発行責任者 中田慶子 DV 防止ながさき通信 〒850-8799 長崎中央郵便局 第 24 号 FAX 095-832-8488 2015.6.12 私書箱第 7 号 DV 防止ながさき E-mail [email protected] 郵便振替口座 01730-6-103415 6 月 1 日は 11 年前の佐世保小 6 女児殺害事件というとても残念な記憶 を呼び起こす日です。そして昨年も、佐世保で高校1年の女生徒が仲良 しだったという同級生を殺害したという事件が起こりました。どうして このようなことが起きてしまうのか、同時に、どうして防げなかったの か、という思いも痛烈に残ります。女子高校生の事件では、前兆となる 出来事が小学校時代から起きていたのにもかかわらず、関係機関で情報 共有、連携ができなかったことがわかり、悔しさに歯噛みする思いでし た。さらに、あろうことか児童相談所内のパワーハラスメント問題が明 らかとなり、どちらかといえばパワハラ問題に報道が偏り、容疑者が未成年であることや、状況を知る 家族が亡くなったことも加わり、何もわからないまま日が経ってしまった感じがしています。この一年、 大人として何ができるのかを突き付けられる思いを抱えてきました。 5 月 22 日、県内の子どもにかかわるグループ・個人が集まり、「子どもの権利条約ながさきネット」 (連絡先:NPO 法人長崎県こども劇場連絡会)が設立されました。この 5 月 22 日という日は、日本で「子 どもの権利条約(正式には児童の権利に関する条約)」が 1994 年に発効した日で、それから 21 年がたっ ています。しかし、ご承知のように子どもの貧困率は年々高まり、児童虐待、性的搾取、体罰、不登校 の増加、スマホに翻弄される子どもなど、子どもの権利が守られているとはとても言えない現状です。 また、家庭の中で DV があること自体が子どもへの心理的虐待であると、児童虐待防止法にもあるよ うに、子どもの心の発達には、さまざまなことが影響します。その影響を最小限にするために大人は環 境や制度を整える責任があります。子どもがどのような環境で育ったとしても、さまざまな人と出会い、 社会的な支援を受けることで、よりよい未来を持つことができることを確信しています。支援とつなが る場をきちんと用意すること、それが大人の責任であり、社会の責務だと思います。 プライバシーとか個人情報が・・とか、ついそんな言葉が浮かんでしまう昨今で すが、子どもの権利 条約第3条には「子どもに関係のあることを行う時には、 子どもの最善の利益を第一に考えねばならない」とあります。子どもの命は最 優先の事項です。おせっかいな大人、うるさい近所の復活を!と願います。 (中田 慶子) 長崎市の市政協力表彰を受賞しました 4月 1 日、長崎市の表彰式がブリックホールで行われ、DV 防止な がさきが、DV の根絶に向けて、被害者の支援から若年層への予防教 育や、相談活動の実績、DV 被害を受けた母子への支援など、多方面 にわたる活動が評価され、今回、市政協力表彰となりました。 ともに暴力の根絶をしていこうという市からの励ましと受け止 め、会員一同、今後も行政との連携のもと、活動を続けてまいりま す。 これからも、どうぞよろしくお願いいたします。 懇親会で田上市長と 第 13 回定期総会を開催 5 月 24 日NPO法人DV防止ながさきの第 13 回定期総会を開催しました。2014 年度の活動報告、 決算、2015 年度の活動計画、予算が承認されました。今年度も、啓発、相談支援、委託事業、人材 育成など、盛りだくさんです。とはいえ、平均年齢が 60 歳を超えようかとの状況で、多少息切れ気 味なのは否めません。しかし今期は、若い方が理事と監事に入ってくださいました。力強い限りです。 皆さんも、お力をお貸しください。 デートDV防止のための出前授業 2014 年度報告 2014 年度も県の委託事業、各自治体からの派遣講座、民間団体の支援を受 けて、ほとんど学校の負担なく、中学 43 校 大学 6 校 7 回 976 人、看護学校 2 校 6,577 人、高校 42 校 78 人、合計 10,187 人、 17,818 人に対し予防教 育を実施することができました。これは 2013 年度の 72 校と比べて 25%増で した。今年度も、すでに高校からは 36 校の申し出があり、県(主に離島・郡部) 主催、民間団体(各地の国際ソロプチミストのクラブ)主催などで、できるだけ学 校の負担なく授業を実施していく予定です。自治体からの要請も増え、予算化をされているところも あります。長崎市、大村市、壱岐市、長与町、千綿町は自治体で予算化。佐世保市、諌早市は民間と の協働で。民間団体からは、授業の講師料・交通費だけでなく、生徒に配るハンドブックも独自で印 刷されるなど、多大な協力をいただいています。 今後も、もっと多くの生徒さんに「デートDV防止授業」を届けていきたいと願っています。 参加者募集中! DV予防教育指導者養成スキルアップ研修 2015 21 年度~23 年度の 3 か年にわたり、長崎県主催でデートDV予防教育授業者育成事業を実施し、その修 了者を中心にDV防止ながさきの自主企画として、スキルア ップ研修を実施しています。今年度は、 ・佐世保地区 7 月 28 日(火)13:45~17:45 会場:アルカスさせぼ内スピカ研修室 ・長崎地区 8 月 11 日(火)13:00~17:00 会場:長崎市民会館1F アマランス研修室 最新版のパワーポイントを紹介したり、実技を交えて、さら に多くの方が、自信をもって授業を実施できるような研修内容 上の写真は以前の研修の様子、真剣な表情! になっています。ぜひ、ご参加ください。 参加希望の方 は、事務所まで、メールやファックスでご連絡ください。詳細はHPにもあります。 今年も「共感寄付」スタート♡ 新しいパンフレットを同封しました。 これまで「DV防止ながさき」にいただくご寄付は、DV防止ながさきが寄付控 除を認められた団体でないため、税控除が受けられず申し訳なく思っていました。 今年も、寄付控除を受けることができる「認定NPO法人」である「NPOなが さき」を窓口にすることで、寄付をする方にも税控除の大きなメリットがあるという「共感寄付」を活用 します。前年度は「DV被害を受けた母子の支援の充実」のために 100 万円を目標の寄付募集をし、皆様 から 308,000 余りご寄付をいただきました。本当にありがとうございます。 今年度も同じテーマで 60 万円を目標に募集を行います。寄付される方へのメリットは、例えば 1 万円 の寄付で確定申告後に最大 3200 円が還付されるというものです。詳細は同封のパンフレットをご覧くだ さい。 (必ず確定申告をお忘れなく。その際に税控除か、寄付控除か、ご自分に有利な方法をお選びください) (パンフレットや専用振込用紙を余分に必要な方は、ご請求ください。輪を広げてください)。 ☆なお、振込用紙の「指定した団体への個人情報提供に同意します(団体からの報告 などを希望します) 」にチェックを入れていない方には、仲介のNPOながさきから 当会へお名前の報告ができないため、当会からお礼状を差し上げられず、申し訳な く思っています。今年度は、ぜひチェックをお願いします。 研修会の実施・参加報告 *こころある支援を大切に ~ジェンダーの視点から考える~ 講師 川西寿美子さん(大阪私学人権教育研究会) 1 月 24 日(土)福岡で、九州ブロック婦人相談員連絡協議会の主催で講演会が開催されました。 「深い 話をわかりやすく、おもしろく、大爆笑まちがいなし」の講師プロフィールに惹かれ、「DV 防止ながさき」 からは総勢 12 名がはるばる福岡まで出向いて聴講しました。 ご紹介どおり、大変おもしろく 3 時間の講演会があっという間で、学校で起こっていることや若者の恋 愛観を、事例をまじえてのお話に「納得!」と「え!そんなことまで?」と思われることが随所にありま した。 特にネット時代の子供達や性的マイノリティーの話まで聞けて良かったです。相談された時の対 応では、分かりやすく親切なレジメもいただいたので、今後度々読み返して理解を深めていきたいと思い ます。 (T.Y) *母子支援施設などで活用されている SEP(Self Esteem Program)プログラムの研修会 講師:WANA 関西 藤木美奈子さん、中澤良子さん 認知の偏りを修正し、自尊感情を回復するプログラムの 1 つである SEP の理論 と実践の基礎に関する研修を受けました。正直、ロールプレイが苦手な私にとっ ては、少し気が重たい研修会になると思っていましたが、1 つのロールプレイか ら多くのことを学ぶことができ、とても充実した研修会でした。 いろいろな理由から身につけざるを得なかった生きづらい考え方を修正してい くことはとても難しいと思いますが、研修を通して、自分らしく生きたいと思う 気持ちと、それを支えてくれる場所があれば、自分らしさを回復することができ る力を誰もが持っていることを学ぶことができました。少しでも今回学んだこ とを活かすことができればと思います。 (Y.F) ながさきWomens’ラボと共催で映画の上映会をしました *「トークバック」2015年1月24日(日)14時~17時 市立図書館多目的ホール つらい経験をしてきた女性たちが、演劇を通して、自分を表 現し、人々と呼応(トークバック)し、新しい生き方を模索す る姿を撮ったドキュメンタリー映画です。今回は、女性のおか れている立場やそれを乗り越えるパワーをたくさんの人たちと 共有したい、語り合いたい、呼応したいという思いで、監督を 迎えてのミニトーク会も実施しました。短い時間ではありまし たが、8 年の歳月をかけても成し遂げたいという監督の思いをし っかりお聞きすることができました。何人来てくださるか不安で したが、約 90 人の方に参加いただきました。ありがとうござした。 坂上香監督(中央)を囲んで *「何を怖れる フェミニズムを生きた女たち」 2015年4月19日(日)14時~17時 市立図書館多目的ホール 70 年代のウーマン・リブ運動から 40 数年の日 本のフェミニズムの歴史を振り返り、現在も活躍 するさまざまな女性たちの活動を綴ったドキュメ ンタリーです。男性を中心とした社会の中で女性 に対する圧力や偏見の壁に立ち向かい、闘い、連 携して生きてきたフェミニストたちの力強いメッ セージが込められていました。現代を生きる幅広 い世代の女性たちに、たくさんのパワーを提供し たいと考えて上映しましたが、93 名もの方の参加 上映後のトークセッション に、大変驚くとともに嬉しく思いました。 「題名を見るだけで勇気をもらった」などの感想も ありました。 <おすすめ本のコーナー> *「デート DV・ストーカー対策のネクストステージ ―被害者支援/ 加害者対応のコツとポイント」 伊田広之著 解放出版社 著者は、DV/デート DV の予防教育・被害者支援活動に携わり、学校でのデ ート DV 防止授業をはじめ、支援者や教員、保護者、行政職員などに対する研 修を続けている。DV 防止教育の次の段階として、教育内容自体の充実・深化 と、外部講師ではなく、その学校の教員による継続的な実施が必要だという問 題意識による本。被害者支援や防止教育に使えるポイント、うまい伝え方、こつ、事例などを豊富に掲載。 DV/デート DV 防止における著者の基本的な観点は、「一人が基本」というシングル単位の恋愛観。 つまり、 「一心同体 がいい」などというカップル観の危険さを指摘、防止教育では抽象的な「共感・尊 重・対等」が大事というような決まり文句ですませず、 「安全、自由、自信、成長」が阻害されていないか、 具体的に見極めるようにさせることが必要と主張しており、同感! 被害者への支援の具体的なノウハウ、これまで不十分であった加害者プログラムに関する具体的な提起 などがなされていて、学校の先生方、支援者にはおすすめ! *「ネットに奪われる子どもたち」 清川 輝基・山田 眞理子・古野 陽一 (著) 少年写真新聞社 幼児にタブレットで子守をさせる親、スマホの「鬼から電話」で子ども のしつけをする親、3~4歳でスマホを使える子どもを自慢する親、ネッ ト中毒で昼夜逆転、突然キレル子どもに驚く親、ぞっとする実例がたくさ ん紹介されている。ネットと子どものかかわりに悩む親も多い現在、本書は、子どもとメディアの問題に 長年取り組んできた NPO による実践的な処方箋として書かれている。子どものネット対策先進国である 韓国の対策例も紹介(ネット依存治療合宿などもありびっくり) 。子どもをネット社会に放置しないのが大 人の責任としていて明快。PTA などでぜひ読み合わせをしてほしい。 *「タフラブという快刀」 信田さよ子著 梧桐書院 新刊ではないけど、おすすめしたい本。あとがきの、「自分を好きになろうと かいう啓発本にはうんざりする。自分を好きでも嫌いでも、どうでもいい。 大事なのは自分の周りの大切なヒトとどのような関係を作っていくかという ことである」という著者の言葉に、そうそうと膝を打つ思いがする。タフラブ とは、日本語にすると、手放す愛。相手の力を信じ離れたところから見守る愛。 家族とはこうあるべき、母親なら当然、などという固定観念、世間の認識から 離れ、手放す勇気を持ってみようという本です。 (公財)日工組の助成金でハンドブックを増刷! このたび、公益財団法人日工組社会安全財団より「県域安全事業」の助成金 40 万円をいただき、 中高校姓へのハンドブックを 23000 部印刷することができました。 中高校生に好評な予防教育のハンドブックですが、実は、手触り、大きさ、内容にこだわりを持 って作成しているため、とても費用が掛かります。県や国際ソロプチミスト作成の分だけでは、 とてもまかなえない所を、この助成金で補うことができ、とてもありがたいことでした。 <今後のイベント・講演会のご案内> ♡ 詳細は今後HPなどでもご案内する予定です トークカフェのご案内 主催:ながさき women’s ラボ 若い世代を中心に、ジェンダーや女性の生き方、男性の生き方などについて語り合っています。関心があ るかた Facebook で、日時をチェックしてください。 ♡ 6月20日(土)9:00~11:30 長崎大学医学部第4講義室 ~ロバートソンフイルム上映会 ~ジョン(17か月)の場合~ 昨年に引き続き、渡辺久子先生(LIFE DEVELOPMENT CENTER 渡邊医院)の臨場感あふれる 分かりやすい解説付きです。Johnのケースは、小さな子供が母親と分離されたままでケアをされずにい ると、どのくらい大きな影響を受けるかが如実に示されています。乳幼児とその家族に関わるお仕事をさ れているすべての方々、乳幼児期に問題を抱えたお子さまを養育されている皆様にお勧めです。 ♡ 6月27日(土)10時~15時 長崎市浜町観光通りでキュートな小物販売! 見に来てね! 長崎県男女共同参画推進センターのイベントで「DV防止ながさきを応援する 会」が、サバイバーの方々や会員が手作りした小物を販売します。猫のブロー チや名刺入れ、毛糸で作ったエコな食器洗い、鳥の形をした可愛い鍋つかみな ど、あなたの気に入るものがきっとあります。 お友達を誘って遊びに来てね! ♡ 秋には恒例のアマランスフェスタ (長崎市男女共同参画センター主催) ・10月3日(土)~4日(日) 自主企画で参加します。遊びに来てください。バザーもあります。 バザーのお手伝いや提供品についても協力をお願いします。提供品がある方や当日お手伝いできる方は、 事務所(1Pに記載)までお知らせいただくと助かります。 ♡ 「DV根絶のための連続講座」を開催します。 10月~11月にかけて、4回の講座を企画します。DVの基礎講座から社会資源(警察、法律、生活)まで、 土日の午後計画しています。詳細はホームページにも掲載しますので、確認お願いします。 もう一度基本から学ぶ機会です。DVに関心がある方にお知らせください。 ♡ 全国女性シェルターシンポジウム in 沖縄 ・11月7日(土)、8日(日)今年は沖縄県那覇市での開催です。今年も皆で参加しましょう!! ♡ 12月初旬は「長崎県人権フェスタ」 DV防止ながさきの相談窓口…必要な方へ教えてあげてください 電話からの相談― 恋人や夫からの暴力などに悩んでいる方のために ー 「女性ほっとライン・ながさき」 095-832-8484 毎週 月・水曜日 午後 1:00~5:00 午後 7:00~9:00 毎週土曜日 午後 1:00~5:00 「女性ほっとライン・させぼ」 080-2794-8022 毎週 火曜日 午後 5:00~8:00 面接での相談 DV防止ながさきでは、必要に応じて予約での面接相談もしています。 上記の電話でお問い合わせください。
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