INAZU Koji アトキンス物理化学要論 第5版または第4版 東京化学同人

平成27年度 沼津工業高等専門学校シラバス
専2年
化学反応論
講義
前期
Chemical Reaction Kinetics
and Dynamics
選択
2単位
科目
全コース共通
稲津晃司
担当
INAZU Koji
授業の概要
化学反応が進行する速さを反応物・生成物のマクロな濃度変化によって追跡する反応速度論と,化学反応を反応分子どうしのミクロ
な衝突過程としてとらえる反応動力学とをあわせて教授する。分光学に関する解説やレーザーや分子線を用いた現代的な研究デー
タを交えながらの演習も行い,化学反応論を学ぶ。
本校学習・教育目標(本科のみ)
プログラム学習・教育目標
(プログラム対象科目のみ)
C. 工学的な解析・分析力及びこ
れらを創造的に統合する能力
目標
説明
1
技術者の社会的役割と責任を自覚する態度
2
自然科学の成果を社会の要請に応えて応用する能力
3
工学技術の専門的知識を創造的に活用する能力
4
豊かな国際感覚とコミュニケーション能力
5
実践的技術者として計画的に自己研鑽を継続する姿勢
実践指針
実践指針のレベル
(プログラム対象科目のみ)
(プログラム対象科目のみ)
(C1) 機械工学、電気電子工学、情報工学、応用化
学、生物工学、材料工学などの専門的技術を身につ (C1-4)修得した専門知識を、環境エネルギー工学、新
け、これらの技術を複合的に活用して、環境エネル 機能材料工学、医療福祉機器開発工学などの複合・融
ギー工学、新機能材料工学、医療福祉機器開発工 合領域の課題に応用できる。
学等の分野に創造的に応用することができる。
授業目標
1.速い反応と遅い反応がある理由を説明できる
2.反応速度を調べる実験的手段を例示できる
3.発熱反応と発熱反応がある理由を説明できる
4.反応速度とエネルギーの関係が説明できる(C1-4)
第1回
第2回
第3回
第4回
第5回
第6回
第7回
第8回
第9回
第10回
第11回
第12回
第13回
第14回
第15回
ガイダンス
反応速度の表現
反応系の熱力学
反応速度の測定1
反応速度の測定2
反応と反応経路1
反応と反応経路2
中間試験
素反応1
素反応2
遷移状態理論1
遷移状態理論2
気相反応の反応論
表面反応の反応論
触媒反応の反応論
授業計画
授業計画と評価方法の説明,化学反応論とは;身近な化学反応とその仕組みを理解する必要性
反応速度の定義と表現方法および化学量論式と反応速度の関係
反応の熱力学的定義,駆動力,化学親和力
反応速度の実験的定義と測定法の原理
反応速度式の決定法および活性化エネルギー決定法
素反応と複合反応,逐次反応と併発反応
律速段階および緩和型速度式
アレニウスの式,活性分子衝突反応説
絶対反応速度と相対反応速度,アイリングの速度論
衝突状態,反応ポテンシャル曲面,活性錯合体理論
活性錯合体理論,活性化エンタルピー
単分子反応,連鎖反応,爆発
表面の性質と吸着および吸着速度
触媒作用と触媒反応速度式の表現および対応する反応機構
期末試験
評価方法 2回の試験の平均を80%、小テスト/課題を20%の重みとして評価する。授業目標4(C1-4)が標準基準(6割)以
と基準
上、かつ科目全体で60点以上の場合に合格とする。評価基準については、成績評価基準表による。
教科書等 アトキンス物理化学要論 第5版または第4版 東京化学同人
備考
1.試験や課題レポート等は、JABEE 、大学評価・学位授与機構、文部科学省の教育実施検査に使用することがあります。
2.授業参観される教員は当該授業が行われる少なくとも1週間前に教科目担当教員へ連絡してください。
「化学反応論」の成績評価基準表
A:定期試験
B:小テストあるいは課題レポート
C:その他( )
評価割合
到達基準
授業目標
未到達基準
□反応速度の定義と速
度式について説明できな
い。
□反応速度に影響する
1.速い反応と遅
因子をあげることができ
い反応がある理
ない。
由を説明できる
□衝突理論の概要を説
明できない。
□簡単な反応の速度,反
応次数,時定数を計算で
きない。
□反応速度を調べるため
の測定項目をあげること
ができない。
2.反応速度を調 □反応速度を調べる実験
べる実験的手段 にの用いる機器,設備を
を例示できる
あげることができない。
□反応速度を調べる実験
方法と用いる機器等の原
理を例示できない。
標準基準
□反応速度の定義と速
度式について説明でき
る。
□反応速度に影響する
因子をあげることができ
る。
□衝突理論の概要を説
明できる。
□簡単な反応の速度,
反応次数,時定数を計
算できる。
□反応速度を調べるた
めの測定項目をあげるこ
とができる。
□反応速度を調べる実
験にの用いる機器,設備
をあげることができる。
□反応速度を調べる実
験方法と用いる機器等
の原理を例示できる。
優秀基準
□反応速度の定義と速度
式について具体例をあげ
ながら説明できる。
□反応速度への影響因子
を定量的に評価してあげる
ことができる。
□衝突理論の概要を具体
例をあげて説明できる。
□いくつかの反応の速度,
反応次数,時定数を計算で
きる。
□反応速度を調べるため
の測定項目をあげ,測定
値の取り扱いを説明でき
る。
□反応速度を調べる実験
にの用いる機器,設備を要
件を含めてあげることがで
きる。
□反応速度を調べる実験
□具体的な反応について
□反応断面図を用いて反 □反応断面図を用いて
反応断面図を用いて反応
応熱を説明できない。
反応熱を説明できる。
熱を説明できる。
□遷移状態理論を説明 □遷移状態理論を説明
3.発熱反応と発
□遷移状態理論をアイリン
できない。
できる。
熱反応の差異を
グの式を用い,衝突理論と
□反応の有効エネル
□反応の有効エネル
説明できる
の差異を含めて説明でき
ギーを発熱反応と吸熱反 ギーを発熱反応と吸熱
る。
応について説明できな
反応について説明でき
□反応の有効エネルギー
い。
る。
を原系と反応系の状態と関
□反応速度の温度依存 □反応速度の温度依存性
□反応速度の温度依存
性についての計算がで についての計算し,反応系
性についての計算ができ
きる。
のエネルギーについて考
ない。
4.反応速度とエ
□アレニウスの式とその 察できる。
□アレニウスの式とその
ネルギーの関係
熱力学的解釈を説明で □アレニウスの式とその熱
熱力学的解釈を説明でき
が説明できる
きる。
力学的解釈を微視的観点
ない。
(C1-4)
□反応速度とエネル
を含めて説明できる。
□反応機構と反応速度ギーの関係を反応機構 □反応速度とエネルギー
エネルギーの関係を説明
と関連付けて説明でき の関係を複数の反応機構
できない。
る。
について説明できる。
A
B
C
80%
20%
0%
25
5
15
5
15
5
25
5