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Q&A
Q:教科書の問題は今までの範囲のものは全て終えました。他に練習問題がほしいのですが、大学受験
用のもの等でも構わないのでお勧めを知りたいです。
A:問題集はほとんど見ないので、お勧めはありません。彦坂先生にも聞いてみましたが同様でした。
献本でもらった本ですが希望者には貸し出します。(これが良いというわけではない。)
Q:空と海の青の違いを知りたいです。
A:空が青いのはレイリー散乱(Rayleigh scattering)のためです。
青いほど
散乱され易い
波長依存性:有
レイリー散乱:波長より小さい粒子による散乱(窒素、酸素分子でも起こる)
ミー散乱:波長と同程度(以上)の粒子による散乱(波長依存性:無)
例:雲が白く見える
A:海が青いのは、水が弱いながらも
赤い光を吸収するからです。ですので
透過していく光は次第に青くなりますが、
その光が浮遊物や海底で反射して
青く見えます。適度な深さで海底が
白い砂等なら、かなり青い。
海が十分に深くて澄んでいると
黒くなってしまいます。
(光りが戻ってこない)
浅すぎると無色です。
青空の反射の寄与もあります。
赤
青
波長 ( nm )
深くなるほど青い
浅い所は無色
第4回(5/1)
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海底が白いというは
綺麗な青い海の重要な条件
dx
= v0 cos θ0
dt
vx =
vy =
dy
=0
dt
vz =
y=C
t = 0 で y = 0 なので C = 0
y=0
dz
= -gt +v0 sin θ0
dt
z = - 1 gt2 + (v0 sin θ0)t + C
2
t = 0 で z = 0 なので C = 0
z=-
確認のため
t で2回微分
ax =
d2x
=0
dt2
確認のため
t で2回微分
ay =
d2y
=0
dt2
x 軸方向は等速(直線)運動
y 軸方向は原点( y = 0 )に静止
(x 軸方向には力は働いていない)
(y 軸方向には力は働いていない)
慣性の法則:力が働いていないと
動いているものは等速直線運動、
静止しているものは静止し続ける
1 2
gt + v0t sin θ0
2
確認のため
t で2回微分
az =
d2z
= -g
dt2
z 軸方向は等加速度運動
(垂直投げ上げと同じ)
座標軸を適切に選んだので、
y 軸は忘れてもよい。(xz面内で運動)
放物運動は、水平方向の等速直線運動+垂直方向の鉛直投げ上げの合成
(それぞれの軸で独立して計算できる。)
t = 0 の位置と速度が与えられると、運動方程式によりその後の運動が決まる。
問題:ある瞬間に宇宙に存在するすべての物質の状態が完全にわかったとする。
あなたの未来(宇宙全体も)は原理的に計算可能で完全に決定されているか?
(この問題は力学の範囲を超えているので、テストにはでません)
問題: t を消去して xz 平面内の物体の軌道を求めよ。( y は常に 0 )
軌道は上に凸な
放物線
二次曲線
第4回(5/1)
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となる
問題: 前ページの放物運動において、落下点(到達距離)を求めよ。また、到達距離を最大にするには
θ0 をいくらにすればよいか。
三角関数の加法定理: 2 sin θ0 cos θ0 = sin 2θ0
g
z = - 2 2 x2 + (tan θ0)x
2v0 cos θ0
問題: 戦艦大和の主砲は、砲弾を 800 m/s で発射することができた。水平面とのなす角が45度で砲弾を
発射した場合、(1)砲弾の到達距離はいくらか。空気抵抗は無視し、重力加速度 g は、10 m/s2 とせよ。
上の結果も用いてもよい。
実際には、空気中で運動する物体には空気抵抗が働くので、上の計算結果だけ飛ばない。実際の射程距離は 42 km 程度。θ も空気抵抗を
考慮すると 45度より小さい方が射程は長くなる。また、届けば良いというものでもないので、想定交戦距離は 25~30 km だった。
(2)(1)において、発射してから着弾までの時間を求めよ。sin 45°= cos 45°= 0.71 とせよ。
(復習問題)(1)において、砲弾の高度が最も高くなるのは、発射何秒後でその高さはいくらか?
答えは8ページ右下
第4回(5/1)
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最高高度は
後で勉強するエネルギー保存則を使うと、
もっと簡単に求めることができる。
空気や水の抵抗力 (p41)
問題: 高さ 2000 m の雲から、あられが降ってきました。空気抵抗を無視すると、あられが地上に到達した
ときの速度はいくらか?時速にも換算せよ。重力加速度 g は 10 m/s2 とせよ。
この問題はエネルギー保存則を使うともっと簡単です(4,5章)
t=0にx=0
x = 2000
x
ちなみにピストルの弾丸の速さは 300 m/s (1000 km/h )程度です。
実際には物体が気体や液体の中で運動するとき、運動を妨げる向きに抵抗力を受ける。
参考:スカイダイビングの速度は 200 km/h くらいです。
(流体)
① 物体の速さ v が小さいときの抵抗(
粘性抵抗
11.4節参考
)
粘性力による抵抗なので
抵抗力の大きさ F は、物体の
ベクトルで表現すると
F = -bv
( F と v は逆向き)
F = bv
速さ v
に比例する
( b は定数)
暗記する必要はありません
半径 R の球状の物体に対する粘性抵抗の大きさは F = 6πηRv (ストークスの法則)
η は流体の粘度(粘性係数)
気体、液体ごとに
決まっている定数
(半径 R の球状の物体の場合は b = 6πηR ということ)
粘性抵抗の例:小さな雨滴が受ける抵抗(小さい雨滴は落下速度が小さい)
霧雨のような
② 物体の速さ v が大きいときの抵抗(
11.4節参考
慣性抵抗
(運動する物体の後方に渦ができるような場合)
抵抗力の大きさ F は、物体の
F=
速さ v の2乗
1
CρAv2
2
)
渦のできない場合 粘性抵抗
(速さが小さい)
に比例する
暗記する必要はありません
Cは0.5~1の定数、ρ は流体の密度、Aは運動物体の断面積
慣性抵抗の例:自動車が高速で走る場合
流体中の抵抗の詳しい話は
教科書11章 p124 参照
第4回(5/1)
3 ページ
例題2: 雨滴の落下(p41)小さな雨滴は、空気中を粘性抵抗 bv を受けながら落下する。
速さ v で落下中の質量 m の雨滴に関する運動方程式を書け。ただし、下向きを正とする。
例題3(p42) t = 0 での雨滴の速度を 0 として(静止していた雨滴が t = 0 から落下)
dv
力が v に関係しているので難しい
例題3:上の微分方程式 m
= mg-bv を解け。
dt
解けなくてもよい
v
~ 0.1 mm
霧雨
質量 m
自由落下は簡単(下参照)
mdv = (mg-bv )dt
m
mdv
= dt
mg-bv
dv
1
=
dt
mg-bv m
dv
=
b
dt
m
=
b
∫ dt
m
mg -v
b
両辺を積分すると
∫ mg
dv
-v
v = gt + C
b
-log|
log|
v(0) = 0 なので
dv
= mg
dt
dv
=g
dt
-log| A -v | は
1
A-v の原始関数である。
mg
b t+C
-v | =
b
m
b
mg
-v | = -
t-C
m
b
|
mg
-v(t)| = e-(b/m)t e -C
b
e
-C
mg
=
b
自然対数をとる
A = eB ⇒ log A = B
v(0) = 0 なので、
少なくとも t = 0 の近くでは
|
v(t) = mg ( 1-e -(b/m)t )
b
mg
-v(t)| > 0
b
雨滴は最初静止した状態から落下をはじめたとすると、
落下開始直後は、粘性抵抗はほぼ 0 であるので、加速度 g で落下する。
落下する速さ v が大きくなると、粘性抵抗が大きくなって
次第に加速度は減少していき、やがて 0 になる。
(問題)十分に時間がたった(加速度が 0 になった)あとの雨滴の速度 vt はいくらか?
この速度 vt を
第4回(5/1)
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(terminal velocity)
終端速度
という。
(問題) v-t 図を書け。
v
t
霧吹きの実験
霧吹きから出る小さな水滴は、すぐに終端速度になり、ゆっくりと落下する。
(1)霧吹きから出る小さな水滴を観察し、終端速度を求めよ。
(2)小さな水滴は、表面張力で球形となっている。ストークスの法則を用いて水滴の半径を推定せよ。
ただし、空気の粘度 η は 1.8×10-4 [m2/s] , g = 10 m/s2 とせよ。
単位に注意
(訂正)1.8×10-5 [m2/s]
水:1cm3 = 1 g , 1 m3 = 1000 kg
第4回(5/1)
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雲消滅
雲発生
問題:雲はなぜ落ちてこないのか?
雲の粒:0.01 mm = 10 µm
落下速度:約 3.5 cm/s
(訂正)1.2 cm/s下降気流
上昇気流
高気圧
低気圧
(参考)車の経済速度
エンジンは
低速では効率悪い
極端な例:アイドリング
↑
経済速度
速度の2乗に比例して空気抵抗が増す
(慣性抵抗)
速度2倍 空気抵抗4倍
車種等により
経済速度は異なる
国土技術政策総合研究所資料
「自動車排出係数の算定根拠」より
垂直抗力
(p29)
物体
接触面を通して面に垂直に相手の物体に作用する力を
垂直抗力
という
重心は7章で勉強、今は中心と考えて
W :物体に作用する重力 (重力は物体の各部分に作用するが、物体の重心に全重力が作用している
としてよい。)
F物体床
N :床からの垂直抗力 (垂直抗力は、接触面の各部分に作用するが、この場合は接触面の中心に作用
しているとしてよい。)
床
F床物体 :物体が床を押す力 (上の説明と同じ、物体からの垂直効力)
復習: 図中の3つの力のうち、作用・反作用の関係にあるのは、どの力とどの力か?
第4回(5/1)
6 ページ
摩擦力
接触する2物体が互いに接触面に
平行
に作用し合う力。静止摩擦力と動摩擦力がある。
参考:垂直抗力は、接触面に垂直
静止摩擦力
物体
手が押す力 f と
摩擦力 F がつり合って
静止している
W
N
静止摩擦力
2物体の速度に差がない場合の摩擦力
(すべってない時の摩擦力)
摩擦力 F = -f
f
F
床
床から受ける力のうち、
面に垂直な成分を垂直抗力
平行な成分を摩擦力
とした方がわかりやすい
F と f で、物体を左回りに回転させようとするが
W と N は物体を右回りに回転させようとする。
結果として、物体はどちらにも回転せず静止している。
垂直抗力の作用点は、そういう事情で左側にずれている。
詳しくは第8章で勉強するので、今は深く考えなくてもよい。
最大摩擦力
物体を押す力がある限度を超えると物体は動き出す
この限度の静止摩擦力が最大摩擦力
記号:Fmax
静止摩擦係数
最大摩擦力 Fmax は、
垂直抗力 N
の大きさにほぼ比例
Fmax = µN
比例定数 µ が静止摩擦係数
µ は、物体や床の材質で決まる定数(滑りにくさの指標)
接触面の面積にはあまり関係しない。
問題:水平なアスファルトの路面に乗用車(質量1000 kg )が静止している。乗用車のタイヤはブレーキが
かかっており回転しないようになっている。乗用車を水平方向に押して動かすためには、どれだけ以上の
力で押せばよいか?ただし、タイヤと路面の静止摩擦係数 µ は 0.7 とする。(タイヤ1つあたりに働く垂直
抗力と摩擦力は全体の4分の1になるが、4倍すればもとに戻るので、4つのタイヤがあることは忘れてよ
い。上の図のような直方体と同じように考えよ。重力加速度 g は10 m/s2 とせよ。)
問題:同じことを、水平な凍結した路面で行った。タイヤと凍結した路面の静止摩擦係数は 0.05 とすると、
乗用車を動かすためには、どれだけ以上の力で押せばよいか?
第4回(5/1)
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サーモビールの動作原理
プロペラ
形状記憶合金のワイヤー
滑車
張力
張力
冷えてまた
やわらかくなる
単なるひもと考えて良い
70度以上になると、
もとの形(まっすぐ)に
戻ろうとする
冷えるとやわらかくなる。
ワイヤーはゆるく張ってある。
だんだん温まる
70度以上になって
まっすぐになろうとする
お湯
張力の大きさは
どこも同じ
同じ体重の人がシーソーに乗った時、
支点から遠い所に乗った人に
働く重力の方向に回転する。
張力
下の滑車
滑車の支点から
遠いところに張力が働く
支点
中心
左右対称なので、どちらにも回る
第4回(5/1)
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2頁の復習問題の答
57 s , 16000 m
学科
学生番号:
氏名:
今回、プロジェクタを用いて授業を行いましたが、どうでしたか?
その他、授業に関する意見や要望、感想、取り上げてほしい話題、不思議に思っていること等があったら
何でも自由に書いて下さい。この紙で今日の出席を確認します。
第4回 5月1日
学科
学生番号:
氏名:
今回、プロジェクタを用いて授業を行いましたが、どうでしたか?
その他、授業に関する意見や要望、感想、取り上げてほしい話題、不思議に思っていること等があったら
何でも自由に書いて下さい。この紙で今日の出席を確認します。
第4回 5月1日