報告においても、筋拘縮症の報告はありませんでした(2011年11月時点)。 <先天性心疾患(CHD)児を対象とした特定使用成績調査:凍結乾燥注射製剤> >調査期間:平成 17 年 11月∼ 平成 19 年 10 月 安全性評価対象症例130 例において、副作用発現率は、8.46%(11/130 例) でした。 [ 副作用 ] より抜粋 製造販売後調査の総症例 570 例中19例(3.3%)に副作用が認められ、主な副作用として気管支炎、上気道炎の炎症等が 認められました。 文献 1) Glezen W.P., et al : Am. J. Dis. Child, 140 : 543-546, 1986. 2) 黒崎 知道:検査と技術 , 25 : 6-12, 1997. 3) Hall C.B. : Contemporary Pediatrics : 92-110, 1993 (November). 4) Saijo M., et al : Acta Paediatr. Jpn., 36 : 371-374, 1994. 5) Hall C.B., et al : Principle and Practice of Infection Disease(4ed), New York Churchhill Livingstone : p.1501, 1999. 6) 小児呼吸器感染症診療ガイドライン 2011, 日本小児呼吸器疾患学会・ 日本小児感染症学会 , p26-28, 2011. 7) 国立感染症研究所感染症情報センター(http://www.nih.go.jp/niid/ja)より 8) Cunningham C.K., et al : Pediatrics, 88 : 527-532, 1991. 9) Groothuis J.R., et al : Pediatrics, 82 : 199-203, 1988. 10) McDonald N.E., et al : N. Eng. J. Med., 307 : 397-400, 1982. 11) 津田 哲哉ほか:日本小児科学会雑誌 , 86 : p.2076, 1982. 12) Horn S.D., et al : J. Pediatr., 143:S133-S141, 2003. 13) The IMpact-RSV Study Group : Pediatrics, 102 : 531-537, 1998. 14) Committee on Infectious Diseases and Committee on Fetus and Newborn : Pediatrics, 102 : 1211-1216, 1998. 15) Feltes T.F., et al : J. Pediatr., 143 : 532-540, 2003. 16) Johnson S., et al : J. Infect. Dis., 176 : 1215-1224, 1997. 17) Saez-Llorentz X., et al : Pediatr. Infect. Dis. J., 17 : 787-791, 1998. 23 シナジス筋注液50mg シナジス筋注液50mg :22400AMX01366000 承認番号 シナジス筋注液100mg シナジス筋注液100mg:22400AMX01365000 シナジス筋注液50mg :2013年2月 パリビズマブ (遺伝子組換え) 販売開始 一 般 名 Palivizumab シナジス筋注液100mg:2013年2月 (genetical recombination) 販 売 名 規制区分 日本標準商品 分 類 番 号 禁忌を含む使用上の注意の改訂には十分ご留意下さい. その他の「使用上の注意」等は製品添付文書をご参照下さい. 組成・性状 売 名 シナジス筋注液50mg 有 効 成 分 含 添 加 性 シナジス筋注液100mg パリビズマブ (遺伝子組換え) 量 50mg(1バイアル0.5mL中) 100mg (1バイアル1.0mL中) 物 L-ヒスチジン グリシン pH調節剤 L-ヒスチジン グリシン pH調節剤 状 1.95mg 0.06mg 3.9mg 0.12mg 無色澄明又はわずかにたん白質特有の乳白光を呈する液 pH 5.0∼7.0 浸 透 圧 比 0.1∼0.2(生理食塩液に対する比) 剤 形 注意ー医師等の処方せんにより使用すること 注射剤 (バイアル) 本剤はマウスミエローマ細胞を使用して製造されている. 製造工程における培地成分の一部にウシ血 液由来成分 (トランスフェリン,リポプロテイン,アルブミン) および羊毛由来成分 (濃縮リピッド) を使 用している. 0.1%以上 精神神経系 神経過敏 消 化 器 下痢,嘔吐 循 環 器 喘鳴,呼吸困難,咳, 呼 吸 器 上気道感染,鼻炎,鼻漏 血 液 白血球減少 皮 膚 発疹 肝 臓 肝機能検査値異常 発熱,注射部位反応,疼痛, そ の 他 ウイルス感染 有効成分に関する理化学的知見 効能・効果※ 〈効能・効果に関連する使用上の注意〉 本剤の投与に際しては,学会等から提唱されているガイドライン等を参考とし,個々の症例ごと に本剤の適用を考慮すること. 用法・用量 パリビズマブ (遺伝子組換え) として体重1kgあたり15mgをRSウイルス流行期を通して月1回筋肉内 に投与する.なお,注射量が1mLを超える場合には分割して投与する. 〈用法・用量に関連する使用上の注意〉 (1)本剤の投与液量は以下による. 1回投与液量 (mL) =体重 (kg) × 15mg/kg ÷ 100mg/mL (2)本剤投与中に患者がRSウイルスに感染した場合においても,再感染による重篤な下気道疾患の 発症を抑制するためにRSウイルスの流行期間中は本剤を継続投与することが推奨される. (3)心肺バイパス施行により本剤の血中濃度が低下するので,心肺バイパス施行後は前回投与から 1ヵ月を経過していなくても速やかに本剤の投与を行うことが望ましい.以後,その投与を基点とし, 通常どおりの間隔で投与すること (「薬物動態」の項参照) . 使用上の注意※ 1.慎重投与 (次の患者には慎重に投与すること) 血小板減少症あるいはその他の凝固障害等により出血傾向のある患者. [出血により重篤な状態 を招くおそれがある.止血を確認できるまで投与部位を押さえるなど慎重に投与すること. ] 2.重要な基本的注意 (1) 本剤投与により,重篤な過敏症を発現するおそれがあるので,観察を十分に行い,異常が認め られた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと (「重大な副作用」の項参照) (2) . 過去に 抗生物質等の筋肉内注射により,筋拘縮症が発現したとの事例が報告されているので,投与に際 しては,適用上の注意を守り,十分に注意すること (「適用上の注意」の項参照) (3) . 中等度か ら重度の急性感染症又は発熱性疾患がある場合は,本剤の投与による有益性が危険性を上回る と医師が判断した場合を除き,本剤の投与を延期すること.一般に,軽度上気道感染症等の軽 度な発熱性疾患は本剤の投与延期の理由とはならない. (4)既に発症したRSウイルス感染症に対 する本剤の治療効果は確立されていない. 3.副作用※ 承認時 (凍結乾燥注射製剤) : ・ 早産又は気管支肺異形成症 (BPD) の新生児,乳児および幼児 海外の第Ⅱ相および第Ⅲ相臨床試験(総症例数1,222例)では,主な副作用として注射部位反 応,発熱,神経過敏等が認められたが,多くは軽度であり,本剤投与群とプラセボ群との副作用 発現率はほぼ同等であった. 国内における早産又は気管支肺異形成症(BPD)の新生児,乳児および幼児31例を対象とした 第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験においては,副作用は認められなかった. 2014年10月作成 PP--JP-0070-v1.0 法 凍結を避け2∼8℃で保存 使用期限 製造後3年 (最終使用年月をラベル, 外箱に表示) ・ 先天性心疾患 (CHD) を有する新生児,乳児および幼児 海外の第Ⅲ相臨床試験(総症例数639例)では,主な副作用として注射部位反応,発熱,発疹 等が認められたが,本剤投与群とプラセボ群との副作用発現率はほぼ同等であった. 国内における先天性心疾患 (CHD) を有する新生児,乳児および幼児を対象とした第Ⅲ相臨床試 験 (安全性評価対象 71 例)では,主な副作用として注射部位反応,咳,鼻漏,発疹,嘔吐,発 熱等が認められた. ・ 免疫不全又はダウン症候群の新生児,乳児および幼児 国内における第Ⅲ相臨床試験 (総症例数 28 例) では, 主な副作用として鼻咽頭炎が認められた. 再審査終了時 (凍結乾燥注射製剤) : 製造販売後調査の総症例 570 例中 19 例 (3.3%) に副作用が認められ,主な副作用として気管 支炎,上気道の炎症等が認められた. (1)重大な副作用 注) ショック, アナフィラキシー (頻度不明) :ショック, アナフィラキシーがあらわれることがある. 観察を十分行い,チアノーゼ,冷汗,血圧低下,呼吸困難,喘鳴,頻脈等があらわれた場合に は投与を中止し, エピネフリン(1:1000)の投与による保存的治療等の適切な処置を行うこと. 注)国内外の臨床試験では認められず,頻度が明確とならない調査(海外報告等)において認 められている. (2)その他の副作用 次のような症状があらわれた場合には,症状に応じて適切な処置を行うこと. 一般名:パリビズマブ (遺伝子組換え) Palivizumab (genetical recombination) [JAN] 本 質:マウス抗RSウイルスモノクローナル抗体の相補性決定部位,ならびにヒトIgG1定常部およ び可変部フレーム配列からなる抗RSウイルスヒト化モノクローナル抗体であり,アミノ酸213 個の軽鎖2分子とアミノ酸450個の重鎖2分子からなる糖たん白質である. 分子式:軽鎖(C1026H 1589N269O 329 S 8) 重鎖 (C2209H 3439N 581O 675 S17) 分子量:約148,000 下記の新生児,乳児および幼児におけるRSウイルス (Respiratory Syncytial Virus)感染による重篤な 下気道疾患の発症抑制 RSウイルス感染流行初期において ・在胎期間28週以下の早産で,12ヵ月齢以下の新生児および乳児 ・在胎期間29週∼35週の早産で,6ヵ月齢以下の新生児および乳児 ・過去6ヵ月以内に気管支肺異形成症(BPD) の治療を受けた24ヵ月齢以下の新生児,乳児およ び幼児 ・24ヵ月齢以下の血行動態に異常のある先天性心疾患 (CHD)の新生児,乳児および幼児 ・24ヵ月齢以下の免疫不全を伴う新生児,乳児および幼児 ・24ヵ月齢以下のダウン症候群の新生児,乳児および幼児 効能追加 ※ 2013年8月 貯 87625 薬 価 収 載 2012年12月 ■ 禁忌(次の患者には投与しないこと) 本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者 販 生物由来製品、 処方せん医薬品 傾眠 0.1%未満 頻度不明 痙攣 不整脈,頻脈,徐脈 肺炎,細気管支炎 真菌性皮膚炎,湿疹 血小板数減少 悪寒,哺乳障害,中耳炎 4. 臨床検査結果に及ぼす影響※ 本剤はRSウイルス検査のうち, ウイルス抗原検出およびウイルス培養を測定原理とする検査に干渉し, 偽陰性になるおそれがある (RT-PCR法には干渉しない) . 本剤投与後にこれらのRSウイルス検査を 実施した場合の診断は, 臨床所見等を含めて総合的に判断するよう特に注意すること. 5.適用上の注意 感染性疾患の伝播を避けるため,必ず使い捨ての注射針および注射筒を使用し,また再使用しな いこと. (1)採取時: 1)本剤を希釈しないこと.2)本剤を振ったり,激しくかき回したりしないこと.3)投与前にバイア ルに異物および変色がないことを目視で確認すること.異物および変色がある場合は使用しな いこと.4)バイアルのキャップを取り去り,ゴム栓をエタノール綿等で清拭すること.5)本剤は保 存剤を含有していないため,バイアルからの採取後は速やかに投与すること.6)バイアルから の採取は一回のみとし,残液は廃棄すること.バイアルに注射針を再度刺通しないこと. (2)投与時:新生児,乳児および幼児への投与であることから特に組織,神経に対する影響には 十分注意しながら慎重に投与すること. 1)筋肉内投与のみとし,静脈内投与は避けること.2)他の薬剤との混合注射をしないこと. 3)筋肉内,好ましくは大腿前外側部に注射する.臀筋への投与は坐骨神経を損傷する危険 性があるため,避けること.4)神経走行部位を避けるよう注意して注射すること.5)同一部 位への反復注射は行わないこと.6)注射針を刺入したとき,激痛を訴えたり,血液の逆流をみ た場合は,直ちに針を抜き,部位をかえて注射すること. 6. その他の注意※ (1)本剤の5回を超える投与に関する海外市販後報告では,RSウイルス流行期間内での6回も しくはそれを超える回数の投与後における有害事象の特性は,5回までの投与後にみられるもの と同様であると示唆されている. (2) がん原性試験,遺伝毒性試験,生殖毒性試験は実施されていない. (3)本剤は成人に適用されない.本剤を妊婦,産婦,授乳婦等へ投与した場合の影響は不明である. (4)他のヒト化抗体,ヒト・マウスキメラ抗体,マウス抗体の投与を経験した新生児,乳児および 幼児に対して本剤を投与した場合の安全性は確立されていない.このような新生児,乳児お よび幼児に対して本剤を投与する場合には過敏症等について十分注意すること. (5)海外における臨床試験では本剤投与により,一部の新生児,乳児および幼児で抗イディオタ イプ抗体が検出されているが,現在までに,この抗体による副作用,体内動態への影響は報 告されていない. 薬物動態(抜粋) 薬物相互作用 (1) 薬物相互作用に関する臨床試験は実施されていない. 海外における第Ⅲ相臨床試験において,プラセボ投与群および本剤投与群の患者はいずれも同様 の割合で通常の小児予防接種ワクチン,インフルエンザワクチン,気管支拡張剤,副腎皮質ステロイ ドの投与を受けていたが,副作用発現率の上昇は認められなかった.なお,日本脳炎ウイルスワ クチンおよびBCGワクチンとの併用投与に関する知見は得られていない. (2) 本剤はRSウイルスに特異的に作用するため, ワクチン接種による免疫応答を妨げないと考えられる. 包装 シナジス筋注液50mg (50mg):1バイアル シナジス筋注液100mg (100mg) :1バイアル ※2013年8月改訂 (第4版) , 下線部:今回追記
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