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2015 年度改訂新版
道徳研究
生きる喜びを育む
No.62
1∼6 年生の
特集 最新版
「私たちの道徳」
活用の手引き
◦総論 赤堀博行
◦解説 表迫信行/河合宣昌/木下美紀
◦「私たちの道徳」
の指導計画への位置付け例
33
吉本恒幸
聖徳大学大学院教授
とである。三つは、道徳的価値を自分なり
に発展させていくことへの思いと課題をも
つことである。
」
と示している。
すなわち、道徳的価値の意味と大切さを
理解し、そのことを自分に引き寄せて、真
剣に現在やこれまでの自分の有り様や傾向
を見つめ、その結果、新たに生き直しを始
めようとする心理的過程の全体が、道徳的
価値の自覚であり、道徳の授業そのものの
本質でもある。
「内面的な資質・能力」
とい
う目標概念を設定する限りにおいて、道徳
の授業が最も重視する事柄は変更されるこ
とはない。
ということわざがあ
「木を見て森を見ず」
る。変更する面ばかりに目を奪われて、肝
心の授業の質を高めることへの努力を怠っ
てはならない。私たちは、これまで続けて
きた実践と研究成果に自信をもち、堂々と
胸を張って改革の道を歩も うではないか。
この姿こそ、子どもたちと国民が真に望ん
でいるものである。
これからの道徳教育
~「不易」を見据え、自信をもって歩もう~
道徳の改革が目の前に迫っている。昭和
年以来、充実・発展してきた道徳教育及
び道徳の時間が、時代の要請により新たな
段階を迎えている。とりわけ道徳の時間が
「特別の教科」
として教育課程に位置付けら
れることは大きな変化である。
「不易と流行」
という言
ところで、昔から
葉で語られるように、改革時には物事の本
質
(不易)
と変更
(流行)
をしっかり見定める
必要がある。教科化に当たっては、道徳性
を「内面的な資質・能力」として規定する、
内容項目にキーワードを付ける、検定教科
書を導入する、
指導要録に評価欄を設ける、
などが変更点として挙げられる。
では、
「不易」
とは何か。それは言うまで
もなく授業の本質である。道徳の時間がど
のような名称になろうとも、子どもたちと
向き合う道徳の授業の根本は変わることは
な い。 学 習 指 導 要 領 解 説 で は、
「道 徳 的 価
値の自覚」
の機能として
「一つは、道徳的価
値についての理解である。二つは、自分と
のかかわりで道徳的価値がとらえられるこ
巻頭言
写真:Gouma Midorikaze
道徳
未来を生きる子供たちに、
世界を舞台に活躍するための
「誇り」を育てる。
❶心に響き、
「考えたい」
「話し合いたい」気持ちを高める題材を精選しました。
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教師用指導書
『1∼6 年生の道徳』素材集DVD 『1∼6 年生の道徳』指導資料CD
●児童書掲載のイラストや写真の PDF ファイルを収録。
●指導計画の作成に役立つファイルを豊富に収録。
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を豊富にご用意しました。
●『私たちの道徳』と連動した指導計画案を追加。
道徳研究 No.62 2014.09発行
1
[規格]AB 判/オールカラー(児童書)
[定価]児童書 530 円 +税
教師用指導書 2,500 円+税
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特
最新版
「私たちの道徳」活用の手引き
体制の構築、教育再生の実行など教育改革
平成二十五年一月に、内閣の最重要課題
である二十一世紀の日本にふさわしい教育
⑴「心のノート」の作成と活用
進めた。
のノート」の改善・充実を目指した作業を
ま た、 こ の 懇 談 会 の 協 議 と 並 行 し て、
「心
徳教育の改善・充実に向けた協議を重ねた。
この提言を受けて、文部科学省では、道
徳教育の充実のための懇談会を設置し、道
育の教材の充実・改善などが示された。
された「『心のノート』全面改訂の基本的考
の改善・充実に向けた作業
「心のノート」
は、道徳教育の充実のための懇談会で決定
改訂の考え方
⑵「心のノート」
を通して活用する事例が示された。
ト』活用事例集│」
では、道徳の時間一時間
ことを基本として、これまでの学校からの
たことを書き込むことができるようにする
また、従来の「心のノート」のよい面は継
承し、児童生徒が自分の感じたことや考え
げられた。
に沿ったものを積極的に活用することが挙
成してきた読み物資料等の中から改訂方針
また、これまでに文部省・文部科学省で作
て考える 契機となる素材を盛 り込むこと、
読み物など、児童生徒が道徳的価値につい
著名人、伝統・文化、生命尊重等に関する
ば、先人等の残した名言、国内外の偉人や
トで構成することを基本としている。例え
目ごとに読み物部分と書き込み部分のセッ
具体的な改善のイメージとしては、内容
について、学習指導要領に示された内容項
となどである。
の開発・普及、教員の指導力向上、道徳教
人間性に深く迫る教育に関して、指導方法
教 育 を 行 う こ と が 示 さ れ た。 具 体 的 に は、
組みによって教科化し、人間性に深く迫る
会全体で取り組むために、道徳を新たな枠
に、心と体の調和の取れた人間の育成に社
この提言の中で、いじめの問題解決の第一
じめの問題等への対応について」を示した。
協議し、同年二月二十六日に第一次提言
「い
この会議が始めに取り上げた問題が「い
じめ」である。いじめへの対応等について
料やコラム、格言などと、児童生徒が考え
領に示された内容項目ごとに、読み物や資
ることとしている。各冊子は、学習指導要
ること、中学校は、三年間を通して活用す
第三学年及び第四学年、第五学年及び第六
「心のノート」
に基
学年の構成は、従来の
づいて、小学校は、第一学年及び第二学年、
ものとすることにも留意している。
化、地域での活動等に際しても活用できる
家庭での生活や学校と家庭との連携の強
に す る こ と を 視 野 に 作 成 し た。 さ ら に は、
ながら、特に道徳の時間で活用できるよう
て活用できるものであることを大前提とし
あることから、学校の教育活動全体を通じ
る。学校における道徳教育に資するもので
以下
「私たちの道徳」
と示す)
は、
「心のノー
ト』
を生かした道徳教育の展開│『心のノー
えて、平成二十五年に作成した
「
『心のノー
ける
「心のノート」
の多様な活用状況を踏ま
学習指導要領の改訂などを経て、学校にお
ものとされていた。その後、平成二十年の
の時間では、補助的な教材として活用する
年に全児童生徒に配布された。当初は道徳
育むために活用する教材として、平成十四
自己の生き方について考え、自ら道徳性を
教材として作成されたもので、児童生徒が
今回掲載した読み物資料のうち、代表的
なものとその出典を例示する。
活動等に際しても活用できるものとするこ
活や学校と家庭との連携の強化、地域での
きるようにすること、さらに、家庭での生
同様、学校の教育活動全体を通じて活用で
すい内容・構成とし、併せて、これまでと
徳の時間」の授業において、より活用しや
ることに資する内容とすること、また、
「道
いて自ら考え、実際に行動できるようにな
て、児童生徒が道徳的価値や規範意識につ
改訂に当たっての前提としては、学習指
導要領に基づいて、道徳の内容項目に沿っ
「心のノート」の改善・充実
の推進のために教育再生実行会議を開催す
指摘等も踏まえ、必要な点を改善すること
たり話し合ったりしたことを書き込む欄と
を組み合わせて構成している。そして、読
学年としてそれぞれ二箇年を通じて活用す
ト」を全面改訂し、充実を図ったものであ
とした。
み物資料に関しては、児童生徒の発達の段
「はしの 上の おおかみ」
(一九六四)
小学校 道徳の指導資料 第一学年
「およげない りすさん」
(一九八〇)
小学校 道徳の指導資料とその利用
「きいろい ベンチ」
(一九七五)など
小学校 道徳の指導資料とその利用
○第三学年及び第四学年
「よわむし太郎」
(一九七五)
小学校 道徳の指導資料とその利用
「同じ仲間だから」
小学校 道徳の指導資料とその利用
(一九八三)
「雨のバス停留所で」
(一九七七)など
小学校 道徳の指導資料とその利用
6
されているもの、新たに開発したものがあ
る。また、全体を通して、掲載に際しては、
いじめ問題への対応、国内外の偉人や著名
人の生き方、我が国の伝統や文化、生命の
尊重、情報モラルなどのテーマも考慮して
充実を図ったところである。
3
1
1
○第一学年及び第二学年
さらに、児童生徒の喫緊の課題への対応
として、いじめの未然防止、情報モラルへ
階を踏まえつつ、これまで全国で広く活用
「私たちの道徳」(小学校一・二年及び三・
四年は、「わたしたちの道徳」としているが、
「私たちの道徳」の作成と構成
の配慮なども重視された。
え方」に基づいて行われた。
ることが閣議決定された。
赤堀 博行
は、もともと学校の教育活
「心のノート」
動全体を通じた道徳教育を推進するための
「私たちの道徳」
の作成と
活用について
集
2
3
文部科学省初等中等
教育局教科調査官
国立教育政策研究所
教育課程調査官
2
総論
最新版
「私たちの道徳」
活用の手引き
集
特
○第五学年及び第六学年
「うばわれた自由」
(一九九一)
小学校 読み物資料とその利用
「主として自分自 身 に 関 す る こ と 」
「ブランコ乗りとピエロ」
小学校読み物資 料 と そ の 利 用
(一九九二)
「主として他の人とのかかわりに関すること」
「小川笙船」
「私たちの道徳」
の活用に向けて
児童が自分自身を見つめたり、考えを整理
したりすることに生かすことができる。
⑴ 道徳の時間で活用する
次のような活用場面が期待される。
当たって、三・四年では
「自然や動植物を大
て理科の特質を生かした道徳教育を行うに
例えば、小学校における理科では、自然
に親しみ自然を愛する心情を育てる学習が
各 教 科においても、 それぞれの特 質に応
じて道徳教育を行うことが求められている。
⑵ 各教科の学習内容に関連させて活用する
「私たちの道徳」
の
道徳の時間においては
さまざま なページの活用が 考えられるが、
の活用については、各学
「私たちの道徳」
校が独自の道徳教育を展開する中で、多様
特 に、 今 回 の 作 成 の 趣 旨 に も あ る よ う に、
切に」(一〇二頁〜)
を、五・六年では
「自然
⑶ 外国語活動の内容と関連させて活用する
契機としている。
上げて、生徒が道徳的価値について考える
を位置
中学校では、各内容に「人物探訪」
付けて、古今東西、多方面から人物を取り
いる。
物 資 料 や コ ラ ム、 格 言 な ど で 取 り 上 げ て
バン、野口英世、中村勘三郎などを、読み
塚 治 虫 な ど を、 五・六 年 で は ア ニ ー・ サ リ
高橋尚子、エイブラハム・リンカーン、手
アンリ・ファーブルなどを、三・四年では、
二 年 で 二 宮 金 次 郎(尊 徳)、 武 者 小 路 実 篤、
また、取り上げた人物も、先人や著名人
など多彩である。具体的には、小学校一・
てよりよい生活を築こうとする自主的、実
がある。いずれも、児童生徒が力を合わせ
クラブ活動
(小学校のみ)
、学校行事の内容
らに、
ワークシートなどの書き込み部分を、
のまとめに活用することも考えられる。さ
付けや、終末における道徳的価値について
におけるねらいとする道徳的価値への意識
もある。さらに、先人の格言を授業の導入
また、コラムの中にも、工夫次第で一時
間の道徳の時間の中心的な資料となるもの
ことが期待できる。
関わりで考えようとする学習意欲を高める
興味関心を喚起し、道徳的価値を自分との
いるものが中心となっているため、児童の
まで、全国の学校において広く活用されて
前述のとおり、今回掲載されている読み
物資料は、いずれの学年においても、これ
あり、各学校の教育活動は、学校の教育課
おいて総合的に組織した学校の教育計画で
の心身の発達に応じ、授業時数との関連に
目標を達成するために、教育の内容を児童
にすることができる。
開いて確かめたり調べたりするなど、参考
際に、「私たちの道徳」
の関連するページを
あるが、各教科における道徳教育を進める
は、学校の道徳教育の目標によるところで
の よ う に「私 た ち の 道 徳」を 活 用 す る の か
このように各教科の学習内容には、道徳
の内容に深く関わるものが多くある。どの
ども考えられる。
わる学習で、一・二年の
「やくそくや きま
りを まもって」(一一八頁〜)
のページに、
みんなで使う物の使い方を記述することな
に 工 夫 す る こ と が 求 め ら れ る が、 例 え ば、
道徳の時間での活用を充実させるために掲
の 偉 大 さ を 知 っ て」
(一 一 〇 頁 〜)な ど の
外国語活動では、身近な場面やそれに適
した言語 や文化に関するテー マを設定し、
践的な態度の育成をねらいとしており、実
程に基づいて計画的に行うべきものであ
行われる。このことと関係する単元におい
載した読み物資料を中心的な資料として学
ページを活用することができる。また、生
英語でのコミュニケーションを体験した
践や考え方などを深めるために活用できる
る。一方、日常の児童生徒の問題行動への
小学校道徳 読み物資料集
(二〇一二)など
習を進めることが考えられる。
り、場面やテーマに応じた基本的な単語や
ページは多い。
もあるが、これは学習指導要領に準拠した
対応など、計画的な指導とはならないもの
教科のどの単元、あるいは題材などで、ど
活科における公共物や公共施設の利用に関
表現を用いて、音声面を中心とした活動を
行ったりする学習を行う。
⑹ 学 校・ 家 庭・ 地 域 の 連 携 を 図 る た め に
学校の道徳教育の目標を達成するために
は、全教職員の共通理解・共通実践は不可
教育課程の実施とは区別して考える必要が
学校で、家庭で、また地域などで、大人
が児童と一緒に話し合い、子ども理解を深
欠であり、「私たちの道徳」を用いる際は、
活用する
めるための題材とすることができる。各種
学校全体で
「私たちの道徳」
の生かし方につ
その際に、他者とのコミュニケーション
の在り方や、外国との関わり、日本人とし
ときに、「私たちの道徳」の「相手の立場に
通信や保護者会などで紹介し、大人が連携
道徳教育の全体計画に位置付けたり、年間
いての共通理解を図ること が大切である。
ある。
立って親切に」(六〇頁〜)や「世界の人々
して活用することも考えたい。
てのアイデンティティなどについて考える
とつながって」(一七六頁〜)など、関係す
⑺ 学校や家庭の日常生活の中で児童が進
るページを参考にすることができる。
⑷ 総 合 的 な 学 習 の 時 間 の 動 機 付 け や、 自
総合的な学習の時間では、児童生徒が興
味・ 関 心 を 大 切 に し、 自 ら 課 題 を 見 つ け、
分が悩んでいることや疑 問に思 うことなど、
児童が日常生活やさまざまな学習の中で、
道徳的価値に関わる内容を確認したり、自
際の児童生徒への投げ掛けには、教師の創
諸計画への位置付けをする必要もある。実
児童が自発的に活用するこ とを重視して、
指導計画に
「私たちの道徳」
を生かす箇所を
主体的に探究していく体験的、問題解決的
それぞれの関心に基づいて活用したりする。
んで活用する
な学習を行う。「私たちの道徳」の内容から
教師や保護者は、機会を捉えて、児童が
進んで活用することができるように助言や
らの生き方を考える際に活用する
課題を見付け、共に追究していくこともで
援助をしたい。
て活用することが期待される。
の諸計画や各教科等の指導計画に位置付け
ことも考えられるが、基本的には道徳教育
児童の問題行動等への突発的な指導に
「私たちの道徳」
の関係のページを活用する
意工夫が求められるところである。
盛り込んだりにすることが望ましい。また
きるし、さまざまな学習に合わせて自らの
学校が編成する教育課程は、学校教育の
「私たちの道徳」
の計画的な活用
生き方を考える際に「私たちの道徳」
を活用
することもできる。
⑸ 特別活動の各内容と関連させて活用する
特 別 活 動 に は、 学 級 活 動、 児 童 会 活 動、
4
5
最新版
「私たちの道徳」
活用の手引き
集
特
最新版
「私たちの道徳」活用の手引き
るようになっている。
(Ⓐ参照)
に、そのときの気持ちや感じたことを記入させ
行ったことやできたことを想起させるととも
これまで温かい心をもって、相手のことを考え、
を想起するような活動に活用できる。本頁では、
ト
(書き込み欄)があり、児童がこれまでの経験
「あ た た か い 心 で
① に つ い て は、 例 え ば、
親 切 に」
(六 十 六、六 十 七 頁)に は、 ワ ー ク シ ー
つながる。
ける「わたしたちの道徳」の活用を促すことにも
意図的に増やしている。取組を記録するページ
また、今回の改訂において、家の人から励ま
しや称賛の言葉を掛けてあげられるような欄も
いる。
返り、できているときは色を塗ることになって
では、学校や家での片付けの様子について振り
「きそく 正しく 気もちの よい 毎
例えば、
日 を」の 取 組 を 記 録 す る ペ ー ジ
(十 二 〜 十 五 頁)
いて自らの経験を基に、考えをもち、発表し合
さ ら に、 事 後 の 実 践 や、 授 業 で「自 ら を 振 り
返 る」場 面 に お い て、 資 料 と し て 活 用 す る こ と
②については、二つの学年にわたって記録を
することができるようになっており、書き込み
関心や意欲を高める
今 回 の 改 訂 で は、読 み 物 資 料 が 掲 載 さ れ た。
るような活動を取り入れることにより、実践意
に対し、掲載されている言葉で挨拶をしたりす
際に、学校を訪れたり、地域で出会う外国の人々
魅力的な資料の提示
も可能である。
(Ⓑ参照)
うなど、さまざまな展開が考えられる。
の よ さ を 生 か し つ つ、 児 童 の 発 達 の 段 階 に 応 じ
た指導ができるようにと考えられている。道徳
の 時 間 で の 指 導 に 限 ら ず、 さ ま ざ ま な 場 面 に お
いて、効果的に活用できるようにしていきたい。
これまでの文部省資料や文部科学省資料が中心
と な っ て い る。 資 料 に は 、 ふ ん だ ん に 挿 絵 や 写
学習のまとめとして,子どもに読み聞かせ,
より考えを深めさせることができる。また,道
徳の時間以外でも,子どもが自ら読み,考えを
まとめるような活動にも活用が可能であろう。
Ⓓ心に響く格言や名言
材料を与えることができる。(Ⓔ参照)
して読み示し、児童に「いのち」について考える
さ ら に、 日 野 原 重 明 氏 の コ ラ ム「た す け 合 っ
て 生きる」
(六八、六九頁)は、3 ︱⑴生命尊重
をねらいとする学習において、学習のまとめと
て学習を終えることもできるであろう。(Ⓓ参照)
みんなで考えてみようと投げ掛け、余韻を残し
また、教師の説話の後、友情の大切さ、すば
ら し さ に 気 付 か せ る 上 で、 こ の 言 葉 を 提 示 し、
られる。
児童に想起させることが活動の一つとして考え
な の か、 同 じ よ う な 思 い を し た こ と は な い か、
において、この言葉を提示し、どのようなこと
こうしたページは、授業の終末において活用
「友情・信頼」
することができる。例えば、2 ︱⑶
「友 じ ょ う は よ ろ こ び を 二 倍 に し か な し
みを 半分に する」
次のような言葉が掲載されている。
提示され、フリードリッヒ・フォン・シラーの
(七四、
七五頁)
では、
「ともだちと なかよく」
同年代の児童が笑顔で仲よく映っている写真が
子どもの心に余韻を残す
欲が高まり、実践後の児童の気持ちも一層高ま
Ⓔコラム
『こんにちは』
『ありがとう』
」
(六四、
「せかいの
六 五 頁)で は、 そ れ ま で の 挨 拶 へ の 取 組 か ら 視
児童の心に響く格言や名言を,授業の導入やまと
めに活用することができる。ねらいとする道徳的価
値への方向付けを図ったり,児童の心に余韻を残し
たりする資料となる。
また,短冊などにして,板書や掲示物として活用す
ることも可能である。
て親しみやすいタッチで描かれている。この挿
内容項目に関わり,児童が学んだり,考え
たりしたことについて,広い視野で捉え,実
践意欲を一層高めることができる。第1・2
学年では,
「せかいの『こんにちは』『ありが
とう』」や「きまり カルタ」「しては ならな
い ことが あるよ」などが掲載されている。
るであろう。
(Ⓒ参照)
Ⓒ特設ページ
野を広げ、我が国だけではなく、世界の国々で
これまで自分が行ったことを想起させたり,より
よく生きていくための手だてなどについて考えたり
することで,自分自身を振り返り,見つめ直すこと
ができる。家の人のコメントは励みになる。
挨拶が行われていることに気付かせていく。実
Ⓐワークシート
絵や写真などは、授業の中で場面絵として、資
できたことや確かめたこと
について,日付を記入し,色
を塗る活動を通して,自らの
日常の様子を振り返ることが
できる。また,自分で取組内
容を追加し,めあてをもって
日常生活を送るような心情を
高めることもできる。
料の提示や板書において活用することができる。
真などが使われており、一、二年生の児童にとっ
自らの取組を記録する
特設ページ、コラムなどが加わったことである。
については、学校と家庭との連携や、家庭にお
歌を歌い、
「いのち」や、
「生きていること」につ
長を振り返ることができる。
をしたり、色を塗ったりして、児童が自らの成
表迫 信行
「生 き て い る っ て す ば ら し い」
ま た、
(一〇〇頁)では、授業の導入で活用し、児童が
子どもが自らを振り返る
東京都練馬区立
北原小学校長
作成の過程において、これまでの「心のノート」
このように、これまでの「心のノート」との大
き な 違 い は、 内 容 項 目 に よ っ て 読 み 物 資 料 や、
①内容項目に関わって、自分を振り返るページ
②二つの学年にわたり、内容項目に関わり、自ら
の取組を記録するページ
③内容項目に関わる読み物資料及び特設ページ
④コラムや格言、名言などのページ
に次のような構成 と な っ て い る 。
「わたしたちの道徳 小学校一・二年」
(以下、
「わ た し た ち の 道 徳」と 略 記)の 内 容 は、 基 本 的
はじめに
「わたしたちの道徳」
の
具体的な活用例
【小学校一・二年】
集
特
Ⓑ日常の記録
6
7
解説
最新版
「私たちの道徳」
活用の手引き
集
特
特
最新版
「私たちの道徳」活用の手引き
リ ー・ キ ュ リ ー、 手 塚 治 虫 な ど、 四 人 の 偉
伝 え る な ど し、 し っ か り と 押 さ え る 必 要 が
「わたしたちの道徳 小学校三・
本稿では、
四年」の中で、主に新設された内容のページを
ている。
れ る と と も に、 記 入 欄 の あ る ペ ー ジ も 増 え
ジ 数 が 増 え、 読 み 物 資 料 や コ ラ ム が 新 設 さ
付された。従来の
「心のノート」
に比べてペー
本 年 度、 道 徳 教 育 の 充 実 の 一 つ と し て、
全国の児童一人一人に「私たちの道徳」が配
方 向 付 け る。 さ ら に、 今 後、 図 書 室 な ど で
て い っ た か を 考 え な が ら、 伝 記 を 読 む よ う
う な こ と に 悩 み、 ど の よ う に 自 分 を 伸 ば し
偉 人 の 伝 記 に つ い て 触 れ る。 偉 人 が ど の よ
た、発展的な学習として、四九頁を活用し、
容 を 学 級 で 交 流 す る こ と が 考 え ら れ る。 ま
例えば、国語科の単元「本の紹介をしよう」
に お い て、 児 童 が そ れ ぞ れ 記 入 し、 そ の 内
できる(Ⓑ参照)。
び、 書 き 込 み 欄 に 感 じ た こ と を 書 く こ と が
導 入 で は、 例 え ば、 四 つ の 事 例 を 簡 単 に
紹 介 し、
「今 日 の お 話 は、 ど の よ う な 動 物 や
とが考えられる(Ⓓ参照)。
における価値の一般化の場面で活用するこ
ら の 事 例 を、 道 徳 の 時 間 の 導 入 や 展 開 後 段
本 頁 に は、「動 物 や 植 物 の 不 思 議 な 力」と
し て、 四 つ の 事 例 が 紹 介 さ れ て い る。 こ れ
◦題名 自然や動植物を大切に(一〇五頁)
◦内容 3 ︱⑵自然愛・動植物愛護
偉人や著名人の格言
を読んで,感じたこと
を書かせ,交流させる。
Ⓒ日常の記録
個性の伸長に関わる本を読み,学んだこと
を書き込むよう投げ掛ける。
活用例Ⅲ 帰りの会
◦題名 協力し合って楽しい学校、学級を
(一五一頁)
◦内容 4 ︱⑷愛校心
本 頁 は、 い じ め へ の 対 応 な ど を 受 け た 内
容 で あ る。 活 用 法 と し て、 学 級 で 問 題 が 起
道徳教育や道徳の時間の特質を踏まえた
「私たちの道徳」の活用を追究していきたい。
①読書活動との関連を図ることで、よりよい生き
方を一層見つけ出すことができるようにする。
②さまざまな事例を扱うことで、価値の一般化を
図り、将来出会うであろうさまざまな場面や状
況においても適切な行為を主体的に選択し、実
践することができる内面的資質を高めるよう
にする。
③行為だけではなく、児童の心の内面にある心情
や判断を引き出し、深めることが、より確かな
道徳的実践につながる。
最 後 に、 活 用 全 般 に わ た っ て、 三 つ の 留
意点を挙げる。
照)。
い て 話 し 合 わ せ る こ と が 大 切 で あ る(Ⓔ 参
せ た 上 で、 ど の よ う に 関 わ っ て い く か に つ
できていない児童の気持ちを十分に捉えさ
一 人 ぼ っ ち の 児 童 や、 き ま り を 守 る こ と が
考えられる。その際、解決方法だけではなく、
自分たちの学級の事例に広げていく方法が
深 く 考 え さ せ、 学 ん だ こ と を 他 の 事 例 や、
三 つ の 事 例 が 挙 げ ら れ て い る が、 効 果 的
な 活 用 法 と し て、 そ の う ち 一 事 例 に つ い て
はない。
道徳の時間で本頁を活用することは適切で
合 う こ と が 求 め ら れ て い る。 し た が っ て、
き た と き の 具 体 的 な 解 決 方 法 を 考 え、 話 し
展 開 後 段 で は、 例 え ば、 本 時 で 学 ん だ 道
た上で、資料提示へ入っていく。
活用例Ⅱ 道徳の時間
取り上げ、その具体的な活用例を紹介する。
読 ん だ 伝 記 の 人 物 と、 そ の 人 物 か ら 学 ん だ
活用例Ⅰ 国語科
植物の不思議な力のお話でしょう」などとね
(単元:本の紹介をしよう)
ことを「私たちの道徳」に書き込むよう、児
◦題名 自分の良い所をのばして
四九頁)
(四八、
◦内容 1 ︱⑸個性の伸長
四 八 頁 で は、 個 性 の 伸 長 に 関 わ っ て、 マ
徳的価値についてまとめ、
「今日のお話だけ
で な く、 動 物 や 植 物 の 不 思 議 な 力 に は、 さ
まざまなものがあります」と投げ掛け、本頁
を読ませる。また、
自分を見つめる場面では、
これらの事例に関わって自分の経験を振り
Ⓑワークシート
返 っ た り、 他 に 知 っ て い る 事 例 を 想 起 さ せ
たりする。
4人 の 格 言 の う ち,
好きな言葉を選んで読
ませ,考えを深めさせ
る。
な お、 指 導 に 当 た っ て は、 こ の 指 導 内 容
が「個性の伸長」に関わるものであることを
らいとする道徳的価値への方向付けを図っ
児 童 は、 そ の 中 か ら 自 分 の 好 き な 言 葉 を 選
ある。
河合 宣昌
人や著名人の言葉を紹介している(Ⓐ参照)。
岐阜市立市橋小学校長
童に投げ掛ける(Ⓒ参照)。
はじめに
道徳の特質を踏まえた
活用を ―中学年における具体的な活用例―
【小学校三・四年】
集
Ⓐ心に響く名言や
格言
8
9
動物や植物の不思議な力を取
り上げ、道徳的価値への導入や
価値の一般化を図る。
それぞれの問題の登場人物の
気持ちに共感させる中で,仲間
への関わり方を話し合わせる。
Ⓓ本文
Ⓔ話合い活動
解説
最新版
「私たちの道徳」
活用の手引き
集
特
最新版
「私たちの道徳」活用の手引き
「私たちの道徳」の活用について
自分の所属する集団とその中での
自分の役割を事前に記入させておき,
導入段階で活用することで,児童に
問題意識をもたせることができる。
木下 美紀
③その役割はなぜ大切だと思いますか。
すか。
※委員会・一年生との関わりなどの写真を提示
②あなたはその役割をどの程度達成できていま
①あなたには、どのような役割がありますか。
【発問例】
すると効果的である(Ⓐ参照)。
記 入 さ せ て お き、 そ れ を 示 し な が ら、 発 問
(一四二、一四三頁)のワークシートを事前に
義あることである(Ⓔ参照)
。
せ る こ と は、 キ ャ リ ア 教 育 の 視 点 か ら も 意
自分と向き合わせて自己の生き方を考えさ
の生き方のモデルとなるような人物を探し、
な ど に 関 わ る 内 容 が 掲 載 さ れ た。 児 童 生 徒
特 に 今 回 の 改 訂 で は、 多 く の 偉 人 や 著 名 人
「私たちの道徳」には、道徳の時間以外の、
日常生活で活用したいページが満載である。
「道徳の時間」
以外の時間で
けて学習を深めると効果的である(Ⓓ参照)。
行 っ て い る 場 合 な ど は、 そ の 活 動 と 関 連 付
の時間で環境をテーマとする探求活動を
の 写 真 を 提 示 し、 話 し 合 う。 総 合 的 な 学 習
導 入 段 階 に お い て、 問 題 意 識 を 高 め る た
めに、「こわされていく自然環境」
(一一二頁)
○問題意識をもたせる導入の工夫として活用
◦資料名 「チョモランマ清掃登山隊」
(学研
『みんなの道徳 5年』)
◦主題名 自然とともに 高学年3 ︱⑵ 授業実践例Ⅱ
(活用タイプ②)
も考えられる
(Ⓒ参照)。
ない」(一四四、一四五頁)に記述させること
な 役 割 で も、 そ の 役 割 が な け れ ば 成 り 立 た
ま た、 学 習 を ま と め、 日 常 生 活 の 実 践 に
つなぐ手だてとして、終末段階で「どのよう
か」
「笙船はどうしてそこまでしてやろうとしたの
①感動場面を対話で(感動の共有→道徳的価値)
二つに絞り、話合いを深める(Ⓑ参照)。
主 教 材(中 心 資 料)と し て、「小 川 笙 船」
(一 四 六 〜 一 四 九 頁)を 活 用 し、 発 問 を 次 の
夫として活用
○多様な価値観を表出させる言語活動の工
福岡県福津市立
津屋崎小学校主幹教諭
高 め る 発 問 が 必 要 で あ る。「私 た ち の 道 徳」
(「私たちの道徳 小学校五・六年)
○問題意識をもたせる導入の工夫として活用
Ⓐワークシート
「心を動かされたところはどこか」【対話活動】
②道徳的価値への焦点化
小学
道 徳 の 時 間 に お け る「私 た ち の 道 徳
校五・六年」
(以下、
「私たちの道徳」と略記)
展開前段で「主
教材」(中心資料)
として活用する。
人物の生き方を自
分ごととして考え
させる工夫が大切
である。
の「集 団 の 中 で 自 分 の 役 割 と 責 任 を 果 た す」
の活用としては、次の三つが考えられる。
副 読 本 や 各 学 校・ 地 域 で 開 発 し た 郷 土 資
料等との併用を前提としながらも、今回は、
「③ 主 教 材
(中 心 資 料)と 部 分 活 用 と の 併 用」
と、
「② 副 教 材 と し て の 部 分 活 用」の 授 業 実
践 例 を 紹 介 す る。 ま た、 道 徳 の 時 間 以 外 に
おける活用についても触れる。
授業実践例Ⅰ(活用タイプ③)
日常生活の中で,「なりたい
自分を探そう」の活動として,
将来の自分の生き方を展望す
るために,特に学びたい人物
を選択させて,記述させる。
環境をテーマとする総合的
な学習の時間などと関連させ,
導入段階で活用する。他教科
等での学習内容を 想 起 さ せ,
短時間の話合いを行うことで,
切実な問題意識が生まれる。
◦主題名 集団としての役割とは? 高学年
Ⓒ本文&
ワークシート
終末で本文を読ませ,
集団の一員として自分
がどのような役割を担
うか記述させて,学習
のまとめとするととも
に,日常生活での実践
につなぐ。
①主教材(中心資料)としての活用
②副教材としての部分活用
③主教材(中心資料)と部分活用との併用
「知りたい」
導入段階は、「どうしてだろう」
と い う、 児 童 の 道 徳 的 価 値 へ の 問 題 意 識 を
4 ︱⑶
◦資料名 小川笙船
「私たちの道徳」
で授業を
つくる!
【小学校五・六年】
集
特
Ⓑ 読み物資料
10
11
Ⓔ 心に響く名言や格言
Ⓓ話合い
解説
最新版
「私たちの道徳」
活用の手引き
集
特
集
特別資料
最新版
「私たちの道徳」
活用の手引き
■年間指導計画案1年(6月分抜粋)
6月
主題名・資料名
みんなのために
資料名
はりきりむらの どうろこうじ
学習指導要領
の
「内容」
4−⑵勤労
働くことのよさを感じて,みんなのために働く。
ねらい
働くことのよさを感じて,みんなのために働こうとする心情を育てる。
あらすじ
山奥のはりきりむらに雨が何日も降り,土砂崩れが起きて道路が通れなくなってしまう。そこで,ショ
ベルカーのベル君は,仲間と共に何日もかかって道路から土を取り除き,村人から感謝される。
他教科・他領
域や日常指導
などとの関連
この段階においては,働くことを楽しんでいる児童が多いが,自分だけの楽しみで終わっている児
童も少なくない。みんなのために働いていることを意識させ,それが喜びとなるよう,日常の学級
の清掃や給食などの当番活動,係活動などの場面で助言していくようにしたい。
評価
働くことで役に立つ喜びややりがいを感じ,みんなのために働こうとする心情を深めることができ
たか。
学習活動
(主な発問と児童の予想される反応)
⑴日ごろの自分の生活について思い起こす。
○家や学校で,どんな仕事をしているか。
・食事の準備で,はしを並べている。
・日直の仕事で,黒板を消すのを頑張っている。
主 な 発 問 例
『わたしたちの道徳』関連他
身近な人に温か
い心で接し,親
切にしようとす
る実践意欲を養
う。
2−⑵親切
・困っているときにクラスの友達に
助けてもらったことがあるか。
・
「ごろりん」
と一人でテーブルを運
んでいたとき,うさぎは,どのよ
うに感じていたか。
・「ごろん」と荷物が軽くなったと
き,
うさぎはどのように感じたか。
・
「ころろろろ」
と運べたときは,う
さぎはどのように思ったか。
・動物たちがだまってお手伝いをし
たのは,どうしてか。
・自分がだれかに親切にした経験は
ないか。
あたたかい心で親
切に
気持ちのよいあ
いさつや言葉遣
いを心掛けよう
とする心情を養
う。
2−⑴礼儀
・普段の生活で,どんなあいさつの
言葉を言っているか。
・みんなで絵を描き始めたとき,き
つねさんはどんな気持ちだったか。
・たぬきさんのクレヨンをだまって
とってしまったきつねさんは,ど
んな気持ちだったか。
・黙ってクレヨンをとられたたぬき
さんは,どんな気持ちだったか。
・うさぎさんとたぬきさんのやりと
りを聞いていたきつねさんは,ど
んな気持ちだったか。
・あいさつをして気持ちよかったこ
と,あいさつをされて気持ちよ
かったことはあるか。
1ねんせいのどうとく(文溪堂)
親切の力
ごろりん
ごろん
ころろろろ
8
こころを
つなぐ
あいさつ
あかい
クレヨン
●指導上の留意点 ◆指導の工夫 ★評価
●ねらいとする価値への方向付けをする。
◆黒板に場面絵を掲示し,村の人たちが困っていること
に触れ,ベル君に共感させやすくする。
●喜ぶ村人たちを見るベル君に共感させることを通し
て,みんなのために働いたときの感じ方や考え方を出
させ,価値理解を深めさせる。
★ベル君に共感することを通して,働くことのよさにつ
いて考えを深めることができたか。
⑶自分の生活を振り返り,話し合う。
○一生懸命仕事をしてよかったと思ったことはあるか。
そのときどんな気持ちだったか。
・風呂掃除を頑張った。お母さんに褒められてうれし
かった。
・係の仕事を頑張った。みんなが喜んでくれてまた頑張
ろうと思った。
◆『わたしたちの道徳』133ページを活用することもでき
る。
⑷友達や自分が働いているときの写真を見る。
◆『わたしたちの道徳』132ページを開き,読み聞かせる。
★これまで自分がしていた仕事を振り返ることで,みん
なのために働くことのよさについて、自分自身との関
わりで考えることができたか。
10
みんなの
ために
はりきりむらの
どうろこうじ
働くことのよさ
を感じて,みん
なのために働こ
うとする心情を
育てる。
4−⑵勤労
・家や学校で,どんな仕事をしてい
るか。
・ベル君は,はりきり村の人たちの
話を聞いているとき,どんなこと
を思ったか。
・何度も土をすくっているとき,ベ
ル君の心の中はどんなだったか。
・重くて大変だ。疲れたな。
・村の人たちの言葉を聞いて,ベル
君はどんなことを考えたか。
・一生懸命仕事をしてよかったなと
思ったことはあるか。そのときど
んな気持ちだったか。
小学校1・2年版
はたらくことのよ
さをかんじて
・展開後段で133
ページを開き記
入して,自分自
身を振り返る。
・終末で132ペー
ジを開き,読み
聞かせる。
※文溪堂・平成27年度道徳副読本『1~6年生の道徳』付属CD-ROM見本版より,一部改変して抜粋。
13
特
「私たちの道徳」
の年間指導計画の
位置付けや、道徳の時間における展
③村の人たちの言葉を聞いて,ベル君はどのようなこと
を考えたか。
・みんなが喜んでくれてうれしい。
・仕事を頑張ってよかった。
・次もみんなのために頑張ろう。
あいさつから
始まる
たびにでて
気持ちのよいあ
いさつや言葉遣
いなどに心掛け
て,明るく接す
る態度を育て
る。
2−⑴礼儀
・毎日たくさんのあいさつをしてい
るが,どんなところでしているだ
ろうか。
・
「あいさつじま」
から旅に出るけい
たはどんな気持ちか。
・
「あいさつのないしま」
で,水飲み
場をたずねるが,うまく話しかけ
られないけいたはどんな気持ち
だったか。
・「あいさつのないしま」の木の上
で,けいたはじっと何を考えてい
るのだろう。
・
「あいさつのないしま」
で,元気に
あいさつをするけいたと「あいさ
つのないしま」のさるたちはどん
な気持ちか。
・気持ちよいあいさつをしたこと,
されたことがあるか。
気もちのよいふる
まいを
・展開後段で58
ページを開き記
入して,自分自
身を振り返る。
集
開例への位置付けの例を紹介します。
●何度も土をすくっているベル君に共感させ,働いてい
るときの感じ方や考え方を出させ,人間理解や価値理
解を深めさせる。
9
わたしたちの道徳
②何度も土をすくっているとき,ベル君の心の中はどん
なだったか。
・重くて大変だ。疲れたな。
・もうやめようかな。
・村のみんなのためだ。頑張ろう。
6
月
⑵「はりきりむらの どうろこうじ」を読んで話し合う。
①ベル君は,はりきり村の人たちの話を聞いているとき,
どんなことを思ったか。
・大変そうだなあ。
・村の人たちのために,ぼくが道路をきれいにしよう。
出典
ね ら い
最新版
「私たちの道徳」活用の手引き
主題名
「私たちの道徳」
の位置付け例
特
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