2015 4月号 - 緑を守り育てる宮城県連絡会議

2015.04.01
緑を守り育てる宮城県連絡会議
NO.234
事務局連絡先 :仙台市青葉区一番町四丁目 1-3
仙台市市民活動サポートセンター内 (レターケース 45 番)
URL :http://www.midori-miyagi.com/
携帯 :080-1832-0956 会費:郵便振込番号:02260-0-7839
第15 期
森の案内人養成講座(第12回講座・最終講座)
一年間大変お疲れ様でした!!
第 15 期森の案内人養成講座の第 12 回講座と閉講式が仙台市内の「ハーネル仙台」で開催されま
した。参加者は受講生 21 名中 13 名、事務局スタッフ 12 名及び理事 3 名の計 28 名です。
最後の講座として参加者全員のフリートーキングを行ないました。今日の司会者は事務局スタッ
フの金子・大沼の両名です。はじめに、大山事務局スタ
ッフの苦心の大作、第 15 期生の一年間を記録した“映
像DVD”を観賞。これをベースに、①記憶に残ったこ
と、②楽しかったこと、③面白かったこと、④勉強にな
ったことなどについて受講生の皆さんからお話を頂きま
した。皆さんからは、キャンプ(アウトドア三昧)、ツ
リーイング、リース作り、カンジキ体験など、普段経験
できないことが楽しかったとのこと。その他、色々な話
が出てあっと言う間に予定の時間が来てしまいました。(写真左フリートーキングの様子)
休憩を挟んで、①受講して自分が変わったこと、②こ
れから自分のやりたいことなどについて意見交換。「森
の不思議について一段と興味を持った」「綺麗にされた
林はそれなりに手入れをする人が居るのだと気付いた」
「漠然と山歩きをするよりも動植物の名や性質を知れば
より楽しくなる」などの話がありました。最後に佐藤事
務局長から「動植物の名前を覚えるのは難しいが、覚え
るだけではなく、その生態系の全体を知ることがより大
切です。例えば、植物が実を付け、種子を散布し、発芽・
成長そして枯死、そしてキノコなどによる分解までを知
るようにしましょう」とのアドバイスがあり、最終講座
を終了しました。
続いて閉講式が行われ、樋口理事長の挨拶の後、受講
生それぞれに修了証を、そして 4 名に皆勤賞が贈られま
した。最後に菅原亀悦理事と清藤恭雄理事から「これか
らも動・植物に興味をもって指導者として活躍してください」という餞の言葉で閉講式を終了しま
した。その後、懇親会に移り、時間を忘れるまでに盛り上がって全体が終わりました。(写真右上
終了証書授与、参加者全員で喜びの写真)
(文:事務局スタッフ平塚、写真:太田)
(昆虫の世界 No.131)
アジアイトトンボ!!
アジアイトトンボはイトトンボ科に属する小型で華奢なトンボで、体長は 24~33 mm ほどである。
北海道から九州までほぼ日本全国に生息するが、北海道では生息地が局地的で希で、また東北地方
北部でと沖縄など南西諸島では少なくなると言う、温帯のトンボとも言うべきなのだろうか。国外
では台湾や朝鮮半島、中国などに分布すると言われる。
平地や丘陵地の挺水植物の多い池沼や湿地などに生息、かつては冬季、水の残っている水田など
にも生息していたが、乾田化が進んだ昨今の水田では、生息が叶わなくなってきている。しかし 2011
年に起きた東日本大震災の際の大津波による沿岸部の被害地でも、いち早く生息が確認されたのも
このトンボでもある。このようにアジアイトトンボは県内でも最も普通に観察されるイトトンボな
のである。
県内では 3 化と年に世代を 3 回も重ねると考えられる。卵の期間は 1 週間から 3 週間程度と言わ
れ、気温の高い時期には卵期を含め幼虫期はおよそ 2 ヶ月ぐらいと考えられ、県内では年に 3 回は
世代を繰り返しているものと考えられる。
羽化してまもない若い個体は羽化した水辺を離れて、かなり遠方の草原まで移動することがある。
成熟した個体は再び水辺に戻って縄張りをつくり占有し、配偶行動を行う。交尾は午前中に観察さ
れることが多い。産卵は雌が単独で行うことが多く、水面近くの植物の組織内に産卵するが、とき
には水中に潜って行うこともある。
かつて宮城県には同じイトトンボ科のベニイトトンボという種が生息していたという話があって、
筆者も何度か伊豆沼や涌谷町の相野沼に調査に入ったことがあったが、確認することはできなかっ
た。ベニイトトンボの事を知っている友人からベニイトトンボではないかと何度かこのアジアイト
トンボの雌を持ち込まれたことがあった。アジアイトトンボの雌は羽化後しばらく橙色を彩ってい
る個体があって、ベニイトトンボと思われたのだろう。ベニイトトンボはアジアイトトンボより大
きく体長は 33~38mm ほどで、橙色ではなく赤色である。なお橙色を彩っていたアジアイトトンボ
の雌の個体も成熟するにつれて黄緑色の普通の色彩になっていくのである。
ヒルガオに止まるアジアイトトンボの雌雄
若いアジアイトトンボの雌
(宮城昆虫地理研究会・高橋雄一)
【創立30周年記念事業】
公開講座の参加者募集
二口渓谷に早春の花を見に行こう!!
二口渓谷の自然遊歩道や三方倉山には色々な草木の花が咲きます。今回は遊歩道の周りに生える
カタクリやキクザキイチゲ、ショウジョウバカマなど早春の花を中心にご案内します。
日
時
平成 27 年 4 月 26 日(日曜日)
場
所
二口渓谷自然遊歩道(秋保町)
集合場所
秋保ビジターセンター手前駐車場(緑の連絡会議の「のぼり旗」を立てています)
集合時間
9 時集合(集合場所にて 14 時 30 分頃解散予定)
対
親子・家族など、及び会員
象
募集人員
15 組まで
参 加 費
親子・1 家族 1,000 円、大人 1 人 500 円(保険料込)
主
緑を守り育てる宮城県連絡会議
催
申込み及び問合せ
緑を守り育てる宮城県連絡会議事務局
仙台市青葉区一番町四丁目1-3
仙台市市民活動サポートセンター内(レターケース 45 番)
携帯電話
080-1832-0956(佐藤事務局長)
尚、本年度の記念事業公開講座は次の日程で行う予定ですので是非ご参加ください。
月日
曜日
対
象
名
称
内
容
4/26
日
一般公開
森林まるごと教室 2
早春の花を見に行こう―二口遊歩道
5/24
日
会
員
森林まるごと教室 3
イワウチワと三方倉山頂上へ
6/20
土
一般公開
森林まるごと教室 4
二口御番所跡まで歩こう―二口街道
7/18
土
会
員
森林まるごと教室 5
遊歩道沿いの巨木を訪ねて
10/17
土
会
員
森林まるごと教室 8
二口渓谷の紅葉と磐司岩を見に行こう
11/15
日
一般公開
森林まるごと教室 9
秋保町大旗山の歴史ロマンを訪ねて
一般公開:一般の方と会員及び事務局員を対象にした公開講座.会員:会員と事務局員を対象にした講座
キクザキイチゲ
ショウジョウバカマ
セリバオウレン
しぜんノート
様々な自然の営みを綴ります
№196
根開き(その2)
前回は、冬の雪の降り方が根元には少なく、すでに窪んでいる様子を説明しました。
春が近づき次第に日差しが強くなると、樹木の幹は雪面より暖まりやすく、周りの雪解けが進み
ます(写真 1)。その融けた水分や、樹木に降った雨が枝を伝って流れ根元に集まる、樹幹流によ
っても雪解けが更に進みます(写真 2)。そして綺麗な根開きが現れます(写真 3)。
2015.3.23 大友良三
↑写真 1
↑写真 2
↑写真 3
4月の事務局の動き
2015 年 4 月 2 日(木)
7 日(火)
ニュースの発行
広瀬市民センター
会計監査及び理事会
市民活動サポートセンター
10 日(金)
30 周年記念事業
11 日(土)
森林まるごと教室事務局下見
二口学習の森
12 日(日)
臨時事務局会議(30 周年記念事業関係)
広瀬市民センター
15 日(水)
林業部会学習会
広瀬市民センター
出席者数の第一次集約
16 日(木)
仙台市緑のボランティア団体総会
市民活動サポートセンター
19 日(日) 第 16 期森の案内人養成講座(開講式)
市民活動サポートセンター
20 日(月)
30 周年記念事業
25 日(土)
仙台市主催新緑祭
仙台市勾当台公園
26 日(日)
森林まるごと教室公開講座
二口学習の森
29 日(水)
太白山自然観察会
太白山自然観察センター
出席者数の第二次集約
畑の雑草 No45
ヒヨドリジョウゴ(ナス科)
坪沼の小作人
菅原
博志
茎がつる状になる多年草で、葉柄で他物に巻き付く。葉は互生し卵形で軟らかい毛が有り、白い
花を付ける。花びらは深く5裂し、強く反り返る。果実は丸く緑色の実が付き晩秋に赤く熟す。海
岸から山地の林縁や野原に生え、この実をヒヨドリが好んで食べると想像して、この名前がついた
と言われるが、人間が食べては有毒だが、ヒヨドリさんは美味しいのかもしれません。
ヒヨドリジョウゴ
春が来た 春が来た
花は後に反り返る
どこに来た
山に来た
実は初め緑色
里に来た
秋には赤くなる
野にも来た!!
事務局長
佐藤
修
連日 18℃前後の好天が続いています。それに伴いサクラ前線がスピードを速めて北上しています。
仙台の開花予想は 4 月 5 日の様ですネ。ニュースが皆さんのお手元に届くころにはサクラの話しで
大いに盛り上がっていることと思います。
我が家の庭にも春が顔を覗かせています。写真左からワサビ、ミツマタ、ウスバサイシン(最近は
トウゴクサイシンと呼ばれています)、トサミズキ、オオカメノキ。
冬の山を見る会・翁倉山
イヌワシを探し求めて
「たかが里山されど里山」
は ん だ
3 月 29 日(日)、翁倉山(532m)を目指し参加者 15 名が飯田屋敷跡に集合しました。春を待つ動
物たちの息遣いと木々の息吹に触れる山行です。下見の時は雪のコースだったのですが、本番はす
っかり様変わりの状況です。9 時 40 分、準備体操を兼ねて杉林の林道を歩き始めますと、コクサギ
の美しい冬芽が出迎えてくれました。これに負けじとアオ
キの実の赤いルビーが手招きです。よく見ると葉っぱは鹿
に食べられた跡があります。
いよいよ登山口からロープを掴んでの急登坂です。途中、
杉の内皮を噛んだと思われる繊維状の落し物発見!! 形
などから推測してムササビかリスの小動物の巣の一部か
な・・・・・。尾根の鞍部に出るまでの 15 分は全員無口。水を
ひと口飲んでの学習会?はブナとイヌブナの違いやカヤと
モミの見分け方はもちろん人の生活との関わり合いを
学びました。(写真左は事務局長の挨拶光景)
アカマツの倒木をくぐり抜け、跨ったり、迂回した
りと歩を進めると、足元は低木のアクシバ、ホツツジ、
ナツハゼとツツジ科のオンパレードです。頭上には優
雅に飛び回る鳥を見つける。羽根の形からしてトンビ
では無い。さてはイヌワシか?双眼鏡を目に当てるが
残念、未確認となる。爽快な尾根筋歩きの途中、太い
倒木の上にきれいに割ったクルミ殻とエビフライ(マ
ツボックリ)がありました。これはまさにリスの食事
の跡です。
アカマツとコナラの間から顔を出す山々はどれが目
指す山頂かと思いながら登る事 60 分で主稜線の尾根
に到着です。いままでの比較的楽な尾根歩きから一転
して、これからはロープを片時も放すことが出来ない
急坂の連続です。石巻市と登米市の境の指標№279 か
ら山頂№261 を目指しひたすら歩を進めるだけです。途中、ツノハシバミの花芽(イソギンチャク
のごとくをルーペで確認)とマンサクの花に元気づけられ、ようやく 12 時 15 分山頂到着です。
冬の山を見る会ではありましたが、春の陽ざしを浴びながらの昼食は登ってくる途中で遭遇した
鳥がなんだったかで会話も弾みました。イヌワシには会えませんでしたが、思ったよりも長くて厳
しい登りの連続にも関わらず全員で笑顔の記念写真を撮って 13 時下山です。
低い山で楽に登れる山と思って参加しましたが、意外と登りがいのある山との感想を頂きました。
(写真右は植物観察と頂上でハイポーズ)
(文:事務局スタッフ:森谷.写真:太田)
第16期森の案内人養成講座
受講生募集間もなく締め切ります!!
第 16 期森の案内人養成講座は 4 月 19 日(日)開講式です。準備の関係等から間もなく締切とい
たします。受講希望する方はお早めに申込をしてください。お待ちしています。
連絡先は 080-1832-0956(会の専用携帯です。佐藤事務局長が携帯しています)
創立30周年記念式典の準備が大詰めです!!
5 月 10 日(日)に「ハーネル仙台」で開催される創立 30 周年記念式典の準備が大詰めに入ってい
ます。
記念式典・記念講演会、レセプション部会は出席者の集約と細部の任務分担に入りました。記念
誌部会は記念誌「30 年の年輪」の最終校正を終え印刷の準備に入っています。広報部会は会場に飾
る活動の様子が分かるパネルの製作に入っています。最終準備と任務分担の確認のための臨時の事
務局会議を開いて、成功に向けた意思疎通を図ります。
会員の皆様には、是非当日は足をお運びいただき、一緒に 30 年の節目をお祝いいたしましょう。
また、当日参加された方に、記念誌「30 年の年輪」を用意しています。多くの皆様のお越しをお待
ちしております。
※森の仲間のクラフト展は、東北電力グリーンプラザでの展示承認を受けて準備に入っています。
12 月 15 日(火)~19 日(土)に開催の予定です。お楽しみに。
海岸林再生事業が盛んです!!
(公益財団)国土緑化推進機構主催「海岸林再生」ワークショップが、3 月 4~5 日、仙台市を中
心に開催されました。当会から佐藤事務局長、山本事務局スタッフが参加しました。
第 1 日目はフィールドワークで、協定を結んで植林した若林区
荒浜の「社会貢献の森」を見学しました。私達の植林した所を含
め参加者に観てもらいました。続いて名取市のオイスカの事業の
様子と植林地を見学しました。第 2 日目は海岸林再生活動団体の
事例発表です。佐藤事務局長が海岸での植林活動や海浜植物のレ
スキュー等市民協働の取り組みを発表しました。
あらはま懸け橋の森にて
(文:写真
佐藤事務局長)
「とうほくとっとり・森の里親プロジェクト」
3 月 21 日(土)亘理郡亘理町吉田の海岸で、宮城県主催の「海岸林再生・きずな苗木植樹」が行わ
れました。宮城県から送った種子を、平成 25 年度に第 64 回全国植樹祭が開催された鳥取県の小学
生などが育てた里帰り苗木等(コナラ、クリ、ケヤキ、抵抗性アカマ
ツ約 2000 本)を植樹しました。
参加者は約 80 人程で当会からは佐藤事務局長、平塚事務局スタッ
フが参加しました。(写真:植樹に汗を流す平塚事務局スタッフ)
(文:写真
佐藤事務局長)
インドネシア植林ツアー報告
バ リ 編
No4(最終)
パート 2
12 月 6 日、植林1日目。私達(19 名)は、ウブド 6
時発のチャターバスで出発。約 2 時間でパトゥール湖
畔のキンタマーニ郡ぺネロカン地区の植林地に到着。
天候は曇。ここで、日本語を学ぶインドネシアの学生
ボランティア 23 名と、ぺネロカン村の人々15 名と合
流。植林地は火山噴火による荒廃地で、保水力が弱く栄
養分も少ない火山灰土壌。植林するにあたり、まず 50cm
四方の穴を掘り、有機肥料を混ぜた客土を事前に準備、
そこに在郷樹種のアンププ(ユーカリ系)、センダン、メ
リナ、マホガニー、スアル等を植林する方法。植林密度
は 1000 本/ha を目標としていますが、岩石及び地形に左
右され、過去実績では平均 650 本/ha になっています。
当日の植林は、生分解性の不織布等で出来たポットに入
った活着率の高いアンププを、日本人ツアーメンバーと
日本語科学生がペアになり、途中昼食休憩等を含み夕方
17 時までに 1200 本の植林を行いました。また、今回は、
植林環境の是正を目指し、鹿児島の火山灰にも強いシマ
トネリコの種子を直播しました。(写真右上はパトゥール
山麓植林地風景、中はアンププポット苗、下はツアーメンバー写真)
2 日目は現地バリの人々との交流「2014 バリ植林祭 」です。この植林祭への参加は日本国外務
省の「国際協力 60 周年記念事業」にも認定されています。植林は昨日と同じ地区。午前 7 時 30 分、
バリの人々が続々集合、更に地元中学生・3 高校・3 大学の学生が加わり、参加人員は我々を含め
総計 800 名です。柴田バリ総領事、バリン県知事代理、バリン林業部長、バリの森を守る会代表等
の出席も得て、この日はアンププ、センダンなど総数 4000 本を植林しました。植樹の指導は、主
に大学生が務め、一生懸命参加者
に指導をしている姿が印象的でし
た。植林後、ツアーメンバーと地
元参加者は、其々の合唱を披露交
換。バリ参加者のリクエストで「ド
ラえもん」を地元の人達と一緒に
合唱し、交流を図りました。其の
後、式典を経て、12 時に植樹祭は
終了しました。(写真左上は朝の集
合、右上は植樹の説明、左下は植
林作業、右下は式典の各光景)
(文・写真:事務局スタッフ山本)